手術はもう始まっている

チームの矯正歯科医から、「矯正で前方の歯を1.5mm後方に移動した時に、インプラントの上に作った歯がピッタリサイズになるような位置にインプラントを埋入して下さい。」というオーダーが来ていました。難しい注文です。
今日はその難しいインプラントのオペがあったので、昨夜から飲食を節制して、夜9時には布団に入って心と体の準備をしておきました。
今朝は(2㎞だけですが)徒歩で通勤して、冷気で頭を冷やすと同時に体の血液循環をアップして、手術中の集中力が欠けないように万全の準備をして手術に臨みました。

最近は歯科でもCTによる診断が普及しております。英保歯科の関連の歯科医院にも最高機種のCTがありますので、必要に応じてCTを利用しながらデジタル診断とデジタルの治療計画を立案する事が多々あります。本日の手術もそうでした。

デジタルナビゲーションでオペをするのは、運転で例えると「カーナビの言う通りに運転する」感じで、ほとんど頭を使う必要がありません。最初に計画した場所に寸分たがわずインプラントを埋入する事ができます。でも、カーナビって時々「何でこんな道を通らせるねん!」という事があるでしょう?

アナログで頭を使いながら手術の経験を積んでいくと、「このままナビの言う通りにしたらかえって良くないな・・・。」という局面に出会う事がしばしばあります。そういった事に手術中に気が付いたり、微調整したりするためには、集中力が必要です。つまり、「心身ともに万全のコンデション」で手術に臨んでいる必要があるのです。

「手術は前日から始まっている」という事は、岡山大学時代の恩師、松村智弘岡山大学名誉教授から教わった事です。

インプラントの手術を受ける前の晩に担当の歯科医師とスナック(酒場)で出会ったなんて事は普通は無いはずですよ。彼がまともな歯科医師なら。