「長女に」と思って

私自身、幼少期に家庭で非常に厳しく躾けられ、その上、小学校を卒業するとすぐに家を出て、当時「軍隊式教育」を売りにしていた中高一貫校の寮に入って、かつ部活はなぜか柔道部に入ってという「かなり厳しい」青春時代を過ごしました。ですから「子供の教育は厳しく」というのが当然だと思っていました。

長女が生まれた時私はまだ30歳代でしたので、そのような価値観を強く持ったままで彼女に接し、可哀想なくらいにきつく指導しました。

小学校の友人が訪ねてきた時にカルビーのポテトチップを持って来てくれたのですが、(今でも感心はしませんが)子供がジャンクフードをボリボリ食べながら遊ぶという事に違和感を覚えて、友人が帰った後に長女に「こんなもんは子供の食べるもんじゃない!」とこっぴどく怒って「お父さんが言った事を忘れないように、ここに貼っておくからな!」と、壁にセロハンテープでそのポテチの空き袋を張り付けた事があります。(その直後に妻が呆れた顔をしてそれを剥がして、ゴミ箱に直行した事は言うまでもありません。)

今ではそれが笑い話になっていて、ポテトチップが家にあると必ず長女が「こんなもん食べるとお父さんに壁に貼られるよ。」と茶化してきます。

映えるポテチをオアシスで見つけたので、長女にと思って買って帰りました。どんな反応をするか心配しながら渡したのですが、「これも壁に貼る?」とは言わずに「ありがと。」とだけ言ってくれました。良かった。
他の子供達は「何でお姉ちゃんだけ~!?」と怒っていましたが、今回は彼女にだけです。