「院長日記」カテゴリーアーカイブ

顎咬合学会にて

歯科医師は最新の臨床を学ぶために休日を利用して学会に参加します。

今年も顎咬合学会に参加し、座長という司会進行役をやって来ました。

最新の治療器機の展示も非常に勉強になります。

GCという会社の社員さんとも話が弾んだりして楽しい1日でした。

こんなルーペもありましたよ。

サラリーマンの聖地 新橋

土曜日の診療が終わってから新幹線に飛び乗って東京に向かいました。今回も自由席を使いましたが好景気のせいか最近混雑が凄いので、次からはExpress予約を利用してみたいと思っています。

泊まったのは1万円以下のビジネスホテルですが、新築で快適でした。

新橋はサラリーマンの聖地と聞いていたのですが、駅からホテルにたどり着くまでの、女性がお酌をしてくれる類いのお店の呼び込みが酷く閉口しました。

コンビニでノンアルコールビールとツマミを買ってホテルにチェックインしテレビをつけると、偶然NHKで医師の養老先生とジャズピアニストの山下洋輔氏のトーク番組をやっていて、深い内容の会話から多くを学ぶ事ができました。

「自分の人生は周りの人との関係で出来上がって行くもの。だから自分の人生は他の人が作るもの」と山下さん。

自分を振り返っても全くその通りだと、感心して聞いていました。

苦い経験を声に出して伝えよう

皆さん、神戸はお洒落なイメージで好感度の高い街ですが、その神戸の街に立っていると何となく物悲しい感じがする事がないですか?
私は神戸に行った時、不思議とそのような感覚に陥る事があります。

私の亡くなった父親が生前に一度だけ私にしてくれた話を書きます。以下の話の真偽の程は不明です

戦時中、神戸大空襲というのがあったそうです。
当時、神戸にある民家のほぼ全てが自分の家の真下に防空壕を掘って空襲に備えていたそうです。そして、ついに大空襲があった時には子供も含む家族全員がそこに隠れたそうです。激しい空襲で直上の木造住宅が次々火災を起こし、ほとんどすべての人が防空壕の中で蒸し焼きになって死亡したのだそうです。
その時、私の父親は神戸三中という所(今の長田高校になるのでしょうか?)の学生でした。
終戦間近で大人の男子が戦死していなかったので、彼を含む学生がその膨大な数の遺体処理に当たったそうです。街中に遺体を放置すれば疫病が蔓延します。ですから、来る日も来る日も腐りかけの遺体をトラックに積み上げる作業と、「ある場所」に掘った巨大な穴にそれらを放り込むという作業をさせたれたそうです。
「何でそんな悲惨な戦争の経験を語り継がないの?声に出して話すべきだよ!」と私が言うと「思い出したくない、一日も早く忘れたい事だから喋りたくないんだ。」と言って下を向いていました。あまりにも残酷過ぎる経験だったでしょう。
何度も言いますが、真偽の程はわからない話です。

戦争という愚かな行為の被害者も、原子力発電所の爆発でかけがえのないものを失った人々も、そして、歯を大切にする知恵を知らずに大失敗して大後悔している人も、自分の苦い経験を周囲の人に本気で伝えたら、同じ過ちを犯す人が減ってくれる可能性があります。

本気で、熱い思いで伝えようとする「一生懸命さ」がきっと人を動かします。私はそう信じて日々頑張っています。

コーヒーハウス(金町)

英保歯科の診療室では毎朝レギュラーコーヒーの香りが漂っていると思います。

毎朝ミルで豆を挽いてドリップするのですが豆自体にもこだわっています。東京・金町にあるコーヒーハウスという所から定期的に送って頂いているのです。
今回は地元葛飾の枝豆のオマケまで付いていて、超幸せです。

コーヒーハウスの店長のキミカさんは米国在住の経歴を持つ才女で、大手コーヒーチェーン店でキャリアを積んだ後、理想のコーヒーを形にするために起業されました。
味に加えてアロマも素晴らしく、英保歯科でもカフェ顔負けのいい匂いがしているのでお分かり頂けると思います。


診療室に漂うコーヒーのアロマのおかげか、お客様がコーヒー豆やお菓子などをプレゼントして下さる事もあります。私を想って下さるお気持ちが本当に嬉しいです。皆様の愛情のバックアップを受けるとがぜん元気が出てきます。これからも頑張りますね!

 

 

「先生、下の顎にガンがアァァ・・・。」

下顎の内側に大きな「できもの」ができています。ガンじゃないかと心配するのももっともですね。でも大丈夫ですよ。単なる骨のふくらみができているだけで、悪性のものではありませんよ。

この骨の膨らみの原因も「はぎしり・くいしばり」なんです。信じられますか?でも本当なんです。
くいしばりは、咬み合わせ病の一つです。現代社会では、様々な要因から強いストレスがかかって、それを回避するために夜中や昼間のくいしばりや歯ぎしりが起こります。
寝ている間は意識がありませんので昼間の、何と3倍の力が歯にかかり、それが骨に伝達されて反応性に骨が膨らんでくるのです。
ご自身の下顎の内側に写真と同様の硬いふくらみがある方は、「はぎしり・くいしばり」を疑ってみるのが良いでしょう。

父の日に

16日は父の日でした。

今年は珍しく、自分へのプレゼントを購入しました。SONYの高級イヤホンです。「『多少値が張っても本当に良い物を手に入れて長く使う方が結局は安くつく』のは歯の治療と同じだな。」なんて思いながらその音の良さに感激して音楽を聴いて過ごしていました。

更に幸せな事に、小学校の息子二人がお父さんのために「タコ焼き屋さん」を開いてくれました。下に降りてみると、リビングのドアには1年生の次男が書いた看板が揚がっていました。
子供が小さい頃は「家でタコ焼き」といえば 私と妻がひたすら焼き続けて 子供が満腹になった後にタコが無くなってしまっているのでやっと「ちくわ焼き」にありつけるという感じでした。

いつの間にか子供が成長して「今日は僕たちが焼くからね。父の日だからお父さんはビールでも飲んでゆっくり食べてね。」なんて言ってくれるようになりました。

心に残る、とても良い父の日になりました。Thanks!

 

 

 

 

 

 

 

 

日本人の生産性と国際競争力をを高めるには(5・完)

最後は歯医者らしい提案をします。

もし日本のビジネスパーソンの98%が毎日正しいブラッシングを実践し、毎晩フロスをして、更に年に3回以上の歯のメインテナンス(予防治療)を受けたとしたら日本人の国際競争力はロケット並みに上がると、本気で思うのです。
黄色人種という暗黙のハンディに加え高くない英語力と高くないコミニュケーション力が日本人の国際的地位を低下させていますが、それに加えて歯の美しさの問題や口臭のコントロールの問題が存在するとますます対等な関係で会話が始まるとは考えにくいでしょう?
一般的に先進国では喫煙や飲酒や体重のコントロールなどの自己管理ができないビジネスパーソンは一流ではないとみなされます。日本でもそれは同様ですが、もう一つの重要なチェックポイント=歯の状態 がなぜか日本においてのみブラックアウトしているという摩訶不思議が存在します。企業にとっても、40代の働き盛りのビジネスパーソンが歯周病が引き起こす心筋梗塞や脳梗塞で倒れると、それまでに積み重ねてきた経験やスキルをロスするようになって生産性や競争力が低下します。

LAの学会にて展示販売をした時の模様です。
私は歯科医院の院長ですが、私達が開発した歯科医療器具を販売する小さな有限会社の役員と営業の仕事もしています。国際的なビジネス現場の最前線の経験からも「歯の美しさ」は国際競争力として必須であると確信します。


 

 

 

 

 

日本人の生産性と国際競争力を高めるには(4)

日本でも、もっと個性的で自由な発想ができる人間を育てる教育をしましょう。そして率直な意見を自由に発言できるような社会の空気を作ろうというお話をしました。
しかし、今日は真逆の話をします。「沈黙を保て」です。

下記の記事とそれに対する読者のコメントも参考になりますよ。

思考が浅く行動が遅いのんきな日本人、グーグルで感じた日本企業の課題(ビジネス+IT) – Y!ニュース

会議でスタッフに「何か意見や改善点を」と促すと、多くの場合は「こうしたら良いと思います。」と「足し算」の意見が出ると思います。
例えば会議で、売り上げアップのためにはどうしたら良いか?という議題に対して、若い社員の誰かが「ロゴ入りの紙袋や販促のキャンペーンチケットを作れば良いと思います。」と深く考えずに意見したとしましょう。参加者の何人かは「そうかなァ・・・?」と心の中で思っても深く考えずに黙って頷いたりします。日本では和を保つ事が大切ですから。

そしてその方向で会議に会議を重ね、多くの時間と費用を費やしてこのような販促グッズが出来上がったりします。これはよくある普通の事だと思うので、全然非難する気はありません。念のため。
そして出来上がった結果、このようなグッズを管理したり、配ったり、追加注文したりする仕事とストレスが新に発生します。また、グッズを配ったかとか配らなかったとかのミスが発生して先輩と後輩のフリクションが増加するようになります。

さて、これってやっぱり作った方が良かったのでしょうか?無かった方が良かったのでしょうか?

英保歯科なら、これらのモノは「無い方が幸せ」という判断になります。

最初にアイデアを述べる人は「費用や労力と効果」や「その後に起こり得る諸々の事」にまで思慮を巡らせ、熟慮してから意見を述べるべきだと思います。それは管理職であっても若いスタッフであっても同じ事で、「口に出す限りは最後の最後まで責任を取るつもりで提案する。それまでは沈黙を保つ」べきだと思います。医療に於いては常に「責任」を問われます。発言も行動も「最後の最後まで責任を問われる」のです。ですから私にはこのような考えが普通になってきたのです。

3年前に診療室の「断捨離」を決心した時、約1か月間ほぼ毎晩再出勤し、夜の10時頃から夜中の3時頃まで診療室のモノを一人で黙々と片付けたり捨てたりしました。その時のスタッフの驚きと動揺は想像以上でしたが、最近ではスタッフの方から自発的に「もっと捨てたりやめたりできないか?」を考えてくれるようになりました。

本当はもっともっと色々とお話したいのですが、熱心な読者の皆さん(あの方とあの方と・・・と、お顔を思い浮かべております。)には仕事の話は退屈かと思いますので、次回でこのシリーズを終えたいと思います。

日本人の生産性と国際競争力を高めるには(3)

昨日は「もっと発言を」というお話をしましたが、日本のビジネス社会では「出る杭は打たれる」以前に、「自分の頭が出ないように周囲の高さに合わせて引っ込め続ける」ようにする事を常に無意識に行っているように見えます。
その理由はなんでしょうか?
私はウッデイタウンの幼稚園や小学校などの校医をしていますので、しばしばそういった教育の現場の実際に触れる事ができます。どの幼稚園も小学校も地域住民の皆さんの教育意識の高さも手伝って、素晴らしくハイレベルな教育がされていると感じています。しかし、概して「周囲の子供達と同じ行動や思考ができるようになる」教育が繰り返し行われているように感じるのです。
幼稚園では前に立った先生の歌と身振りに合わせて全員が同じようにする。
小学校では性別や戦争に対して「決められた画一的な答え」ができるようになるまで教え込まれる。中学校や高校での友人関係でも同様に「皆と同じ」である事を求められているのではないでしょうか。成人した後も子供の頃に刷り込まれた思考回路に従って無意識に反応するので、集団において波風を立てないように、目立たないようにとするのではと思うのです。若い女性のお化粧と服装がここまで「皆同じ」なのは日本だけではないかな?

我が家の子供は4人共、神戸友の会幼児生活団という所で教育を受けました。この生活団での教育も素晴らしいのですが、前者とは全く異なる教育がされています。画一化と真逆の個性化の教育です。お陰様で4人共ユニークな人間になってきています。

会社の会議においてドンドン発言できるような若者を育てるには、現在の幼稚園や小学校・中高で普通と考えられている教育パターンを破壊して、「普通じゃ嫌だ。人と同じは嫌だ」と思う事が「普通」であるような人間を育てるのが、気の遠くなるような近道ではないかと思うのですが、どう思われますか?

日本人の生産性と国際競争力を高めるには(2)

最近は自分の(57歳という)年齢に相応しい社会的参画が求められ、普通のビジネスパーソンが中心のグループの会議に参加する事があります。メンバーは一流企業の方ばかりで皆さんは社会人としての高い常識をお持ちになっておられます。そのような会議が終わった時にはほぼ毎回、すぐに逃げ出したい、穴があったら入りたいと、心の中に後悔の嵐が吹き荒れます。

その理由は「また、余計な事を言ってしまった・・・。」と感じてしまうからなのです。
こういった会議の雰囲気は、2-3名のリーダー核の人が既に大体決めて来てこられている内容を提案され、残りの9割の方はずっと黙っている感じなんですね。そういった時、私は思わず「でもそれは✖✖なので〇〇の方が良いのではと思います。」などとストレートに意見を述べてしまうんです。そして一人目立ってしまって、浮いてしまうのです。

日本の企業社会における常識を身に付けるという事はこの「自分の率直な意見を言わずに沈黙とポーカーフェイスを守る技術をマスターする」事ではないかと、真剣に思うようになりました。もしも偏見だったらゴメンナサイ。

この好景気の中、我々中小企業は求人難の中、限られた資本の中で様々な工夫と努力をしています。ましてや「コンビニより多い」「掃いて捨てる程ある」と言われる歯科医院を破綻させずに運営するには「一切の無駄」を排除して極限まで筋肉質の企業体質にしなければ生き残れないとないと思っています。そして同時に、スタッフやお客さまの幸福度を増加させるという難題をクリアしなければなりません。ここ3年間私はそのような考えの基に英保歯科を導き、手応えを得ています。現在の英保歯科の雰囲気からその「空気」を感じ取って頂ければと思います。

さて、私の目から見ると「2時間の会議が上司からの1件のPDF送信と同等の結果しか生まない」のでは無駄が多すぎるように思います。若いビジネスパーソンの皆さんは「会議では黙っているのが普通」という常識を捨てて、「もっと正直に意見や考えを声に出す」ようにしてみてはどうでしょうか?