「院長日記」カテゴリーアーカイブ

日本人は素晴らしい?

You Tube などで、「日本人がいかに素晴らしいか」を外国人に話してもらったり、自画自賛したりするような動画をよく見かけるようになりました。
増加の理由の一つは、日本がアジア諸国に比べて劣勢になり、どんどん見劣りするようになってきたのだが、その凋落ぶりの事実を認めたくない深層心理から「日本は(まだ)精神面ではこんなに素晴らしいんだ!」と思い込みたいからではないか、と思う事があります。

日本人って本当に思いやりがあって優しいのでしょうか?(日本人の)皆さん、「正直言うと、日本人って、時に非常に冷たく、残酷な面があるなぁ。」と思いませんか?私はそう思うのです。

私の若い友人(女性)が朝のラッシュ時に大阪駅を歩いていた時の事。バッチリ決めた、カリカリに痩せた若い女性が駅構内のコンビニの前で泡をふいて、失禁して倒れていたのを見かけた事があるそうです。友人は「無理なダイエットのしすぎで気を失ったのだろう」と思ったそうですが、友人も含め、誰一人声を掛ける事も無くその人を放置して足早に歩いていたそうです。
ー関わっていたら会社に遅れるから。ー ですかね。

私も昔、このような経験があります。12月の寒い夜、三宮のワシントンホテルの前の植え込みに酔いつぶれた若い男性が(恐らく友人の悪ふざけで)ズボンと下着をずらされた状態で放置されていました。何百人という男女がその下腹部にチラッと目をやって通りすぎたと思うと気の毒でなりませんでした。私も声を掛けて起こしてあげるような事はできなかったのですが、彼のジャケットを被せて隠してあげた事は覚えています。そもそも凍死でもしたらどうするつもりだったんでしょう?
ー酔っ払いだから知らんわ。ー ですかね。

時に、日本人って残酷に「見て見ぬふりをする」と思いませんか?
誤解を恐れず書けば、多くの学校で仏教やキリスト教などの宗教(から生まれる慈悲の心)について語る事が完全にタブー視されている点に問題があると・・・いや、止めておきましょう。砂糖の害について解説して理解してもらうのと同じくらい困難でしょうから。


これは先日、ひどい痛みが我慢できずに英保歯科にやって来た、中学3年生の女の子の口の中です。ほぼ全ての永久歯が、白く溶けかけているのがわかりますか?彼女はまだ中学3年生ですよ!

彼女に「何であなたの回りの大人は誰一人あなたを本気で助けようとしてくれないの?学校の先生や今まで通っていた歯医者の先生も見て見ぬふりかい?」と聞いたら大粒の涙をポロポロと流していました。(今回のブログでは、あえて家庭の事には触れません。)

受験勉強と陸上部を頑張っている子ですが、周囲の大人にインシュリンの知識が少しでもあれば、子供の体をこれだけ砂糖漬けにしておいて、頑張れといっても不可能な事は明白です。
(これだけ虫歯だらけになる砂糖摂取者に、根性で頑張れというのはもはやパワハラでしょう。この理由についてはまたの機会にお話ししますね。)

私は彼女に強く説得しました。「このままだと死んでしまうで!絶対に今この瞬間から、ダラダラ食べているラムネとキャンデーとジュースを止める事!」その他にも山ほどの話をして、100%キシリトールのガムのボトルとシャカシャカの歯ブラシをプレゼントしてあげました。

少しは思いが伝わったのか、それ以来、毎週まじめに通院してきています。
虫歯の修復も少しずつ進んできました。私に叱られてからはダラダラお菓子、エンドレスお菓子は止めていると言うので、「体のだるさが減って元気が出て来たと思わんか?」と聞くと「うん」と言って頷いていました。「ずっと止めときや。そしたら、目の輝きが変わって、どんどん引き締まった顔つきになってくるからな。頭も良く働くようになって成績も上がるで。あなたが来てくれる度に目の輝きと顔つきが変わってくるのを楽しみにしとくわ。」と言っておきました。来週も会えるのが楽しみです。とにかく頑張って何とかしてやらなければ。少しでも助けてやらなければ。

「歯をちゃんとしたいから、高校はクラブに入らずに歯医者に通うつもり」だそうです。それを聞いて泣きそうになりました。

皆さん、周囲の弱者(子供)の歯が(乳歯でも永久歯でも)ボロボロになっているのを見て、知らんふり、見ぬふりしていませんか?
ー他の家の子の事だから言えないし、私には関係ない。ー ですかね。

その残酷さって、(宗教教育を受けていない)最近の日本人の特徴かも知れませんよ。

最高の誉め言葉

英保歯科のファミリーメンバーの女性が次のように言って下さいました。
「イチロー選手の引退会見を見ていて、ハッと思った事なのですが、英保先生と似ている!と感じたんです。話し方や雰囲気や考え方が英保先生そっくりだと思いました。英保先生と同じだと。」
何と光栄な事でしょう。

イチローのストイックな生き方に、自然と惹かれてしまい、彼に憧れてしまう自分としては、これ以上の誉め言葉はありません。有難うございます。

年齢も一回り違い、体型も悲しいくらい違うのに同じ様だと思って頂けるなんて。これからもそのお言葉に負けないように、自分を律して前進して行きますね。

春がすぐそこに

診療室の窓から、素晴らしい青空が見えました。この雲は冬の雲じゃないよね。長かった冬がやっと終わろうとしています。皆さんの心にも、暮らしにも、春が訪れますよ。

語り尽くした感が。

ブログを毎日更新してきましたが、大体お伝えしたい事を語り切った感があります。

皆さんには私の毒舌に長い間お付き合い頂いて本当に感謝しています。

そろそろ、「毎日更新」に拘らず、語りたい事がある時にしっかりとお話させて頂くように変更しようかと考えております。

毎日のように読んで下さっていた皆さん(大体、お顔が浮かんできます!)、長い間ご愛読頂き、本当に有難う御座いました。

ついにブログまでも「断捨離」の対象になってしまいましたが、禅の考えを基に「無駄のない内容」で無理せず継続してゆきますので、時々は覗いてやって下さい。

今後とも宜しくお願いします。

徒歩通勤の訳

先日、いつものように徒歩で通勤していると、スタッフが「先生、いつも歩きなんですよね。健康に良いですね。」と挨拶してくれました。
「そうやね。でも、本当の一番の理由はガソリンを焚きたくないんだよね。子供達に少しでも奇麗な環境を残してやりたいのでね。」と、私。
「立派ですね。」と褒めてくれましたが、ほとんど意味が無いようにも思える行動なので、立派なのかどうか・・・。

たった一人のちっぽけな行動ですが、100人、1000人になったなら、少しは違うかも。
皆さんはどう思われますか?

 

リビングではスマホ禁止に

春分の日に家族全員が揃ってリビングでくつろいでいる時に、イチローがリタイヤするというニュースが届きました。

イチローの生き方に憧れていた私は、試合の様子や記者会見が気になって仕方ありませんでした。でも我が家にはテレビが無いので、リビングで寝っ転がって、いつも以上にずーっとスマホでイチロー試合経過ををチェックしていました。

妻はいまだにガラケーなのですが、子供の緊急連絡などがメールやラインで来るのが常識になってきたので、やむを得ず先日simフリースマホを買って練習し始めたところです。iPad をずっと使っていたので、Android スマホにもすぐ慣れて、彼女も私同様にスマホを使って Yahoo などを見ていました。

その時、中学生の娘がポツリと「普通の家みたい・・・。」と言ったそうです。情けない事に私はイチローの記事に集中していて、娘がそう言った事すら気が付きませんでした。後から妻が教えてくれたんです。

我が家では大学生になるまでスマホも携帯も持たせない方針です。その理由は家族で充分に話し合っていますので、子供は良く理解していますし、「スマホを持っている友人を見ていると、可哀そうだと思う。」とまで言っています。
そんな彼女の目から見て、家族で過ごせる休日の貴重な時間に、子供のスマホを禁止している両親がスマホに熱中しているのが気に入らなかったのでしょう。

妻に「リビングではスマホを使うのを禁止にしよう。子供に軽蔑されるようでは情けないから。家族で過ごせる貴重な時間を大切にしよう。」と提案しました。彼女は「そうですね。」と一言。

時々ドカンと食べたくなる甘いお菓子も、スマホでつまらない記事をダラダラ読むのも、なるべく子供の目に触れない所で楽しむようにしたいと思います。卑怯かも知れないけど、それが「自分の意思は弱いけど、子供に対する愛情はある親」ができる、精一杯の誠実さの示し方だと思うのです。言い訳してゴメンナサイ。

予防医療と歯科の関係


21日の日経新聞に「予防医療に財政支援」という記事が載っていました。

政府が医療費抑制のために生活習慣病の重症化を防ぐ取り組みや、ガン検診の実施の実施に加えて、歯科健診の受診の重要性を明言している事を知って、「ついに日本でも、時代が変わって来たな。」と感慨深いものがあります。

「病気をなおすのは医者で、歯医者は歯の修理をするのが仕事」と、私自身も10年前までは思っていました。
ここ20年間で世界中で大規模な研究が進み、「歯と全身の驚くべき関係」が明らかになり、それを勉強するに従って、極論すれば「病気をなおすのは医者で、病気を予防するのは歯科衛生士(と歯医者)」と言っても良いのではと心から思えるようになってきました。

今回はランドマーク的な前進ではありますが、歯科健診を受ける(Passive)だけでは効果は薄く、「歯科衛生士の治療を最低年2回は受けている(Positive)」事を条件にすれば、みるみる医療費が減って、みるみる国民の健康寿命が延びるに違いありません。

 

播磨新宮 櫻屋

春分の日、あいにくの雨ですが、家族でゆっくりと過ごしています。

春らしく播磨新宮の櫻屋さんのいちご大福を頂きました。

お饅頭の老舗のいちご大福は、コンビニやスーパーマーケットで売っているそれとは全く別物です。

一口一口、農家の方や、作って下さった方などに想いを馳せ、しっかりと噛んで、しっかり味わいながら感謝して頂戴しました。

もうすぐ春が来ますね。今年は寒いので、特に春が待ち遠しいです。

良い歯医者が見つかりますように。

英保歯科開業当初からのお客様で岡山出身の素敵な女性がおられます。私とほぼ同い年で、一緒に年齢を重ねて来た感じですね。

10年程前にインプラント治療を行ってメインテナンスをしていたのですが、ある時から突然、5年以上通院が途絶え、カルテも破棄されてしまっていました。何とウッデイタウンから笹山に引っ越しされてしまっていたとの事でした。

「歯が痛くなって、英保歯科の事をネットで検索しました。『英保先生、今でも頑張っておられるなぁ。やっぱり英保歯科に行きたいな。』と思って、笹山から通う決心をしました。」との事。嬉しいですね。昨年から自由診療の根管治療(3Di)等をお受けになるために通院されています。治療は順調に進んでおります。

そんな彼女のご主人様が英保歯科にお見えになるかも知れないとの事。会社を安定して経営されており、地位的にも経済的にも成功されているそうで、その方(ご主人様)の価値観や物事に対する考え方などを説明して下さいました。
しっかりお話をお伺いした後に「申し訳ないのですが、彼には英保歯科に来院されないように言ってあげて下さい。今のお話をお伺いする限り、彼は英保歯科に来られても幸せにならないと思います。あなたのご主人様に幸せになって欲しいというのが、私の心からの願いなのです。」とお答えしました。

以前、リタイアされた弁護士さんを親しい知人から紹介されて、誠心誠意診察していたのですが、彼は私のアソシエート(英保歯科の歯科衛生士の先生や受付スタッフ)の女性を自分の部下の女の子と勘違いしてしまうようで手に負えませんでした。年齢は私と10歳程度しかかわらないのに、旧態然とした考え方で本当に気の毒だと思いました。それだけでは無かったのですが、とにかく、「先生のような地位の高い方は、三田のこんなショボい歯医者より、都会にある、著名な先生の歯科医院がお似合いですよ。」と、お勧めして差し上げました。幸せになられますように。

「良い歯医者」とは「あなた自身の価値観に合う歯医者」です。友人や家族が「良い」といってもあなたにとって「良い」とは限りません。医院と患者のお互いの価値観がピッタリ合って、お互いの心からの信頼関係が存在している状態を、患者側からの目線から表現すると「良い歯医者、良い先生」という事になると思うのです。

英保歯科は、このブログやホームページに心から共感して下さる人のための歯科医院です。インターネットのおかげで、そういった方々とのボーダレスな出会いが毎日のように起こります。面白い、素敵な時代ですね。