「先生の作品ですよ」と言ってくれました

子供の頃に英保歯科で予防と矯正を受けていた子が35歳の素敵な女性になって再来院してくれました。

英保歯科は開業当初は「英保歯科・矯正歯科」という屋号で、私(英保裕和)はそのころ矯正治療を引き受けておりました。その当時は三田に私以上の矯正治療が出来る歯科医師がいなかったので、自分でやっていたのです。10年ほど前に優秀な矯正専門医の荒垣先生が三田市で開業してくれたのを境に、私は矯正を引き受けるのをきっぱりやめて若い荒垣先生にバトンタッチしたのです。矯正は10年前後の長い治療となります。「責任を持って引き受ける事ができるのは歯科医師が50歳前後までだろう」と考えての決断でした。

こちらの女性は英保歯科が開業したばかりの頃、5歳で英保歯科に来てくれて、私が予防歯科の重要性や歯並びの大切さをお話して、理解して着いて来てくれた女の子です。
それからずーっと予防歯科と矯正治療のために通院してくれていましたが、大学進学を境に三田を出てしまったので縁が途絶えてしまいました。

大学卒業後はある一流企業に就職。しばらくして、その企業の九州(博多)のブランチのスタートアップのメンバーに大抜擢されて九州に移住したそうです。

大役が終わったので再び関西に帰ってきて尼崎に住んでいるそうですが、「九州でも尼崎でも、近所の歯科医院に何軒か行ったが『ピンと来ない』ので、ドア to ドアで1時間半かかるのですが、英保歯科でメインテナンスを受けたいです。」と連絡をくれました。

私:「戻ってきてくれて感激ですよ。」

彼女:「本当ですか?!ずーっと長い間歯医者に行っていないから怒られるかなと思っていました。

私:「私も年を取ったから、昔みたいに怒ったりしないよ。で、長い間行っていないって、何年位?」

彼女:「本当にスミマセン。2年位行っていないんです・・・。」

私:「・・・。」

たった2年で「ずーっと長い間」と表現する価値観って凄いと思いませんか?英保歯科で予防の大切さを学んでいるからこそ、こういう言葉がスッと出てくるのでしょう。感激。

彼女の35歳現在のお口の中。2年間メインテナンスを受けていないから少し歯石は着いているけど大きな問題は無し。
過去に虫歯になった事も1回も無い。歯並びも完璧だ。しかし、我ながら上手な矯正治療をしているなァ(自慢)。

私:「お口の中の写真を見て。歯並びも良いし、虫歯も無し。素晴らしいよ。」

彼女:(自分の口を指さしながら)「先生の作品ですよ。」(と、とっさに答えてくれました。)

噛み合わせも良好。犬歯がしっかり機能しているから、奥歯を守ってくれます。
衛生状態も完璧。歯周病も無し。素晴らし過ぎる。

歯並びもそうですが、こちらの女性が35年の間に一回も、虫歯で歯を削られたり、歯周病で悩んだりする事が無く過ごせていて、学業や仕事、プライベートに集中して人生を謳歌されている事もまた素晴らしい事です。

彼女の人生の全てまでは私の作品ではありませんが、彼女が彼女自身の人生を良い作品にするお手伝いはできているのだろうと思います。

30年前の開業時から予防歯科にフォーカスし続けてきて本当に良かったと、感激した次第です。