カテゴリー別アーカイブ: 最重要!予防のキーポイント

ジュースは朝ごはんの時だけにしてね

夏休みに入って子供達が家にいるようになっています。

我が家も同様で、息子二人が全然勉強せずにラジコンで遊ぶか、勝手に自転車で出かけてお昼時にも帰って来ないか、朝から床にゴロゴロして本を読んでいるかで、全然言う事を聞かないので妻が壊れかけております。(「女には解らん男の価値観ってもんがあるんじゃ。もっともっと好きにやって、女に教えてやれ!」と、息子達を心の中で応援しつつ、怖いので自分の部屋に逃げ込んでこのブログを書いています。)

さて、学校に行かないと生活リズムが崩れます。それから、暑いから冷たい飲み物が飲みたくなりますね。

①1リットルのパック入りのジュースは野菜生活であってもなるべく買わないように頑張ってあげて下さい。

②もし魔が差して1リットルのオレンジジュースなどを買ったとしても、「飲むのは朝ごはんの時だけ、後は昼も夜も麦茶しかダメ!」と指導してあげて下さい。ジュースをダラダラ飲むと前歯が確実に虫歯になるし、血糖値が高いままになってご飯をまともに食べなくなり、体や心にも悪いから。

③アイスクリームもたまには良いけど、6本入りのパックが冷凍庫に入っていて毎日食べるような状況にするのは避けてあげて下さい。(1日2、3本とかは論外ですよ!)

子供の体は大人と違って小さいし、成長発育の過程にあります。体と心の成長が完了する時まで、一日、一日を大切にしてあげて下さい。

甘いものを飲んでも、食べてもいいんですよ。ただ、頻度をコントロールしてあげて下さい。

無限の可能性を秘めた、彼、彼女の将来の為にね。

イヤー、部屋に籠っているから、筆が進むわ。

最近の若いお母さんは本当に偉い!

最近は三田市の3歳児健診に出務しても虫歯を見つける事が無い程に、若いお母様方の歯に対する意識が高まっています。世の中、変われば変わるものです。

さて、今日の予約の中に「○○様(3歳・初診・虫歯)」という方がおられました。約束の時間ピッタリに、小さな、とても元気なお子様3人をお連れになったお母様が申し訳なさそうに入って来られました。初めまして、ようこそ英保歯科へ。

お母様:「先生、虫歯ができちゃったんです・・・。」

私:「ホンマに虫歯ができたの?3歳で?穴が開いてるの?」

お母様:「スミマセン・・・。奥歯が茶色くなっているんです。」

私:「どれどれ?とにかく、ちょっと見せてね。」

(この写真はイメージです)「虫歯ができた」との事でしたので、こんな感じのお口の中を想像していました。黄色い矢印は帯状にべったり付着している歯垢を示しています。この子は「歯磨きしないから」虫歯になったのでしょうか?
実際はこんな状態でした。確かに茶色くはなってはいるが・・・。
極細の歯科用器具(探針)で弾くと、ご覧のように取れました。食べ物の破片が詰まっていただけだったようですね。しかし、唾液量が多くて素晴らしい。
これだけ唾液が多いと、そう簡単に虫歯になんかならないよ。というか、虫歯にしたらダメだよ。
この子の前歯。上の前歯の間(青矢印)の所も虫歯にしていない。甘い飲み物のコントロールが出来ている証拠。
唾液の量も理想的に多い(緑矢印)。きっと「早寝・早起き・朝ご飯」ができているのだろうと勝手に想像。

私:「虫歯じゃないよ。ちゃんとできていますよ。お母さん立派なもんだ。しかし、最近の若いお母さんは本当に偉いね。30年前の子供は虫歯だらけだったけどな。これからはもっと積極的に予防して、3人のお子さん全員、虫歯ゼロの人生にしてあげて下さい。難しい事じゃないよ。」

お母様:「良かった!これからはちゃんと予防に連れて来ます。」

最近の若い世代は凄いな。地球環境の先行きにも不安があり、経済が停滞してあまり贅沢もできないのに、「本当に大切なものは何か」をしっかりと見抜いてクレバーに、クールに、確実に生きている人が多い。

本当に大切なものは何?きっとヴィトンのバッグじゃないんだろう、とは思う。

おっさんの英保先生ですが、私の価値観はむしろ今の若い人達に近いかな?なんて、感じています。

後ろから指で押したら100万円Get!?

矯正治療は保険が効かないので、なんやかんやで100万円位かかります。でも、人生90年として1日30円程度の投資なら私は安いと思います。皆さんの価値観からするとどう思われますか?

さて、小学校1~2年の頃に上下の前歯が生え代わります。上の1番という前歯が表側に、下の1番という前歯が内側に位置する事が上下の顎の骨の成長を理想的な方向(上顎はしっかり外に大きくなり、下顎は必要以上に出てこない)に導くために非常に重要です。(ちなみに2番は顎の成長方向にそこまで決定的な影響を与えません)

その年代の子。下が1番と2番に生え代わっています。左右で4本ですね。上は1番が出て来ています。左右の2本ですね。わかるかな?
黄色の線で描いたような形の1番が歯肉の中に存在しています。これからドンドン出て来ます。楽しみですね!
でも、よく見ると上の1番が下の1番の内側に向かっています。さあ、えらいこっちゃ!矯正!?お金かかるし・・・。
指しゃぶりをする子は出っ歯になってしまう事はご存知ですよね。ここではその副反応(?)を上手く利用して、上の1番がちょっとだけ前に出てくれるように、ちょくちょく指で押して(徒手矯正)みましょう。あわよくば・・・。
滅茶苦茶な力で押すのはNGですよ。指の腹を表に向けて下の前歯で爪を噛む要領です。上手く行けば入れ替わりますよ。

なお、既にかなり歯が生えてしまっており、完全に逆になってしまってロックしている場合にはこんな方法では絶対なおりません。潔く矯正歯科医に相談しましょう。この写真のようなタイミング(時期)限定ですよ。

注意!:色々な考え方があり、ここで紹介している事が絶対では無いので、必ずあなたのかかりつけ歯科医に相談し、その指示に従って下さい。

この子とその保護者には、そのように指導させて頂きました。又の機会に経過をレポートさせて頂きますね。きっと上手く行くと思っています。楽しみです!

「炭酸は三田から出た時だけにしています。」←偉い!

学校健診で①歯垢②CO(虫歯になりかけの歯がある)③永久歯の虫歯の3つにチェックされてしまった、けやき台中学校2年生の男子生徒さん。今日お母様と一緒に来院されました。小さな頃から英保歯科のファミリーでずっと予防歯科の為に通院されており、過去に虫歯にした事は無いのですが、中学校に入って部活や勉強が忙しくなってきたのか、コロナせいで遠慮されたのか、ここ半年ほど予防の為の来院が途絶えていたのです。

お口の中の写真を撮って、それを見ながら本人と母親と私の3人でディスカッションしてゆきます。

私:「最近、塾や勉強が忙しくなってきた?ジュースやスナック菓子を食べながら勉強したりしていない?」
母:「塾には行っていません。小さい頃に英保先生からハイチュウはダメと言われてから本人がやめましたし、親もその類のものは気を付けるようにしています。」
私:「部活は運動部?スポーツドリンクを毎日飲むようになったとか?」
母:「剣道部ですが、そこではお茶しか飲みません。」
私:「それは賢明だね。テニス部に入ってスポーツドリンクを飲むようになった途端に虫歯にしだした子がいるんですよ。」
母:「実は・・・。この子コーラが大好きで、半年前まで毎日飲んでいたんです。でもこのままじゃダメって話し合って、『炭酸は(旅行などで)三田から出た時だけにしよう』という約束にして、半年前から飲むのを完全にやめました。コロナ自粛で旅行にも行けないので、結局最近は全然飲んでいません。」
私:「偉いね!少しは嗜好品を楽しむ時も必要だから、そのルールって天才的に素晴らしいよ。今日のブログで紹介させてね。ところで、このCO って指摘されたのは下顎の一番奥の歯なんだけど、そうなったのは半年前までのコーラの習慣のせいだろう。今から気を付けたらほとんど進まないと思うよ。」
母:「良かった。(子供に向かって)頑張ろうね。」
私:「ただ、(写真を指しながら)歯磨きはもうちょっと丁寧にやってね。それから年に3回は予防治療を受けて下さい。」
母と本人「ハイ、わかりました。有難うございました。」

黄色はべったり付いた歯垢。赤の歯垢はフロスしないと絶対取れない。でも中2男子の口の中ならこれで普通です。親の言う事をキッチリ聞いてちゃんと歯磨きする訳がない。心身共にすくすく育っている証拠ですね。年齢的に難しい時期だからこそ、戸棚や冷蔵庫のポケットに入っている食べ物や飲み物は親が上手にコントロールしてあげましょう。それから月に1回でも良いのでフロスをしてあげて下さい。(写真はイメージで本文の内容とは一切関係がありません

家族の為に(ちょっと不便だけど)環境の良い三田に住む事を選び、剣道部での心身の鍛錬と自宅での自発学習という文武両道のバランスがとれた導きをされ、心と体の健康に留意して子育てをされているお母様。本当に偉いと思います。

子供に対する「真の愛情」を見ました。我が家でも見習いたいと思います。

「虫歯予防?歯磨き!」←パブロフの条件反射?

幼い頃から「ウチの子」だった(=英保歯科に年3回予防に通院していた)中学3年生の女の子。進学校に通い、テニス部で活躍する文武両道の立派な女学生になっています。頑張ってるね!

でも、最近はとても忙しいようで、半年以上予防に来てくれていませんでした。今回学校健診で「要観察歯2本」との指摘を受けて、即来院してくれました。感心、感心。「どれどれ?歯の写真を撮って、見て、一緒に考えてみよう。」と私。

どこが虫歯かわかりますか?
赤の所から穴があいてきており、オレンジの範囲まで広がっています。もう一度、前の写真を見て下さい。オレンジの範囲の色が違う(何となくグレー見える)のがわかりますか?
しかし、学校健診のような環境で良く見つけてくれたと思います。こちらの校医の先生の熱い想いが伝わってきます。
今日のところは説明と、歯石除去と、矯正用のゴムを挿入するところまで行いました。一旦歯の間を0.5ミリほど広げて、そこから虫歯にアプローチする予定です。歯をなるべく削りたくないからね。
どこが虫歯でしょう?何が問題なのでしょう?
オレンジの所が初期虫歯。黄色の所には歯垢がべったり。


さて、どうしたら良いのでしょう?→黒くなっている部分を削ってつめる。
何が問題なのでしょう?→磨き方が悪い。
どうすれば予防できるのでしょう?→歯みがき。

皆さんはこのようにお答えになるかも知れませんね。

同じ質問を彼女にしましたが、流石ウチの子です。「歯みがき!」とは言いませんでしたね。答えに困って無言で考えていましたが。

黄色の所の歯垢はブラシで取らなければなりません。磨き残しの癖があるだけなので、指導をすれば今日から上手に取れるようになるでしょう。ところで、オレンジの所って歯ブラシの毛先が入るの?2番目の写真の赤い〇の所(歯と歯の間)も歯ブラシの毛先で掃除できるの?

私:「最近塾通い始めた?食生活環境が変わった?コンビニでジュースを買っていない?夜勉強しながら何か食べていない?」
彼女:「塾には行っていない。甘いものはあまり食べないようにしていますが、テニス部なので、そういえば、スポーツドリンクをよく飲みます!」
私:「それだな。可能な限り、冷えた麦茶に変えて。フロスも、週に1回、月に1回でも良いからやって。そして予防の為に通院して欲しい。歯はその人の考え方や価値観で重要度が決まる。英語なんか喋れなくても日本に籠っているなら関係ないとという人もいれば、そうじゃ無いと考える人もいる。歯も『虫歯でボロボロになっても日本に籠って住むなら大丈夫』という人もいれば、そうじゃ無いと考える人もいる。(日本人には人権があるから)どう考えるかはあなたの自由だけどね。」
彼女:「(将来に備えて)ずっと綺麗な歯でいたいです。スポーツドリンクは控えて、以前のように予防に来ます。」
私:「そうだね。未来あるあなたなら、そう考えるべきだと思うよ。」

日本人の多くは「虫歯予防=歯磨き」と、パブロフの条件反射のように答えるのですが、それって正しいのでしょうか?

正解はこうでしょう。家庭では、食生活習慣、フッ素、フロス、歯ブラシ。歯科医院では予防歯科治療(プロケアー)を受ける。

日本人も、もうそろそろカリオロジーを知って、その条件反射を卒業しませんか?

カリオロジーで考えると・・・

加茂の辺りをサイクリングすると関学三田キャンパスの学生さんが住んでおられるアパートが沢山建っているのに気が付きます。我が故郷・山崎町のナンバーが付いた原付が停まっていたりして、「みんな健康に気を付けて、無理せず大学生生活を楽しんで!」なんて心の中で呟いたりしています。

で、そんな関学の学生さんが加茂から近い歯医者をグーグルで検索すると英保歯科が上がってくるようです。評価の星が4つで口コミが英語で書いてあったりして、ホームページを見ると世界水準とか書いてあるので「まあ、良さげやな。」とそのままスマホで電話してみるとすぐに予約も取れたし。「それで英保歯科に来ました。ホームページに予防歯科?ああ、そんな事書いてありましたね。」というレスポンスが結構多いのです。

ようこそ英保歯科へ。たまたまここに来ちゃったけど、ひょっとしてあなたの人生が変わるかもよ。

「まあ、ここに座って。」

左の銀歯は2か月前に故郷でやってもらったそうです。右の黒い所が心配で(縁あって)英保歯科に来院してくれました。「写真を使って説明しますね。」と、いつもの私の話が始まります。

今回来て下さった彼にお伺いすると、建築を学んでいる理系の学生さんでした。理系なら話が早い。写真を見せながら色々質問をして理論的に考えてもらいました。まるでゼミみたいにね。

「この銀色の構造物(オレンジ)は後何年位持つと思う?」

「6歳で生えた歯が12年間かかってこの程度の着色(緑)だが、今すぐ削って銀歯にした方が良いか、経過を見た方が良いか、どう思う?」等々。

カリオロジーをベースに考えてもらうのです。

頭の良い彼は私が伝えたい事をすぐに理解できました。「左はまだ削らずに予防歯科をした方が、かえって長持ちしそうですね。」と。

「是非、ホームページの予防の所を読んで下さい。面白かったらお友達にも読むように勧めてあげて下さい。将来ある関学の学生さんには、歯(=人生)を大切にして頂きたいのです。」ともお願いしました。

お口の中を拝見しただけで、彼が18歳になるまでご両親がいかに健康に留意して大切に育てて来られたかが判ります。これからは年に3回予防歯科に通院し、自分の歯を一生無垢の状態で維持するようにして頂きたいと切に願います。

関学の学生さん、歯で悩んだり歯の治療に時間(やお金を)かけたりするような愚かな事は予防して、人生の時間を有意義に使って世の中の役に立って下さいね。

歯磨きは二の次、三の次

友人のNさんが「こんな記事を見ました。どうなんでしょうか?」と連絡して来てくれました。興味深い内容ですのでシェアーして皆で考えてみたいと思います。是非読んでみて下さい。

歯磨きに「虫歯を予防する効果はない」衝撃事実
「虫歯を減らす」たった2つの方法とは?
山本 龍生 : 神奈川歯科大学大学院歯学研究科教授・歯学博士

まあ、概ねその通りだと思いますが、「釣り」のためにタイトルを多少ショッキングにしてありますね。歯磨きも必要ですよ。べっとりと付着している歯垢の下では、やはり歯が溶けてゆきますから。

ちなみに、この山本龍生教授は岡山大学の後輩です。岡山大学は接着歯科と予防歯科の教育に非常に力を入れているので、私や彼のような予防を非常に重要視する歯科医師が出てくるのです。自分が岡山大学卒で良かったと思っている大きな理由の一つでもあります。

さて、皆さんはどう思われましたか?

歯磨きに「虫歯を予防する効果はない」のでは無く、歯ブラシだけでは虫歯の予防はできない。フロスとフッ素入りの歯磨剤の使用、そして予防歯科治療(年3~4回のプロフェッショナル・クリーニング)を受けなければ、虫歯(や歯周病)を予防する事は不可能である。更に、最も重要なのは、食生活習慣がある範疇を逸脱していたら、いくらこれらを実践しても予防は不可能である。と言う事です。

つまり、歯磨き(歯ブラシ)だけしておけば虫歯を予防できると思い込んでいる事が大きな間違いなのです。

10年くらい前の出来事ですが、このような忘れられない経験があります。父親が「歯が痛いと言っているから見てやってくれ」と突然連れてきた小さな子。嫌がって泣き叫ぶこの子の虫歯治療を(その当時はスタッフが抑えつけて)無理やりやって、何とか最後までやり終えた時、その父親が子供に向かって「だから言ってるやろ。お前が歯磨きせえへんからこんな事になるんや。」と吐き捨てるように言い、その子は「歯磨きしてるもん。」と泣きべそをかいていました。「違うんだけどな・・・。」と心の中で呟いた私。その親子とはそれが最初で最後のご縁でした。

ちなみに、イギリスでは子供を酷い虫歯にしている親は虐待罪で逮捕されます。

日本では皆さんの想像も出来ないような歯の状況の大人や子供が世の中に居る事も事実です。自由・人権・ゆとりで各個人の好き勝手にさせてあげるのも良いですが、将来ある子供達の歯の健康は、誰かが声を上げて、分け隔て無く普遍的に守ってあげるべきではないでしょうか?

山本教授と同様に私も声を上げ、引き続き予防歯科の普及を通して未来ある子供達の歯(=人生)を守って行きたいと思います。

なお、先日若草幼稚舎の歯科健診に行ってきましたが、それはもう見事なもので虫歯のある子はほぼ皆無。笑顔はじける元気な子供達ばかりで嬉しくなりました。最近の若いお母様方がどれだけしっかりと子育てをされているのか良くわかりましたよ。感心、感心。

水と安全と医療はダダ同然?

私が18歳からベジタリアンを続けている理由は、動物を殺してまで食べたくないからです。虫も殺さぬ何とやらと言いますが、虫を殺す時すら「ごめんな」と謝る程の殺生が嫌いな平和主義者です。それでも日本が侵略されたら、自衛隊員の皆さんと共に戦う覚悟はあります。中高生時代に白陵で軍隊式教育を受けたせいかな?

イザヤ・ベンダサン氏は彼の著書『日本人とユダヤ人』の中で「日本人は水と安全はタダと思っている」と述べています。

私は長年日本で歯科医療に従事してきた者として、これに「医療」を加えたいと思います。

大半の日本人は、歯が痛くなってから健康保険証を持って歯医者に行けば数千円で「歯が治る(=ほぼ元の状態に戻って、あわよくばそれが一生持つ)」と無意識に思っているのです。
まさに、水は「蛇口をひねれば、飲める水が出てくるのが当然」で、安全は、例えば「中国軍が本州に上陸してきたら、自衛隊と米軍が戦うのが当然」と無意識に思っているのと同様です。

そして大半の日本人は、いよいよ歯の状態がどうしようも無くなってからも「どこかに保険治療で(=タダ同然で)完璧に元の歯のように戻してくれる歯科医院があって当然。だってここは日本だから。」という幻想を抱いて、その結果、自称「歯医者難民」になるのです。

残念ながら、水も安全も質の高い医療もタダでは無いのです。

令和3年の時点の平均的な日本人の口の中。数千万円の家と、新車が買える経済力があってもこの状態。
平均的な保険の治療が施してあります(黄色のところ)が、素人目から見ても、どうですか?Poor に見えませんか?(ここで言う Poor は貧乏という意味ではありません。念のため。)
我々日本人歯科医師は米国はおろか、今では台湾の学会でもこのような日本人の歯の実態の写真を見せる事ができません。余りにも恥ずかしいから。

ただ、幸いな事に、歯科医療に関しては「タダ同然」にする方法があります。親から貰った最高で最強の「持って生まれた歯」を大切に大切にして、完全に予防するのです。そうすれば本当に一生「タダ同然」で行けますよ。歯医者難民にもならずに済みますし、もう、この手を使うしかないね。

絶対フロスしてね。最初は月一回でもいいから。


今日、健康美という表現がピッタリの、20歳の女性が定期健診に来てくれました。いつもちゃんと来て偉いね。しかもかなり奇麗に歯磨きできています。偉いね。

20歳の女性の前歯。ブラッシングも良く出来ているし、すり減ったり、ヒビが入ったりしていないので美しいですね。でもよく見ると・・。

私:「奇麗に歯磨きできているね。頑張ってやってるの?」
彼女:「ハイ(⋈◍>◡<◍)。✧♡ 一生懸命磨いてます!」
私:「偉いね。ところで、フロスもやってる?」
彼女:「・・・。家にはあります・・・。」
私:「そうか。さっき撮らせてもらった、この写真を見てごらん。」

歯と歯の隙間に歯垢が残っています。黄色く変色してベットリ固着している感じで、長期間ここに存在しているようです。

私:「歯ブラシで落とせる歯垢は完璧に落とせているよ。素晴らしい。でもこの部分(オレンジ)の所には随分昔の歯垢が残ったままになってるよ。」
彼女:「ホントだ・・・。_| ̄|○ 。」
私:「歯垢が残っているこの部分から虫歯になって、茶色い穴があいてくるよ。カッコ悪いし、奇麗な歯がもったいないよ。どうしたら予防できるわかるね?」
彼女:「フロス・・・。今日からします!」
私:「最初は週に1回でも、月に1回でもいいからやってね。英保歯科に予防に来た時に衛生士の先生がやってくれるだけなら、年にたった3回。120日間はここの清掃をしていない事になるから、そりゃ虫歯になるわな。」
彼女:「よくわかりました。有難うございます。」
私:「偉いね。こんなに奇麗な歯なんだから、大切にしてね。」

皆さんもご覧になってわかりましたね。「難しいから、邪魔くさいから」と諦めてしまわずに、必ずフロスの習慣を身に付けて下さいね。
それから、子供さんにもせめて月に1回はやってあげて下さい。糸ようじでも良いですよ。

フロスの仕方はこちらの You Tube を見てね。私が解説しています。デンタルフロスの選び方と使い方 

予防に興味の無い人「あるある」

歯が痛い時だけ電話をして来られる方がおられます。先日の朝、10時頃に電話がかかって来て、「歯がグラグラして痛いから、今日の午前中に診てくれる?」との事。アポイントに空きさえあれば対応させて頂くのですが、最近ファミリーの方の治療で非常に忙しいので、ほぼ後日のご案内となってしまう事がほとんどです。申し訳ない事です。

結局、3日後に御来院頂きました。こちらの初老の紳士は約2年ぶりの来院になります。「(歯周病で)グラグラになってしまった歯を抜いて欲しい」との事でした。今回もご希望に沿ってそのようにさせて頂きましたが、重度の歯周病で随分と歯の数が減ってきています。

過去数年来のお客様で、今まで何度も予防歯科やメインテナンスの重要性を一生懸命お話させて頂いたのですが、私の説明が下手なようでご理解頂けないようです。あまりしつこいのも良く無いでしょうから、最近はお話しないようにしています。

別の方ですが、この方と同様に過去に何度も何度も説明したのですが伝わらず、結局予防歯科に価値を見出せなかった高齢のお客様がおられます。最近ついにほとんどの歯を失って大きな入れ歯になったのですが「まともに食べられないから、食事が(≒生きている事が)おっくうになってきた。」と仰っていました。「歯を失った方は皆さんそのように仰いますね。」とお答えしました。無言でしたが、非常に後悔されているような表情でした。

ところで、このような「予防やメインテナンスを受けない中高年の方」に共通する特徴があります。それは
①問診表に書き切れないほどの薬を飲んでいて、「多すぎて書けないから、お薬手帳を見て欲しい」と渡して下さる事が多い。
②糖尿病や心筋梗塞や脳梗塞など、歯周病と関連する病気を持っている。
③歯が抜けているので皺が増えたり、口元が貧素に見えてしまい、どうしても年齢より上に見えてしまう。

こちらの方もやはり、お薬手帳と糖尿病と歯周病の3点セットでした。日頃から予防歯科を実践していたら、3つとも防げたかも知れませんね。

全身の健康と歯の健康は密接に関係しています。歯は大切にされた方が良いですよ。