歯の病気は虫歯だけだという固定観念から抜けきれない男性のお客様。過去に何度も歯周病について説明したのですが、歯周病の恐ろしさが未だに理解できないようです。
「詰め物が取れた。痛みは無い。」との事で、英保歯科に4年ぶりにお見えになりました。4年ぶりですが、痛くなるまで歯医者に行かないよりは随分立派です!
「ずっとほったらかしにしていてスミマセン。」とも。怒られると思っておられたのでしょう。確かに4年前の英保先生なら怒っていたかも知れません。
2年前から「断捨離」を遂行して価値観が大きく変わった私(英保先生)。日本は憲法で個人の自由が謳われている国です。一人一人の価値観、行動には自己責任による自由が保障されているのです。「歯(人生)を大切にするのもそうでないのも、あなたの自由なんですよ。」と心の中で答えます。
未成年や、子育て中のお母様、祖父母には(子供達の悲惨な将来が見えてしまうので)熱く、強く説得する事はあっても、成人には理解して頂くために誠心誠意説明するだけで、「怒り」の感情は全く湧きません。「気の毒に」と思う事はしばしばありますが。
4年間も放置していたので、彼のお口の中では、静かに、症状も無く歯周病が進行していました。「簡単に予防できた事なのに・・・。気の毒に・・・。」と思いました。
続きは明日お伝えします。
今週は忙しいです。水曜日も金曜日も朝8時から夜8時まで12時間、昼休み10分で働きましたよ。こんなブラック企業、労働基準法違反で訴えてやろうと思ったのですが、責任者は自分でした・・・。
3Di根管治療などの自由診療は1回のアポイント時間枠が80分と、長めにさせて頂いておりますので、そのような方のアポイントが連日3人以上入っていたこともあって、前日や当日お電話を頂戴したお客様には、昼休みや朝8時台と夜7時以降の診療時間外の時間帯しかご案内できませんでした。
午後に「英保歯科は全く初めて」という方から「歯が痛い」と電話があって、やむを得ず夜7時からとご案内したのですが、「それなら他に行く」とおっしゃって電話を切られたそうです。申し訳ありませんでした。
歯医者はコンビニより多いそうで、三田にもたくさんの歯医者があって良かったと心から思います。早く痛くなくなりますように。
(ちなみに、シフォンに広告を出しているような大手歯科医院や、小さな歯科医院でも「初診随時(最初は予約なしで突然来て頂いても必ず診察します、の意)」の所はいつでも診てくれると思います。)
英保歯科のファミリーステータスのお客様がお痛みがあるような時には、チーム英保歯科の気力と体力が続く限り、最大限の配慮をさせて頂きます。ホットラインも遠慮なくご活用下さい。だってファミリーステータスのお客様は歯の事を本当に大切に思ってくれている、私達チーム英保歯科の「家族」なのですから。
家族のように大切な人が困っておられる時にお力になれるのは、歯科医療従事者として、いや、人間として、とっても「幸せ」な瞬間なんですよ。
「痛くも何とも無いから、親知らずは抜~かないっと。」
それで良いのかしら?
斜めになっている親知らずを放置していた結果、痛みが出て来院されました。
「先生。親知らずが痛いんです。」
痛みの原因は親知らずではなくて、手前の歯が神経に及ぶ虫歯になっていたんです。歯の後ろ側で、しかも歯茎の奥深くに入っている所が虫歯になっており、親知らずを抜いてもちゃんとした修理は不可能です。
相談の結果、ひどい虫歯になっており、きちっとした修復が不可能な歯の方を抜歯することにしました。根っこの付近に巨大な虫歯ができていて、抜歯もやむを得ないですね。
今回は親知らずの移植は、侵襲が大きい割に成功する可能性が低いと判断して断念しました。でも、ひょっとしたら矯正で引き起こす事ができるかも知れないので、親知らずの方は残しておきました。
もしもこの歯を虫歯にしてしまう前に親知らずを抜いて、きちっとした予防歯科治療を受けて頂いていたら、「何も起こらなかった」のだと思います。もったいなかったね。
痛くなくても歯科医院に行って、色々と相談したりアドバイスを受けたりする事が大切だとわかりますね。
英保歯科では時々使う戦略なのですが、12歳臼歯がひどい虫歯になってしまった時に、その7番と呼ばれる歯を抜歯して、後ろにある親知らずを自然に7番の位置に生えるようにさせる事があります。
この方法の欠点は
①100%良い位置に生えてくるという保証がないこと。
②7番に比べて親知らず(8番)は、歯のサイズが小さいし、歯根も短く頼りない事が多い。
この方法の長所は
①無垢の歯がまた生えてくるので、予防をして大切にしてやれば一生使える。
②骨の中に埋もれた親知らずを抜かなくて済む。
③親知らずによるかみ合わせに対する悪影響などを回避できる。
私が開業した当時、30歳代の頃にこの方法をお客様にお勧めしても半信半疑で、拒否されたり来院されなくなったりした方もおられました。歳を重ねたおかげで、同じ説明をしても、最近は多くの方がこの方法を選択されるようになりました。
でも、一番良いのは7番を虫歯にしないことです。やはり予防が大切ですね。
大阪のABO歯科クリニックは世界的にも珍しい、マウスピース専門の歯科医院です。実は私の実兄が院長なんです。
そちらではスポーツマウスピースも作っており、「つけやすく快適」との評価を受けているオリジナルデザインが特徴です。
当院でも同様のコンセプトを受け継いで作成された簡易タイプの「シンプルモデル」マウスピースをで提供させて頂く事にしました。
お値段は税込み6,600円となっております。
高校生や大学生の学生さんは税込み4,180円となります。
スポーツに真摯に取り組む全ての学生さんを応援したいと思っております。
注:この「シンプルモデル」マウスピースはアマチュアの球技などに使用できるもので、ボクシングや空手などのフルコンタクトスポーツには適しません。そのような種目に合うマウスピースは大阪のABO歯科クリニックで対応しておりますのでお問い合わせ下さい。
最近保険で白いかぶせができる事になって、マスコミで紹介されています。
保険適用拡大で金属から「白い歯」への置き換え進む
皆さんはこれを使って欲しいと思いますか?答えは「YES!」ですよね。
利点
①安い(保険がきく)
②金属アレルギーの心配がない
③見た目が良い
欠点
①歯を削る量がとんでもなく多い(CAD/CAMと言っても保険のかぶせはしょせんプラスチック。それが割れない強度を出すために、ぶ厚くしなければならないので、金属やジルコニアに比較して、恐ろしい程歯を削らなければならない。)
②接着が困難で外れたり割れたりしやすい。(このクラウンを完全に接着する方法がまだ確立されていません。2年持たない感じです。)
③すり減りやすく、かみ合わせの正しい高さを維持できない可能性がある(その前に、外れるか、割れるか、すごく削ってしまった歯がだめになるかですが。)
30年くらい前に厚生省がニッケルでできたクラウンを保険導入したことがありますが、とんでもなく硬い材質で、あっという間にかぶせた歯自体がだめになってしまうひどい物でした。今ではそのニッケルのクラウンが入った歯を見る事ができません。(抜けて無くなっているので。)
保険制度は
①工業界のロビー活動による経済的、政治的思惑。
②厚生労働省が単に医療費を削減したかったり、過去に自分たちが認めた日本独自の治療法(例えばパラジウムのかぶせ)を人知れず葬り去りたい時
などにより迅速に変化します。
「現場の歯科医師の意見を聞いてくれるのでは?」←ご想像にお任せします。ヒント:あなたの会社と一緒です。
パラジウムという金属に対するアレルギーが日本人に異常に多い原因は?誰が認可した治療方法?わかりますか?
この保険の白いかぶせが20年後も安定して使われているか、ニッケルのクラウンのような運命をたどるのか。どちらでしょうね。
少なくとも現時点の技術レベルでは危険な代物ですね。かけがえの無い歯を削りまくるという時点で、私は自分の患者さんには使いません。もっと削る量が少なくなったら使うかも知れませんが。
これを積極的に勧めてくる歯科医院があったら、担当の歯科医師に「先生ご自身の歯にこのクラウンを入れますか?」と聞いてみて下さい。
最近、美容院で歯のホワイトニングができますよという広告が多いですね。歯科医師の間でも話題になっていますが、皆さんは歯科医院が提供しているホワイトニングと何が違うのかが気になるところでしょう?
なぜ歯は黄ばんでくるのでしょう?
年齢と共にだんだん歯が茶色くなってくるのは当たり前です。
何年も使い込んだ「素焼き」の白いカップに、茶渋や珈琲が染み込んだ状態を思い浮かべて下さい。歯のエナメル質は、ガラスや金属のような構造ではなく、極端な例えをすると「軽石」や「スポンジ」のように隙間があるのです。もっとミクロな隙間ですが。この「隙間」に赤ワインや醤油などの色素が何年もかかって染み込んで固着するので歯の色が白くなくなってしまうのです。特に最表層には色素がたくさん固着しているのです。
美容院でのホワイトニングと歯科医院でのホワイトニングの違いは「最表層の汚れだけ浮かせて取る」か「構造の内部まで徹底的に取り除くか」の違いです。
歯科医院でのホワイトニングは医療レベルで行われるので、構造の内部の色素に対しても医療の知識を駆使してアプローチします。軽石の内部まで染み込んだ色素を奥の奥まで取り除くイメージです。その結果、一過性に歯がしみる事がありますが、深部まで徹底的に漂白する事とのトレードオフと考えて下さい。美容院の広告では「歯医者のホワイトニングは歯を溶かす」などと悪口が書かれておりますが、歯の構造そのものを損傷する事はありませんし、歯を溶かすような事も一切ありません。スッキリと汚れを抜いてしまった隙間にフッ化物を染み込ませて、歯を強化することさえできます。
医療機関が行う行為としてのプライドがありますからね。
美容院でのホワイトニングは表層の汚れを浮かせて取るだけなのですが、表面だけでもきれいになれば、やった直後は「白くなった」感がありますよね。
歯がしみるような事が絶対に起こらない事からも、表面だけの処理であることがわかりますね。
やっていることは「歯に激落ち君を塗って、子供の勉強机のLEDスタンドで光を当てている」程度だと考えてよいでしょう。サロンでやっているという雰囲気を女性は好むのでしょうがね。
歯科医院で販売しているルシェロホワイトなどのホワイトニング効果のある歯磨き粉を使って歯ブラシをする方が、はるかに安くて簡単できれいになると思いますよ。ブラシで擦れますしね。
美容院の機械は100万円程度で、1回のホワイトニング液の原価は100円以下だそうです。
ホワイトニングをきっかけに100人来店してくれて、そのお客さんが自分のお店の髪の毛の美容のお客さんになってくれたら、宣伝効果として意味があると考えるようですね。
歯科医院は法律で宣伝広告などが倫理的に強く規制されています。時には歯科医院でも美容院まがいの広告を見受けますが、医療の同業者としては尊敬しかねますね。
美容院のホワイトニングが悪いとも良いとも思いませんが、皆さんは正しい知識を持って、何が自分に合っているのか自己責任で判断して下さい。賢い消費者になって下さいね。
最近神戸からお越しになった患者様から、このような素敵なメッセージを頂戴することができました。Minimalism の考え方に禅の思想を見い出すようになってから、私の価値観は更に「俗世間」から離れつつあります。
自分がなぜ歯科医の家庭に生まれ、自分が何のために歯科医になったのかを考える時に、このようなメッセージを頂戴すると、自分がいかに幸せな人生を送らせて頂いているかに気がつきます。
両親、私を教育・指導して下さった先生方、友人、関連の業者の皆様、そしてスタッフ、家族、もちろん私を選んで下さった患者様、本当にありがとうございます。
7月2日の読売新聞に「歯を削る器械、5割使い回し」という記事が載っていました。我が家も読売をとっていますので目にしていたのですが「よそ事」なのですっかり忘れておりました。
英保歯科では「よそ事」ですので、ご安心を。念のため。
兵庫県三田市の歯科医院 予防歯科を主軸に顕微鏡やルーペによる精密治療・MI接着修復・MIインプラント治療を提供 ラバーダムやZOOなどの防湿装置使用率100% i Mix(改良型3Mix法)を開発