「ラムネは悪魔のお菓子」(と私だけが呼んでいます)。多分ほぼ100%の方が「英保先生ストイック過ぎる」とか「子供も少しは楽しみがないと」とか「ラムネを口に入れたらおとなしくなるから、つい」とかおっしゃると思います。
最近は若草幼稚舎(私が校医をしている)と、けやき台こども園(英保歯科の前にある)のご縁でお見え下さるお客様がとても増えてきています。
ある、小学校低学年のお客様。英保歯科は彼にとって3軒めの歯医者になるそうです。ようこそ英保歯科へ。
「歯ぐきが腫れた」との事で拝見すると、左下の奥歯の2本の乳歯の周囲がひどく腫れています。この奥歯の乳歯はまだ数年使わないといけない歯ですから心配です。
レントゲンを撮影してみたところ、虫歯が歯の中の神経まで進行して、乳歯の根っことその周囲の骨が溶けてしまっています(レントゲンで黒く写っているところ)。その直下には永久歯の赤ちゃんが存在しています。一旦、根管治療で腫れは引いたのですが、数か月以内に炎症を繰り返すはずなので、直下の永久歯を健康に育てるには、この乳歯をずっと置いておく訳にはいきません。
幸い反対側は大丈夫でした。左右のレントゲンを見比べると素人の方でも違いがわかると思います。
数年使うべき乳臼歯を2本も抜くと歯並びに悪影響が出ますので、矯正歯科医に歯並びの成長発育の管理をしてもらいながら、抜歯のタイミングの計画を立てなければなりません。
お母様とお婆様には「矯正歯科に紹介しますので連れていってあげて下さい。」とお願いしました。
この小さな彼と保護者が、虫歯治療のために、今までに何回歯医者に通院したのでしょうか?恐らく30回程度は行っていると思います。金額は400円×30=12,000円位。通院の延べ時間は、相当なもの。彼の苦痛は∞。
その上、矯正歯科にも通う必要が出てしまいました。矯正は保険が効かないので、予定していなかった出費と通院の時間が追加されます。虫歯にさえしていなければ、と悔やまれます。
この重症の虫歯の原因がわかりますか?私は言い当てましたよ。
もう皆さんにも想像がつくはずです。そう。「それ」です。
「それ」を買ってさえいなければ、年3回の予防歯科の通院だけ、かかる医療費もわずか、彼の苦痛はゼロ、だったかも。
私が「それ」を「悪魔のお菓子」と呼ぶ理由が伝わりましたでしょうか?