「院長日記」カテゴリーアーカイブ

茶色くなっていたら虫歯?

6歳の男の子のお母様「奥歯(乳歯)が茶色くなってしまったので、ひどくショックです。真ん中の子で油断したせいか、朝食後の歯ブラシをちゃんとしてあげていないのが原因だと思います。朝日幼稚園に通っています。」と涙ぐんでおられました。素晴らしいお母様ですね。この子は幸せです。
私「朝日幼稚園なら在園時の食生活はキッチリされているはずです。この歯は咬み合わせの面の溝が茶色くはなっていますが、予防歯科治療をきっちりお受けになっておられますし、今お伺いしたご家庭での食生活習慣では、虫歯になる事は非常に考えにくいので、経過観察をすれば心配ないと思いますよ。」と説明しました。
安心してもらえたようです。大丈夫ですよ。

我が家の話をしましょう。

私の長男の左下の乳歯の1本が生まれつき変で、まるで虫歯になっているように歯の一部が欠けた感じで生えて来ました。
そこに食べ物の色素が沈着するので、だんだん茶色くなってきて、パッと見た目が「虫歯?」という風になってきました。

彼はその後、神戸友の会幼児生活団という、幼稚園に相当する教育機関に通うようになりました。そこでは年に1回歯科健診がありました。予防歯科に熱心な女性の歯科医師がキッチリと健診して下さいました。
毎年毎年、その歯について「乳歯の虫歯が1本あります。早めに治療してもらって下さい。」との指摘を受けていました。歯が欠けて茶色くなっているのですから、「虫歯」という診断になるのでしょう。

子供の虫歯の原因は食生活習慣、食育にあります。歯磨きがメインではないんです。
妻とは「我が家では5歳まで砂糖甘い物を極限まで控えているので、欠けている歯であっても、絶対に虫歯になったりしないはず。このままフッ素などを応用して様子を見よう。」と、相談して決めました。

そして、この乳歯が無事抜けてしまうまで、何事も無く使う事ができました。削っていた方が問題が起こっていた可能性は多々あります。

英保歯科では「茶色いから。黒いから虫歯」ではなく、食生活習慣や、過去の経歴などを加味した時間軸で物事を考えるようにしています。

本領発揮

尼崎ではなく垂水のコストコに行ってみました。

 

高速道路でで40分と、快適なドライブ。お店の雰囲気も何となくこちらの方が好きで、こっちのコストコがメインになりそうです。
健康オタクの本領を発揮して、実演販売コーナーで5万円もする米国製のブレンダーを買いました。本物の良い商品に出会えて嬉しいです。

私は無駄使いが嫌いで普段はかなり節約するのですが、長く使える本当に良いものは高くても買って大切に使います。また、勉強や経験にはしっかり投資します。

このブレンダー、使ってみていつか報告しますね。

ちょっと頭を使っていたら

今日の日経新聞のコラムを読んで「一般的な日本人の歯に関する考え方と似ているな」と、思いました。

多くの日本人は、歯に問題が起こってから歯医者に行ったら、ほぼ元の状態に戻せて、一生持つという幻想を抱くんですね。

ちょっと冷静に考えたら、東京に住んでいる人が資源の無い日本の現実を知って、節電に努めて、美しい東北に原発を作らないようにしていたら、こんな事は一切起こらなかったという事は予測できますよね。

予防さえすれば何も起こらないのです。

見方を変えれば・・・

日本メンタルアップ支援機構 代表理事の大野 萌子様が執筆された、下記のような記事が載っていました。

言う事を聞かない子どもの親の残念な共通点( 東洋経済オンライン )

電車の中での親子のやり取りを観察されてのご指摘なのですが、歯科医師の視点から見ると違う見方ができます。
2歳の子供のセリフの「ジュース」という所を「砂糖」に置き換えて読んで頂きたいのです。

砂糖が脳に及ぼす悪影響は再三お話しております。院長ブログで「砂糖」とキーワードを入れれば過去のブログをご覧頂けますので、よろしくないとは思いますが、よろしかったら読んでみて下さい。

小さな子供に与える影響は想像以上に大きい:

10㎏の子供に180mlのジュースの紙パックを「1本だけね」と与える事は、60㎏の大人に(180ml×6≒)1ℓの紙パック入りのオレンジジュースを1本渡して「少しですがどうぞ」と言っているのと同じ計算になります。
同じようにファミリーパックのアイスを「1本だけね」と渡すのは、大人にファミリーパックのアイスを箱ごと渡して「6本全部一度に食べて下さい」と言っているのと同じ事になります。

我が家は4人の子供がいますが、4人共5歳までは砂糖甘いお菓子などを極限まで制限してきました。4人に対して「小学校に上がるまでは、食べたらダメ」というセリフを夫婦で何回口にしてきたかわかりません。やっと、この春に一番下の子が小学校に上がります。20年間、長かった。
小学校に上がってからは、一切制限はしていませんが、砂糖甘い物を口にする時は(望ましい物ではないと理解しているので)「食べていい?」と必ず聞いてきますし、常識的な少量を食べたら充分満足して「ピタッ」と止められるようです。
幼少期に砂糖の味を脳味噌に刷り込まれてしまって、中毒・依存症になっている私から見ると羨ましい限りです。

ちなみに、4人共学年で最上位の身長と体格を誇る、元気な子に育ってくれています。(成績は普通です・・・。)

私(父親)が歯科医師であっても、今の妻と違う女性と結婚していたら、全く違う食育になっていたのだろうと思います。日本においては、家庭のリーダーは事実上女性であり、母親の考え方次第で家庭は変わります。

どうしようかと悩むときには、とりあえず「今は買わない、今は与えない、今はやめておく」にしておけば失敗がありません。
ジュース、ラムネ、ハイチュウ、アイスクリーム、チョコレート、ゲーム、スマホ、等々。味を覚えてから取り上げるのは至難の業ですが、後から与えるのは簡単です。
アップルの創始者、ジョブスも自分の子供にはiPhoneを持たせなかったそうですね。さすがですね。

本当に悪魔のお菓子?

ラムネは悪魔のお菓子」(と私だけが呼んでいます)。多分ほぼ100%の方が「英保先生ストイック過ぎる」とか「子供も少しは楽しみがないと」とか「ラムネを口に入れたらおとなしくなるから、つい」とかおっしゃると思います。

最近は若草幼稚舎(私が校医をしている)と、けやき台こども園(英保歯科の前にある)のご縁でお見え下さるお客様がとても増えてきています。
ある、小学校低学年のお客様。英保歯科は彼にとって3軒めの歯医者になるそうです。ようこそ英保歯科へ。
「歯ぐきが腫れた」との事で拝見すると、左下の奥歯の2本の乳歯の周囲がひどく腫れています。この奥歯の乳歯はまだ数年使わないといけない歯ですから心配です。

レントゲンを撮影してみたところ、虫歯が歯の中の神経まで進行して、乳歯の根っことその周囲の骨が溶けてしまっています(レントゲンで黒く写っているところ)。その直下には永久歯の赤ちゃんが存在しています。一旦、根管治療で腫れは引いたのですが、数か月以内に炎症を繰り返すはずなので、直下の永久歯を健康に育てるには、この乳歯をずっと置いておく訳にはいきません。
幸い反対側は大丈夫でした。左右のレントゲンを見比べると素人の方でも違いがわかると思います。

数年使うべき乳臼歯を2本も抜くと歯並びに悪影響が出ますので、矯正歯科医に歯並びの成長発育の管理をしてもらいながら、抜歯のタイミングの計画を立てなければなりません。
お母様とお婆様には「矯正歯科に紹介しますので連れていってあげて下さい。」とお願いしました。

この小さな彼と保護者が、虫歯治療のために、今までに何回歯医者に通院したのでしょうか?恐らく30回程度は行っていると思います。金額は400円×30=12,000円位。通院の延べ時間は、相当なもの。彼の苦痛は∞。
その上、矯正歯科にも通う必要が出てしまいました。矯正は保険が効かないので、予定していなかった出費と通院の時間が追加されます。虫歯にさえしていなければ、と悔やまれます。

この重症の虫歯の原因がわかりますか?私は言い当てましたよ。

もう皆さんにも想像がつくはずです。そう。「それ」です。

「それ」を買ってさえいなければ、年3回の予防歯科の通院だけ、かかる医療費もわずか、彼の苦痛はゼロ、だったかも。

私が「それ」を「悪魔のお菓子」と呼ぶ理由が伝わりましたでしょうか?

阪急電車にて

先日、阪急電鉄で西宮北口に向かう時の出来事。休日の朝の10時頃でした。

30歳前後の若いお父様と2歳くらいの女の子の親子が仁川から乗って来られました。

恐らくまだ一人娘だと思うのですが、お父様はこの女の子を目の中に入れても痛くないほど、可愛く思っておられるようでした。

でも、無知とは恐ろしいものです。悪魔のお菓子(と私だけが呼んでいる)「ラムネ」を仁川から西宮北口に到着するまで、ずーっと、彼女のお口の中に放り込んでいるのです。虫歯製造機を口の中に設置しているのと同じです!ダメダメ!そんなことしたら!

「私は予防歯科の歯科医師です。そんな事をしていたら、悔やんでも悔やみきれないような事になりますよ!」と、喉まで出かかっていたのですが、思い留まりました。
でも、思い留まって良かったのかどうか?外国なら軽いノリで上手に話しかけたりするのかな?なんて思いながら、その親子の背中を見送りました。

どうか、彼女が将来歯の事で悩みませんように。

 

「3日 3週間 3か月 3年」の法則

今日は「3」の話をしましょう。

私は3人兄弟なのですが、兄と弟も歯科医師で、彼らは大阪で開業しています。3人とも同じ職業なのですが、歯科医師としての理想の姿は3人3様で面白いほど違います。

弟は「ハワイアンな歯医者」とかいうコンセプトで、アロハ着てサーフボードが飾ってある診療所で大阪の下町の地域の人に親しまれているようです。となりの人間国宝としてでテレビで紹介された事もあります。大阪歯科大学出身で、すっかり「大阪人」になっていますね。

兄も大阪・梅田で開業しています。彼もユニークな歯科医師で、歯科医師免許を取得直後に、昼は歯科医師として働き、夜間は東洋医学専門学校に通って東洋医学を猛勉強し、鍼灸師の免許も持っているそうです。現在でも東洋医学を驚くほど勉強し続けており、歯科東洋医学会の理事に就いて、母校の大阪歯科大学で東洋医学の講義をしているほどです。
気血水のバランスが崩れて心身の状態がベストではない方は、歯周病菌に対する抵抗力も落ちています。そのような方の歯周病の治療に漢方薬を使うと歯肉と共に全身状態にも改善が見られるそうです。面白いですね。
その兄が、とっても面白い「東洋医学の知識」を教えてくれました。
漢方薬の効果は、「3日 3週間 3か月 3年」を節目として効果が出てくるそうです。

漢方薬を飲み始めてから:

3日目「ん?何か調子いいかも?」
3週間目「確かに、少し良くなってきた気がする。」あるいは「この漢方薬は自分に合っていないのかな?かえって悪くなってきた気さえする。(←実は体に変化が起こって来ている結果だそうです)」
3か月目「あれ?最近あのつらかった症状を忘れている事が多いな。本当に良くなってきているようだ!」
3年目「体調が悪かった事がウソのようだ。今は自分が別人のようだ。」

という風に変化が出るそうです。

「3日坊主」とか「石の上にも3年」とかいう言葉がありますが、食生活習慣、生活習慣、運動習慣などの改善でも、カルチャー的な習い事でも、あらゆる事に、この「3日 3週間 3か月 3年」の法則が当てはまると思っています。特に東洋人の日本人にはDNA的に馴染むと思うのです。
禁煙でも、スポーツでも、砂糖の制限でも、3年継続できて、初めて「身に付いた」と呼べるのでしょう。フロスの習慣や予防歯科への通院も同じかも知れません。

皆さんもご自身の経験をこの「3日 3週間 3か月 3年」の法則に当てはめて、思い返してみて下さい。きっと「ハッ」とされますよ。
ダイエット、ランニング、スポーツクラブ、自転車、英会話など、皆さんの過去の経験からどうですか?

私も今、自分の過去の3日坊主だった事を思い出して赤面したり、3年以上続けている事を思って納得したりしています。

東洋医学的「3日 3週間 3か月 3年」の法則、是非覚えておいて下さいね。

 

 

保険の白いかぶせの、その先は?

「白いかぶせが割れた」という事で、久しぶりにドクターのアポイントでお見えになった英保歯科のファミリーのお客様。
拝見すると以前かかっていた歯科院でやったもらった、保険の白いかぶせ(詰め物ではなく、クラウンという王冠状の形態のもの)が壊れた状況でした。

被せが割れたり外れたりする時には、急にポコッと取れるのではなく、内部の接着剤の一部が剥がれが徐々に進行して、最終的に外れてくるのです。つまり歯と冠の間にすき間ができて、そこに虫歯菌が侵入して虫歯になって外れてくるのです。上の写真で、外れた歯が茶色く虫歯になっているのがわかりますか?

金属の冠自由診療のジルコニアセラミックの冠保険の白い冠(CAD/CAM冠を含む)の順に歯を削る量が多くなります。横の健康な歯と比べて、「どれだけ削ってあるか」が分かりますよね?
自由診療では型を取る材料にシリコンなどを使うのでピッタリ合う冠を作る事ができます。単に冠の材質だけの違いではなく、自由診療は色々な事が「スペシャル」なのです。このお客様にはこれらの事を説明をして、この歯を自由診療のジルコニアセラミック(8万円税別)で修復させて頂く事となりました。

接着不良のプラスチックの土台と内部に入っていた金属ピンを30分以上かけて慎重に取り除きました。そして、虫歯になっていた部分を、う蝕検知液で何回も染めながら慎重に慎重に削っていきました。しかし、これでもまだ完全には悪い所を取り切っていません。ここからは英保歯科の腕の見せ所です。「まだ抜かないで。その歯は残せるかも知れません。」です。頑張ります。

保険でできる白い詰め物(コンポジットレジン)は、防湿さえきっちりやっていれば、全然悪くないのですが、保険でできる白いかぶせ(HJCや今話題のCAD/CAM冠)には、まだまだ問題が多いと思います。「安くて白い」ので受けが良いのですが、被せてから数年後から十数年後にはその歯自体が無くなっている可能性があります。保険の白い被せを(CAD/CAM冠を含む)を勧めて下さる歯科医師には、是非「先生の歯にもそれを使いますか?」と聞いてみて下さい。

そもそも、予防して虫歯にしていなければ、あなたがこのようなストーリに関わる必要はありません。予防歯科治療を受けて、なおかつ、子供は「5歳までだけは砂糖甘い物を徹底的に控える」事が、人生に歯の悩みを持ち込まない最短の方法なのです。

気にしないィのすけ

新年会から上機嫌で帰宅してメールをチェックしたところ、税理士から「どうなっているのでしょう?平成30年度もまた、前年に比べて売り上げ減少です!」とのメールが来ていました。普通の企業なら大騒ぎになるのではないでしょうか?

私は税理士に「そうなるだろうと思っていたので、大丈夫です。」と返信しておきました。

英保歯科(私)は全てにおいて断捨離を続行しています。

「英保歯科のファミリーとそのご紹介のお客様や、ホームページを熟読されて英保歯科の理念や考え方をしっかりと分かって下さるお客様を大切にしたい。」との覚悟を持って、昨年はコンビニ側の看板を撤去しました。また、ホームページも「ホームページ≒院長のブログ」のようなシンプルなスタイルに変えました。

目に付かないように、目立たないようにとしている、こんな変わった歯科医院に「おっ、ここに歯医者があるやん、行ってみよ。」と云う風に、全くの新規のお客様がドンドン飛び込んで来られる訳がありません。

また、英保歯科では予防を徹底して行いますので、歯を悪くする方が少ないです。

医者や歯医者は「死の商人」ではないですが、誰かが病気や虫歯などになって初めて売り上げが上がる因果な商売です。

ですから、英保歯科が予防を頑張れば頑張るほど売り上げが下がるのは当然です。

♪それでもいい それでもいいと思える恋だった♪」という歌がありましたが、前年比の売り上げが減少しても、私は心底「それでもいい。」と思っています。本当です。

新年会 in 三田ホテル

英保歯科では数年前から新年会として昼食会をする事が恒例になっています。今年のリクエストも「フグが食べたい」という事で、三田ホテルの春帆楼で「フグ尽くし」を堪能してきました。


英保歯科のスタッフは全員主婦ですので、家庭や子供の学校の都合があって全員が揃える日の調整が難しく、今年はディナーの時間帯となりました。
ご主人や子供達を置いて夜に出かけるのは気が引けたと思うのですが、全員(エキストラで3歳のカワイイお嬢さんも参加してくれました!)揃って食事と会話を楽しみました。

みんな、時間の都合をつけて参加してくれてありがとう。

冒頭の挨拶では「全員健康に留意して、これからも末永く英保歯科で活躍して下さい。」とお願いしました。

スタッフとこのような機会で出かけた時は「今日は先生の表情が!まるで別人ですね。」と言われる事があります。自分ではわからないのですが、普段は仕事の責任と任務遂行のために無意識に、非常に緊張しているのだと思います。

歯科医師という職業に就いていなかったら(例えば会社勤めだったら)、毎日、どのような表情で暮らして、どのような事を喋って、どのような生活パターンで、どのような物を食べたり飲んだりしたいるのだろう?と思う事があります。
同期の男性の同僚と趣味の話をしたり、会社帰りに若い子を連れて新福島の居酒屋に行ってお酒を飲んだり、休みの日に友人と釣りやゴルフやサイクリングに行ったり、とかしているのかな?

歯科医師として、中小企業の経営者として一人で全責任を背負っている日々の暮らしは、タフだけれども、自分をしっかりと成長させてくれている事だけは確実です。