「歯科一般」カテゴリーアーカイブ

ステルス虫歯の恐怖

今回は虫歯の写真が出ます。少々閲覧注意でお願いします。


一見虫歯が無いように見えたり、ほんの小さな虫歯に見える「隠れた虫歯」を英保歯科のブログでは「ステルス虫歯」と表現しています。
このステルス虫歯は衛生士が定期健診の時に目視やフロスを通した時の違和感で発見してくれることがほとんどです。


(第1問)下の写真を見て答えなさい。どこがステルス虫歯でしょう?

さて、どこがむし歯で、どの辺まで広がっているでしょう?

ここが小さなむし歯で、青い線の辺りまで進んでいると思った人は手を挙げて下さい。

実は、今手を挙げて下さった方は「ブブー」なんです。

よく見ると、この赤い矢印で囲まれたあたりまで、歯の表面(エナメル質)の色が白っぽくなっているのが解りませんか?この小さな穴から侵入した虫歯菌は、ここまで広範囲に内部(象牙質)を食い散らかしているんです。信じられないでしょう?

・・・。これが証拠です。内部はまだまだ虫歯菌だらけです。このままドンドン削っていったら歯の神経を取る事になりかねません。ご安心下さい。英保歯科では Let’s Save Pulp (神経を守ろう)をスローガンに、最大限神経を取らない治療を試みます。英保歯科ならば、この歯も神経を取らずに治療する事ができます。


(第2問)下の写真を見て答えなさい。どこがステルス虫歯でしょう?

わかりますか?ちょっと難しいかも。

この青いところがステルス虫歯。これを衛生士がフロスの引っかかり具合(手の感触)で発見してくれました。流石、歯科衛生士は予防歯科のプロフェッショナルだわ。

残念ながら、中で結構広がっているはずです。でも早めに発見できたから神経を取らずに治療ができます。

あの小さな黒い点からは、内部でこんなに虫歯が広がっているとは想像できないでしょう?
ちょっとショッキングですよね。


いかがでしたか?定期的にメインテナンスに通院しているからこそ「早期発見・早期治療」ができました。

あなたも是非、4か月毎、年3回のメインテナンスにお越し下さい。歯科衛生士による予防歯科治療を受ける事は、一生という長い目で見た時にはあなたに多大なる時間的・経済的・精神的・肉体的メリットをもたらしてくれます。

歯肉縁下歯石の恐怖

今回は手術の写真が出ます。閲覧注意でお願いします。


1本だけ前に飛び出している前歯の歯肉が腫れて痛いとのこと。
ここに膿が溜まっています。痛そうです・・・。

こちらの方は若い頃に定期的に歯医者に行ってメインテナンスを受ける習慣が無かったので、歯肉の深いところまで歯石が入り込んで固着してしまっているのです。それを「歯肉縁下歯石」と呼びます。今回の腫れはこの「歯肉縁下歯石」が原因です。
歯周病がここまで酷くなると、歯肉を切り開く手術をして「歯肉縁下歯石」を取るか、歯を抜いてしまうかの2択になります。

こちらの方は手術をして歯を残して欲しいというご希望でした。

まずは下準備として矯正治療を行い、歯の連続性を確保します。隣り合った歯が全てスクラムを組んで、お互いに支え合えるようにします。
依然として同じ場所から膿が出ています。

いよいよ手術です。

膿が出ている歯の歯肉を切開しました。
こんなに深いところに大量の歯石が固着しています。切開して明示して除去するか、諦めて歯を抜いてしまう以外に方法が無い事をご理解頂けたと思います。。
根面を傷めないように、細心の注意を払ってジェントルに歯石を完全に取り除きました。これで一安心。
リグロスという、歯周組織を再生させるお薬を塗布してから歯肉を戻して縫合します。

いかがですか?「もう3年位歯医者に行ってないわ。」「けっこう歯石が溜まってきたからそろそろ歯医者に行かなアカンわ。」という発想の恐ろしさが解って頂けますか?

あなたも是非、4か月毎、年3回のメインテナンスにお越し下さい。歯科衛生士による先手先手の歯石除去を受ける事は、一生という長い目で見た時にはあなたに多大なる時間的・経済的・精神的・肉体的メリットをもたらしてくれます。

半日の休日診療当番で1年分の数の神経を取る

昨日の日曜日は三田市歯科医師会の休日診療当番に当たっていたためスタッフのYさんに出勤して頂いてサポートして貰いました。3連休のど真ん中なので御家族でのお出掛けの予定に支障が出たのではと思います。医療従事者として献身的に務めて下さって感謝しております。

昨日の休日診療の時間内に、英保歯科と過去に全くご縁の無い4名のお客様からお電話があって、その内の3件は強いお痛みがあるとの事でご来院頂きました。残りの1件は「詰め物が欠けたので今日診て欲しい。」という緊急性の全く無い内容でしたので、「休日加算料金となってかなり割高になりますよ」とアドバイスしたところ、平日にご近所の歯科医院で治療を受けられる事を選択されたそうです。

休日診療は、例えば自転車で転倒して大怪我をしたような方から突然お電話を頂き治療時間が長くかかる可能性もありますので、そういった方や強いお痛みがある方の為に余裕を持って時間をキープしておく必要があります。日曜日に開いているからコンビニエントだという理由での受診に関しては、ご配慮頂きたくお願い申し上げます。

さて、強いお痛みがある3名の方のうち、2名は虫歯が神経に達していたためやむを得ず神経を取る事にしました。神経を取った歯は弱く脆くなるのでなるべく神経を取りたくなかったのですが、激痛を止める為に背に腹はかえられませんでした。

考えてみたら、予防歯科を主軸に置いている英保歯科では定期検診で初期のうちに虫歯を発見して修復してしまいますので、神経を取るような事はほとんどありません。年に1本か2本の歯の神経を取る程度でしょうか。

つまり、昨日の午前中で英保歯科のお客様の1年分に相当する数の歯の神経を取ったことになります。お互い初見の関係でありながら歯の神経を取るという難しい治療を受ける、行う異常さも、私の感覚からしたら驚きです。

痛くなってから歯医者に行って、神経を取って痛みを消してもらう。その歯は弱く脆くなるので、例えばその15年後にはダメになってしまって抜く羽目になる。このような「後手後手に回る」日本の歯科医療に固着した悪循環を何とかしたいと思うのですが、私の歯科医師人生を賭けて努力し続けても、英保歯科の中だけを「すっきり、はっきり」させるだけで終わってしまいそうで、自分の社会的非力さを情けなく思う今日この頃です。

また、昨日来られた方のお一人は帰り際に「続けてこちらで治療を受けたい。」と言って下さいましたが、「英保歯科は予防歯科を主軸に置いた歯科医院で日本の普通の歯科医院とは考え方や価値観が違います。是非英保歯科のHPを熟読して頂いて、『この歯医者は自分の価値観や文化に合うな』と思って下さったらお電話頂ければと思います。お互いの価値観が違うのにお付き合いを始めると、待っているのはお互いの不幸だけですから。」とおお話ししたところ、「なるほど。HPを見て良く考えてみます。」と納得して下さいました。

皆さんはどう思われますか?

保険のCAD/CAM冠の最大の欠点:歯を削る量が半端じゃない

お客様から「奥歯やし、贅沢せんでも保険の銀歯でええわ。」という言葉を聞く事があります。


保険の銀歯には、パラジウムという金属が使われています。昭和の時代にはロシアや中国から安価に購入できたパラジウムですが、時代が変わり、そのパラジウムは今やレアメタルとなり、輸出入が国と国との国力の駆け引きに使われるようになっています。
中国資本が東京都の焼き場を買収した最大の理由は日本人の亡骸の顎からパラジウムを取り出すためであろうという憶測があるそうです。私はあながち間違っていないと思います。

保険の銀歯は「ロストワックス法」という技術を使って、鋳造で一つ一つ手作りで作られます。工業系の人ならば、このことの価値や大変さが解って頂けると思います。保険の銀歯は熟練の歯科技工士さん達のみが為せる技なのです。
日本の歯科技工士学校は歯科衛生士学校同様に年々減少の一途です。歯科業界や歯科関連の職業に対する社会的評価が低いので魅力が無く、今はもう歯科技工士になりたい人がいないのです。理学療法士や看護師になった方が世間から「凄い・偉い」と思ってもらえるからでしょうか。職種に貴賤は無いはずなのにね。

最近は、保険の銀歯を作れる熟練の歯科技工士さん達の高齢化が進んで、後継者もいないので、もはや保険の銀歯を作ってくれる人が世の中から消えようとしています。

厚生労働省の役人は頭が良いので、問題が大きくなる前に(というか、現実には既にどうしようも無くなってきているので)パラジウムを使いロストワックス鋳造法で作られる保険の銀歯を諦めて、他の材料、他の作り方の被せに移行しようとしています。やむを得ない事でしょう。

それが最近ニュースなどでも言われている「朗報!保険でも白い歯ができるようになった。CAD/CAM冠という新しい技術です!」というヤツです。
この保険のCAD/CAM冠は金属でもジルコニアセラミックでもなくて、プラスチック製なのです。プラスチックで割れない強度を出そうというのですから、被せの厚みを分厚くしないといけません。即ち、大量に歯を削る必要があるのです。それでも噛む力でたわんで外れたり、中が虫歯になったりしてしまいます。しょせんプラスチックですから。

保険のCAD/CAM冠を入れる為に削った歯。機械がミリングできるように、全体に丸みを持った削り方にするので、それがますます削る量を大きくします。

英保歯科も日本にある歯科医院です。日本の歯科業界の現状や厚生労働省の方針に抗う事など不可能です。保険の銀歯の材料もレアになって、作ってくれる人もいなくなったので、英保歯科にももはや選択肢はありません。覚悟を決めてこのプラスチックのCAD/CAM冠に手を染めようとしてスタートしているのですが・・・。

保険のCAD/CAM冠用に削った歯。こんな風に削ります。歯を削る量が半端じゃないので、本当に嫌な仕事です。私は歯を守るのが好きなの。


英保歯科のお客様には今後は自由診療のジルコニアセラミックの被せをメインに使わせて頂こうと思います。1本10万円ほどしますが、長い目で見たら結局はその方が安上がりだから。大量に削ったせいで歯が弱くなり、先でその歯を失ったらインプラントを入れるのに50万円だしね。

私を信じてついて来て下さっている英保歯科のお客様ならば、私が説明したら必ずジルコニアセラミックを選択して下さると思います。理解して頂けるように頑張るつもりです。


「奥歯やし、贅沢せんでも保険の銀歯でええわ。」という価値観。
まるで若くてイケメンだった頃に遊び倒していた男が、中年になってブサイクになった頃に「そろそろ結婚でもするか。もうあの女でもええわ。」と言いいながら周りを見たら、かまってくれる女性など一人も居ない、という状況に似ているかも知れません

あって当然、いて当然、してもらえて当然と思わずに、あるだけで感謝、いてくれるだけで感謝という気持ちを持ちたいものです。

根面う蝕(こんめんうしょく)の治療について

日本が長寿大国になった事は喜ばしい事ですが、令和の現代病とも呼べる「根面う蝕(こんめんうしょく)」という虫歯が高齢者に発症して、患者様も歯科衛生士も歯科医師も頭を悩ませています。

少し前のブログにも根面う蝕について解説しましたので、是非読んでみて下さい。↓

根面う蝕は令和の新しい現代病?


今日はその治療の実際をお見せしたいと思います。患者様は82歳の女性。「自分の足で歯科医院に通える年齢の間になおしておいて欲しい」というご要望です。

↑これが根面う蝕です・・・。


こちらの女性、歯磨きはとても綺麗にされていますし、3か月毎のメインテナンスにもちゃんと来院されています。それでも、年齢と共に唾液量が減ってくると露出した歯根がこのようにとけてきてしまいます。まずはしっかりと原因を説明して、削って詰めてもその周囲から根面う蝕が再発する可能性が高い事などをお話し、全て納得の上で治療を受けて頂きました。

根面う蝕は必ず歯肉の中まで進行しているので、麻酔後に「歯肉圧排(※)」という操作をしてから治療をします。(※)歯周ポケットの中に専用の糸を挿入して歯肉を押し広げる。青い線の所に直径 0.8mm 程度の糸(歯肉圧排糸)が入っています。

虫歯の部分を慎重に削り取ります。

コンポジットレジンを充填して、歯肉圧排糸を撤去して治療完了です。

とりあえずは綺麗になったのですが、根面う蝕の原因(=唾液量が減っている事)を取り除く事は困難です。しばらくすると、またこのコンポジットレジンの周囲から虫歯が再発する確率が高いのです。悩ましいでしょ?

なお、漢方薬では麦門冬湯(バクモンドウトウ)というお薬が「潤す」薬として有名です。ドライマウスにも有効だと言われています。

根面う蝕(こんめんうしょく)は令和の新しい現代病?

根面う蝕(こんめんうしょく)という言葉を耳にされた事はありますか?保険治療でも最近クローズアップされているキーワードです。


昭和の頃は日本人全員が 65歳くらいで歯が1本も無い「総入れ歯の老人」になるのが普通でした。昭和は「人生に於いて歯石を取った事が一度も無い。歯医者は歯が痛くなった時にだけ行くところ。」が常識としてまかり通っていた時代ですからそうなっても当然です。それが昭和の人々(当時の歯科医師も含む)の歯に対する価値観だったのです。


令和の日本はますます超高齢化社会になりつつありますが、同時に近年は予防歯科が一般にかなり浸透してきていますので、高齢の方でも自分の歯がたくさんある人が増えています。それはそれで良い事なのですが・・・。

84歳の男性の下の前歯。中央に大きな虫歯があるのが解りますか?
こちらの方はバリバリのビジネスパーソンだった54歳の頃から、30年間ずっと英保歯科で年に3回の予防歯科治療を受けてこられています。
いかにキッチリ予防歯科的に管理していても、高齢になればだれでも唾液量が激減してしまって虫歯のリスクが高まってしまいます。また、同様に、高齢になれば歯肉が下がって歯の根の部分が露出してきます。この歯の根っこの表面(=根面)はフッ素で強化することができにくいので「根面う蝕」という歯科医師や歯科衛生士泣かせの虫歯が多発するようになってしまうのです。

Eはエナメル質。Rは歯根です。Eは 30 年間のフッ素コートでしっかり強化されているので虫歯になっていません。
Rの部分は本来は歯肉の中に隠れているのですが、高齢になると歯肉が下がってこの写真のように根面が露出してしまいます。若いうちはカルシウムや抗菌成分に富んだ唾液がこの根面をジャバジャバ洗ってくれるので虫歯にならずに済むのですが、唾液量が減るとあっという間にこのように虫歯になります。

更に困ったことに、この手の「根面う蝕」は並行して何本もの歯に同時に進行してしまうのです。(上の写真をご覧ください。)そしてR(=歯根)の部分がどんどん溶けて無くなってしまうと、E(=エナメル質)とRの境の部分から歯がポキッと折れたように思える現象が起こります。
そんな時には「何本もの歯が突然折れてしまいました。」という表現をされて来院されます。

この根面う蝕は
①予防歯科の普及で歯のある中高年が増えた
②その人達が高齢になってきて、唾液量が減ったり、ブラッシングのスキルが低下したり、認知能力が低下したりした
といった事に起因する「令和の新しい現代病」と言えるかも知れません。

令和の時代の歯科医療に従事する歯科医師も歯科衛生士も、まさに手探り状態でこの忌々しい根面う蝕への対応策を模索中なのです。

誰ですか?「そんな事なら早めに歯を抜いてしまって総入れ歯にした方がマシかもね。」なんて言っている人は。

最近、健康で活発な高齢者が増えている理由の一つは「高齢でも自分の歯がたくさんそろっているから」なのは疑いの余地がありません。

下顎の6番にインプラントを入れて6年経過した結果

お口の中で6番と云う歯は最も大きくとても大切な歯です。その後ろの7番も大きくて大切な歯ではありますが、例えば75歳を越えた辺りの年齢になった頃に7番を失っても、残りの20年足らずの人生では頭を抱えて悩む事も無いと思われます。

7番が抜けていて、前歯から6番までが存在している歯列 (dental arch) の事を「短い歯列」 (shortened arch) と呼びます。75歳以上であれば、(主に経済的理由からですが)この Shortened arch に治療目標を設定する事もしばしばあります。

下顎の6番と7番を失っておられた患者様の6番に対してのみ、1本のインプラントを入れて6年が経過しました。Shortened arch にした訳です。本日定期検査を行いましたが、問題はありませんでした。良かった。

こちらの患者様の歯列の治療ゴールを Shortened arch に設定した理由は主に(その時点で私が勝手に推し量った)経済的要因なのですが、同時に、こちらの患者様が英保歯科のメンバーになられて間も無かったので、どこまで歯に対して投資される意志があるのかを私が推し量れなかった為です。

インプラントは経過良好ですが、その奥の下顎の7番が無いために上顎の7番がこの6年間の間に下に降りて来てしまって、下の歯肉を噛みそうな様相です。

6年前に下顎の7番にもインプラントを入れておいたら、このように「噛みあう相手の歯を探してのびてくる」事も無かったのです。

悔やまれるのは、6年前に下顎の6番と7番に合計2本のインプラントを入れる案を、もう少し力説しておくべきだったという事です。

ずーっと昔からお互いを知っていたら、お互いの信頼関係が出来上がっているので、そのようなご提案を遠慮なくしてみる事ができたはずです。そして彼はきっと「英保先生が言われるなら2本入れてもらいます。」と、私を 100% 信じて、そのように答えて下さったはずです。

痛い所が無くても、あらかじめ年3回の予防歯科治療に通って、病院側も患者様側も、お互いの人となりを良く知っておく事べきですね。

きっと、この事例からもそれが解って頂けると思います。

口腔内スキャナーが届きました

英保歯科では先日紹介した新しいインプラントの機械に続いて、口腔内スキャナーという機械を導入する事にしました。歯科専用の3Dスキャナーが世界的に普及してきており、日本国内においても価格と機能の釣り合いが取れ始めたので、一大決心をして導入に踏み切ったのです。

こんなラベルが付いた宅急便は初めて見たわ。段ボールのフラップにはホログラムの封印が貼ってありました。
高級なボックスに入っていて、なかなかエエ感じです。
Apple 社の製品を彷彿とさせるパッケージングですよね。

このスキャナーを使えば、削った歯の型取りをデジタルで行ったり、咬み合わせの診断をより客観的にしたり、インプラントの治療計画を自由自在に立てたりする事ができます。
後は DELL の Alienware ゲーミング PC が届くのを待ちましょう。発売になったばかりの最新型を注文したから、こっちも届くのが楽しみだ。

画面を色々とスイッチングできるように切り替え機を設置。Any Cast (という MiraCast のパチモン)を使って Wireless でゲーミングPCの画面をコンサルテーションブースのモニターに出せるように画策中なんです。配線を工夫したり、ガジェットを両面テープで貼り付けたり。嗚呼、楽しい。気が付いたら2時間半もゴソゴソやっていました。男子はこんな事をやっていると時間が経つのを忘れます。


さて、どうなることやら。乞うご期待。

2024年1月を迎えて

元旦から石川県で大規模な地震が発生し、死者や行方不明者が出たり極寒の中での避難生活を余儀なくされている方がおられるので、新年の挨拶を軽々しく口にする事ができません。

歯科医師として最初に思ったのは「石川県は高齢者が多い地域。食後に入れ歯を外して洗面所の消毒ケースに入れていた人が少なからずいるだろう。そういった人は倒壊家屋から救助されたり避難したりしてもお口の中に入れ歯が入ってないはずだ。避難所でおにぎりやパンが配布されてもまともに食べる事ができないだろうな。気の毒だ。」という事です。

一日も早く予防歯科が日本中に普及し、入れ歯が入っている日本人がゼロになる世の中が来て欲しいと思います。歯が良ければ災害時の食事摂取に問題も起きず、栄養補給もスムーズです。歯の良否が場合によっては生死を分ける事に繋がるのです。

今の時代、虫歯と歯周病の予防は可能で、そのハードルはそんなに高くありません。貴方が歯の大切ささえ理解できれば予防は9割成功したも同然です。

すでに歯がかなりボロボロになっている人も全く恥じる事はありません。これまでの日本人の価値観と教育が悪かったのであって、貴方が悪い訳ではないのです。「本当に大切なものは何か?」に気がついたら、今からでも遅くないので歯の予防をスタートしましょう。

ただ、既に悪くなっている歯の治療には、信頼できる歯科医師との良縁を手に入れて(←これは茨(いばら)の道で、スマホを触っているだけで手に入るような甘いものではありません。重い腰を上げて動く必要があります。それでも出会えない事もある。まさに「良縁を探す努力」ですね。)、治療にはしっかり投資(=自由診療を選ぶ)して、この辺でもう負の連鎖をストッブさせた方が良いです。

上は(その場しのぎ、行き当たりばったりの)保険診療のなれの果て。下はそれを英保歯科でインプラントを含む自由診療でリカバリーしたもの。
でも、まとまったお金を用意して、スマホで良さげな歯医者を検索して、突然そこに行ってやってもらっても、こういった結果を手に入れる事が出来ないことがほとんどという「不都合な真実」。お金と情報だけでは手に入らないものがあるのです。(というか、「本物」はほとんどそうかも知れません。)良縁に出会うには日頃からの自己研鑽と努力が必須だと考えており、私も毎日必死に努力しております。言っている事が解るかな?共感して頂けるでしょうか?

震災、増税、地球温暖化。きっと2024年もますますタフな年になるでしょう。しっかりと歯を予防して、歯の修理といったバカバカしい事に時間とお金を使わずに済むようにしましょう。

元旦から、つい「英保先生らしい」暑苦しいメッセ―ジになっちゃいました。大変失礼しました。

本年も宜しくお願い致します。

「英保先生の腕は良い」と言われる本当の理由

英保歯科の頭脳・顔ともいえる4名の受付スタッフ。彼女達の聡明さによって英保歯科は日々順調に運営されているといっても過言ではありません。

その4人のうち、3人はウッディタウン、1人はフラワータウン在住でなのですが、年3回のメインテナンス来院を最重要視しているためにますます「地域密着型」になってきている英保歯科にとっては、この事もプラスに働いています。地域における英保歯科の評判(近所の噂や生の口コミ)が嫌でも私にフィードバックされてくるからです。

4人のうち2人はけやき台在住で、人柄が良い為にご近所さんからの人望が厚く人気者のようです。羨ましいなァ。で、けやき台の皆さんが英保歯科についてどのような評価をして下さっているかを時々教えてくれます。

「『英保先生は腕良いと聞く』と、皆さんおっしゃっていますよ。」←腕「」って、何なんでしょう。笑。

「『衛生士の先生方が本当に優しくて、親切だ。クリーニングも丁寧だ。』という噂です。」←確かに。特に最古参の石塚先生はマリア様のように優しい、私が目指す医療従事者の理想のカタチだからな。

英保歯科の衛生士の石塚先生はまるでマリア様。私が目指す理想の人間像。

「知人が来院して下さって、『あんなに綺麗な歯医者さんは見たことが無い』と褒めてくれました。」←建物は古いけど、徹底して断捨離してるから余計なものが一切ないので、シンプルで綺麗に見えるよね。スタッフが掃除を完璧にしてくれるし。しかも最近はスタッフの方から「先生、あれも捨てましょう。これも捨てましょう。」って言ってくれる。すっかり断捨離が伝染っちゃったようだ。笑。

「ご近所さんが『あそこは特別な歯医者さんなんでしょう?普段から予防やメインテナンスに通っていないと診てもらえないと聞いた』と言っておられました。」←ウーン、英保歯科のスタイルは特別と言えば特別なのかも知れないけど、ほとんどの日本の歯医者とほとんどの日本人の感覚が異常なのであって、私の言っている事の方が正論だと思う。私が車屋なら、オイルを全く変える気のない客に車は売らんけど。

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「英保先生の腕良い」と評価して頂けて光栄な事です。最近富にそう言って頂けるようになってきた気がするのですが、その理由を5つ程度考えてみました。

①両手利きなので器用:私はもともと左利きで、幼少期はそのまま育っていたのですが、宍粟郡の山崎小学校に入学した時に担任してもらった岸野先生という女性の先生に「鉛筆だけでも右手に直しなさい!」と強く指導されて、文字を書くのは右手、絵を書くのは左手、お箸は左手という「両手利き」の人間になりました。あの時は苦労したけれども、何度も何度も注意して根気よく矯正して下さった岸野先生のお陰で、今の私の「手先の器用さ」が生まれたのです。(右手だけで歯の治療をされている歯科医師を見ると、ちょっと気の毒です。)

②ずっと勉強を継続している:歯科治療の技術は日進月歩です。継続して勉強して着いていかなければ、アッというまに取り残されます。休日も手弁当で学会や講習会に参加してしっかりアップデートするように頑張っております。私の勉強に対する姿勢の基本は小学校の1・2年生の頃に付けてもらいました。山崎小学校の岸野先生の宿題の量は半端じゃない多さで本当に厳しかったのですが、でも、その2年間のお陰で私を含め、クラスの生徒にはしっかりと勉強する習慣がついたのです。(ちなみにその時の山崎小学校の同級生は東大、京大、一ツ橋、そして医学部等に進学しております。)つまり、私が勉強好きなのも岸野先生のご指導のお陰なのです。

③自由診療中心に治療をするようになった:開業して20年位は「保険で安くそこそこの治療を提供するのが良いだろう」と考えて、そうしてきました。(当時は臨床経験が短く、長期的予後に自信が持てずに保険治療でお茶を濁していたところもあると思います。)でも、平成28年、約8年前からから自由診療の機器や治療方法をメインに使わせて頂くようになったので、当然のように良い結果が出せるようになったのです。「良いものは良い」という事ですね。けやき台を含むこの地域の皆さんは目に見えるもの(家や車や時計やバッグや服)よりも目に見えないもの(教養や健康。←実は、これも目に見えてしまうのですが。)に投資したいと考えておられる方が多いようで、自由診療中心に大振りしてから、心から喜んで下さる方が激増しました。

④お客様の良識が高い:私が持てる知識と腕を振るおうとしても、英保歯科とのアポイントや約束事をきちっと守ってもらえなければそれは不可能です。40分間かかる治療に対して40分間の予約をしていたとして、それに10分遅れて来られたら、お客様は75%の治療結果しか手に入れる事ができません。簡単な算数です。また、直前のキャンセルを繰りかえすような非常識な方も、色々な意味で失うものが多いでしょう。有難い事に最近の私にはそのようなつまらない苦労・心労がほとんどありません。

⑤メインテナンスを受けて頂ける:いくら高いお金を出して買った車でも、全くオイル交換(メインテナンス)をせずに何年も走り続けたら壊れます。それでも「あそこで買った車は、高かったのに壊れやがった。」と言われたらたまったものではありません。インプラントがその典型的な例です。英保歯科のお客様は全員がロイヤルカスタマーなので、全員がメインテンスを受けて下さっています。ですから、私が行った治療が長持ちするのです。

この5つが「英保先生の腕良い」と言ってもらえる理由です。皆さんは①②の「英保先生は器用で勉強熱心だから腕が良い」と思って下さるのかも知れませんが、実は③④⑤の「お客様が自分の健康に投資する意識を持ち、自由診療の治療の価値を認めて、自由診療の治療を受けて下さるから。時間や約束事を守って来て下さるから。真面目にセルフケアをしたり、メインテナンスを受けたりして下さるから。」の方がはるかに大きな理由なのです。

⑥ZOOを使って完全防湿で治療をするから:防湿は治療の要。私は全ての治療に、100%ZOOを使って防湿をしています。
⑦英保歯科のスタッフが超優秀でマネージメントが完璧だから。私の事を信頼して、愛してくれているので、私も日々最高のパーフォマンスが発揮できております。

この二つも忘れてはなりません。

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さて、『英保先生は腕良いと聞く』という言葉から、言われている事を色々想像しますが・・・。

差し障りの無いセリフと態度で流している人がほとんどの今の世の中ですが、本当に優しい人ってどんな人間なんでしょう?

開業以来長年、多くの患者さんやスタッフにご理解頂き、我儘をお許し頂いている事に感謝しかありません。

一体、先生と呼ばれる立場の人間はどうあるべきなのか?

私は小学校1年生と2年生の時に担任して下さった岸野先生のようでありたいと思っています。「98%の人に合わなくても、2%の人の人生を劇的に変える事が出来ればそれで良い」と思っている。それが英保先生らしい姿・生き方だと考えているのです。

私は1人ではなく、2000人のロイヤルカスタマーと9人のスタッフが傍についてくれています。有難い事です。