GBR(骨誘導再生法)とは?(閲覧注意)

たまには歯の話を。今日はオペの写真を出しますので、気の弱い人は見ないように。
私のオペは最近特に「できるだけ患者様自身の組織を利用する。低侵襲。ステップバイステップで確実に。」という方向に収束してきておりますので、他の歯科医院のホームページに紹介されているGBRに比べると「派手さに欠けたり、少々期間がかかったりする」部分があるかも知れません。

インプラントを長持ちさせる為には、インプラントの周囲に(2㎜程度の)骨と(3㎜程度の厚みの)軟組織と(2㎜程度の)角化粘膜が存在している事が理想とされています。
平たく言うと、「インプラントの周囲が必要十分な骨や粘膜でしっかりカバーされていると長持ちする」と言う事なんです。

でも、歯を抜いてしまうと骨も軟組織も半分位に減ってしまう事が多いので、しばしば骨や軟組織を移植する手術を併用します。

今日はその一つ、骨を増やす手術について解説します。現在では 骨誘導再生法=GBR(Guided Bone Regeneration) が一般的に採用されます。

繰り返しになりますが、手術の写真を見たくない方はここで閉じて下さい。

では、始めます。

(入れ歯では無く)インプラントで機能回復をします。でも、インプラントを埋入するには幅が狭すぎます。
}の所がコニカルコネクションのインプラント体。長期的に安定して機能させるにはインプラント全体が骨の中にしっかりと納まる必要があります。
ノーベルガイドを使って3次元的に正確なポジションに埋入します(Guided Surgery)。
3次元的に理想的な位置にインプラントを埋入しました。でも手前の方のインプラントの一部が露出しています。
そこに、自家骨移植を行いました。人工骨の使用量を減らすかゼロにするように努めています。
吸収性メンブレン(サイトランスエラシールド)を設置して自家骨をカバーします。(自家骨移植を併用するこの術式は大阪口腔インプラント研究会倫理委員会の承認を得て行っております。)
減張切開をして粘膜を寄せます。
連続縫合で閉鎖しました。
厚みが増しています。(インプラント周囲に安定した骨が出来るのを待って)約6か月後に軟組織の移植をする予定です。
上の写真と比べてみてね。

GBR(骨誘導再生法)の実際がどのようなものか、御理解頂けましたでしょうか?

多くの歯を失ってしまった後、まともに噛めるように機能回復しようとすると、このように肉体的にも精神的にも経済的にも結構大変です。
こうなったのも、とっっかりは虫歯にして、痛くなってから歯医者に行く「後手後手」のパターンしか知らなかったためです。早期に予防歯科医に出会っていたら良かったんだけどね。ちょっと気の毒だ。

最後に。いつものセリフですが、「予防をして持って生まれた自分の健康な歯を維持さえすれば、タダで最高のモノを手にし続ける事ができる」のです。だから、しっかりと予防に努めてね。