苦楽園からようこそ

今日は苦楽園から美しい女性がお見えになりましたよ。
米国に3年間も住んでおられたそうで、英語がとても堪能なはずです。雅子皇后様のような感じなのでしょうかね。素敵ですね。
前歯の悩みがあるようで、わざわざ三田まで来て下さるので、普通の2倍の80分間の枠を取っていたのですが、お話が複雑で、それでも足らないような感じでした。
最初に私から必須事項を質問した後は、カトリックのシスターから習った「愛に満ちた沈黙」を心に置いて、彼女のお話に耳を傾けるよう最大限の努力をしました。

彼女が今まで信頼して診てもらっていた歯科医師の先生が、誠実に努力をされていた部分も多々ある点なども含めて、私の見解と考えをお話しました。

近いうちにまた英保歯科にお越し頂けるようです。

今日のコンサルテーションで少しでも彼女の歯の悩みが減って、次回来院時には今日よりもっと素敵な笑顔が拝見できるといいな、と思っています。

予防歯科イベント@若草幼稚舎

6月4日前後は「歯の健康週間」です。
私が園医をさせて頂いている若草幼稚舎でも、虫歯予防の啓蒙のためのイベントが開催され、英保歯科医師と石塚歯科衛生士の二人で参加してきました。

歯磨きをサボってチョコやキャンデーを食べてばかりいる女の子の所に虫歯のバイキンがやって来て痛い目に会うという内容の劇が披露されました。保育士さんとは思えないプロ顔負けの熱演に、「怖いよ~」と泣き出す子供が続出していました。
その後、「英保先生に聞いてみよう~!(パフパフ~)」のコーナーと、歯科衛生士によるブラッシング指導が行われました。

若草幼稚舎は相当に質の高い指導をされています。園医として関わっておりますので、それは身を持って感じています。本日のような、先生方の献身的な努力の賜物だと思います。

神戸友の会幼児生活団の子供達の作品です。古い「型にはめる」教育を受けた私から見ると羨ましい程に、子供の個性を壊す事無く、大切にして伸ばしてくれます。

その一方で、私の子供は4人共「神戸友の会幼児生活団」という所を卒団(卒業ではないんです)しました。
今回、若草幼稚舎のイベントに参加させて頂いて、「神戸友の会幼児生活団」で受ける教育は、「普通の幼稚園」と全く違う事がわかりました。全然違うんです。

「神戸友の会幼児生活団」を卒団する頃には、6歳でも「沢山の大人の前に一人で立ってプレゼンテーションができるような、立派な人格を持った一人の人間」のようになります。

普通の幼稚園での教育も、生活団にも、どちらにも長所があります。日本の教育の選択肢に多様性があるのは有難い事ですね。

私のブログの読者は、私の宝物です。

昨日は三木市から新しいお客様がお見えになりましたよ。25歳の男性で、珍しくアポイント無しの来院でした。小学校から歯医者に行った事が無いとの事でしたが、予防歯科という考え方を説明したら感動されていました。
英保歯科は「インターネットで知った」との事でしたが、英保歯科のホームページではなく、単にGoogleビジネスで写真を見ただけで来られたそうです。

その一方で、昨日は「ブログに私の事を書いてもらっていたようで、有難うございます。」なんて内容のお手紙を頂戴しました。嬉しかったなぁ。

私のブログを読んで下さっている方は私の宝物です。
だって、自分では「渾身のブログ」と思っているのですが、見方を変えたら、居間で酔っ払ったオヤジがブツクサ喋っている「お茶の間の正義」を聞かされているのに近いかも知れないので。

特に女性のコアな読者の皆さん(あの方と、あの方と・・・。と、お顔が浮かぶのですが)には特に「いつも話を聞いてくれてありがとう。」とお礼を言いたいです。
女性ってやっぱり優しいね。

キリスト教(カトリック)は「沈黙」の持つ意義・力・大切さなどについて説いています。私も「優しさに満ちた沈黙」を身に付け、皆さんのお話にしっかりと耳を傾ける事ができるように精進しますね。

スタッフ数:7人vs50人vs700人

英保歯科は15年前は 歯科医師4名を含む 20人近い大所帯でしたが 、思いっきりダイエット(断捨離)して現在はスタッフ7人です。

私の知人で、最近大企業を退職して神戸元町にある実家のお店を継ぐ ことになった方がおられます。そこの従業員は50人との事で「大企業を辞めて、これからは小規模の自営業になるから不安だ。」と言っておられました。私は彼に「これから自由じゃないですか。あなた自身のお店ですから何でも思い通りにできますよ。本当に楽しみですね!」」と言いました 。

また、私の高校の先輩で京大を卒業して、IT企業を経営されている方がおられます。そちらの従業員は何と、700人だそうです。彼は私に 「英保歯科は大きな建物なのだから、歯医者の人数を増やして事業規模を拡大すればいいのでは?」とアドバイスしてくれました。
私は彼に「15年前は歯科医師が4人いたんですが、思う所あって規模をバッサリと縮小しました。売り上げは半分以下になりましたが、その代わりに、自分の信念に従った日々を送る事ができています。」と答えました。

二人は平気で「売り上げ半分以下」と言う私の姿を見て、あっけにとられたようでした。一般的に企業経営者は「規模拡大が善」という常識があるようですね。

私は自由が好きです 。

私が今乗っている船はとても小さな船ですが、精鋭揃いの「7人のスタッフ」に助けられ、自由自在に行きたい所に行ける。そういった今のスタイルがとても気に入っています 。

10万人の2%ならピッタリか。

一説によると、日本人の98%は「歯が痛くなってからしか歯医者に行かない」そうです。信じられないような、自殺行為とも言える数字ですが、案外事実かもしれません。

皆さんの会社や学校、ママ友などの中で、年に3-4回必ず予防のために歯科医院に行っておられる方はどの位おられますか?2%程度なら、98%説は真実という事になりますね。

一方で、英保歯科のお客様の80%は予防のために来院されています。三田市・ウッデイタウンの住人の健康志向の強さがわかります。

ここ24年間の間に、英保歯科には7000人以上の方が訪ねて来られました。医院の雰囲気や予防歯科中心と言う価値観に共感して下さった方だけが残って下さって、現在は約2000人のカルテが存在しています。約5000人は他の歯医者に移られた訳ですが、2%ではなく約30%の方が英保歯科の理念に共感して下さった訳で、随分有難い事だと思っています。

現在の英保歯科のカルテが2000人分ですが、三田市の人口が10万人として、その2%なら2000人。日本人の「予防のために歯医者に行く人」のデーターとピッタリ合致するから面白いですね。

どの世界でも、花は咲く。

昨日の「プレジデント」の暗い記事より、この記事を読んで頂く事をお勧めします。明るくなれますよ。

低学歴でも「勝ち組」になれるハリウッドの事情:
猿渡 由紀 :L.A.在住映画ジャーナリスト

そう来なくっちゃ、ね。

親日家のシンディ・ローパーも下積み時代に日本食レストランのウエイトレスをしていて、そこで日本人の女性オーナーに世話になった恩があって、日本が大好きだと言っていましたよ。

大した事無い学歴でも、失敗だらけの人生経験でもいいじゃないですか。私も東大出身じゃないし、失敗ばっかりだけど全然気にならないし、平気です。

何でも前向きに、ポジティブに捉えたいよね。

どの世界でも、花は咲く。野に咲く野生のすみれでも、自分さえそれが最高に奇麗な花だと思えたら、それはキラキラ輝く満開の花。

稀に見る醜さ:雑誌プレジデントの思考回路

President:〈主に米〉〔会社の〕社長、代表取締役、頭取

プレジデントという雑誌があります。何度かコンビニで立ち読みした事があるのですが、内容や思考回路が「?」で、「本当に物事が見えている、有能な社長、代表取締役、頭取」が読む本では無く、「自分は学歴もあって優秀なので会社の要職に就けるはずだ」と勘違いしている人の愛読書だと思います。

その理由?下のリンクの記事を読んで下さい。

出身大学でわかるいい歯医者ヤバい歯医者 | プレジデントオンライン

これを読んで素直に「そうか。納得だ。Fラン大学出身の歯医者ははヤバいな」と思われた方は相当に危ないですよ。雑誌プレジデントより「ウサギと亀の話」を読んだ方が良いですよ。

出身大学や大学の偏差値はたった20歳前後までの人生の結果であって、受験勉強の出来は家庭環境や親の考え方に大きく左右されるものです。むしろ、その後の人生の方が長く、そこでは自分自身の努力の結果が表れてきます。

難しい歯科医師国家試験にちゃんと合格して、その後人一倍努力しているのに過去の出身大学だけで決めつけるのは「生まれ持った肌の色や国籍で人間を評価している」のと何が違うのでしょう?
本当に有能な人はそういった事はしません。本当に有能な人は、目の前にいる「人間」を見て判断する能力を備えています。
このプレジデントの記事を読んでも「私の先生はとっても良い先生だだけど、○○大学だからヤバいかな?」などという偏見は持たないで下さい。

ちなみに、私が学歴や経歴を見せるのは「お客様がそういう事を知って安心される場合(日本人には多いですね)」だけです。

そして、学歴や経歴を武器として使うのは「相手がそういう武器で切りつけて来た」時だけです。お偉い、勘違いの人達ですね。でも、最近はそういった人達はむしろ本気で相手にしないようにしています。その方が「気」が乱れないから。

 

 

家族は家族です。

私のブログを良く読んで下さっている、私とほぼ同じ年齢のお客様がおられます。彼女は市外から1時間程度かけて通院されています。
彼女には10年以上前に親知らずの移植を行って成功し、現在でもその歯を使って頂いております。

非常に気真面目な方で、年三回の予防治療を受けられてはいるのですが、人生色々な事があるようで、お口の衛生管理やホームケアーなどが、なかなか理想的な状況にならずに自責の念にかられるようです。
「3Di根管治療やジルコニアセラミックなどの自由診療の治療を駆使して、全体を抜本的に修復して歯の延命をして欲しいのですが、私みたいないい加減な人間は英保歯科のファミリーの資格が頂けるような者じゃないし、英保先生の自由診療の治療を受ける資格も無いと思うんです。」とおっしゃいます。

「家族は家族ですよ。家族の中には勉強ができる子もいれば、そうじゃなくても優しい子もいます。親なら、子供のうちで誰か一人だけ差別するような事はしないでしょう?そんな事は心配しなくても大丈夫ですよ。」とお伝えしました。

これから気の遠くなるような回数と時間をかけて、過去に他院で行われた保険の治療のほぼ全てを、自由診療でやり直すようになります。
私も精一杯頑張って治療をしますので頑張って通院して下さいね。

今年も虫歯ゼロでした!

若草幼稚舎の分園、ナースリーでは保育士の先生方が熱心に予防歯科に取り組んで下さっています。
こちらでは、ここ何年かずっと、歯科健診で虫歯の子が見つかった事がありません。
素晴らしい事ですね。若草幼稚舎では、もう私がとやかく言う必要は無くなったように思います。
「もう大丈夫なので、園での予防歯科教育に関しては、先生方にバトンタッチします。後はお任せしますね。」と宣言してきました。

 

要経過観察歯って?

英保歯科で幼少の頃から予防をしているお客様です。彼の口の中には、今まで1本も削った歯はありません。30歳でこの状態。6歳で生えて24年間でこの程度の変化。悪く無いと思いませんか?職場の近所の歯医者で「虫歯なので、即、治療しましょう。」と言われたこの歯について、今後どうするか相談しました。私は「まだ削りたくないですし、その方がが結果的に長持ちすると思います。」と言いました。彼は「引き続き食生活習慣に留意して予防に努めます。」と言ってくれました。これが予防歯科的視点であり、この歯が「要経過観察歯」ですね。

学校健診で「要経過観察歯」って指摘される事がありますよね。
歯科医師から「虫歯になりかけだけど、まだ削らない方が良い歯」なんて訳のわからない説明をされたりして、どうしたら良いのかさっぱり理解不能ではないでしょうか。

一旦修復した歯は必ず接着剤の部分などが劣化して再度トラブルが生じます。ですから、歯科医師は、なるべくなら削ってつめるのは避けたいのです。(特に、防湿もせず、短時間で雑に行われた、誠実さに欠ける治療は「すぐに」ダメになります。)

「要経過観察歯」は、その家庭の食生活習慣や衛生習慣を考慮して、時間軸で今後起こり得る変化を考えつつ経過を見る状態です。生活習慣が改善すれば進行が極端に遅くなる可能性もあるし、生活習慣が望ましくない方向に向かえば急速に虫歯が進行するので、その時点では、諦めて削って埋めるような(特に子供の体にはやりたくない行為)を残念ながらやりましょう。という事なんです。

「茶色くなっていたら虫歯」で良いなら、6年間も歯学部に行って勉強しなくても、小学校低学年の子供でも診断できますよ。

このような経験があります。
有名私立中高の生徒さんなので頭が良いのでしょうか、本人と母親の二人で、茶色くなっている歯を見つけたらすぐ削って埋めないといけない虫歯と確信して疑わない方がおられます。塾通いなどで忙しいのでしょうか、歯科医院に電話した当日に絶対にアポイントを取りたい様子で、毎回「息子が歯がすごく痛いので今日どうしても診て欲しい。」と言われます。来院されると必ず、その茶色くなっている個所を指さして「ここがすごく痛い。」と言われます。「すごく痛い」と主張されたら私も反論しようが無いので、彼らの言う事を信じて、言われる通りに茶色い部分を削って埋める事をします。

本当にそんなに痛いのかな??真実は神のみぞ知る。ですね。