「院長日記」カテゴリーアーカイブ

日本人の生産性と国際競争力を高めるには(1)

最近は、自分で起業される方も増えていると思いますが、多くの場合は楽天の三木谷氏のように一旦大企業に入社して社会経験を積んだ後に起業されるケースが多いのではないでしょうか?
実家のビジネスを継承する運命にある方でも「しばらくは外の飯を食ってから」即ち、一旦外部の会社勤めを経験し、ビジネス社会の常識を身に付けてから実家に戻るのが「善し」とされているのではと思います。

経済的成功という面では全くスケールが違いますが、私も同様に起業して経営しています。ただし、私は会社勤めをした事がないので日本のビジネス界(=日本社会)の常識を先輩や社会から教わった事がありません。

大学や病院も「小さな日本社会」ではありましたが、岡山大学歯学部は新設学部で私は2期生という事もあって、新鮮で自由な空気に満たされた幸運な状況でした。白い巨塔の世界とは全く違っていましたね。

そんな社会常識の無い歯科医師 兼 経営者ですが、非常識だからこそ「日本の社会ってこうした方がいいんじゃないかな?」と感じる点がいくつかありますので、何回かに分けてこのブログでお話させて頂きたいと思っております。どうかお付き合い下さい。

 

 

 

 

 

間違いなく98%の仲間入り

日本人の98%は歯が悪くなってからしか歯医者に行かないという一説があります。ほとんどの人が定期的な歯科衛生士の先生のケアーを受けていない事になりますが、本当でしょうか?

先日所用で大阪までJRで行ったのですが、帰りのラッシュアワーの車内「空気」で、「この98%という数字は真実だな」と確信しました。
私は職業柄、歯周病が原因の口臭には非常に敏感なのです。皆さんが電車の中で「この人口が臭いなあ」と思うような方だと、私なら半径3メートル以内に入ると感知できます。
このJRの車内では、老若男女にかかわらず、程度の差こそあれ、かなり多くの人に歯周病からくる口臭がある事が感じられました。奇麗に化粧をした20歳代の女性やカッコイイスーツを着て英会話の勉強をしている30歳代のビジネスマンも含めてです。もちろん全く口臭を感じない人も相当数おられましたが。

偉そうな事を言っていますが、例えば私が神戸大学の工学部を卒業して尼崎の家電企業に勤務していたとしたら、あるいは、岡山大学歯学部ではなく医学部に進学して普通の医師になっていたとしても、間違いなくこの98%の日本人の仲間入りをしていたと思います。そして自覚のないままJRの中で口臭をまき散らしていたと思います。歯学部に入学するまでは歯のケアーの大切さなんて考えた事すら無かったのですから。

歯科医師になったおかげで「歯のケアーの大切さを知ったので、50歳後半になった今でも自分の人生の質を高く維持できている。」と思います。
98%の日本人に少しでもこの知恵・知識が伝わるようにと願いを込めて、引き続きブログを頑張ります。


 

 

掃いて捨てるほどある

他の歯科医院から英保歯科に転医される時に、お友達から英保歯科の特徴をしっかり聞いて良く理解してから、あるいは、英保歯科ホームページを熟読してからお越しになる方ばかりではなく、「ちょっと小耳に挟んで」という理由でお見えになる方もおられます。

先日お見えになった中年の女性が「三田にも歯医者が増えて、今は掃いて捨てる程あるから(別にここに来なくてもいいんだけど来てやった)。」と、初対面の私に面と向かっておっしゃいました。お伺いすると「ここが良いと小耳に挟んだ」との事で英保歯科のホームページなどは全く見た事が無いとの事でした。「英保歯科は予防歯科を核に据えて展開しております。お客様のご期待に添える事ができれば良いのですが。」と初回のコンサルテーション時にお話ししたのですが、それ以来お越しになっていません。

「コンビニより多い」といった修飾語が頭に付けられる歯科医院という存在ですが、「英保歯科だけを頼りにしています。」と言って下さるファミリーの方も多いので、今日のような台詞で心が折れそうになっても、それでも、頑張る事ができます。

 

「長女に」と思って

私自身、幼少期に家庭で非常に厳しく躾けられ、その上、小学校を卒業するとすぐに家を出て、当時「軍隊式教育」を売りにしていた中高一貫校の寮に入って、かつ部活はなぜか柔道部に入ってという「かなり厳しい」青春時代を過ごしました。ですから「子供の教育は厳しく」というのが当然だと思っていました。

長女が生まれた時私はまだ30歳代でしたので、そのような価値観を強く持ったままで彼女に接し、可哀想なくらいにきつく指導しました。

小学校の友人が訪ねてきた時にカルビーのポテトチップを持って来てくれたのですが、(今でも感心はしませんが)子供がジャンクフードをボリボリ食べながら遊ぶという事に違和感を覚えて、友人が帰った後に長女に「こんなもんは子供の食べるもんじゃない!」とこっぴどく怒って「お父さんが言った事を忘れないように、ここに貼っておくからな!」と、壁にセロハンテープでそのポテチの空き袋を張り付けた事があります。(その直後に妻が呆れた顔をしてそれを剥がして、ゴミ箱に直行した事は言うまでもありません。)

今ではそれが笑い話になっていて、ポテトチップが家にあると必ず長女が「こんなもん食べるとお父さんに壁に貼られるよ。」と茶化してきます。

映えるポテチをオアシスで見つけたので、長女にと思って買って帰りました。どんな反応をするか心配しながら渡したのですが、「これも壁に貼る?」とは言わずに「ありがと。」とだけ言ってくれました。良かった。
他の子供達は「何でお姉ちゃんだけ~!?」と怒っていましたが、今回は彼女にだけです。

こうありたいけど

完全菜食主義がまたまたブームのようです。
私もいつかは Vegan になりたいんですけど、子供が居て、社会生活をしているとなかなか難しいですね。リタイアして妻と二人暮らしになってから「なんちゃって Vigan」になるかどうか考えたいと思います。妻が私の体を心配して許してくれないと思いますが。
野菜の持つ美しさには惹かれます。皆さんはこの写真を見てどうですか?

私も20歳の頃に数年間 Vigan だったので、経験から良く知っているのですが、完全菜食主義は体にかなり無理がかかります。

ですから、気を付けないといけないのは子供にはさせない事と、大人であっても「自分の意思で」始めたり離脱したりするべきだという事です。
新興宗教のように「もうやめたいけど、周囲との関係があって抜け出せない」では本末転倒で、本来は自由な意思の上で行う自己鍛錬(修行)なのです。

音羽寿司 Good Job!

とある歯科医師グループの会議に出席した際に昼食としてご覧のような音羽寿司を御馳走になりました。
音羽寿司は回転ずしに毛の生えたようなモノだと勝手に想像していたのですが、全然違ってちゃんとしたお寿司で美味でした。
カウンターのある寿司屋に、恐ろしいほど食べる子供4人を連れて行くのは夢の又夢ですが、せめてこの音羽寿司くらいは食べさせてやりたいと思います。

でもやっぱり、いらないや。

水曜日の夕方から梅田で会議があり、木曜日は午前中に宝塚の私立小学校での健診、午後からは三ノ宮で用事と、普段の診療所に籠った生活とは全く違う生活リズムで過ごしました。1日中、車で都会の街を移動して営業されているビジネスパーソンがいかに大変な仕事か、ちょっとだけ分かった気がします。

水曜日はグランフロントの高層階にある企業で打ち合わせをしたのですが、あのあたりは「コテコテの大阪」って感じではなく、まるで東京のようですね。約束の時間より早めに着いたのでスタバでコーヒーでもと思ったのですが、敷居と値段が高いので、ヨドバシカメラでパソコンを物色して時間を潰しました。

グランフロントの建築も素晴らしく都会的で、働いておられる方のファッションもお洒落で、たまにはこんな所に行って「世の中」を見るのも良いなと思いました。
(私は先日、楽天の無地Tシャツ専門店で同じ白いTシャツを24枚購入して「普段着は超シンプルに、このスタイルだけでこの夏を過ごそう!スティーブジョブスも真っ青か?」と思っていたのですが、ここでは浮いてしまいそうです。)

でも、自然に囲まれた三田で小さな歯科医院を経営する者の目から見ると・・・。

この、グランフロントの家賃はどの位だろう?
それを支払うために企業は常にどれだけ売り上げ続ける必要があるのだろう?
それを稼ぐために社員は毎日どの程度頑張る必要があるのだろう?
ここで働く人達はこのこのような暮らしを維持するためにどの位のお金と時間とストレスを使っているのだろう?
企業経営者も社員も、見た目の華やかさと同じ位、幸福度も高いのかな?
それに、ここでは原子力で発電した電気をどの位使っているのだろう?

と思ったりしました。そして、

「自分は、ここまで華やかじゃなくても良いな。三田の英保歯科の方が自分には合っているな。」と思いました。

告白すると、グランフロントができた時に「医療フロアが無いのか?家賃はどの位?」と問い合わせした事があるんです。自分の学歴や経歴や腕を生かして、都会で一花咲かせたいと思った時期があったんです。何であの時「自分の学歴や経歴や腕を生かして、都会で一花咲かせる必要がある」と思ったのか全く覚えていないのですが、自分の性格や、予防歯科の普及が第一という理念を顧みたら「ダメ」に決まっているのにね。家族と過ごす時間も少なくなっちゃうしね。

頑張ってね。

歯科医療を取り巻く業界には色々な職種があって、臨床の現場の人間だけでなく「出入りの業者さん」というのがあります。

セラミックの歯を作って下さる歯科技工士の先生と歯科医師との意思疎通の仲介をして下さる「メッセンジャー」という仕事も、非常に大切な役割を担っています。やる気と思いさえあれば資格は不要なので、歯科医療に携わりたい「普通の素人」が就職してきます。

最近の日本人は3年以内に転職する人が非常に多いそうです。

英保歯科に出入りして下さっているメッセンジャーさんの一人が先日「実は・・・。」と言ってきました。彼はお菓子の業界から歯科に入って来たのですが、次はまた全く違う業界の営業に変わるそうです。

歯科助手という仕事も同様ですが、歯の数さえ知らない素人に、上の者が気の遠くなるような時間と根気を費やして、一から色々と教えて育てていくのですが、あっさりと「完全にリセット」されてしまうと悲しいものがありますね。
こういった現象の一番の問題は日本の歯科医療の質の低下を引き起こす事です。

皆さんが従事されている業界でも同様ではないですか?日本の産業の生産性と競争力がますます低下していくのではと心配なのですが、どうなんでしょうね?

私は歯科医師を30年以上継続してやっていますが、いまだに進歩し続けています。長年の経験はやはり大切です。本に書いてない事が見えてくるのです。そして、同じ仕事を長年継続していると、その仕事に携わる喜びも見えてきます

でもまあ、英保歯科と御縁があった方が心機一転、再スタートされるのですから、「頑張ってね」とエールを送りたいと思います。

 

 

私がペスカタリアンである理由

ペスカトーレというパスタ料理があるそうですが、魚介類のパスタだそうですね。
それでは、ペスカタリアンって言葉知ってます?魚介類は食べるベジタリアンの事です。
ベジタリアンでも色々なランクがあって、マドンナやポールマッカートニーはビーガン(完全菜食主義者)だそうです。

私のブログの愛読者の方が今日、「先生のブログを読んでいると、先生がベジタリアンを続けておられる訳がわかりました。子供さんに健康な強い遺伝子を残そうと思っておられるのでしょう?」と感想を述べて下さいました。本当に隅々まで読んで下さっている感じで、とても嬉しくなりました。
「実はそうじゃないんですよ。ただ単に『殺してまで食べたくない』だけなんです。ポールマッカートニーは屠殺場に入る牛を見てからビーガンになったそうです。」とお答えしました。

自分の強い遺伝子を残そうという発想は無かったなぁ。

i Mix と接着治療で改善

中央の歯の根の周囲を取り囲むように、にグレーに写っている部分は細菌感染で顎の骨が溶けてしまっているんですよ。神経を取った歯はこのようになる事があります。神経が生きている歯は絶対なりません。ですから、予防しましょうね!

2年前に、ヒビが入っていて歯の周囲に炎症がある歯を、英保歯科オリジナルの特殊な治療方法(i Mix )と接着歯科とを使って抜かないようにチャレンジした歯です。

ひょっとしたらこれが治ったおかげで糖尿病や心筋梗塞にならずに済んでいるのかも知れませんよ。

困難な治療でしたが、2年経過してレントゲンを撮影したところ、歯の根の周囲の炎症が軽減して、骨が再生していました。
健全な骨の量が増加していますので、将来この歯の部位にインプラントを埋入するようになっても安心ですね。

頭が柔らかい若い歯科医師でこの治療方法に興味を持つ人がいたら教えたいんですけどね。