虫歯や歯周病を予防するためにデンタルフロスの使用をお勧めしていますが、「フロスカット」という言葉があります。
真面目にフロスをするあまりに、歯と歯の間の歯肉にフロスで傷を付けてしまう事があります。顕微鏡で見ると歯肉が切れたようになっているので「フロスカット」と表現します。
デンタルフロスは、歯と歯が摂食している所を通過させる時に抵抗を感じますが、そこを通り過ぎると、急に抵抗がなくなります。それなのに力まかせに押し下げると歯肉に傷がついてしまいます。
フロスはお父さんの日曜日の仕事。子供が嫌がるような事にならないように、気をつけて、フロッシングの技術を向上させて下さいね。
「予防歯科」カテゴリーアーカイブ
体重の3倍
歯科の3大病は「虫歯」「歯周病」「咬み合わせ病」です。
咬み合わせ病には「歯並びが悪い」だけでなく「寝ている間の無意識な歯ぎしり・食いしばり」があります。
寝ている時の歯ぎしり・食いしばりは、歯に体重の2〜3倍の荷重をかけると言われます。例えば、体重60kg の人なら180kg の荷重が歯にかかっていると考えてみて下さい。
長年、毎晩毎晩それが続くと、あの硬い歯でも耐えられません。少しずつクラックが入って、そしてある日突然、何の前ぶれも無く「バキッ!」と。
このように、虫歯でも何でもない歯が突然割れてしまうのですから、患者さんは訳がわかりません。
ストレスの多いビジネスパーソン、それも昔で言う「中間管理職」的な方に多く見られるように思います。
治療としましては、夜寝る時にマウスピースを入れて頂いて、歯を守るようにします。これも「予防歯科」と呼んでよいのではないでしょうか。
高っ!
バトラー、サンスターなどはしっかりした予防歯科用品を作るメーカーです。ブランドイメージが高く、製品も良質で間違いないものが多いですね。欠点といえば、値段が「ブランド品」価格という点でしょうか。
先日ドラッグストアーに行ったら、そのバトラーからフッ化物(フッ素)の洗口液が新発売されているのを発見しました。
箱も綺麗で「新発売」のポップも目を引きます。どれどれ・・・。フムフム。
簡単に言うと、既に水に溶かしたミラノ―ルをカッコいい瓶に詰めて、綺麗な化粧箱に入れて、10倍以上の値段を付けているようです。(30倍以上かも・・・。)
時間と手間を買うという意味で「かしこい」選択になるかも知れませんが、私だったら、買いませんね。
フッ化物が歯を強化する効果はずっと昔に発見され、現在の所、その基本的な理論に頼っているという事実は現在も全く変わっていないのです。
企業が目新しい商品を売ってしばらく稼ぐという経済活動とフッ化物の効果とは基本的に関係の無い事ですね。
でかした!NHK
NHKの受診料支払いが完全義務化されて税金と同じようになる可能性があるそうです。受信料支払い率は和歌山県の80%台に比べて大阪は50%台と非常に低いそうで・・・。
ちなみに我が家は長女が生まれた時にテレビを粗大ごみに出して以来、家からテレビが無くなりました。ですから受信料税金化はちょっと(かなり)嫌だと思っていましたが・・・。
NHKの人気番組「ためしてガッテン」はお口と全身の健康の話題を良く取り上げてくれます。NHKさん有難うございます。
歯科医師会等が広報してもなかなか皆さんに思いが伝わらないのですが、テレビで取り上げてくれると、バナナや納豆や炭酸のように一気にブームとなってくれるので有難いですね。やはり今でもマスコミの意見は一般人には「神」のような影響力があるようですね。
今回は「良い」影響の内容ですから大賛成です。皆さん、是非興味を持って読んでみて下さい。
テレビが無い我が家ですが、NHKに敬意を払い、今月から一番高い「カラー・衛星放送」の受信料を払いたいと・・・。・・・。・・・。
偉そうに言うけど、先生はどうなん?(その2)
精製白砂糖の体と精神と歯に対する害を強調していますが、実は私も甘いお菓子やおまんじゅう、ケーキやアイスクリームなどが大好きなのです。
赤ん坊の頃から甘い物をたくさん与えられたのが原因だと思うのですが「砂糖大・大・大好き」という嗜好が脳みそに染み付いてしまって抜けられません。田代まさしさんが何度も過ちを犯すように、私も「つい」手を出してしまうのです。あ、おまんじゅうに、ですけどね。
受験では医学部も合格していたのですが、もしも歯学部ではなく医学部に進学していたら精製白砂糖がいかに歯に悪いか、歯がいかに大切かをここまでは気がつかずにいたと思います。そして「歯も体もボロボロ」になっていた可能性が高いと思います。
私も苦しみ、そして頑張っています。子供には同じ思いをさせたくないので、3歳までは特に狂気のように精製白砂糖を与えないようにしています。「子供がかわいいから」なのです。
皆さんも子供の事がかわいいでしょ?良く考えて、大切にしてあげて下さいね。きっと感謝される時がきますよ。
これがベスト!車にはこのガムを積んでね。
これはグリコの「Pos-Ca クリアミント」です。私の車に積むために、先ほど三田のマックスバリューで買ってきました。キシリトールガムが歯に良い事は広く知られてきましたが、なぜ歯に良いと言われるか、ちゃんと説明できる人は少ないはずです。
簡単に言うと、虫歯菌は砂糖やその他の糖を「エサ」にして、代謝物として体から「強酸」を放出するのです。甘い物を食って強酸をオシッコやウンチとして出してくるのですから、極悪なバイ菌ですね。その酸であの固い歯が溶けてしまうのですから、2度ビックリですね。
キシリトールは虫歯菌を弱らせる「疑似エサ」です。虫歯菌はキシリトールを砂糖と勘違いして食べてしまい、その結果、酸を出せないだけでなく、その「疑似エサ」を食べさせられた菌自体もお腹がすいてヘロヘロになって弱ってしまうのです。
グリコのPOs-Ca はそれに加えて「初期ムシ歯」を修復するカルシウムまで配合しています。日本の技術の底力をグリコが見せてくれましたね。「普段甘いお菓子ばかり作って、悪者と見られているので、何とか歯に良い食品を開発したいと思って頑張りました。」と、グリコの社員の方が言っておられましたよ。了解しました!日本歯科医師会も私も応援しています。
出っ歯って言うより・・・。
子供達の咬み合わせ異常の一つに出っ歯があります。上の歯が飛び出しているのも出っ歯ですが、下顎がしっかり成長せずに後退しているのも、咬み合わせとしては出っ歯のような感じになります。わかりますか?上が出ているのではなく、下が後ろにあるのです。
動物の子供なら獲物を噛んで捉える時に、下顎を前に突き出して上下の前歯を当てるようにして「食いちぎる」動作をしますが、この時下顎には前方に成長する動きが起こります。
加工食品を飲み込むようにして食べていると、下顎の充分な成長が期待できません。
硬い食べ物というより、「かぶりつく」ような動きをさせる食事を工夫してあげて下さい。よく例えるのはカレーで、レストランで出されるような「飲めるようなカレー」ではなく、ごろごろと大きなジャガイモが入ったような、「噛んで食べるカレー」にしてあげて下さい。
その包丁の動きををストップして、代わりに子供の歯でカットさせて下さい。
下顎の成長は歯並びの見た目や咬み合わせだけでなく、呼吸にも関係する「命にかかわる」程、大切な事なのです。この点については又の機会に。
子供の背を高くする秘訣は牛乳と・・・
我が子の背がクラスで高い方だと知って悲しむ親はいないと思います。スクスク健康に成長してくれていると安心できますものね。
郷ひろみさんも、背が低かったので毎日たくさんの牛乳を飲んだと聞きます。低脂肪乳は安価で良質の蛋白質とカルシウムを摂取できる食品の「超優等生」ですね。歯の成長のためにも良いですよ。
でも、大切な事がもう一つあります。「成長ホルモン」の分泌です。子供の成長ホルモンは夜の早い時間から夜中過ぎにかけて、しかも寝ている間にだけたくさんリリースされます。
小さな子供にいくら牛乳をたくさん飲ませても、夕方にスマホのブルーライトをガンガン見させて、夜の10時までも起きていては正しく成長ホルモンがリリースされるはずがありません。
小学校の3年生か4年生くらいまでは夜7時半には布団に入るようにすべきだと思います。ちなみに神戸友の会幼児生活団では「早寝早起き4回食」は生活の基本として、完全に身に付くまで子供にも「親にも」徹底的に教育してくれます。
早寝すれば、夜に精製白砂糖が含まれたジャンクフードを食べる機会が減りますので、当然子供の歯も守られます。肥満も避けられます。
キーワードは「大きくなりたかったら8時に寝なさい!」です。
子供の健康な体と、小学校低学年のうちから少しばかり他の家の子より勉強の成績が良い事と、どちらが大切かわかりますよね。
先程完了。日曜日の父親の仕事です。
今日は日曜日。久しぶりに家で家族とゆっくり過ごしています。先週の日曜日は大阪口腔インプラント研究会に参加。来週のシルバーウイークは母校の岡山大学がホストとなる日本口腔インプラント学会で、岡山に3日間滞在する予定です。
医者ですし、自営業ですから休み返上で自発的に勉強や仕事をするのは当たり前なのですが、まれにある休みには、なるべく家族で家にいて、色々な会話とゆっくりとした時間を大切にしたいと考えています。
そうそう、朝ごはんの後は妻と子供たちの仕上げみがきとフロスをしてあげる「お父さんの日曜日の仕事」をちゃんと果たしましたよ。
読者の男性の皆さん、日曜日には家族の歯のケアー、特にフロスをしてあげて下さい。「どれだけ父親が家族を愛しているか」という思いが、言葉では無い形で、きっと、伝わりますよ。
一日四回食が子供の体と歯を守る。
我が子がお世話になった、神戸友の会幼児生活団では、規則正しい生活リズムを身に付けるという基本中の基本をしっかりと学んでゆきます。これをしっかり躾けるのは、実はとても難しい事です。
「パッと寝」「パッと起き」「早寝早起き朝ごはん」といったキーワードが、この神戸友の会幼児生活団の教育の特徴を表しますが、「一日4回食」もキーワードの一つです。
3度の食事と3時のお軽食(ほどほどの甘さの)以外は基本的に口にしない生活習慣を身につけさせます。
この神戸友の会幼児生活団の子供たちには驚くほど健康で、驚くほど虫歯がありません。フッ素を使っていなくても、仕上げみがきを完璧にしていなくても虫歯にならないのです。
賢明なお母様にはこの理由が解って頂けると思います。