「食育・健康」カテゴリーアーカイブ

更なる医科歯科連携を!

昨日所用で新大阪にある大阪回生病院に行ったのですが、糖尿病の患者様に対する栄養指導室の入り口に、管理栄養士の先生のお名前と「よく噛む」事のメリットが掲示されていました。

そこには、私達歯科医療関係の人間でも気がついていないような素晴らしい内容が書いてありました。「さすが医科。さすが管理栄養士。プロは大したものだなあ。」と非常に感心して勉強になりました。

ここに書いてある事は7項目とも、即実践して欲しい素晴らしい事です。

特に、お口に入れる量を少し少なくするだけで、自動的に噛む回数が増えた事になる。とか、一口5回だけで良いので多めに噛むようにしてみる。などは今後の指導に応用させて頂きたいと思います。

歯科医療従事者は、自分たちが「咬むことのプロ」だという自信を持っていますが、「井の中の蛙大海を知らず」で、しっかりと医科の皆さんの知見やご意見に耳を傾けるべきですね。
それに、管理栄養士の先生は「噛む」という文字を使っておられます。私達は「咬む」という文字を最初に選択する事が多いですね。この時点で「口と歯を使って食べたものの栄養の事、全身の事に目をやっている」のか、「主に上下の咬み合わせで食べ物を小さく砕く」事に注目しているのかの「視野の大小」が見えてしまいます。猛反省したいと思います。

このような小さな経験からですが、更なる医科歯科連携の努力が国民の健康(病気の予防)に寄与するのだろうと感じました。どういう訳か、医科と歯科の垣根は高く、困難な道ですが「一歩一歩」歩んでみたいと思います。

コーヒー、お酒、タバコ、砂糖

嗜好品とは、必須栄養素とは無関係で、無くても生きてはいけるが、楽しみのために口にするような物の事ですね。
紅茶、コーヒー、お酒、タバコ、砂糖などがこれに当たりますが、依存性や中毒性という視点からはどれが一番強いでしょうか?
これらを依存性・中毒性が低い方から並べると、紅茶やコーヒー、お酒、タバコ、砂糖の順になると思います。
悲しい事に、3歳までに砂糖の味を覚えた人にとっては、砂糖は麻薬に近い依存性があると言えます。
タバコも抜けにくいですが、大人になってから覚えた嗜好なのでまだ何とかなる可能性があるんです。

自分を振り返ってみます。私の場合・・・。

朝食の時の紅茶と、午前中のコーヒーは止められないと思うほどです。依存している感じかな。
お酒は10年前に断酒に成功しましたので、依存も中毒でもないな。
タバコはもともと吸いません。
告白しますが、砂糖は完全に中毒と表現して良いと思います。歯医者のくせにです。3歳までに脳の細胞の7割が構成されてしまうので、3歳までに砂糖を大量に与えられた私は一生その罠から抜けられないのです。
「英保先生、砂糖は麻薬なんて大げさな!」と言われる方、あなたが甘いものが大好きな方なら、1か月間完全に砂糖を断てるかトライしてみて下さい。ストレスがかかったりヘトヘトに疲れた日にも白米とおかずだけで平気かな?どうしてもパンが食べたくなったらあなたも立派な砂糖中毒ですよ。パンには砂糖がてんこ盛りですから。

皆さんは自分の事を正直に振り返って、どうですか?
忙しかった日の帰宅時にコンビニスイーツを買っていませんか?その習慣を止める事ができそうですか?

止める事は無理でも「砂糖は麻薬」と思い出して、なるべく減らすように一緒に頑張りましょう!

そして、子供達には同じ苦労をさせないようにしましょうね。「3歳までは(できれば5歳までは)砂糖禁止」ですね。

年々ひどくなっているんです。

英保歯科には保育士さんのお客様もたくさん来て下さいます。子供の虫歯予防と不正咬合予防を通じて、心身共に健康な子供から大人へと育ってもらいたいと考えている英保歯科にとって、とても心強い事です。

今日もその内の一人がお見えになって、雑談の中である相談を受けました。
園の先生:「園で預かっている小さな子供たちの口が常に開いていて、舌がいつも前に出ていて、食事を全く噛まずに丸のみするんです。食べる量は凄く多いんですが。しかもここ3年位観察していると、年々数が増えて、状況がひどくなってきているんです。」

私は「舌も上下の唇も筋肉でできているんです。筋肉の使い方を日常の食生活の中で体得していないので、力をいれる(口を閉じる)事ができないんです。噛む事についても、子供は母親が真剣に食事をしている姿を見て、噛み方を学習するんです。親が食事中にスマホやテレビばかり見ていて、噛み方を見せてないので、噛むという事を知らないんです。忙しいサラリーマンが昼食のカレーを「飲む」と言う事がありますが、現代の食べ物は油断すると飲めるほど柔らかいものばかりなので、子供の顎の成長(=頭脳の成長)が不十分になりやすいんですよ。」と説明しました。

先生は「次の父母会ではその話をします!!!」と、気が付いて頂けたようで、一生懸命説明して良かったです。
不正咬合の予防は0歳、生まれ落ちた瞬間から始めなければなりません。5歳ころになってから「そろそろ・・・。」では、ないんですよ。

かるがも園ってご存知?

20年以上三田市歯科医師会に所属していますが、初めてかるがも園という所に歯科健診に行きました。発達支援を行う施設です。

40名の就学前児童に対し3名の歯科医師と3名の歯科衛生士が割り当てられていましたので、正直な所、自分に務まるのかと、少々緊張して出向いて行きました。

きれいな建物と充実した設備、手厚い人員で、子供達とお母様方の発達支援を真摯に行っている素晴らしい施設である事を知りました。勉強になりました。

対象の子供達が一般の園に行ってしまうと、かえって基本的な発達に無理が起こるので、最初からきっちりと手厚い発達支援を受けた方がずっとメリットが大きいとの事で、特に3歳までが非常に重要ですとの説明を受けました。

「砂糖に対する中毒的な嗜好を避けて、大人になってからも健康な人生を送るためには、同様に3歳までの食生活環境と習慣が非常に重要です。」と、園の職員の方に話した所、「発達支援と全く同様なので、興味深いです。」との事でした。

皆さんにもたこのような事を知って頂きたいと思い、今日のトピックにさせて頂きました。11/10に講演会があります。私は新潟で開催される学会に行ってその日は不在なのですが、宜しければ是非参加してあげて下さい。私がそうだったように、新しい視野が広がると思いますよ。

まず「引き算」で始めよう。

虫歯予防や歯周病予防、更には肥満の解消や生活習慣病の改善には何をすればよいでしょうか?

歯磨き?歯間ブラシ?フロス?フッ素?キシリトール?

とか

スポーツジムに行く?ジョギングを始める?家にエクササイズマシンを買う?ミドリムシ?通販で高級野菜ジュースを買う?ビタミン剤?セサミン?視力回復の眼鏡も良さそうかも。

なんて色々ありますよね。

多くの人は「ある状態になりたい」と思った時には「お金を使って」「モノやコトを買う」事を考えます。あなたもそうですか?
これってすべて「足し算」の考え方ですよね。

私は健康だけでなく、人生の全てにおいて、「足し算」をする前に何かもう一つだけでも「引き算」ができないか?を熟慮するようにしています。

子供の虫歯予防をしたかったら、「大人が余計な物(ジャンクフード)を買わない」ようにする事から始める。
子供の視力を守りたかったり、いじめや性犯罪に遭わせたくなければ、「ゲームやスマホを与えない、あるいは取り上げる」事から始める。
体重を減らしたかったら「車を売り払って、歩く」「バスの定期券を買わずに、歩く」事から始める。
ストレスを減らしたかったら「居酒屋でつまらない上司に付き合うのをやめて、さっさと帰宅する」「会社を辞めて自分で起業する」などなど。

今の世の中は無駄なモノやコトが多すぎます。世の中の経済的側面からみれば必要なのでしょうが、よく考えると単に地球資源の浪費ですね。

Apple の創始者・スティーブジョブスは自分の子供には i Pad や i Phone を持たせなかったそうです。ちょっとずるいね。自分の金儲けと我が子の健康の事だけでなく、世界中のすべての人の健康と幸福を考えて欲しかったね。つまり「スマホを世の中に出さない」という選択肢を選んで欲しかったという事です。そうしたら彼を心から尊敬できるのですが。

若草ナースリー、今年も虫歯ゼロ!!

私が園医をさせて頂いている若草幼稚舎の分園、ナースリーに秋の歯科健診に行ってきました。
こちらの先生方は私が園医に就任して以来、私の「予防歯科談義」に耳を傾けて下さって知識を吸収・消化して、保護者(お母様方)の生活の実情に合わせてきめ細かく調整し、予防歯科の啓蒙に努めて下さっています。その聡明さ、柔軟な思考、行動力には頭が下がります。
その結果、在園生の虫歯ゼロという年が何年も続いております。素晴らしいですね!

若草の子供達は、もう虫歯の危険性はクリアできましたので、次のステージに移行したいと考えております。それは「不正咬合の予防」です。先生方にはまたまたご協力をお願いしたいと思っております。よろしくね。

こちらも第一段階として、まずは3歳までが一つのカギとなってきます。読者の皆様にもそのうちブログ上でお話しますね。

近い将来、若草の子供たちが虫歯ゼロ。不正咬合ゼロになって欲しいと、密かに夢見ております。とっても楽しみです!

落ち着いた子供にしたい?

先日、6歳の子供の虫歯の治療に付き添ってお母様が1歳の弟クンを抱っこして入室されました。お母様は半年くらい前に「普通の」歯医者さんから英保歯科に転医され、予防歯科という考え方を生まれて初めて知ったようです。
お母様は「すみません。すみません。」としきりに謝っておられます。小さな子供の治療で迷惑をかけてすみませんという意味かと思ったのですが、「子供を虫歯にさせてしまってすみません。」という思いだったようで、素晴らしい意識の進歩だと感心しましたよ。

いつもブログでも書いていますが、5歳まで砂糖を極限まで制限してあげる事が本当の親の愛情であること、1歳の弟くんの「チャンスは今しかない」事などをお話をしました。「難しいですね~。」とおっしゃるので、「親やママ友が余計こと(=お菓子・ジャンクフードを買う)のをやめるだけで全てが上手く行くので、本当はとてもシンプルで簡単な事なんですよ。」と説明しました。

説明の時間はたった2~3分だったのですが、上の6歳の子はその間ずっと私の治療の機械などに手を出したりして非常に落ち着きがなく、お母様は私の話をまともに聞く事ができません。

砂糖を多く与えられている子供に落ち着きが無いことは、歯科医師なら誰でも経験から知っています。落ち着いた子供に育てたかったら「小学校に上がるまで砂糖を避ける」事が有効です。

砂糖の害についてはここ()にまとめてあります。この内容は大げさではなく、「全くその通り」だと思います。
実は危険!?白砂糖の害が恐ろしい 

私も子供の頃に砂糖を大量に与えられて育ちました。このブログの読者の皆さんも同じだと思います(だって、歯医者のブログを読んでいる人達ですからね)。
私も皆さんも、もう絶対に砂糖を断つ事などできない体(正確には脳)にされてしまっています。
もし、10年以上継続して完全に砂糖の誘惑を断つ事に成功した人(断砂糖)がいたら教えて下さい。本が書けると思いますよ。(18歳から肉類を食べるのをやめて、10年前に完全に断酒した私ですが、砂糖断ちは絶対に不可能だと思います。)

5歳までに砂糖を大量に与えられた人は、「己を知って」砂糖の摂取を極力回避する努力をしましょう。ストレスがあった日などは特に甘いものが食べたいですね。私もそうなのでよくわかりますよ。時々は「ドッカーン」とやっちゃっていいので、とにかく「砂糖は麻薬と一緒」という事だけは頭に置いておきましょう。

私達の世代で、昭和初期の親の代からの悪循環を断って「子供だけはまともに」育てませんか?
え、もう遅いって?
じゃあ「孫だけはちゃんと」で、どう?・・・。

砂糖 vs たばこ

今日、かつて米軍の負傷兵救護部隊のヘッドだった、退役軍人の Dean さんとお話をしていました。医学の知識が非常に豊富な方です。私も彼も甘いものが大好きー医療関連の軍人と歯科医師ですよ!-という話になって、大笑いしていたのですが、Dean さん曰く、「米国では砂糖が体に与える害はタバコと同じくらい強烈であるという報告がなされています。」との事。
日本ではそこまではっきりとは言っていませんが、きっと本当にそうなのだろうなと思った次第です。

白十字のワッフルをどうぞ。

岡山と言えば「白十字のワッフル」と思うのは古い人間の証拠かな?
学生時代に岡山一番街(駅地下の商店街)にある白十字の前を通ると、その場で焼いているワッフルの良い匂いがしてきたものです。
今でも岡山に行くと時々お土産にこのワッフルを買って帰ります。(今は工場で焼いて袋詰めになっています。ちょっと残念。)

ところで、我が家の子供は4人とも5歳までは、ほとんど甘いものを食べさせずに育てました。5歳まで、特に3歳まで(3歳までに神経系が70%完成してしまうので)に頭に刷り込まれた味の好みが一生亡霊のように就いて回る事は、何度もお話していますね。

我が家の子供たち「このワッフルお父さんにあげる。ちょっとは美味しいんだけど、甘すぎて気持ちが悪いから、少しで充分。日曜日にお母さんに((あまり甘くない))ケーキを焼いてもらって食べるから。」と言ってきます。白十字のワッフルでも気を引く事が出来なかったか。残念。でも食育に関しては大成功ですよね。

小学校に上がったら甘いものを何でも自由に食べさせていますが、4人とも喜んで食べるのは果物程度で、精製白砂糖系の甘い物はあまり欲しがりませんね。アイスを喜んで食べるのは1か月に1回位でしょうか。

一方、私と妻は子供の頃に「砂糖漬け」にされていた昭和世代ですので・・・。読者の皆さんと同じで、苦労しています。

さて、心臓のお医者様が危惧する17の事(英語)という記事があります。心疾患の原因となり得る17の項目です。
17 Things You’re Doing That Would Horrify Your Cardiologist
その中に
Ignoring gum health歯肉の健康状態を気にかけていない
Shoveling in sugary treats砂糖入りのお菓子をガツガツ食べる)という2つの項目があります。

という事は、「3歳までに甘いものを与えて一生甘いもの好きにしてしまうと、将来虫歯だけでなく、心臓疾患になるかも?」と言えるかも。

美味しそうなクリーム入りワッフルの写真で釣っておいて「後味の悪い」「中身」で、英保先生って意地悪だよね。

3歳までに7割が決まってしまいます。

何回かブログに書いていますが、甘いものは小学校に上がるまで極力避けなければ、一生その嗜好が亡霊のように就いて回ります。二度と取れません。
それが難しくても少なくとも3歳までは絶対に甘いものを避けてあげて下さい。砂糖以外の甘いものもコントロールしてあげて下さい。
医学的に言うと、3歳までに神経系の70%の成長が完成してしまいます。脳みそに刷り込まれる基本事項は3歳までに7割が決まってしまうという事です。色々な事がちゃんとできる、自分で考えられる子にするには、3歳までの環境が決め手なのです。
小さな子供を日が沈んでから、ひどい場合には夜10時以降に、明るい、音楽が鳴っているコンビニなどに連れていくのがなぜ良くないかわかりますね。エンジェルタイムと呼ばれる時間には静かな環境に置いてあげて下さい。