最近、水曜日は5時までの診療にさせて頂いております。自由診療中心の精緻な仕事が多く相当な集中力が要求されるので、連日の長時間労働が事実上不可能になっているからです。それから、家族と過ごす時間も可能な限り増やしたいとの思いもあります。
お客様にはご迷惑をお掛けしますが、どうかお許し下さい。
さて、そんな水曜日の今日、まだ明るいうち(夕方6時)に帰宅する事ができました。コロナの影響で家族全員が家にいると思うと速足になります。
手をしっかり洗ってからリビングに入ると、最近料理を練習中の長女が夕食を作っていました。嬉しいけど、ちょっと覚悟がいるな・・・。ちゃぶ台では妻と次女が折り紙を短冊に切ってチェーンを作っています。パーティーの準備?確かに3月は妻と長女の誕生月だけどな。その横で長男は本を読みながらゴロゴロしています。
チェーン作りの理由を聞くと、小1の末っ子が「楽しいパーティーをする」と突然言い出したそうで、それではと、その準備をしていたそうです。

お父さんが休みの木曜日に合わせて、長女と長男が朝寝坊できないように朝早目の開催となったそうです。今回は長女がケーキを作るそうで、スポンジも焼き上がっていました。(妻が焼くスポンジの半分の高さなのは何故?その代わり密度は2倍か?頑張ろう・・・。)

どうやら妻がパンを焼いてくれるようで、一安心。
早く寝て7時までに起きよう。楽しみです。
毎朝フィリピンの先生に英会話を教えて頂いているのですが、コロナの影響で出勤できる先生の数が激減し、初めて出会う先生に担当して頂く事が増えました。
先日偶然担当して下さったのは20代前半の男性の先生で、教え方も上手で良い先生だったのですが、前歯がひどい虫歯で、歯科医師の私はそれが気になって気になって授業に集中できず、正直、英会話どころではありませんでした。前歯を失うと発音に影響が出て、職を失う事になりかねないと若い彼の将来を心配したからです。
授業の後に非公開のメッセージで「早目に歯をなおした方が良いですよ。」と送った事が悪夢の始まりでした。
「歯の事は自分でも気が付いている。しかし私の外見は私の英語教育能力とは関係が無い。あなたに degrade(~の体面を傷つける)された。」と激怒の返信があり、私は即座に「実は、私は歯科医師で、貴方の外見や見た目では無く、貴方が歯を失っていく事にって英語の発音に悪影響が出る事を危惧してコメントしたのです。傷付けたようで、心から謝ります。」と返信しました。
自分には国際感覚がある方だと慢心していたのが失敗の原因です。国民皆保険制度で守られた、裕福で平和な国、日本に住んでいる日本人の感覚でうかつに発言してしまったのです。
オンライン英会話の先生方のほとんどは、実は驚くほど貧困で、家にシャワーすら無い人も多いのです。海外では、歯をなおすにはかなりのお金がかかる事をうっかり忘れていました。
日本人が使い古して捨てるようになった総入れ歯を集めてフィリピンに送るボランティア活動があるのを御存知ですか?その入れ歯をどうすると思いますか?想像を絶する世界です。
そのような国の人達でも、日本の大学生ですら知らないような難解な単語も良く知っているほど英語能力は高いのです。「彼らの将来が歯を失う事によってダメになるのはもったいない。フィリピンでも予防歯科を普及できないものか?貧困な国にこそ予防がピッタリなのだが。」とも思いました。
その一方で、正直なところ、(目の前に彼が現れる訳が無いのですが)なぜか非常に強い恐怖心を覚えて、それ以降オンライン英会話の授業を受ける事ができていません。メールの強烈な文章がかなりのトラウマになったようです。SNSでディスられて自殺する子供の感覚が理解できました。
日々の診療に於いても相手を傷付けないように言葉を選んで発言しなければと反省した次第です。「歯の大切さに気が付いて欲しい。将来の苦悩から救ってあげたい。」と思うのは私の勝手なのですから。
でも、こんな性格だから、ついつい熱く語ちゃうんですよね。このブログのようにね。
最近、街でベンツ、BMW、レクサスなどを見かける事が増えたと思いませんか?元来車が好きな私は、精巧な芸術品のようなドイツ車を街で見かけると、つい目で追ってしまいます。
「中古で買えたとしても維持費が出せないし、それに高級車なんて持って無い方が幸せなのは解っているんだけど、やっぱり魅力的だよな・・・。」なんて、英保先生、断捨離中なのに意思が弱くてダメですよね。軽四で我慢、我慢。
ところで、ネット上で外車や、国産車の特定の車種のあおり運転などが良く話題になっていますね。それに関してのあるコメントで「高級車と高額車」という表現をされている方がおられて「なるほどな。」と感じました。
何とかお金を用意できて値段の高い車を買う事ができても、乗る人のマナーや品格が伴っていなければ、それは単に「高額車」であって「高級車」にはならないと言うのです。面白い考え方・表現だと思いませんか?
車って、その車格を超える人格をドライバーが持っていなければ、ただの見栄張りの道具になってしまうのでしょう。逆に、現在の人格より少し下の車格の車に乗っていれば「賢明で端正な姿」になるのだろうと思いました。
そうすると、私にはまだ軽四がお似合いだな。
歯に対して、最近までは98%の日本人と同様の価値観だったある男性。海外を飛び回ってバリバリ仕事をしていて忙しく、「痛い所だけとっとと治して」のタイプの方でした。
英保歯科に通院して頂いて、事あるごとに予防歯科のお話をしていたのですが、ついに歯の大切さに覚醒されたようで、現在はインプラントを含む総合的治療で「歯の延命」を試みております。
その彼が「先生、先日テレビを見ていたら大阪の南のディープな所の放送をやっていて、皆歯がボロボロだったんです。あれって将来困りますよね。」とおっしゃいました。
見た目も悪く、口臭も凄いのですが、本人も周囲も気にならないなら、それはそれで幸せなのでしょう。「認知症や心筋梗塞、糖尿病などの病気になるとは思いますが、その地域から一生出る事が無いのなら、それはそれで幸せなんでしょう。」
メトロポリス東京に住んで大企業でワールドワイドに活躍したり、研究職で海外の学会に出かけてコミニュケーションをするような立場になれば本当に困るでしょう。でも、例えばフィリピンのスラム街、スモーキーマウンテンのようにお金や歯が無くても幸せに(長くない健康寿命ですが)過ごせる場所が地球上に存在する事も事実です。
これだけは勘弁してあげて下さい。神戸からわざわざ三田まで通院して下さっているお客様がおられます。会社を経営されている新進気鋭の若手エリート起業家で、今や世界的に活躍されています。
その彼が先日「母親を恨んでいて、一切連絡を取らなくなった。」と、ポツンとおっしゃって驚かされました。
理由をお伺いしたところ、「子供の頃にメチャクチャな物を食べさされて、そのせいでこんなボロボロの歯になった。親なら子供の健康や将来の事を少しは考えてくれても良いだろうに。」との事。
両親も祖父母も、我が子や孫が憎くてラムネ菓子、ハイチュウ、ジュースや炭酸飲料などポンポン与えている方はいないと思います。しかし、その結果もたらされる彼・彼女達の将来の苦悩に想いを巡らせて、ここは踏ん張って「本当の愛情」を与えるようにしてあげて下さい。
彼の母親が「本当の愛情」を与えていたら、親子断絶などには至っていないはずです。

今朝、徒歩通勤の時に「まだ風が冷たいな」と感じて背中を丸めて歩いていたのですが、ふと空を見上げた時に、診療所の近くのハナミズキの芽が膨らみ始めている事に気が付きました。
「頭が良いな。もう春が来るのを知っているんだ。」と思うと、私の方まで明るく前向きな気持ちになって、元気が出てくるから不思議です。
今日は天気も良く、午後からは暖房もいらない程に気温も上がって、まさに「もう春がそこまでやって来ている!」という感じでした。
コロナの影響で静かな三田の街ですが、このハナミズキのように「もうすぐ良い時が来るよ。」と信じて、静かに待ちたいと思いました。
犬歯の後ろの歯が突然グラグラしだして、痛くて噛めないとおっしゃるお客様。その歯を抜いてみたらビックリ。根の大部分が真っ黒になっているではありませんか。この歯は神経を取って、その歯の中に金属の芯棒(メタルコア)を入れて、それの上に金属の被せ(クラウン)をしていた歯です。全ての手順は厚生労働省が認可し指定した「国のお墨付き」の方法(=日本の保険治療)に則って誠実に治療が行なわれています。
「なんじゃこりゃ!?歯の根が真っ黒け・・・。」この歯には一体何が起こったのでしょう。皆さんには想像ができますか?普通の治療(エビデンスベースのグローバルスタンダードな治療)を行っている世界中の先進国の歯科医師にはわからないかも知れませんが、日本の健康保険で行われれるガラパゴス歯科治療に慣れ親しんだ日本の歯科医は「ピン」とくるはずです。
ガラパゴス歯科治療は非常にユニークです。ドンドン虫歯にしてくる日本国民の歯を「皆保険制度」で分け隔てなく修理するためには、使用する材料を「色々と工夫」してコストを抑えなければなりません。
金属アレルギーなどの知識が少なかった昭和の中期に開発された、銀を主体とした合金を心棒に使い、パラジウムを主体とした合金の冠を被せる等々、色々と「日本独自のスバラシイ工夫」をして医療費を削減し「世界に誇れる国民皆保険制度」を歯科の分野に於いても維持しています。最近は保険治療でも芯棒にコンポジットレジンとグラスファイバーを使う事が多くなってきましたが、今でもこれらの金属がたくさん使われている事も事実です。
銀のアクセサリーをお持ちの方は、それを水中に何年も漬けているとどうなるか想像できますね?
「先生、歯の中にピアスみたいに穴を開けてそんな金属入れたりして大丈夫なんですか?銀のイオンが歯根の表面までしみ出して入れ墨のように変色させているだなんて、何だか体に悪そうに思うのですが?」と聞きたくなるでしょう?
「大丈夫ですよ。日本の厚生労働省が認可・指導しているやり方なのですから、絶対に間違いありません。」とお答えしましょうか?
むしろ「歯の予防は簡単です。予防をして歯を悪くしなければ、このような日本独特の歯科治療を受けたり、金属アレルギー等々の心配をする必要もありません。お金も通院の時間も不要です。だから、予防なんです。」とお答えしたいですね。
そうそう、こんな日本を少しでも変えたい方は必ず選挙に行きましょうね。(私は必ず選挙に行きますが、白票を入れる事が多いです。)それから、フロスもしてね。
歯学部の6年間のカリキュラムの中で学生は、皆さんが思ってもいないような事も学んでいます。医学部のように、ご遺体による全身の人体解剖も行いますし、美大のように鉛筆を使ってデッサンをしたり、石膏のブロックを削って彫刻をしたりもするんですよ。
但し、その Art の対象はビーナスのような美しい女性ではなく、全て「歯」なのです。歯を芸術的にスケッチしたり、ミケランジェロの彫刻よろしく、四角い石膏のブロックをカービングナイフで削り出して歯の特徴を表現したりするトレーニングを受けるんです。
歯科医師は歯の治療をする時には常に「いかに自然の歯に近づけるか」の挑戦をしています。毎日毎日が芸術作品を作成している芸術家のようで、私も30年以上歯科医師をやって毎日挑戦していても「これで満足」という域には達していません。日々のこのような経験の中で、完璧にして最高の作品を創り出す手段を考え抜いた結果、到達したのが「予防歯科」なのです。
私が「これは最高に美しい。これで満足!」と思えるのは唯一「そこに元々ある自然の歯」だけなのです。私がいくら勉強し、鍛錬し、繰り返し挑戦しても「神様の創造物、母親が自らの体を削って与えてくれた愛に満ちた存在(=歯を含む子供の体)」の美しさには絶対に勝てません。
先日美しい女性が我が家に来てくれて、微笑ましいカップルが誕生しました。この二人を見ているだけでも自然の美しさや神々しさを感じます。私の Art の技量では太刀打ちできません。とてもとても表現不可能です。それと、「自分はやっぱりベジタリアンで良かった」とも思います。文系の人にお伺いしたいのですが、芸術家は 「Art が自然の美しさを超える日が来る」と思って挑戦しているのでしょうか?
絵画や写真をやっている芸術家は、いつかは森林の美しい姿やあの土や雨の匂いや肌に当たる風などを超えた表現ができると思って挑戦しているのでしょうか?
音楽家は鳥のさえずりや波の音、嵐や雷の音、雪の日の夜中の静寂などを超えて、彼らのサウンドで聞き手の感性に届ける事ができると思っているのでしょうか?
私は人間のやる Art が自然を超える日が来るとは思えないのです。皆さんはどう思われますか?
私がいくら鍛錬を積んでも元々そこにある歯の美しさを完璧に再現できるようにはなりません。なぜなら私は神でも母親でもないからです。
ですから私は歯を削るのが大嫌いですし、予防歯科が大好きなのです。
兵庫県三田市の歯科医院 予防歯科を主軸に顕微鏡やルーペによる精密治療・MI接着修復・MIインプラント治療を提供 ラバーダムやZOOなどの防湿装置使用率100% i Mix(改良型3Mix法)を開発