オーバーブラッシングによる弊害

普通の硬さか、むしろ柔らかめの歯ブラシを使って優しく丁寧に磨いて頂きたいのですが、性格が真面目過ぎたり、清潔志向が強すぎると、ついつい力を入れてゴシゴシ。

一生懸命磨き過ぎる傾向がある方の歯肉。どこに問題が起こっているのか解りますか?
歯ブラシでこすり過ぎて、黄色の所の歯肉の皮がむけちゃっています。(もう一度上の写真を見返してみて下さい。そうして頂くと良くわかると思います。)

このような磨き過ぎの事を「オーバーブラッシング」と呼びます。口臭を気にし過ぎて磨き過ぎると、皮がむけて出血するので口から「血の匂い」がするようになります。その匂いが気になって更にゴシゴシやって、益々口から血の匂い(これも口臭と言えます)をさせてしまうという、ウソみたいな悪循環が起こってしまうのです。特に若い女性に見られる現象です。

同じ方の上顎の奥歯。ピカピカに磨いてありますが、オーバーブラッシングで歯肉がすり減らされて下がってしまっています。(本来はオレンジのラインまで歯肉があったはずなのですが・・・。)

オーバーブラッシングで歯肉が減ると(上の写真のように)歯根が露出してしまうので冷たい水がしみ出します。知覚過敏です。「冷たい水がしみる。虫歯にしてしまったのかも?」と思ってますますゴシゴシやってしまって、ますます歯肉が下がって、ますます水がしみるという、ウソみたいな悪循環が起こってしまうのです。

これにジフまがいの安価な歯磨き粉を使うと、もうお手上げです。「虫歯になっているはず。だって、物凄くしみるから。」と、初診でお見えになった方に「虫歯はありませんよ。」と言っても「こんなにしみるのに虫歯が無いはずがない!」と、信じて頂けない事もしばしばです。

そして、これだけオーバーブラッシングしている方ても「フロスは邪魔くさいので、ほとんどしません。」という人が多いのです。そして本当に虫歯や歯周病にしてしまうのです。

歯ブラシとフロスを正しく上手に使いましょう。解らない事があれば担当の歯科衛生士の先生に気軽に尋ねてみると良いでしょう。