「院長日記」カテゴリーアーカイブ

そのパートナーを選んだのは「あなた」

先日、全くの初診でお見えになった、三田の旧市街にお住まいのミドルエイジの女性。お電話では「インプラントに関して、セカンドオピニオンを希望」という事でした。インターネットの普及で「セカンドオピニオン」という言葉も一般に知られるようになりましたね。
一通りの検査(レントゲン、写真、歯周組織検査)をさせて頂いて、いつものようにインタビューを行いました。どこで生まれて、どこに住んで、どの歯医者にかかってどの部位の治療を受けて来たかを、わかる範囲で良いので教えて頂きました。

ここ5年程はある駅前にある大手の歯科医院にかかっているそうです。お口の中に3本入っている「保険の白い被せ(CAD/CAM冠)」も含め、大半の治療はそこで受けたそうです。「色々やられちゃってるな・・・。」というのが正直な感想でした。

彼女:「右下の一番奥の歯(7番)、痛くも何ともないのですが、CTを撮ったら骨が炎症を起こしているので抜いてインプラントにしたらと勧めらました。40万円というのは、出せない金額ではないですが、私にとっては大金なので、どうしたら良いのか、何か別の方法がないかなと思って。」

英保歯科は通りすがりで知ったとの事で、紹介でもないし、ホームページも見ていないとの事でした。どうも、彼女は、何か安くて良い方法があれば英保歯科で受けようという感じで来院されたようです。歯医者は美容院ではないんですけどね。

私:「そのように担当の先生に相談した時に、先生は何とおっしゃいましたか?」

彼女:「診療室には治療の椅子が何台もあって、いつも患者さんが座っておられて、先生はとても忙しそうで、こんな雰囲気でゆっくり相談ができる感じではないんです。ドクターも沢山おられるような大きな歯科医院なんです。」

私:「あなたの主治医の○○先生は優しい先生ですから、時間を取って頂いて、今私に話して下さったような事を話して、良く相談してみて下さい。私があなたの歯科医師ではないので、これ以上は何と言ったら良いかわかりません。もしも、右下の問題になっている歯以外が全て無垢の歯であるのなら、1回だけ使える40万円を投資されても良いのではと思いますが。」

彼女:「そうですね・・・。」

以上でコンサルテーションは終了しました。○○先生に良くお話を聞いてもらえると良いですね。

 

あなたが、ある歯科医院を選んで、そこで治療を受けた時点で、歯科医師には「その治療をした責任」が発生しますが、同時にあなたには「その歯科医院を選んだ責任」が発生します過去に受けた治療の半分はあなたの責任なのですよ。少なくとも第三者の歯科医院・歯科医師には何の責任も、それの後始末をする義務も無いはずです。

お友達の口コミや英保歯科のホームページなどで、英保歯科の事を良く理解して、「今後は英保歯科のファミリーになりたい(健康管理は自己責任であり、歯を大切にして予防する努力をしたい)。」という気持ちで来院された方なら、過去の治療の清算もできる範囲では頑張ってやりますが、もう削られてしまっている歯は元に戻せないので、後始末をしてあげたくても、「ものすごくやられちゃった」後ではどうしようもない事が多々あります。

私は、英保歯科のファミリーの皆さんのための歯科医師です。コンビニ歯医者じゃなくてごめんなさいね。

町田市にも届け!

約15年前、20歳の頃から英保歯科のファミリーになって下さっていたお客様。現在は結婚されて東京の町田市にお住まいなのですが、お正月休みで今日まで三田に帰省中だそうです。

今日たまたま、詰め物が取れて御来院下さいました。
現在は2人目のお子様を妊娠中との事で、かつての20歳のお嬢様がすっかり母親の顔になっていました。

「関東に住んでいても、私のブログを読んで下さい。若いお母様方に伝えたい事を毎日一生懸命書いています。もしも気に入って頂けたら、お友達にも読んでもらって下さい。」と私。「わかりました!!」と彼女。

インターネットの力を借りて、関西のこだわり予防歯科医の思いが、関東の見たこともない誰かに届いて役に立つ事を願っています。

お断りしました。

接着歯学会認医やインプラント学会の専門医である事から、歯科関係の色々な団体から講演依頼があります。30歳代、40歳代の頃は、日本や世界のあちこちに講演に行くのが嬉しくて(認められている感じがしていたのだと思います)全てお引き受けして、意気揚々と出かけていって自慢げに話をしていました。今から思えば、若造のくせに偉そうに話していた事が「恥ずかしい」と感じたりしますが、精一杯やってはいました。

先日大阪の歯科医師の、とある研究会から3時間の講演依頼がありました。熟慮したのですが、お断りする事にしました。

私の最近の価値観は「省く」方向に向かっています。禅の思想のように「究極まで(無駄を)省く」とどこに行きつくか?という所に興味があります。自分の経験からはどんどん楽に、幸せになって行くと確信しております。

ただ、アベノミクスの成功で好景気が続く日本は、世の中の価値観が基本的にバブル時代と何ら変わらず、いまだに経済優先でカネとモノが重要視されているように見えます。(次の世代、就職氷河期経験者が社会の中核になってくると変化が起こるのではと思うのですが。)ネット上でZOZOタウンのニュースを見ない日が無いですが、いまだに経済的に成功する事が善なんですかね。

現在の私が一般的な歯医者さん相手に「断捨離しましょう。やめましょう。減らしましょう。ほとんどは必要がないのです。」といった価値観のもとに講演しても「???」となるだけだと思うので、キッパリとお断りした次第です。

歯科医師向けであれ、市民講座であれ、今後は講演依頼の7割は断ろうと思っています。
市民の皆さんにお話ししたい事はこのブログにせっせと書いていますので、しっかり読んで頂ければ充分伝わるはずです。

その一方、岡山大学歯学部の講師をしていますので、歯科医師の卵の若者達に講義をするのですが、それだけは絶対に継続したいと思っています。若い人達の方が私の価値観に近いと思うので、どうしても伝えたい事があるのです。

岡山大学での講義の度に感じるのですが、国立大学である岡山大学の学生は本当に真面目です。先輩として誇りに思っていますよ。他の講演を断ってエネルギーを蓄えて、若くて真面目な後輩のあなた達に「本当の歯科医療とは何か」を精一杯伝えますからね。

一人だけ良くてもダメ

「若い頃から歯が良くて、何十年も歯医者にかかった事が無い。今でも自分の歯が全部揃っているので、所属している(リタイヤした人の集まる)サークルで羨ましがられる。」

こんな風におっしゃる(自慢される)中高年のかたがたまにいらっしゃいます。生まれつき歯が強い(虫歯菌の産生する酸に耐えやすい)か、小さい頃の食生活習慣が良かったのだと思います。

それはそれで良い事なのですが、何十年も歯医者に行っていないので、たいがいは歯石だらけで、下の前歯がグラグラするなど、中等度以上の歯周病になっていることがほとんどです。
虫歯にならなくて、歯医者に縁が無さすぎるのも善し悪しですね。予防歯科の概念すら入手するチャンスを逸するのですから。

こちらのお客様には「それは良かったですね。」という事になるのですが、予防歯科医師の視点から見ると、むしろ歯の質が弱かったり、親の正しい予防歯科の知識が欠如していて虫歯になってしまう子供と大人を未然に救ってあげるようにできないものかと思います。

全員の病気を未然に防ぐ事を考えるのが公衆衛生であり医療です。

それから、歯が虫歯になってボロボロになって歯を失った大人は、基本的には子供の頃の食生活習慣(食育)と保護者や学校などの誤った予防歯科の考え方が原因であって、その人自身が悪いのではないのですから、歯がいい(と思い込んでいる人)も入れ歯などで苦しんでいる人に対して、「俺は歯がいいんだ!」と面と向かって自慢しないで下さい。

聞かされる方は、そんな事自慢されたって今さらどうしようもないのですから、可哀そうでしょ?

「キーキー虫」 ってどんな虫?

妻が子供に「甘い物を食べ過ぎたらキーキー虫が来るからその位にしておきなさい。」と注意しているのを耳にする事があります。

私は結婚してから初めて耳にした「虫」の名前なのですが、妻はこの虫の存在を彼女の母親から教わったそうです。

妻の母親は、妻が子供の頃に「砂糖」の入ったジャンクフードを極力食べさせないように努めてくれたそうで、ご存知のように、砂糖は、特に3才以下の子供の脳に悪影響を与えるため、食べたら興奮し落ち着きが無くなり「キーキー言い出す」から「キーキー虫」と表現して「砂糖をなるべく食べないように」と躾してくれたそうです。凄いですね。

一番分かり易いのがラムネです。落ち着きの無い小さな子供の母親のカバンにはラムネかハイチュウが入っています。1日中断続的に高濃度の砂糖の錠剤を投与される小さな子供の脳は常に興奮しています。感心できないですね。

多くの家庭は奥様の実家の生活習慣のコピーとなります。食生活習慣についても同じ傾向があります。

今あなたが変えれば、これからの子孫の暮らしが良い方向に変化しそうのは分かりますね。

ドリンクバーは結構です。

とある、ショッピングモールのバイキングレストランに行った時の出来事。

小さな子供連れの家族は賑やかである事が多いせいでしょうか、何故か決まった一角にまとめられるようで、我が家も例に漏れずそこに案内されます。

お陰で色々な年齢層、色々な家庭の、子供に対する食育や躾についての考え方が観察できて興味深く、色々な事に気が付いたり、考えさせられたします。

そこでは100円追加すればドリンクバーのジュースが飲み放題になるのですが、追加している家庭もあればそうでない家庭もあります。

ドリンクバーを追加して、食事の最初からメロンソーダ等を持ってきて飲ませている家庭の子供は、一気に血糖値が上がってしまうので、ほとんど食事を食べていないように感じました。食が細いんですね。

特に修学前の年齢でその傾向が顕著ようです。体も小さいし脳も未成熟なので、受ける悪影響が大きいのでしょうね。

少なくとも食事が終わった後にジュースを許可するか、我が家のように「ドリンクバーは結構です。」と一言言ってしまうのが良いと思います。

後者の方が簡単ですし、子供にその理由を説明し、色々と考えさせる事によって、彼、彼女達自身とその将来の家族の歯と全身と心の健康と人生を守る事に繋がると、私は考えます。

その位の勢いで食育しておいても丁度位に落ち着きますよ。我が家の経験からですが。

Surf 648 in Okinawa

日本の米軍基地にいる軍人向けのラジオ放送があります。以前はFENといって、小林克也さんなどはこれを聞いて英語の勉強をしたそうです。
今はAFNという名前に変わっており、東京も沖縄もローカル情報以外は同じ放送、音楽が流れているようです。
若い軍人向けだけの音楽ではないので、iHeart Radio countdown などよりは私に合いますね。私がもともと沖縄好きというのもあるのですが。
スマホアプリで聞く事ができますので、bluetooth でカーステレオと接続すれば、三田にいながら「沖縄の湾岸線をドライブ中の気分」を楽しめる、かな?

もし興味があったら、聞いてみて下さいね。

パラダイムシフト、起こればいいな。

お正月の間お待ち頂いていたお客様が多かったのでしょう。今日は8時から3時までアポイントがフルブッキングで忙しい一日でした。

その後、神鉄に乗って有馬温泉に移動。とある、お堅い団体の新年会に参加するためです。1泊しての宴会ですので長くなりそうです。


何と、来賓として、国会議員の末松信介先生がお見えになっていました。来賓の挨拶では歯切れの良い、スッキリとした内容の見事なスピーチをして下さいました。三田学園出身との事で、納得です。

歯科と全身の健康の関連についても造詣が深い先生なのですが、幸運にもお話させて頂くチャンスに恵まれましたので予防歯科という概念についての説明を聞いて頂きました。
「医科の病気は予防できない事も多いが、歯科の病気はかなりの確率で予防できるのですよ。国民の歯が良いと健康な国民が増えて国家の生産性は向上し、医療費は大幅に削減できますよ。」といった私の話に熱心に耳を傾けて下さいました。さすが三田学園出身!

もしも行政が治療だけでなく予防に予算配分をして、予防歯科が普及すれば、歯が悪くなるという現象そのものを激減させる事になります。これは歯が悪くなった人(従来の概念で言うところの「患者」)を激減させる事になるので、パラダイムシフトを怖がり、既得権益にしがみつくタイプの人々からは相当な抵抗と反発があると思います。私の今日のアクションが吉と出るか凶と出るかはわかりません。何も起こらないのかも知れません。神のみぞ知るといったところでしょうか?

政治に期待する前にまず、日本国民の歯に対する価値観のパラダイムシフトが必要です。「歯の詰め物が取れてほったらかしにしてたら、ついに痛くなってきた。嫌やけど今日歯医者に行って神経取られてくるわ。」が、常識では話になりません。(英保歯科のファミリーのお客様には、そのような方は一人もおられませんが。)

ゴージャスなお宿に宿泊予約をしていたのですが、私は断酒をしていて酔えない状況で、長時間の宴会にずーっと付き合うのはキツイものがありまして、何よりも家族にも会いたくて、1次会が終わるとホテルを抜け出して電車に乗って家に帰ってしまいました。

家のドアをそっと開けて「泊まらずに帰って来ちゃったけど、お呼びで無い?」と子供達に聞くと、「ちょうど今、『お父さん、きっともうすぐ帰って来るよ』って皆で話してたんだよ。」ですって。

 

少なくないよね

一年間に3500人以上の人が交通事故で死亡しているんですね。それでも過去最少らしい。どれだけの人が亡くなってきたのだろう・・・。

1年間の交通事故死3532人 過去最少に(日本テレビ系(NNN)) – Yahoo!ニュース

これだけの人数がテロや戦争で死んでいたら、大変なニュースになっていると思うのですが。

電車や飛行機の事故で年3500人死亡したら、マスコミに「とんでもない危ない乗り物」だと叩かれることでしょう。

車だけ何で許容されるのかな?やっぱり日本の基幹産業だから、政治力が働くのかな?

常に「原因除去」と「断捨離」とを考えている私は、「世の中から自動車を完全に無くしてしまったらどうだろう?」と真剣に考えてしまいます。

「本気で取り組めば、不可能じゃないかも。それに、得られるメリットの方が多いかも知れない。」と半ば本気で思ってしまうのは私だけでしょうか?

原子力発電所も、同様に感じます。

英保歯科のファミリーの皆さんはどう思われますか?

仕事始め

英保歯科は今日から通常営業しております。街はまだお正月モードのようで、車の往来などもほとんど無い中出勤してきました。
皆さんは月曜日からスタートでしょうか?

今日は全くの初診の方が3人お見えになる予定で、すでにアポイントが全て埋まってきております。4日から営業にしておいて良かったと思っております。

先ほどは、若草幼稚園出身でゆりのき台小学校の8歳のお子様がお母様のお付き添いで、全くの初診でお見えになりました。予防歯科治療を受けたいとの事でした。

小さい頃にチョコレートなどは一切与えないように気を付けていたのに、乳歯の3本を神経を取るような虫歯にしてしまったとの事です。友人などから、ラムネを与えていた事が原因と理解して、与えるのを止めるようにしたそうです。気が付いて良かったですね。
お口の中を拝見すると、現在は歯垢も少なく、虫歯菌は随分減ってきているように感じました。これなら永久歯は虫歯ゼロで行けそうですよとお話しました。
インタビューを続けると、現在でもハイチュウを買って与えているとの事。子供はそんなに欲しがっていないのに買っているとの事で、その辺は是非改善して欲しい(買わないようにして欲しい)とアドバイスしました。腑に落ちた様子で、充分納得されたようです。
お子様でしたが、お口の中の写真を撮って、しっかりと時間をかけてインタビューとアドバイスをして良かったと思います。

今年も皆様の歯と健康と人生を守るために、しっかり仕事をしてゆきたいと思っております。どうか宜しくお願い致します。