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黒い虫歯‐慢性う蝕とは?

慢性う蝕という考え方があります。虫歯は虫歯なのですが、茶色ではなく黒くなっていて、ゆっくり、あるいはほとんど進行しない虫歯の事を言います。

予防歯科の考え方が無かった昭和の時代は小学生のほぼ全員が虫歯にしていました。前歯の乳歯などはサホライドという進行止めを塗られて真っ黒になっていました。「ラニングシャツに丸坊主の小学生がニヤッと笑ったら前歯真っ黒」という、例のやつです。ご存知?

また、昔の日本には「お歯黒」という習慣がありました。タンニンを塗布して歯を黒くするというファッションなのですが、歯のガングロだと思って下さい。時代と人によってはこれが美しかったのです。このお歯黒も虫歯の進行を止める効果があります。

緑はアマルガム。何十年も前に詰めたものです。殺菌性のある銀が含まれているのですが、今では世の中から消え去りました。
黄色は慢性う蝕。フロスをする習慣が無かったけど、甘いものを口にする頻度や色々な食生活習慣がさほど悪くなかったのでしょう。ですから何十年もかかってこの程度の進行で済んでいます。
赤の所は欠けてきたから、そろそろ修理しますかね。でも慢性う蝕だからほとんど進行しないけどね。
緑も黄色も赤もぜーんぶ一直線に削って、歯型とって、銀歯はめたら話は早いよ。そうする?

黒い慢性う蝕を(茶色い普通のう蝕のように)削って詰めるべきかどうかは、かかりつけの歯科医院が「時間軸で経過を見る」中で判断すべきです。ですから、定期的に予防歯科に通院する中で慎重に判断する必要があるのです。

ややこしく考えずにドンドン削って詰めておいたら(頭を使う必要が無いので)簡単なのですが、歯を長ーく使って頂くためには、よーく考えて、慎重に、慎重に。これが英保歯科スタイルです。

くさび状欠損は磨き過ぎのせい?

「奥歯がしみる。知覚過敏?えぐれたようになっているから虫歯かな?奥の歯は黒い所もあるからきっと虫歯だ。削って詰めてもらおう。」

青い部分は歯ブラシでゴシゴシやり過ぎてえぐれちゃった。緑の部分は虫歯。だから両方削って詰めるのがベスト!←・・・。ホントかな?

「そうですね。歯ブラシで力任せにゴシゴシやるからこんな風になるんですよ。もっと優しく磨いて下さい。後ろの歯の黒い所は虫歯になっているし、麻酔をして、両方削って詰めるようにしましょう。」

「有難う御座います。これで安心だ。」

歯医者でよくある会話を想像するとこんな感じでしょうか?

青い所は噛む力によって構造の弱い所がパラパラと壊れてきていると考えられています。緑の所は慢性う蝕といって、ほとんど進行しない、まあ、虫歯と言えば虫歯ではあります。

予防歯科を核に据え、歯をかけがえの無いものだと考えている英保歯科ではこんな感じで会話が進みます。

「歯の頭の部分はエナメル質という硬い構造で出来ていて、根っこの部分は骨に植わさってしっかりホールドされているので、噛む力によって折曲げられた構造の弱い場所が壊れてくるんです。氷をバリバリ噛んだりしてませんか?やっぱりそうですか。とにかく歯をいたわって使わないと90年も持ちませんよ。こっちの黒い方は慢性う蝕なので、削る方がかえって歯の寿命を短くする可能性が高いかもしれません。」
「選択肢として、①歯をいたわって使って、予防に通院して頂きながらこのまま様子を見る。②しみる症状が強ければ、知覚過敏の処置をするか、レジンでコーティグする。③良くやられているように麻酔をして削って埋める。の3つがあります。」

「先生のお勧めは?」

「①です。一旦手を着けたら2度と元には戻せませんから、慎重に行く事をお勧めします。」

「私もそれが良いです。来月また予防を受けてもいいですか?」

「どうぞどうぞ。感心ですね。それまでに何かあったら、遠慮なくドクターのアポイントをして下さい。」

「有難う御座います。」

皆さんのお好みはどちらでしょうか?

伝染るんです、お隣の歯に。

この自粛の時期に「伝染るんです」という言い方はちょっと無神経かも知れませんね。

今日は虫歯菌の話。虫歯の穴の中で増殖した虫歯菌が、お隣の歯に対しても猛攻撃して、お隣の歯まで虫歯にしてしまうという、(恐ろしい)お話をしたいと思います。

まずは、この写真を見て下さい。

Eは乳歯。6は6歳臼歯(永久歯)です。「歯が欠けた」との事でご来院頂いたのですが、残念ながら乳歯の虫歯ですね(オレンジの部分)。今回注目して頂きたいのは6歳臼歯の側面(数多くの紫の矢印で囲まれた部分)なのです。

そこが白っぽくなっているのが解りますか?これは「初期虫歯」といって、このまま対策を立てずに放置すると茶色くなって穴が開いてきてしまう緊急事態なのです。一生使う、大切な永久歯なのに・・・。

Eの虫歯の穴の中にいる虫歯菌が出す酸は、(当然ですが)接触しているお隣の永久歯の表面も溶かしてしまいます。

この白濁ですが、昨日のエナメル質形成不全と同様にしっかりケアーすれば大丈夫です。

この白濁はブラシやフロスで常にピカピカにしておけば、唾液中のカルシウムや歯磨きやホームジェルの中のフッ素によって、完全に元の状態(元の色)に戻す事ができます。(穴が開いてからでは絶対不可能ですよ。)

6歳臼歯とEの間を虫歯にするのは「大問題である」事が解って頂けました、ね?

エナメル質形成不全でも、一生バッチリ使おう!

「先生、これって虫歯ですか?乳歯?永久歯?3人目の子供がお腹から出てくる前に診てもらっておこうと思って。」
妊娠最後期のお母様が6歳の長女さん(と次女さん)を連れて、時間通り来院して下さいました。天気が悪い中、身重で二人の手を引いて大変だったでしょう?お子様達に対する深い愛情を感じますね。素晴らしいね。

「どれどれ、ちょっと見せてね。」と私。長女さんのお口の中を拝見すると、下の写真のような感じでした。

心配の種は右側の茶色い歯。これは6歳臼歯という永久歯ですが、色が通常より茶色いですね。ウーン、エナメル質形成不全ですね・・・。

新しく生えてくる永久歯は乳歯より少し黄色いのが普通で、「先生、新しく生えてきた前歯の永久歯の色が黄色いので心配です。」との質問はしょっちゅう受けます。

でも、今回は少々問題が複雑です。生えて来た6歳臼歯の表層が上手い具合に出来なかったようです。エナメル質形成不全ですね。ご覧になってわかるように、残念ながら色合いが通常より褐色ですし、残念ながら強度も通常より弱いのです。

歯の最表層はエナメル質と呼ばれ、ハイドロキシアパタイトと言う固い構造で出来ています。生えたての歯はこのアパタイト構造の成熟が不十分なので、まだカチカチではありません。でも、そこにフッ素(正確にはフッ化物)を上手く利用すると、ハイドロキシアパタイトがフルオロアパタイトになってくれて、虫歯菌の出す酸に非常に負けにくい強度にアップします。フッ素コートをイメージしてもらったら解りやすいと思います。

最近の若い人の虫歯が激減している理由の一つは、マーケットで普通に販売されている歯磨きペーストのほぼ全てにフッ素が添加され出したからなのです。

エナメル質形成不全のこの6歳臼歯ですが、気にならなくても、悲しんでも、とにかく何があっても一生この6歳臼歯と付き合っていくしかありません。

でも、大丈夫ですよ。対策はあります。

おやつは時間を決めて一日一回。冷蔵庫にジュースを買い置きしない。この歯にホームジェルを毎晩塗り込めば、そう簡単に壊れたりしませんから。

これを機会に食生活習慣を見直して(ジャンクフードを断捨離して)、3人のお子様の歯だけでなく、体も心も健康に育てて上げて下さい。

告白すると、食生活習慣については「おまえの家族ゆう」なんですけどね。

・・・。ゴメンナサイ!

ジュースは朝ごはんの時だけにしてね

夏休みに入って子供達が家にいるようになっています。

我が家も同様で、息子二人が全然勉強せずにラジコンで遊ぶか、勝手に自転車で出かけてお昼時にも帰って来ないか、朝から床にゴロゴロして本を読んでいるかで、全然言う事を聞かないので妻が壊れかけております。(「女には解らん男の価値観ってもんがあるんじゃ。もっともっと好きにやって、女に教えてやれ!」と、息子達を心の中で応援しつつ、怖いので自分の部屋に逃げ込んでこのブログを書いています。)

さて、学校に行かないと生活リズムが崩れます。それから、暑いから冷たい飲み物が飲みたくなりますね。

①1リットルのパック入りのジュースは野菜生活であってもなるべく買わないように頑張ってあげて下さい。

②もし魔が差して1リットルのオレンジジュースなどを買ったとしても、「飲むのは朝ごはんの時だけ、後は昼も夜も麦茶しかダメ!」と指導してあげて下さい。ジュースをダラダラ飲むと前歯が確実に虫歯になるし、血糖値が高いままになってご飯をまともに食べなくなり、体や心にも悪いから。

③アイスクリームもたまには良いけど、6本入りのパックが冷凍庫に入っていて毎日食べるような状況にするのは避けてあげて下さい。(1日2、3本とかは論外ですよ!)

子供の体は大人と違って小さいし、成長発育の過程にあります。体と心の成長が完了する時まで、一日、一日を大切にしてあげて下さい。

甘いものを飲んでも、食べてもいいんですよ。ただ、頻度をコントロールしてあげて下さい。

無限の可能性を秘めた、彼、彼女の将来の為にね。

イヤー、部屋に籠っているから、筆が進むわ。

最近の若いお母さんは本当に偉い!

最近は三田市の3歳児健診に出務しても虫歯を見つける事が無い程に、若いお母様方の歯に対する意識が高まっています。世の中、変われば変わるものです。

さて、今日の予約の中に「○○様(3歳・初診・虫歯)」という方がおられました。約束の時間ピッタリに、小さな、とても元気なお子様3人をお連れになったお母様が申し訳なさそうに入って来られました。初めまして、ようこそ英保歯科へ。

お母様:「先生、虫歯ができちゃったんです・・・。」

私:「ホンマに虫歯ができたの?3歳で?穴が開いてるの?」

お母様:「スミマセン・・・。奥歯が茶色くなっているんです。」

私:「どれどれ?とにかく、ちょっと見せてね。」

(この写真はイメージです)「虫歯ができた」との事でしたので、こんな感じのお口の中を想像していました。黄色い矢印は帯状にべったり付着している歯垢を示しています。この子は「歯磨きしないから」虫歯になったのでしょうか?
実際はこんな状態でした。確かに茶色くはなってはいるが・・・。
極細の歯科用器具(探針)で弾くと、ご覧のように取れました。食べ物の破片が詰まっていただけだったようですね。しかし、唾液量が多くて素晴らしい。
これだけ唾液が多いと、そう簡単に虫歯になんかならないよ。というか、虫歯にしたらダメだよ。
この子の前歯。上の前歯の間(青矢印)の所も虫歯にしていない。甘い飲み物のコントロールが出来ている証拠。
唾液の量も理想的に多い(緑矢印)。きっと「早寝・早起き・朝ご飯」ができているのだろうと勝手に想像。

私:「虫歯じゃないよ。ちゃんとできていますよ。お母さん立派なもんだ。しかし、最近の若いお母さんは本当に偉いね。30年前の子供は虫歯だらけだったけどな。これからはもっと積極的に予防して、3人のお子さん全員、虫歯ゼロの人生にしてあげて下さい。難しい事じゃないよ。」

お母様:「良かった!これからはちゃんと予防に連れて来ます。」

最近の若い世代は凄いな。地球環境の先行きにも不安があり、経済が停滞してあまり贅沢もできないのに、「本当に大切なものは何か」をしっかりと見抜いてクレバーに、クールに、確実に生きている人が多い。

本当に大切なものは何?きっとヴィトンのバッグじゃないんだろう、とは思う。

おっさんの英保先生ですが、私の価値観はむしろ今の若い人達に近いかな?なんて、感じています。

後ろから指で押したら100万円Get!?

矯正治療は保険が効かないので、なんやかんやで100万円位かかります。でも、人生90年として1日30円程度の投資なら私は安いと思います。皆さんの価値観からするとどう思われますか?

さて、小学校1~2年の頃に上下の前歯が生え代わります。上の1番という前歯が表側に、下の1番という前歯が内側に位置する事が上下の顎の骨の成長を理想的な方向(上顎はしっかり外に大きくなり、下顎は必要以上に出てこない)に導くために非常に重要です。(ちなみに2番は顎の成長方向にそこまで決定的な影響を与えません)

その年代の子。下が1番と2番に生え代わっています。左右で4本ですね。上は1番が出て来ています。左右の2本ですね。わかるかな?
黄色の線で描いたような形の1番が歯肉の中に存在しています。これからドンドン出て来ます。楽しみですね!
でも、よく見ると上の1番が下の1番の内側に向かっています。さあ、えらいこっちゃ!矯正!?お金かかるし・・・。
指しゃぶりをする子は出っ歯になってしまう事はご存知ですよね。ここではその副反応(?)を上手く利用して、上の1番がちょっとだけ前に出てくれるように、ちょくちょく指で押して(徒手矯正)みましょう。あわよくば・・・。
滅茶苦茶な力で押すのはNGですよ。指の腹を表に向けて下の前歯で爪を噛む要領です。上手く行けば入れ替わりますよ。

なお、既にかなり歯が生えてしまっており、完全に逆になってしまってロックしている場合にはこんな方法では絶対なおりません。潔く矯正歯科医に相談しましょう。この写真のようなタイミング(時期)限定ですよ。

注意!:色々な考え方があり、ここで紹介している事が絶対では無いので、必ずあなたのかかりつけ歯科医に相談し、その指示に従って下さい。

この子とその保護者には、そのように指導させて頂きました。又の機会に経過をレポートさせて頂きますね。きっと上手く行くと思っています。楽しみです!

「炭酸は三田から出た時だけにしています。」←偉い!

学校健診で①歯垢②CO(虫歯になりかけの歯がある)③永久歯の虫歯の3つにチェックされてしまった、けやき台中学校2年生の男子生徒さん。今日お母様と一緒に来院されました。小さな頃から英保歯科のファミリーでずっと予防歯科の為に通院されており、過去に虫歯にした事は無いのですが、中学校に入って部活や勉強が忙しくなってきたのか、コロナせいで遠慮されたのか、ここ半年ほど予防の為の来院が途絶えていたのです。

お口の中の写真を撮って、それを見ながら本人と母親と私の3人でディスカッションしてゆきます。

私:「最近、塾や勉強が忙しくなってきた?ジュースやスナック菓子を食べながら勉強したりしていない?」
母:「塾には行っていません。小さい頃に英保先生からハイチュウはダメと言われてから本人がやめましたし、親もその類のものは気を付けるようにしています。」
私:「部活は運動部?スポーツドリンクを毎日飲むようになったとか?」
母:「剣道部ですが、そこではお茶しか飲みません。」
私:「それは賢明だね。テニス部に入ってスポーツドリンクを飲むようになった途端に虫歯にしだした子がいるんですよ。」
母:「実は・・・。この子コーラが大好きで、半年前まで毎日飲んでいたんです。でもこのままじゃダメって話し合って、『炭酸は(旅行などで)三田から出た時だけにしよう』という約束にして、半年前から飲むのを完全にやめました。コロナ自粛で旅行にも行けないので、結局最近は全然飲んでいません。」
私:「偉いね!少しは嗜好品を楽しむ時も必要だから、そのルールって天才的に素晴らしいよ。今日のブログで紹介させてね。ところで、このCO って指摘されたのは下顎の一番奥の歯なんだけど、そうなったのは半年前までのコーラの習慣のせいだろう。今から気を付けたらほとんど進まないと思うよ。」
母:「良かった。(子供に向かって)頑張ろうね。」
私:「ただ、(写真を指しながら)歯磨きはもうちょっと丁寧にやってね。それから年に3回は予防治療を受けて下さい。」
母と本人「ハイ、わかりました。有難うございました。」

黄色はべったり付いた歯垢。赤の歯垢はフロスしないと絶対取れない。でも中2男子の口の中ならこれで普通です。親の言う事をキッチリ聞いてちゃんと歯磨きする訳がない。心身共にすくすく育っている証拠ですね。年齢的に難しい時期だからこそ、戸棚や冷蔵庫のポケットに入っている食べ物や飲み物は親が上手にコントロールしてあげましょう。それから月に1回でも良いのでフロスをしてあげて下さい。(写真はイメージで本文の内容とは一切関係がありません

家族の為に(ちょっと不便だけど)環境の良い三田に住む事を選び、剣道部での心身の鍛錬と自宅での自発学習という文武両道のバランスがとれた導きをされ、心と体の健康に留意して子育てをされているお母様。本当に偉いと思います。

子供に対する「真の愛情」を見ました。我が家でも見習いたいと思います。

「虫歯予防?歯磨き!」←パブロフの条件反射?

幼い頃から「ウチの子」だった(=英保歯科に年3回予防に通院していた)中学3年生の女の子。進学校に通い、テニス部で活躍する文武両道の立派な女学生になっています。頑張ってるね!

でも、最近はとても忙しいようで、半年以上予防に来てくれていませんでした。今回学校健診で「要観察歯2本」との指摘を受けて、即来院してくれました。感心、感心。「どれどれ?歯の写真を撮って、見て、一緒に考えてみよう。」と私。

どこが虫歯かわかりますか?
赤の所から穴があいてきており、オレンジの範囲まで広がっています。もう一度、前の写真を見て下さい。オレンジの範囲の色が違う(何となくグレー見える)のがわかりますか?
しかし、学校健診のような環境で良く見つけてくれたと思います。こちらの校医の先生の熱い想いが伝わってきます。
今日のところは説明と、歯石除去と、矯正用のゴムを挿入するところまで行いました。一旦歯の間を0.5ミリほど広げて、そこから虫歯にアプローチする予定です。歯をなるべく削りたくないからね。
どこが虫歯でしょう?何が問題なのでしょう?
オレンジの所が初期虫歯。黄色の所には歯垢がべったり。


さて、どうしたら良いのでしょう?→黒くなっている部分を削ってつめる。
何が問題なのでしょう?→磨き方が悪い。
どうすれば予防できるのでしょう?→歯みがき。

皆さんはこのようにお答えになるかも知れませんね。

同じ質問を彼女にしましたが、流石ウチの子です。「歯みがき!」とは言いませんでしたね。答えに困って無言で考えていましたが。

黄色の所の歯垢はブラシで取らなければなりません。磨き残しの癖があるだけなので、指導をすれば今日から上手に取れるようになるでしょう。ところで、オレンジの所って歯ブラシの毛先が入るの?2番目の写真の赤い〇の所(歯と歯の間)も歯ブラシの毛先で掃除できるの?

私:「最近塾通い始めた?食生活環境が変わった?コンビニでジュースを買っていない?夜勉強しながら何か食べていない?」
彼女:「塾には行っていない。甘いものはあまり食べないようにしていますが、テニス部なので、そういえば、スポーツドリンクをよく飲みます!」
私:「それだな。可能な限り、冷えた麦茶に変えて。フロスも、週に1回、月に1回でも良いからやって。そして予防の為に通院して欲しい。歯はその人の考え方や価値観で重要度が決まる。英語なんか喋れなくても日本に籠っているなら関係ないとという人もいれば、そうじゃ無いと考える人もいる。歯も『虫歯でボロボロになっても日本に籠って住むなら大丈夫』という人もいれば、そうじゃ無いと考える人もいる。(日本人には人権があるから)どう考えるかはあなたの自由だけどね。」
彼女:「(将来に備えて)ずっと綺麗な歯でいたいです。スポーツドリンクは控えて、以前のように予防に来ます。」
私:「そうだね。未来あるあなたなら、そう考えるべきだと思うよ。」

日本人の多くは「虫歯予防=歯磨き」と、パブロフの条件反射のように答えるのですが、それって正しいのでしょうか?

正解はこうでしょう。家庭では、食生活習慣、フッ素、フロス、歯ブラシ。歯科医院では予防歯科治療(プロケアー)を受ける。

日本人も、もうそろそろカリオロジーを知って、その条件反射を卒業しませんか?

カリオロジーで考えると・・・

加茂の辺りをサイクリングすると関学三田キャンパスの学生さんが住んでおられるアパートが沢山建っているのに気が付きます。我が故郷・山崎町のナンバーが付いた原付が停まっていたりして、「みんな健康に気を付けて、無理せず大学生生活を楽しんで!」なんて心の中で呟いたりしています。

で、そんな関学の学生さんが加茂から近い歯医者をグーグルで検索すると英保歯科が上がってくるようです。評価の星が4つで口コミが英語で書いてあったりして、ホームページを見ると世界水準とか書いてあるので「まあ、良さげやな。」とそのままスマホで電話してみるとすぐに予約も取れたし。「それで英保歯科に来ました。ホームページに予防歯科?ああ、そんな事書いてありましたね。」というレスポンスが結構多いのです。

ようこそ英保歯科へ。たまたまここに来ちゃったけど、ひょっとしてあなたの人生が変わるかもよ。

「まあ、ここに座って。」

左の銀歯は2か月前に故郷でやってもらったそうです。右の黒い所が心配で(縁あって)英保歯科に来院してくれました。「写真を使って説明しますね。」と、いつもの私の話が始まります。

今回来て下さった彼にお伺いすると、建築を学んでいる理系の学生さんでした。理系なら話が早い。写真を見せながら色々質問をして理論的に考えてもらいました。まるでゼミみたいにね。

「この銀色の構造物(オレンジ)は後何年位持つと思う?」

「6歳で生えた歯が12年間かかってこの程度の着色(緑)だが、今すぐ削って銀歯にした方が良いか、経過を見た方が良いか、どう思う?」等々。

カリオロジーをベースに考えてもらうのです。

頭の良い彼は私が伝えたい事をすぐに理解できました。「左はまだ削らずに予防歯科をした方が、かえって長持ちしそうですね。」と。

「是非、ホームページの予防の所を読んで下さい。面白かったらお友達にも読むように勧めてあげて下さい。将来ある関学の学生さんには、歯(=人生)を大切にして頂きたいのです。」ともお願いしました。

お口の中を拝見しただけで、彼が18歳になるまでご両親がいかに健康に留意して大切に育てて来られたかが判ります。これからは年に3回予防歯科に通院し、自分の歯を一生無垢の状態で維持するようにして頂きたいと切に願います。

関学の学生さん、歯で悩んだり歯の治療に時間(やお金を)かけたりするような愚かな事は予防して、人生の時間を有意義に使って世の中の役に立って下さいね。