日本歯科医師会のパンフレットによると、食事をする時に正座をしている時が、この3つの中でいちばん咬む回数が多くなるとの事です。
ファミリーレストランなどで若いファミリーが時々使っておられる、テーブルに挟むタイプの子供の椅子がありますね。軽くて携帯に便利ですが、子供の顎を正しく成長させるという視点からは、残念ながら理想的ではないみたいです。
皆さん自分が食事をする時に足をプラプラさせるような椅子で食べてみて下さい。何とも頼りなく、しっかり噛む力が入らない事に気がつくはずです。大人でもそうなのですから、子供や老人はもっと食べにくいはずです。
正座は身長を低くするだとか色々な悪い噂があって、イメージが良くないのですが、このデーターからすると、昭和時代の日本の食卓のように家族でちゃぶ台を囲んで(テレビは無しで)正座して食事をしているのが一番顎の成長には良いようですね。
さすが、歴史の中でつちかわれた日本の生活習慣は凄いですね!
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歯磨き(ブラッシング)の目的を明確に理解する
歯磨きをここではブラッシングと呼びましょう。ブラッシングが虫歯予防に大切である事は、幼稚園から小学校、中学高校とずーっと、繰り返し繰り返し刷り込まれますので、誰に聞いても「虫歯予防は歯磨き」と答えてくれます。
これまでのお話で「虫歯予防はフッ化物」と答えてくれる方がおられてもおかしくないと思っています。そうですよ。それも正しい見方です。
どんなに美人のモデルさんでも腸の中には必ず大腸菌がウジャウジャいて、それが体と命を助けてくれている訳ですが、同様にお口の中には常在菌という菌が必ず存在します。この構成の中身に悪玉菌(虫歯菌や歯周病菌)が増加すると困った事になる訳です。
リステリンなどの洗口剤で悪玉菌だけを殺す事ができれば良いのですが、ショットガンのように無差別に殺菌してしまうので使い方が難しいのです。
ブラッシングの目的はこの常在菌の量(特に悪玉菌)を一定以下に保つ事によって、虫歯や歯周病の発症を起こさないようにする事です。ですから別名「プラークコントロール」と言います。
素人のプラークコントロールの技術では限界がありますので、時々衛生士さんの指導を受けたり、プロケアー(professional tooth cleaning)を受けたりする事が必須になります。歯科医師の私でも年に4回衛生士の指導とプロケアーを受ける事を欠かした事がありません。
2015年度版 良い歯医者さんの選び方 ですって。
ドクラボというサイトに面白い記事が載っていますので紹介しますね。「2015年度版 良い歯医者さんの選び方。11個のポイントで二度と歯医者選びに困らない」
開業以来ずーっと色々な事を考えながらやってきて、その積み重ねが現在の英保歯科の姿なのですが、この11のポイントを読んで下さった現在の患者さんが「英保歯科は合格ね。」と思って下さる点が多いとしたら、とても嬉しいです。
次に、こちらは何とも言えない記事ですが、同じドクラボに
「ヤンキー化する歯科医があなたの財布と命を狙っている」
というのがありました。人生に対する美意識、倫理観、品の無い歯科医師が増えているとしたら、困った事ですね。でもこの記事の内容は歯科業界で働いた事が無い人が書いたのだろう、と思わせる詰めの甘さがあります。実は現場の人間にしか解らない根本的な問題点があるのですが、その辺は他の業界でも一緒ですね。歯科医師も基本的には人間で、できれば良い仕事をして皆さんに喜んでもらいたいと日々努力しています。「性善説」を信じて頂いて大丈夫ですよ。この歯車を狂わせている原因は日本の「保健医療制度」です。
その辺は、又の機会に言及します。
日本臨床睡眠医学会に参加してきました。
テレビを見ながら食事をすると・・・。
「食事の時にテレビをつけていると、かみ合わせ、特に成長発育期にある子供のかみ合わせに悪影響が出る」と言われると信じられますか?
休日の夕食はお父様もいらっしゃて、家族の団らんの貴重なチャンスですね。そんな時にテレビをつけたままにしていると会話もすくなくなってしまいます。是非食事の時はテレビを消して下さい。
皆さんの食卓は和風に床に座るタイプ?それともテーブルとチェアーですか?大体指定席があって、同じ場所に座りますよね。それで、テレビの位置はどうですか?
食べ物をかんでいる時は顎や周囲の筋肉などの成長に大きな影響を与えています。毎日毎日、子供が(親も?)食事の時にテレビを見ながら食べているとして、そのテレビが子供の左側にあったとしましょう。常に90度左側に首をねじって咀嚼しているという異常な状態が何年も続くと考えただけで、どのような恐ろしい事が起こりそうか想像がつきますよね。片方の肩にかけるカバンを避けてリュックタイプのカバンを子供に持たせておられるお母様ならすぐに理解して頂けると思います。
頂く時には良く味わって、しっかり噛んで、作って下さった方に感謝しながら食べる事も大切です。
子供達のためにも、食事とおやつの時には必ずテレビを消して下さいね。
歯科の主な病気は3つあります。さて、何でしょう?
歯科で扱う主な病気は3種類。①虫歯②歯周病③噛みあわせ病。「なーんだ。そのくらい知ってるよ。」とおっしゃるでしょう。わかりますよ。
それでは、どんな時に歯医者に行きますか?「歯に穴が開いた時。」「つめ物が取れた時。」「冷たい物や熱い物がしみるので。」・・・ですよね。
実は、そういった時って患者さん自身が無意識に「自分は虫歯だ!」と断定してお越しになっている事がほとんどなんです。それはそれで構わないのですが、②と③についてはどうでしょう?「自分は歯周病だ!」「自分は噛みあわせ病だ!」と断定して歯科医院に行かれる方は虫歯に比べて非常に少ないです。なぜなら②と③は素人の患者さんには「良く分からない}からです。
②歯周病は慢性病なので徐々にしか症状が現れません。口臭が出てきても、髪の毛が寂しくなったり、お顔のシミやしわが増えたりした時と同様、回りの人は普通は指摘しません。ですから、はっきりとした自覚がないままズルズル進行してしまいがちです。虫歯の時と違って「自分は歯周病だ!自分の口は間違いなく臭いぞ!」と自分で断定できる方は少ないのです。
噛みあわせについては、素人の方には更に「良く分からない」はずです。歯科医師でも充分な研鑽を積んだ先生でないと、木を見て森を見ずではないですが、虫歯を削ってつめるだけと云った状況に陥ります。
私が指導医(かみあわせ指導医と言います)をしている「日本顎咬合学会」は、このかみ合わせについては非常に多くの研究実績がある学会です。
歯周病やかみ合わせ病の詳細は又の機会にお話しします。
3Di ダイレクト
英保歯科の特徴的な技術を生かした虫歯の治療法に「3Di ダイレクト」というオリジナルメニューがあります。基本的には神経を取っていない歯が対象です。
①3D ビデオ顕微鏡(Mora Vision) や5倍拡大のルーペを使用する。
②ラバーダムやZOOなどの防湿装置を使用する。
③神経が残せそうに無い歯(熱い物がしみたりして、他の歯科医師が神経を取る事を強く勧めた歯)でも i Mix を使用して神経を取らないよう最大限の努力をする。
④保険診療では使用できない、ハイグレードのダイレクトコンポジットを使用して自然な美しい歯として修復する。
これらを確約して治療を行う「3Di ダイレクト」は長い目で見た時には患者さんの時間的、経済的、機能的、心理的負担が軽減される「お得な」治療方法です。
費用は1本2万5000円+消費税となっております。「3Di ダイレクト」で治療ができるかどうかは、まず英保歯科で診断を受けて頂く必要があります。
虫歯の部分が大きいと「3Di CAD/CAM」の適応となります。
フッ化物はいつまで使うか
フッ化物はその種類や摂取の仕方を変えながら、基本的には一生使う方が良いでしょう。
4歳、あるいは遅くとも6歳くらいから何らかの形でフッ化物の使用を開始します。虫歯になってからではなく、完璧に予防してしまうために何ともなくても使うようにしましょう。
小学校低学年の間は親が食生活の管理をしてあげる事ができますが、高学年で塾に通うようになって、塾の帰りにコンビニで毎晩缶コーヒーなどを買うような事態になったら要注意です。反抗期にもなってきて、なかなか親のいう事を素直に聞いてくれませんが、とにかく、はみがき粉でも何でも良いのでフッ化物の応用を続けます。
成人してむし歯リスクの安定期に入っても、はみがき粉などで継続してフッ化物の摂取を続けた方が良いでしょう。成人した後は歯周病のリスクが強くなってきます。お母様の努力のおかげで、虫歯で苦労した経験の無い子供は大きくなってから、どうしてもブラッシングがおろそかになって歯周病になってしまいがちです。
老人になって歯周病が進行して、歯の根っこの方が歯ぐきより上に見えてきてしまうと、そこが非常に虫歯になりやすくなります。治療が不可能な部位であることも多く、まさに「歯医者泣かせ」な状況となります。
インプラントって?
皆さんはインプラント治療にどのようなイメージををお持ちでしょうか。最先端の素晴らしい治療だという感じ?それとも悪い噂を耳にしたりされますでしょうか?インプラントは「正しく使えば」素晴らしい治療方法です。正しく使いさえすれば。
上の写真のような治療方法ですので、インプラントが健康で充分な量のある骨の中に埋入された時には長期的に安定して機能します。しっかりした幅や厚みのある杉やヒノキの板にねじ込んだネジ釘はしっかりしますが、ペラペラのバルサや合板に入れたネジ釘は無理な力をかけたらすぐに抜けちゃいそうですよね。
骨が無いときには骨造成という追加の手術が必要です。費用も追加で必要になります。危険性が高い時にはブリッジでインプラントを回避する方が良い事も多々あります。
その辺の診断がきっちりできるか否かがドクターの知識であり、治療計画の通りに事を運べるかどうかがドクターの技量です。
また、歯周病菌の感染がある(つまり歯周病がある)お口の中にインプラントをしても、インプラントの周囲に歯周病菌が感染してすぐにダメになってしまいます。
宝くじが当たってお金ができたから、インプラントをしてもらおう!と思っても、歯周病の治療と管理ができていない患者さんはインプラントが長持ちしません。お金を捨てるのと同様になってしまいもったいないですね。同様に、タバコを吸われる方もインプラントが長持ちしない事が多いです。最近、英保歯科では禁煙ができにくい患者さんのインプラントはお断りすることがほとんどです。
フッ化物の取り方
むし歯予防にフッ化物を応用する方法はいくつかあります。
一つは歯科医院で歯科衛生士さんの治療を受けた直後、3-4か月毎に、定期的に高濃度のフッ化物を塗布してもらう方法が一つ。ツルツルピカピカになったばかりの歯の表面にプロユースのフッ化物を塗ってむらうのはいかにも効きそうですね。
もう一つは家庭でコツコツと毎日低濃度のフッ化物を塗布する方法。歯科医院で塗ってもらうフッ化物の10分の1から30分の1の濃度を毎日使用します。継続は力なりという言葉がありますが、この習慣は、少なくとも永久歯が生えてきた6歳からは開始するべきだと考えています。できれば永久歯は虫歯にしたくないからです。
レノビーゴ:スプレータイプ。ある大学の教授が開発した低濃度のフッ素。安全性が優先されており、4歳頃からでもあるいは乳歯が生えたばかりでも使いやすい万能選手です。
ミラノ―ル:自分でパウダーと水を専用容器で溶かして作ります。アクエリアスの粉タイプのような感じで作るだけで簡単です。人工甘味料が入っていないので、不自然な味が嫌いな子供にはピッタリです。オラブリスという名前のほぼ同じような商品もあります。
ホームジェル:しっかりと歯の表面にとどまるジェルタイプで、グレープやストロベリー、ミントなどのフレーバーが(一応そういう名前はついている)あります。ハイリスクのお子様には良いと思います。子供に使わせる前に、親が一度味見をしてあげてみて下さい。悪くはないけど・・・良くもないかな。
ハミガキ粉:歯磨き粉を買う時には裏を見て何が入っているかチェックしてみて下さい。(驚くほど色々入っていて使うのをやめようかななんて思うかもしえません。)ほぼすべての商品にフッ素とかフッ化物と書いてあると思います。フッ素の摂取を意識せず使いたい方はこれが超簡単ですね。効果はありますが、歯磨き粉と他フッ化物サプリメントとの違いは、何回もうがいをしてしまい、残留濃度が薄くなることが多い点です。
他にも機能をアップさせた新商品が沢山出てきています。後発は先発商品の欠点を改良してきますので良いと思いますが、例えば機能をアップさせるために牛乳の成分であるカゼインを配合したため、牛乳に対する強いアレルギーがある子供で問題が起こってしまったとの報告があります。昔から使われているものには歴史という安心感があります。