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歯の健康集会1

けやき台小学校の4年生を対象に授業を行ってきた話をしましたが、その内容を紹介してみたいと思います。子供が45分間飽きないように工夫してクイズ形式になっています。
皆さんも是非、子供になったつもりで考えてみて下さい。

食べる時だけでなく、他にも使いますよね。歌ったり、笑ったり、喋ったり、スポーツで頑張る時にも。


28本ありますよ。


どうですか?答えは数個以上はありますよ。


これを良く噛んで食べる所をイメージして考えてみてね。


嚙む度に頭の横にある側頭筋がポンプのように働いて、血液を脳に送り込みます。


歯科医師ではなく普通の医師の著書です!


何回でしょう?


この高級寿司(3貫で200円!このダブルリング付きの皿を子供が平気でたくさん取ると、イラッとする、あれです。)を何口で食べますか?ひと口に何回噛みますか?考えてみて。
3貫ですから、普通は3口で、それぞれ15 回以下でゴックンと飲み込むような感じでしょうか?
ここは頑張って、1貫を2口に分けて、6口で食べて欲しいですね。なおかつ、ひと口を30回から50回嚙んで欲しいのですが、なかなか実践は難しいですね。


どうやったらそのような事が習慣にできるか、子供達に尋ねてみました。

子供は素直にドンドン思った事を喋ってくれるので、授業をしていて本当に楽しいですね。

明日も続きを紹介してみようと思っています。

こわれたプロテイン

血液検査の項目にCRPというのがあります。C Reactive Protein (C反応性蛋白)といって炎症が起こっているときに数値が増加します。学生の時に医学部の友人に「炎症でロテインだからCRP」と覚えろ、と教えてもらいました。

基準値は0.30mg/dL未満ということになっています。「0.4~0.9mg/dLは軽度で、アトピー性皮膚炎や軽い風邪などでも出る値」と、従来、お医者様は数値が低い場合はあまり気にかけておられませんでした。

最近では、0.01mg/dLまで測定できる「高感度CRP」という検査が可能で、微弱な慢性炎症が検出できるようになりました。現在ではCRP検査をオーダーすれば普通は、高感度CRPで行ってくれるようです。便利ですね。

高感度CRP検査では、慢性炎症を持っていて将来心筋梗塞を起こすかもしれない人を見つける研究が行われているそうです。

また、高感度CRPの値と大腸ガンの発生には相関があることが、エビデンスを持って報告されています。

そして嬉しい事に、お医者様は高感度CRPの値が上昇する原因の一つに歯周病がある事に気が付き始めました。

ご存知のように、歯周病は非常にたちの悪い慢性炎症です。高感度CRPの値も上昇します。英保歯科では将来、全ての成人のお客様の高感度CRPのデーターをチェックしたいと思っております。はやくマイナンバーカードのICかクラウドに医科の血液検査データーが蓄積されて歯科医師も閲覧できるようになって欲しいですね。無駄な重複検査の医療費削減にもなるので、数年もしないうちに、そのような時がくると思いますよ。

私自身も毎年高感度CRPのチェックをしてもらっています。もし歯学部に行ってなかったら、今頃0.01以下じゃなかったかも。「歯医者になってて良かったなー。」と思う瞬間です。

さて、

①歯周病がある=高感度CRP値が持続的に高くなる
②高感度CRP値が持続的に高い人=心筋梗塞のリスクが高い
③高感度CRP値が持続的に高い人=大腸ガンになりやすい

これらが意味する事はなんでしょう?

米国歯科医師会は約20年も前に “Floss or Die?” (フロスの習慣をつけますか?それともフロスをせずに死にますか?)というメッセージで大々的に啓蒙活動を行った事があります。このブログの読者のあなたには、これが大袈裟でない事がわかりますよね。

朝、大阪に出勤する電車で時々一緒になる、例の「口が臭い人」が突然乗って来なくなったら「ひょっとして・・・?」と心配してあげて下さい。

即、購入しました!

この本、先ほどAmazonで購入しましたので、来週には英保歯科の本棚に置いておきますね。

英保歯科のお客様の中には岡山大学学部出身の方が2人おられます。岡山大学学部出身の私には非常に親近感が湧きます。
このお二人に共通する点は「非常に謙虚」であるという事です。医師を始めとする医療関係者(看護師 薬剤師なども含めて)の中には、あからさまに歯科を見下してくる人も少なくなく、「医科と歯科の関係について、色々な話をしたくても話が始まらない」ような人がおられるのですが、概して、偏差値の高い国立大学医学部出身の先生ほど謙虚であるというのは面白い事実だと思って彼らを観察しています。(知人のクリスチャンの京大医学部出身の先生も驚くほど謙虚で、とても尊敬しています。)
岡大仲間の整形外科の先生が一言「医者を長年をやっていると歯が全てじゃという事がわかってくる。」とおっしゃいました。この先生も年に3回は英保歯科で予防歯科治療をお受けになって、常に良い状態を維持されています。

以下にアマゾンへのリンクと、出版社からのコメントのコピーを貼っておきますね。このコメントには「歯の予防をすれば1,000万円以上得します!」とありますが、①お金だけでなく、通院と治療に要する②時間と、歯を削られる③苦痛とストレスからの解放も得られる事を強調したいですね。

Amazonでの購入はこちら→認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい!

出版社より:

認知症クリニックに通う患者の25%は総入れ歯!
口の中に残っている歯の数と認知症発症率には、相関関係があります。
東北大大学院の研究グループが、70歳以上の高齢者を対象に行った調査によると、「脳が健康な人」の歯は平均14・9本でしたが、「認知症疑いあり」と診断された人はたったの9・4 本でした。つまり、残っている歯が少ない人ほど、認知症になりやすいことが明らかになったのです。
昔から言われている「歯がない人はボケやすい」は、科学的に見ても正しかったのです。歯が残っているメリットは、歯で噛むことで脳に血液を送り込むことが出来、脳を活性化できることです。またアルツハイマー病の原因とされる、脳のゴミ「アミロイドβ蛋白」を血流で押し流すことが出来るのです。

歯周病は脳を老化させる大きな要因。ターニングポイントは35歳!
歳をとると、口の中の環境が変わって、歯周病菌が増えやすくなります。この歯周病は日本人の大人のほとんどが患っている、いわば国民病。その発症率は35歳前後からぐんぐん上がっていき、40代になるころには、なんと8割もの人が歯周病を発症します。実は、若い人の口の中にも歯周病菌はたくさんいるのです。
35歳前後から発症率が増えていくのは、このころから加齢により免疫力が低下するせいだとする説があります。若いころは歯茎に軽い炎症が起こっても治っていたのに、免疫力が落ちたせいで修復のスピードが追いつかず、歯周病が進行するというわけです。歯周病は風邪などと違って自然治癒しません。放っておくと「もう歯を抜くしかありませんね」と宣告されます。つまり、大切な歯を失うことになります。
さらに、歯周病菌が出す毒素により、血液中に炎症物質「サイトカイン」が流れ込みます。「サイトカイン」が脳に流れ込むと、認知症を発症するリスクが高まります。35歳からは、歯のケアをこれまでと変えなければいけません。具体的な手入れ方法を本書でお伝えします。

歯のケアを変えれば、生涯医療費が1千万円以上安くなる!
日本歯科医師協会が、全国の40歳以上、約1万9000人を対象に行った調査では、残っている歯の数が20本以上ある人は、0~4本の人よりも、年間の医療費が平均で17万5900円も低いという結果が出ました。この金額を1日あたりに換算すると、17万5600円÷365日=約482円。つまり、歯を20本以上キープする歯のケアを続けるだけで、毎日約500円もの医療費を得することになるのです。
なぜこうなるのかというと、これは歯を失う最大の原因は歯周病であり、その歯周病が認知症だけでなく、糖尿病、脳梗塞、肺炎などの全身疾患を引き起こすからです。
もしあなたが100歳まで生きるとして、そのとき歯が0~4本しか残っていないとしましょう。先ほどのデータをもとに、歯周病患者が増えはじめる40歳以上から100歳までの60年間分の医科医療費の差額を計算すると、年間平均医療費17万5900円×60年=1千55万4000円となります。つまり、残りの歯が20本以上ある人に比べて、1千万円以上も多く生涯医療費を支払わなければいけないことになるのです。もしこの1千万円を支払わずに済めば、老後のお金の不安はずいぶん減るのではないでしょうか。

茶色くなっていたら虫歯?

6歳の男の子のお母様「奥歯(乳歯)が茶色くなってしまったので、ひどくショックです。真ん中の子で油断したせいか、朝食後の歯ブラシをちゃんとしてあげていないのが原因だと思います。朝日幼稚園に通っています。」と涙ぐんでおられました。素晴らしいお母様ですね。この子は幸せです。
私「朝日幼稚園なら在園時の食生活はキッチリされているはずです。この歯は咬み合わせの面の溝が茶色くはなっていますが、予防歯科治療をきっちりお受けになっておられますし、今お伺いしたご家庭での食生活習慣では、虫歯になる事は非常に考えにくいので、経過観察をすれば心配ないと思いますよ。」と説明しました。
安心してもらえたようです。大丈夫ですよ。

我が家の話をしましょう。

私の長男の左下の乳歯の1本が生まれつき変で、まるで虫歯になっているように歯の一部が欠けた感じで生えて来ました。
そこに食べ物の色素が沈着するので、だんだん茶色くなってきて、パッと見た目が「虫歯?」という風になってきました。

彼はその後、神戸友の会幼児生活団という、幼稚園に相当する教育機関に通うようになりました。そこでは年に1回歯科健診がありました。予防歯科に熱心な女性の歯科医師がキッチリと健診して下さいました。
毎年毎年、その歯について「乳歯の虫歯が1本あります。早めに治療してもらって下さい。」との指摘を受けていました。歯が欠けて茶色くなっているのですから、「虫歯」という診断になるのでしょう。

子供の虫歯の原因は食生活習慣、食育にあります。歯磨きがメインではないんです。
妻とは「我が家では5歳まで砂糖甘い物を極限まで控えているので、欠けている歯であっても、絶対に虫歯になったりしないはず。このままフッ素などを応用して様子を見よう。」と、相談して決めました。

そして、この乳歯が無事抜けてしまうまで、何事も無く使う事ができました。削っていた方が問題が起こっていた可能性は多々あります。

英保歯科では「茶色いから。黒いから虫歯」ではなく、食生活習慣や、過去の経歴などを加味した時間軸で物事を考えるようにしています。

見方を変えれば・・・

日本メンタルアップ支援機構 代表理事の大野 萌子様が執筆された、下記のような記事が載っていました。

言う事を聞かない子どもの親の残念な共通点( 東洋経済オンライン )

電車の中での親子のやり取りを観察されてのご指摘なのですが、歯科医師の視点から見ると違う見方ができます。
2歳の子供のセリフの「ジュース」という所を「砂糖」に置き換えて読んで頂きたいのです。

砂糖が脳に及ぼす悪影響は再三お話しております。院長ブログで「砂糖」とキーワードを入れれば過去のブログをご覧頂けますので、よろしくないとは思いますが、よろしかったら読んでみて下さい。

小さな子供に与える影響は想像以上に大きい:

10㎏の子供に180mlのジュースの紙パックを「1本だけね」と与える事は、60㎏の大人に(180ml×6≒)1ℓの紙パック入りのオレンジジュースを1本渡して「少しですがどうぞ」と言っているのと同じ計算になります。
同じようにファミリーパックのアイスを「1本だけね」と渡すのは、大人にファミリーパックのアイスを箱ごと渡して「6本全部一度に食べて下さい」と言っているのと同じ事になります。

我が家は4人の子供がいますが、4人共5歳までは砂糖甘いお菓子などを極限まで制限してきました。4人に対して「小学校に上がるまでは、食べたらダメ」というセリフを夫婦で何回口にしてきたかわかりません。やっと、この春に一番下の子が小学校に上がります。20年間、長かった。
小学校に上がってからは、一切制限はしていませんが、砂糖甘い物を口にする時は(望ましい物ではないと理解しているので)「食べていい?」と必ず聞いてきますし、常識的な少量を食べたら充分満足して「ピタッ」と止められるようです。
幼少期に砂糖の味を脳味噌に刷り込まれてしまって、中毒・依存症になっている私から見ると羨ましい限りです。

ちなみに、4人共学年で最上位の身長と体格を誇る、元気な子に育ってくれています。(成績は普通です・・・。)

私(父親)が歯科医師であっても、今の妻と違う女性と結婚していたら、全く違う食育になっていたのだろうと思います。日本においては、家庭のリーダーは事実上女性であり、母親の考え方次第で家庭は変わります。

どうしようかと悩むときには、とりあえず「今は買わない、今は与えない、今はやめておく」にしておけば失敗がありません。
ジュース、ラムネ、ハイチュウ、アイスクリーム、チョコレート、ゲーム、スマホ、等々。味を覚えてから取り上げるのは至難の業ですが、後から与えるのは簡単です。
アップルの創始者、ジョブスも自分の子供にはiPhoneを持たせなかったそうですね。さすがですね。

本当に悪魔のお菓子?

ラムネは悪魔のお菓子」(と私だけが呼んでいます)。多分ほぼ100%の方が「英保先生ストイック過ぎる」とか「子供も少しは楽しみがないと」とか「ラムネを口に入れたらおとなしくなるから、つい」とかおっしゃると思います。

最近は若草幼稚舎(私が校医をしている)と、けやき台こども園(英保歯科の前にある)のご縁でお見え下さるお客様がとても増えてきています。
ある、小学校低学年のお客様。英保歯科は彼にとって3軒めの歯医者になるそうです。ようこそ英保歯科へ。
「歯ぐきが腫れた」との事で拝見すると、左下の奥歯の2本の乳歯の周囲がひどく腫れています。この奥歯の乳歯はまだ数年使わないといけない歯ですから心配です。

レントゲンを撮影してみたところ、虫歯が歯の中の神経まで進行して、乳歯の根っことその周囲の骨が溶けてしまっています(レントゲンで黒く写っているところ)。その直下には永久歯の赤ちゃんが存在しています。一旦、根管治療で腫れは引いたのですが、数か月以内に炎症を繰り返すはずなので、直下の永久歯を健康に育てるには、この乳歯をずっと置いておく訳にはいきません。
幸い反対側は大丈夫でした。左右のレントゲンを見比べると素人の方でも違いがわかると思います。

数年使うべき乳臼歯を2本も抜くと歯並びに悪影響が出ますので、矯正歯科医に歯並びの成長発育の管理をしてもらいながら、抜歯のタイミングの計画を立てなければなりません。
お母様とお婆様には「矯正歯科に紹介しますので連れていってあげて下さい。」とお願いしました。

この小さな彼と保護者が、虫歯治療のために、今までに何回歯医者に通院したのでしょうか?恐らく30回程度は行っていると思います。金額は400円×30=12,000円位。通院の延べ時間は、相当なもの。彼の苦痛は∞。
その上、矯正歯科にも通う必要が出てしまいました。矯正は保険が効かないので、予定していなかった出費と通院の時間が追加されます。虫歯にさえしていなければ、と悔やまれます。

この重症の虫歯の原因がわかりますか?私は言い当てましたよ。

もう皆さんにも想像がつくはずです。そう。「それ」です。

「それ」を買ってさえいなければ、年3回の予防歯科の通院だけ、かかる医療費もわずか、彼の苦痛はゼロ、だったかも。

私が「それ」を「悪魔のお菓子」と呼ぶ理由が伝わりましたでしょうか?

あなたならどうする?

Yahoo に記事が出ていました。半年に一度位はこの論争が出てきますね。読む度に、悩んじゃいますよね。

昼食後「すぐの歯磨き」は完全に逆効果

詳細は下記のリンクを見て頂ければと思いますが、この実験は象牙質を酸性炭酸飲料に90秒間漬けて行ったそうで、エナメル質ではないし、90秒も炭酸飲料でブクブクしてから飲み込む人もあまりいないと思うので、実際のお口の中の歯の状況にピッタリと当てはまるかどうかは微妙なところだと思います。

昼食直後の歯磨きより、毎晩、酎ハイ(炭酸と砂糖入り)をダラダラ飲んで、酔っ払ってから硬い歯ブラシで「ゴシゴシ」と雑に力任せに磨いている人や、拒食症などがあって、吐いた直後(胃酸は超強酸!)に気持ちが悪いので歯ブラシをする癖のある人などの歯の表面の劣化の方が心配ですが・・・。

30分待って磨くかどうかの論議の前に:
習慣的に摂取している食事内容はどうか(炭酸飲料・砂糖・柑橘類・酢・ビタミンCなど)?
使っている歯ブラシの硬さは?
歯ブラシのスキルは正しいか?

などもチェックする必要があると思います。

小児歯科学会の見解

保存歯科学会の見解

株式会社ライオンの解説

就寝前にステージ4のプラークをほぼ完全に除去できる人(就寝前の数分間の丁寧なブラッシングと、毎夜のフロスの習慣がある人)限定のアドバイス:食後に歯の間に食べかすが残らない年齢(40歳位まででしょうか)なら、昼食後は歯ブラシをスキップするか、キシリトールガムを嚙むだけでも良いと思います。その人は朝食後の代わりに朝食前にブラッシングをしても良いと思います。
歯肉が(加齢や歯周病で)退縮して、食事の後に必ずつまようじを使いたいような人やお茶や水でブクブクしてしまう人は、少なくとも毎食後フロスはして下さい。歯ブラシも毎食後にして、食べかすを除去した方が良いと思いますよ。昼食がカレーやうどんなら直後に磨いて良いですが、コーラとドーナッツを食べた時は(とりあえずキシリトールガムを嚙んでおいて)少し待ってから磨きますかね?

私なりの見解と意見を述べさせて頂きました。参考になれば幸いです。

以下はちょっと難しい話です。良かったら読んで下さい。今回の論争にも関係します。

最近特に「エビデンスに基づいた治療」が絶対視されています。ちゃんとした研究論文で効果が実証されている治療法(=エビデンス)が「絶体善」で、経験から得た「真実らしき事」に関して見解を述べるのは、もはやタブーのような風潮があります。

臨床家が長年の経験から「確かな手応え」を感じている方法であっても、権威からの「エビデンスが無い」の一言で、沈黙せざるを得ない空気があるのです。

エビデンスを作るためには「情熱・時間・資金・マンパワー」そして、しばしば「人脈・権威・政治力」などが必要になってきます。私達開業医がエビデンスを作る事の困難さはここにあります。
多くは「純粋な探求心」がエビデンスを作る原動力になるのですが、「後から地位や名誉や経済的見返りが得られる」ことが原動力になってしまうこともあるのです。大学の先生方の論文ねつ造や製薬会社の治験の不正が良い例でしょう。

実は、私は「エビデンスは無いが、長年の手応えから、絶対に効果がある」と確信する治療方法を持っており、歯科医師の裁量権として、自由診療ではそれを使っています。実際にそれで沢山の歯を救う事ができてきました。
エビデンスを作る事ができる権威(学会など)が「エビデンスが無い」と頭ごなしに言ってくる時には複雑な思いになりますが、誰が何と言おうと「面白いほど効く」と確信できた方法を簡単に捨てる気にはなりません。

「キーキー虫」 ってどんな虫?

妻が子供に「甘い物を食べ過ぎたらキーキー虫が来るからその位にしておきなさい。」と注意しているのを耳にする事があります。

私は結婚してから初めて耳にした「虫」の名前なのですが、妻はこの虫の存在を彼女の母親から教わったそうです。

妻の母親は、妻が子供の頃に「砂糖」の入ったジャンクフードを極力食べさせないように努めてくれたそうで、ご存知のように、砂糖は、特に3才以下の子供の脳に悪影響を与えるため、食べたら興奮し落ち着きが無くなり「キーキー言い出す」から「キーキー虫」と表現して「砂糖をなるべく食べないように」と躾してくれたそうです。凄いですね。

一番分かり易いのがラムネです。落ち着きの無い小さな子供の母親のカバンにはラムネかハイチュウが入っています。1日中断続的に高濃度の砂糖の錠剤を投与される小さな子供の脳は常に興奮しています。感心できないですね。

多くの家庭は奥様の実家の生活習慣のコピーとなります。食生活習慣についても同じ傾向があります。

今あなたが変えれば、これからの子孫の暮らしが良い方向に変化しそうのは分かりますね。

コラーゲン配合、みたいな。

キシリトールが歯に良い甘味料である事はご存知だと思います。日本歯科医師会推薦とか、特保のマークが付いているのは伊達じゃありません。虫歯予防の目的でガムを購入する時は、日本歯科医師会の推薦商品なら間違いありませんので、それを目安にして下さい。

でもキシリトールの含有量は商品によって、まちまちです。リカルデントはキシリトール配合と大きく書いてありますが4%しか入っていません。再石灰化という他の目的に使うガムだからです。

私は、グリコのポスカもバランスが取れていてとても良い商品だと思うのですが、売れ行きではロッテに完敗しているようです。

ガムを買う時には裏側を見て下さい。キシリッシュのブラックガムの黒いのはイカ墨だったのか・・・。そこじゃなくって、虫歯の原因になる砂糖やブドウ糖や果糖などの文字がないか、念のために確認するためです。
マルチトールはキシリトールのような虫歯菌をやっつける効果はないけど、少なくとも虫歯の原因にもなりません。コンパに来ているおとなしい男の子みたいな感じで、「盛り上げもしないが、害もない」存在ですね。

次にキシリトールが何%位入っているか見ましょう。
キシリトールのグラム数に炭水化物のグラム数の逆数分の100をかけて算出しましょう。
難しかったら子供にやってもらいましょう。冗談です。実はただ単に割り算するだけなんですよ。

34.2÷68.8=0.497

このキシリッシュは約50%のキシリトール配合なので、商品イメージよりずいぶん多くのキシリトールが入っているようです。

ただ、一容器あたりという白線の囲み枠からキシリトールだけが外側に書いてあるのが気になります。大人の事情かも知れませんが、ここは明治さんを信じてみましょう。

こんな商品もあるのですが・・・。

ラクトフェリン30㎎配合!何か知らんが良さそうだな。ちょっと待てよ、30㎎は0.03グラムで、測るのも難しいくらいの微量じゃないか・・・。

ガムを買う時は、ボトルの裏側を見て、キシリトールが何パーセント位入っているのか、スマホの電卓でササッと計算してみるのも面白いかも知れません。

バッターは3番と4番。歯は3番と6番。

歯科医師が歯の事を「何番」と番号で呼んでいるのを御存知ですね?

上下左右の一番前から順番に「1番・2番・・・」で最後が「7番」になります。例えば右上の奥から2番目の歯は「右上6番」です。親知らずは「8番」です。
歯の中で一番大きい歯が6番です。奥から2番目の歯です。7番は6番に比べて少し小さいですよね。

7番を失ってしまって放置していても、6番さえしっかりしていたら、まあ、大丈夫と言えば大丈夫です。

ところが、6番を失ってしまうと問題は大きくなります。6番は大黒柱なんです。放置すると咬み合わせの崩壊が始まります。

犬歯は3番です。犬歯は動物で言うところの「牙(きば)」になります。牙を抜かれた獣はもう獲物を捕らえる事ができずに死を待つのみとなります。上下の犬歯がしっかり咬んでいる事が、生涯に渡って咬合を保全するために非常に大切です。

ですから上下左右の3番と6番、計8本は「Key Tooh(機能的にも、正常な咬み合わせを保全するためにも、鍵となる歯)」と呼ばれています。

6番は6歳臼歯、7番は12歳臼歯です。6歳で生えてくる永久歯(6番)を死守するためには5歳までの食生活習慣が鍵です。乳歯をドンドン虫歯にしているような食生活では、6歳で生える6番が虫歯にならない訳がありません。

3番、すなわち犬歯は「八重歯」になる歯です。「広末涼子のような八重歯がかわいい」などと言っていられるのは若いうちだけです。八重歯を放置していては、大人になってからはずーっと歯の悩みを抱えて生きていくようになります。聖子さんが何度も世界的に著名な歯科医師(一人目は米国UCLA大学の日本人歯科医師、現在は慶応大学病院の歯科口腔外科教授)と結婚している理由は、彼女が若い頃にデビューして八重歯を放置せざるを得なかったために、大人になってから、我々の想像を超える歯の悩みとコンプレックスを持っていたためである可能性があります。ですから、自分の歯の悩みを何とかしてくれるような人に惹かれるのではないかと、私は想像します。

「八重歯と受け口」は子供の頃にきちっと矯正をしておかなくてはなりません。
三田では「あらがき矯正歯科」で矯正を受けて下さい。