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テレビを見ながら食事をすると・・・。

「食事の時にテレビをつけていると、かみ合わせ、特に成長発育期にある子供のかみ合わせに悪影響が出る」と言われると信じられますか?
休日の夕食はお父様もいらっしゃて、家族の団らんの貴重なチャンスですね。そんな時にテレビをつけたままにしていると会話もすくなくなってしまいます。是非食事の時はテレビを消して下さい。
皆さんの食卓は和風に床に座るタイプ?それともテーブルとチェアーですか?大体指定席があって、同じ場所に座りますよね。それで、テレビの位置はどうですか?
食べ物をかんでいる時は顎や周囲の筋肉などの成長に大きな影響を与えています。毎日毎日、子供が(親も?)食事の時にテレビを見ながら食べているとして、そのテレビが子供の左側にあったとしましょう。常に90度左側に首をねじって咀嚼しているという異常な状態が何年も続くと考えただけで、どのような恐ろしい事が起こりそうか想像がつきますよね。片方の肩にかけるカバンを避けてリュックタイプのカバンを子供に持たせておられるお母様ならすぐに理解して頂けると思います。
頂く時には良く味わって、しっかり噛んで、作って下さった方に感謝しながら食べる事も大切です。
子供達のためにも、食事とおやつの時には必ずテレビを消して下さいね。

歯科の主な病気は3つあります。さて、何でしょう?

歯科で扱う主な病気は3種類。①虫歯②歯周病③噛みあわせ病。「なーんだ。そのくらい知ってるよ。」とおっしゃるでしょう。わかりますよ。
それでは、どんな時に歯医者に行きますか?「歯に穴が開いた時。」「つめ物が取れた時。」「冷たい物や熱い物がしみるので。」・・・ですよね。
実は、そういった時って患者さん自身が無意識に「自分は虫歯だ!」と断定してお越しになっている事がほとんどなんです。それはそれで構わないのですが、②と③についてはどうでしょう?「自分は歯周病だ!」「自分は噛みあわせ病だ!」と断定して歯科医院に行かれる方は虫歯に比べて非常に少ないです。なぜなら②と③は素人の患者さんには「良く分からない}からです。
②歯周病は慢性病なので徐々にしか症状が現れません。口臭が出てきても、髪の毛が寂しくなったり、お顔のシミやしわが増えたりした時と同様、回りの人は普通は指摘しません。ですから、はっきりとした自覚がないままズルズル進行してしまいがちです。虫歯の時と違って「自分は歯周病だ!自分の口は間違いなく臭いぞ!」と自分で断定できる方は少ないのです。
噛みあわせについては、素人の方には更に「良く分からない」はずです。歯科医師でも充分な研鑽を積んだ先生でないと、木を見て森を見ずではないですが、虫歯を削ってつめるだけと云った状況に陥ります。
私が指導医(かみあわせ指導医と言います)をしている「日本顎咬合学会」は、このかみ合わせについては非常に多くの研究実績がある学会です。
歯周病やかみ合わせ病の詳細は又の機会にお話しします。

3Di ダイレクト

英保歯科の特徴的な技術を生かした虫歯の治療法に「3Di ダイレクト」というオリジナルメニューがあります。基本的には神経を取っていない歯が対象です。
①3D ビデオ顕微鏡(Mora Vision) や5倍拡大のルーペを使用する。
②ラバーダムやZOOなどの防湿装置を使用する。
③神経が残せそうに無い歯(熱い物がしみたりして、他の歯科医師が神経を取る事を強く勧めた歯)でも i Mix を使用して神経を取らないよう最大限の努力をする。
④保険診療では使用できない、ハイグレードのダイレクトコンポジットを使用して自然な美しい歯として修復する。
これらを確約して治療を行う「3Di ダイレクト」は長い目で見た時には患者さんの時間的、経済的、機能的、心理的負担が軽減される「お得な」治療方法です。
費用は1本2万5000円+消費税となっております。「3Di ダイレクト」で治療ができるかどうかは、まず英保歯科で診断を受けて頂く必要があります。
虫歯の部分が大きいと「3Di CAD/CAM」の適応となります。

フッ化物はいつまで使うか

フッ化物はその種類や摂取の仕方を変えながら、基本的には一生使う方が良いでしょう。
4歳、あるいは遅くとも6歳くらいから何らかの形でフッ化物の使用を開始します。虫歯になってからではなく、完璧に予防してしまうために何ともなくても使うようにしましょう。
小学校低学年の間は親が食生活の管理をしてあげる事ができますが、高学年で塾に通うようになって、塾の帰りにコンビニで毎晩缶コーヒーなどを買うような事態になったら要注意です。反抗期にもなってきて、なかなか親のいう事を素直に聞いてくれませんが、とにかく、はみがき粉でも何でも良いのでフッ化物の応用を続けます。
成人してむし歯リスクの安定期に入っても、はみがき粉などで継続してフッ化物の摂取を続けた方が良いでしょう。成人した後は歯周病のリスクが強くなってきます。お母様の努力のおかげで、虫歯で苦労した経験の無い子供は大きくなってから、どうしてもブラッシングがおろそかになって歯周病になってしまいがちです。
老人になって歯周病が進行して、歯の根っこの方が歯ぐきより上に見えてきてしまうと、そこが非常に虫歯になりやすくなります。治療が不可能な部位であることも多く、まさに「歯医者泣かせ」な状況となります。

インプラントって?

皆さんはインプラント治療にどのようなイメージををお持ちでしょうか。最先端の素晴らしい治療だという感じ?それとも悪い噂を耳にしたりされますでしょうか?インプラントは「正しく使えば」素晴らしい治療方法です。正しく使いさえすれば。

上の写真のような治療方法ですので、インプラントが健康で充分な量のある骨の中に埋入された時には長期的に安定して機能します。しっかりした幅や厚みのある杉やヒノキの板にねじ込んだネジ釘はしっかりしますが、ペラペラのバルサや合板に入れたネジ釘は無理な力をかけたらすぐに抜けちゃいそうですよね。
骨が無いときには骨造成という追加の手術が必要です。費用も追加で必要になります。危険性が高い時には接着ブリッジでインプラントを回避する方が良い事も多々あります。
その辺の診断がきっちりできるか否かがドクターの知識であり、治療計画の通りに事を運べるかどうかがドクターの技量です。
また、歯周病菌の感染がある(つまり歯周病がある)お口の中にインプラントをしても、インプラントの周囲に歯周病菌が感染してすぐにダメになってしまいます。
宝くじが当たってお金ができたから、インプラントをしてもらおう!と思っても、歯周病の治療と管理ができていない患者さんはインプラントが長持ちしません。お金を捨てるのと同様になってしまいもったいないですね。同様に、タバコを吸われる方もインプラントが長持ちしない事が多いです。最近、英保歯科では禁煙ができにくい患者さんのインプラントはお断りすることがほとんどです。

フッ化物の取り方

むし歯予防にフッ化物を応用する方法はいくつかあります。
一つは歯科医院で歯科衛生士さんの治療を受けた直後、3-4か月毎に、定期的に高濃度のフッ化物を塗布してもらう方法が一つ。ツルツルピカピカになったばかりの歯の表面にプロユースのフッ化物を塗ってむらうのはいかにも効きそうですね。
もう一つは家庭でコツコツと毎日低濃度のフッ化物を塗布する方法。歯科医院で塗ってもらうフッ化物の10分の1から30分の1の濃度を毎日使用します。継続は力なりという言葉がありますが、この習慣は、少なくとも永久歯が生えてきた6歳からは開始するべきだと考えています。できれば永久歯は虫歯にしたくないからです。
レノビーゴ:スプレータイプ。ある大学の教授が開発した低濃度のフッ素。安全性が優先されており、4歳頃からでもあるいは乳歯が生えたばかりでも使いやすい万能選手です。
ミラノ―ル:自分でパウダーと水を専用容器で溶かして作ります。アクエリアスの粉タイプのような感じで作るだけで簡単です。人工甘味料が入っていないので、不自然な味が嫌いな子供にはピッタリです。オラブリスという名前のほぼ同じような商品もあります。
ホームジェル:しっかりと歯の表面にとどまるジェルタイプで、グレープやストロベリー、ミントなどのフレーバーが(一応そういう名前はついている)あります。ハイリスクのお子様には良いと思います。子供に使わせる前に、親が一度味見をしてあげてみて下さい。悪くはないけど・・・良くもないかな。
ハミガキ粉:歯磨き粉を買う時には裏を見て何が入っているかチェックしてみて下さい。(驚くほど色々入っていて使うのをやめようかななんて思うかもしえません。)ほぼすべての商品にフッ素とかフッ化物と書いてあると思います。フッ素の摂取を意識せず使いたい方はこれが超簡単ですね。効果はありますが、歯磨き粉と他フッ化物サプリメントとの違いは、何回もうがいをしてしまい、残留濃度が薄くなることが多い点です。
他にも機能をアップさせた新商品が沢山出てきています。後発は先発商品の欠点を改良してきますので良いと思いますが、例えば機能をアップさせるために牛乳の成分であるカゼインを配合したため、牛乳に対する強いアレルギーがある子供で問題が起こってしまったとの報告があります。昔から使われているものには歴史という安心感があります。

 

6歳臼歯が生えたら

6歳臼歯が生える頃まで虫歯ゼロを成功させたお母さんはその努力に充分価値があると自慢して良いでしょう。とても素晴らしい事です。
虫歯が無いというだけでなく、嗜好が形成される時期に砂糖の味を刷り込んでいないので、一生極端な砂糖好きになる事は少ないでしょう。これは肥満、糖尿病、そしてもちろん虫歯で将来苦しむリスクを激減させている事になります。
砂糖の害について興味深い体験があるようです。
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生えたての歯はまだ全く熟成されていないので(簡単に言うとカチカチになっていないので)虫歯菌の産生する酸に侵されやすい状況です。6年間むし歯ゼロでやってきて油断する頃に、また柔らかい永久歯が生えてくるので、再度気を引き締めないといけません。(上の写真を見て下さい。入り口は小さい虫歯に見えたのですが、中で大きく広がっていました。お母様の悲しみは想像を超えたものでした。)
フッ化物は歯のエナメル質をハイドロキシアパタイトからフルオロアパタイトという別の構造に変えてくれます。この構造は虫歯菌の作る酸に対してめちゃくちゃ強いので、簡単には虫歯にならなくなります。
子供の虫歯が凄いペースで減少しはじめたのは、お店に並んでいるハミガキ粉(古い表現ですね。ブラッシングペーストとでも呼びましょうか。)にフッ化物が配合されはじめた時と一致します。皆さんはハミガキ粉を使っている時に知らないうちにフッ化物を歯に塗っているのですよ。
6歳からは食生活の習慣が幼いころと同様に守られている子は、レノビーゴを続けてもよいでしょうし、ハミガキ粉を使うだけでもよいかも知れません。
砂糖を頻繁に口にしてリスクが高くなってしまった子供には、もっと違った形のフッ化物を応用した方がよいでしょうね。

接着ブリッジ

接着ブリッジは今から1980年代に岡山大学と長崎大学で開発された治療方法です。岡山大学歯学部で学んだ私は当時接着ブリッジのイロハを恩師に叩き込まれました。その後、国際デンタルアカデミーDHAなどで補綴治療の研鑽を積み、外れない接着ブリッジのノウハウを完成させてゆきました。

今では大阪口腔インプラントセミナーやDHA等で接着ブリッジの講義を担当するなど、正しい接着ブリッジの治療法について他の歯科医師の先生方に対し指導をしています。
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開発期の1980年代からは見た目に対する要求も変化してきています。昔は前歯に対しても金属のフレームを用いた接着ブリッジをしていましたが、最近ではジルコニアという人工宝石の材料を用いて白く美しい接着ブリッジを作る事が普通です。ただし日本人の前歯は薄いので、残念な事ですが、接着ブリッジが作れない事も多々あります。
奥歯は金属の特性を生かして、歯をあまり削らない接着ブリッジを使う事がよくあります。
接着ブリッジを装着する際にも防湿装置を使用し完璧な接着を行うべきです。英保歯科では100%防湿装置を使用して接着治療を行います。

奥歯の1本の欠損に対してゴールドアロイで制作する「接着ブリッジパッケージ」は24万円+消費税となっております。来院回数は少なくとも3回はかかります。毎回の治療時間は60分程度とお考え下さい。パッケージ治療ですから治療費は定額制で、来院回数や治療時間にかかわらず一定です。遠方の方はお口の中とレントゲンの写真を添付で送って頂ければ、接着ブリッジの対象になるか否か、概ねの判断は可能です。ご希望の方は、お問い合わせフォームからご連絡下さい。

前歯に関しては金属ではなくジルコニアを使いますが、接着ブリッジが出来るかどうかは実際にお口の中の状況を拝見した上での慎重な判断が必要です。すぐ外れるようでは意味がありませんからね。

フッ素の安全性とメリット・デメリット

一般の方は歯科で使われるフッ化物(NaF)と工場などで使われるフッ化水素(HF)を混同して、you tube などでは狂気とも言えるような意見がアップロードされています。まさに無知から来る誤解と言えるでしょう。
もちろんフッ化物を使用する際に、科学的に証明されていない何かが起こる可能性は否定できませんが、では携帯電話の電磁波や食品の残留農薬などはどうなのでしょう?大騒ぎしようと思えばいくらでもできる事です。
私の考えとしては、4歳くらいまでは精製白砂糖を中心とする砂糖類を制限する事によって歯と心と体を守ってやるのが良いと思います。それができない環境の子供は4歳以下でも積極的にフッ化物を使うようにします。
4歳を超えて親の管理下に置けなくなる時間が増えたら、この頃には体も赤ちゃんの頃に比べたら色々なものに耐性ができてきていますのでレノビーゴなどの子供でも安全なフッ化物の使用を開始します。毎晩夜寝る前にシュッとスプレーします。
6歳の頃からは、いよいよ6歳臼歯という永久歯が生えてきますので、予防のレベルをアップしていかなくてはなりません。

フッ化物(いわゆるフッ素)について

皆さんは歯にフッ素が良いという話を聞いた事があるでしょう?これは事実です。
私(1962年生まれ)が子供の頃は、子供を2-3人産むのが当たり前で、まだまだ戦後から立ち直りつつある空気が社会にあり、戦争体験者もたくさんいらっしゃましたので、子供に対しては「食べ物があって、命があって生きているだけで充分」といった考え方が根底にありました。今の、少子化で一人一人の子供を「完璧な人間に」育てようと親や社会が考える時代とはかけ離れていたように思います。
私が子供の頃は「虫歯があって当たり前」。今は「虫歯が無くて当たり前」なのです。
実際に、私が校医を務める保育園・小・中・高等学校に健診にいくと、虫歯が激減しているのがわかります。ウッデイタウンは特に素晴らしく、ある小学6年生3クラスのうち虫歯があった子が2人という経験も持っています。
この何十年かで子供たちがとても丁寧にハミガキをするように変わったのかというと、答えは Yes and No です。
その一つの鍵がフッ化物(いわいるフッ素)にあるのです。