伝染るんです、お隣の歯に。

この自粛の時期に「伝染るんです」という言い方はちょっと無神経かも知れませんね。

今日は虫歯菌の話。虫歯の穴の中で増殖した虫歯菌が、お隣の歯に対しても猛攻撃して、お隣の歯まで虫歯にしてしまうという、(恐ろしい)お話をしたいと思います。

まずは、この写真を見て下さい。

Eは乳歯。6は6歳臼歯(永久歯)です。「歯が欠けた」との事でご来院頂いたのですが、残念ながら乳歯の虫歯ですね(オレンジの部分)。今回注目して頂きたいのは6歳臼歯の側面(数多くの紫の矢印で囲まれた部分)なのです。

そこが白っぽくなっているのが解りますか?これは「初期虫歯」といって、このまま対策を立てずに放置すると茶色くなって穴が開いてきてしまう緊急事態なのです。一生使う、大切な永久歯なのに・・・。

Eの虫歯の穴の中にいる虫歯菌が出す酸は、(当然ですが)接触しているお隣の永久歯の表面も溶かしてしまいます。

この白濁ですが、昨日のエナメル質形成不全と同様にしっかりケアーすれば大丈夫です。

この白濁はブラシやフロスで常にピカピカにしておけば、唾液中のカルシウムや歯磨きやホームジェルの中のフッ素によって、完全に元の状態(元の色)に戻す事ができます。(穴が開いてからでは絶対不可能ですよ。)

6歳臼歯とEの間を虫歯にするのは「大問題である」事が解って頂けました、ね?