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医者の不養生

歯科以外のお医者様、特に内科系の少々年配の先生は「病気は自分達が薬でなおすもの」と思われているようです。
実際には食生活習慣や運動習慣、睡眠や休養、生活環境の見直しが大前提にあるはずなのですが、医学部で薬の素晴らしい効果を勉強し、毎日毎日薬を出していると、だんだん視野が狭くなってくるのでしょうね。
歯科医師も「歯の事ばかり考えている」という偏った人間かも知れません。特に私は父親も歯科医師でしたから、生まれたときからずーっと歯の事ばかり。既に「歯医者バカ」になってしまっている自信100%です。気をつけたいですね。

お医者様は人間の体の事は自分達が一番良く知っていて、(歯医者より)偉いと思っておられるので、私が(かなり気を遣いながら)歯磨きの指導をさせて頂いても、なかなかいう事を聞いてくれません。彼、彼女の歯周病や虫歯がドンドン進行して行くのですが、痛みがあったり腫れたりした時には、自分の診断と判断で、薬で何とかしようとされますね。
ただ単に衛生的にすればなおるのに・・・。薬を使う前に、まず歯を磨いてね・・・。

もちろん、広い視野を持った立派なお医者様も沢山おれれますよ。
ある糖尿病の権威、非常に謙虚で立派な先生がおられます。彼はインタビューの中で「生まれ変わったら歯科衛生士になりたい。そうすればもっともっとたくさんの糖尿病患者さんを救えると思います。」とおっしゃっていました。偉いでしょ?

私が歯科医師になって良かったと思う事の一つは、「もし医者になっていたら、糖尿病や心臓疾患などの病気になっていたかもしれない。」と思う事です。
皆さんも健康で長生きしたかったら、歯を大切にして下さいね。

自制心を育む正しい方法って、あるのかな?

自制心(欲望を制御する)能力を身に付けることは、人生の成功に極めて大きな影響を与えるという記事がありました。
富裕層は「スマホ」と「コーヒー」に目もくれないというタイトルですが、子供の頃の自制心が大人になった時の状況を反映するという記事です。
私は、中学入学と同時に家を出て、当時「軍隊式教育」と言われた高砂にある中高一貫校の寮に入りました。体が大きかったので柔道部に(半ば強制的に)入ることになり、24時間365日「自制」だけの青春時代を送りました。
その結果、強い自制心を手に入れる事はできたと思います。ただ、時々その代償に失ったもの(子供の頃の子供らしい生活)に強く思いを馳せる事があります。
自分の子供にはあのような辛い思いだけはさせたくないと思っているのですが、ついつい甘い父親に・・・。
バランスの取れた育て方は親の永遠の課題かも知れません。

 

 

20年の歳月

英保歯科が平成7年6月に開院してから、まもなく20年になります。
開業当時はインターネットが世の中に存在していなかったし、歯科医が余っている(と、日本人の歯科の利用スタイルの常識からは考えれていますが・・・。)ような時代が来るとは夢にも思いませんでした。
この20年間の間に英保歯科の回りにも、歯科医院がたくさんできましたが、お陰様で昨年も非常にゆるやかな右肩上がりですが、順調に運営する事ができているようです。英保歯科の患者様にはお礼申し上げます。

大学の歯学部では会社経営の事など全く学びませんでしたので、チームリーダーとしての振る舞いは独学で学んできました。
独学というより、患者さんと触れ合う中で、受験勉強では学べなかった事を、遅ればせながら少しずつ学ばせて頂いている感じですね。

これから私の歯科医師人生の後半戦に入訳ですが、後半戦というより「集大成」と呼びたいと思っています。これまでの知識と経験を生かして、地域の患者さんにいかに貢献する事ができるかを一生懸命考えています。
歯科医の息子に生まれ、歯科一筋で53年間生きてき私です。勉強も沢山、沢山してきましたし、これからも前向きに、一生懸命、頑張ってやっていきます。
自信を持って「英保裕和の歯科医師人生の集大成」の表現に取り組みたいと思います。

素晴らしいスタッフの理解もあって、英保歯科の雰囲気は年々、年々良くなってきています。私達のサービスの結果として皆様の笑顔を拝見できる事が私達の一番の喜びです。これからも、どうかよろしくお願い致します。

 

マザーテレサ

加藤貴さんという方のブログにマザーテレサの言葉が載っていましたので転載してみます。
http://ameblo.jp/taka-stefano/entry-12061837406.html
より引用します。
医療に携わる者として、そして何より人間として、少しでも彼女の姿に近付きたいと思います。
まだまだ、全然、ダメですけどね。
頑張ります!
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世界平和のためにできることですか?
家に帰って家族を愛してあげてください。
私は反戦運動には参加しません。
ですが、平和運動には喜んで参加します。
– マザー・テレサ –

マザー・テレサ

他にはこのようなことを仰っています。

人はしばしば不合理で、非論理的で、自己中心的です。
それでも許しなさい。

人にやさしくすると、人はあなたに何か隠された動機があるはずだ、と非難するかもしれません。それでも人にやさしくしなさい。

成功をすると、不実な友と、本当の敵を得てしまうことでしょう。それでも成功しなさい。

正直で誠実であれば、人はあなたをだますかもしれません。それでも正直に誠実でいなさい。

歳月を費やして作り上げたものが、一晩で壊されてしまうことになるかもしれません。それでも作り続けなさい。

心を穏やかにし幸福を見つけると、妬まれるかもしれません。それでも幸福でいなさい。

今日善い行いをしても、次の日には忘れられるでしょう。それでも善を行いを続けなさい。

持っている一番いいものを分け与えても、決して十分ではないでしょう。それでも一番いいものを分け与えなさい。

あなたは、あなたであればいい。

この世界は食べ物に対する飢餓よりも、愛や感謝に対する飢餓の方が大きいのです。

貧しいことは美しいことです。

平和は微笑みから始まります。

神様は私たちに、成功してほしいなんて思っていません。ただ、挑戦することを望んでいるだけよ。

私たちは、大きいことはできません。小さなことを大きな愛をもって行うだけです。

導いてくれる人を待っていてはいけません。あなたが人々を導いていくのです。

人間のほほえみ、人間のふれあいを忘れた人がいます。これはとても大きな貧困です。

いかにいい仕事をしたかよりもどれだけ心を込めたかです。

あなたに出会った人がみな、最高の気分になれるように、親切と慈しみを込めて人に接しなさい。

あなたの愛が表情や眼差し、微笑み、言葉にあらわれるようにするのです。

一切れのパンではなく、多くの人は愛に、小さなほほえみに飢えているのです。

愛されることより愛することを。

理解されることよりは理解することを。

所有すればするほど、とらわれてしまうのです。

より少なく所有すれば、より自由でいられます。

喜びとは、魂を捕まえられる愛の網なのです。

私たちは、成功するためにここにいるのではありません。

誠実であるためにここにいるのです。

短くて口に出しやすい言葉でも、心のこもった言葉はある。

そんな言葉はいつまでも心の中に輝き続ける。

大切なのは、どれだけ多くをほどこしたかではなく、それをするのに、どれだけ多くの愛をこめたかです。

大切なのは、どれだけ多くを与えたかではなく、それを与えることに、どれだけ愛をこめたかです。

富める人のほうが貧しいと思うときがあります。
富める人のほうが内心孤独であることが多いのです。

心が愉しむことは、どんな美容師にもまさる効果があります。

もし貧しい人々が飢え死にするとしたら、それは神がその人たちを愛していないからではなく、あなたが、そして私が与えなかったからです。

日本人はインドのことよりも、日本のなかで貧しい人々への配慮を優先して考えるべきです。

愛はまず手近なところから始まります。

今、この瞬間幸せでいましょう。それで十分です。

その瞬間、瞬間が、私たちの求めているものすべてであって、他には何もいらないのです。

暗いと不平を言うよりも、あなたが進んで明かりをつけなさい。

飽くことなく与え続けてください。残り物ではいけません。

痛みを感じるまでに、自分が傷つく程に与え尽くしてください。

説教してきかせても、それは人とふれあう場にはなりません。

ほうきをもってだれかの家をきれいにしてあげてごらんなさい、そのほうがもっと雄弁なのですから。

愛とは、大きな愛情をもって小さなことをすることです。

誰かに微笑みかけること、それは愛の表現であり、その人へのすばらしい贈り物となるのです。

昨日は去りました。
明日はまだ来ていません。

わたしたちにはただ、今日があるのみ。
さあ、始めましょう。

~マザー・テレサ~
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マイナス金利の今こそ歯を磨こう。

銀行に貯金しても全く金利がつかず、むしろ預けると迷惑がられるような事になってしまいましたね。
私の母親が子供の頃に、彼女の父が「100円も貯金しておいてやったから、将来使いなさい。色々な事に使えるよ。」と言ったそうですが、その当時から貨幣価値が1000倍以上に変化してしまったようです。
同様に、子供のために、今1000万円貯金しておいてやっても、30年後に今の1万円位の価値になってしまったとしたら、泣くに泣けませんよね。
金でも買ってタンス預金でもしてあげるのも一つの方法でしょうか?
でも、もっと良い方法があります!子供の歯を予防歯科で大切にして将来、多額な治療費がかからないようにしておいてあげるのです。
歯は金と同様に貨幣価値の変化の影響を受けませんし、その上金と違って毎日使える役に立つものです。
今こそ歯を大切にして、無駄な出費を回避しましょう!

台湾の歯科医師も情熱的でした。

土曜日の診療後に関空から台湾に飛んで、ホテルに到着したのが夜中の2時。翌日、日曜日に台湾の先生方に「防湿と接着」に関する講演をさせて頂きました。
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約50名の台湾の歯科医師に防湿装置ZOOの説明や、米国の学会誌に発表した私達の研究結果に関しての解説を行いました。
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月曜日の早朝6時半にホテルを出て帰国するという、文字通りの「弾丸ツアー」でしたが、聴講して下さった先生方の熱心な姿勢に心打たれ、また友人の王歯科医師やTed さんのご親切に触れて充実した3日間となりました。
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金曜日からは米国の学会に参加するためにシカゴに行ってきます。タフな1週間になりますが、頑張ってきます。

中学生の患者さんと、お母さんに質問しました。

昔からずっと英保歯科に通院して下さっている家族の話です。
本当は4か月おきに衛生士さんの治療(予防歯科)を受けて頂きたいのですが、中学生になった子供さんは、いつも痛みがある時だけ来てくれる感じです。今回は12歳臼歯が生える時に歯ぐきを破って出てくるので痛みがあったようです。
幸い今回は新しい虫歯は無かったのですが、小さな頃から、来院のたびに衛生士が、何回も、何回も、何回もブラッシングの指導をしているにも関わらず、今回もほとんどまともに歯ブラシしていません。歯垢だらけで情けないくらいです。
何とか歯ブラシをして欲しいので、意地悪な質問をしてモチベーションを高める事にしました。
その子に「それじゃ、クイズ出すね。歯1本の価値っておいくら、何円くらいやと思う?」
お母さんにも「お母さんは、歯は1本何円の価値があると思われますか?」と聞いてみました。
「えーわからない。」がほとんどの方の最初の返事です。今回もそうでした。そんな事考えた事もないんでしょうね。
私「自分で思う値段を言ったらいいんですよ。いくら?」
子供「1本1万円くらい。」
お母さん「もっと。1本10万円くらい。」
私「なるほど。では君に14万円あげるから、上顎の歯14本をぜーんぶ抜かしてくれる?お母さんには140万円あげるから上顎の歯をぜーんぶ抜かしてくれる?」
子供「えー絶対いや。」
母親「嫌です。」
私「だって1本1万円って言ったじゃない。お母さんは1本10万円って言ったじゃないですか。」
それから色々な話をしていくと、二人の顔が真剣になっていきます。(さてさて、いじめるのはこの位にしとかないと嫌われちゃうからね・・・。)

私から子供に「先生のお話、解ったね。じゃあ今は、歯の値段はいくらだと思う?」
子供「1本100万円以上!」

皆さんは私がいくらあげたら上顎の歯をぜーんぶ抜かしてくれますか?それを14(本)で割った数字が、あなたの歯1本の価値観です。
私は1億円もらっても抜かれるのは嫌ですね。「歯は値段なんかつけられない位、かけがえの無い物」です。私にとっては。

この後、彼に岡山大学方式を改良した歯ブラシの仕方を実際にやってみて説明しました。きっと今度は、少しはまじめに歯磨きをして来てくれる・・・かな?

 

「安かろう悪かろう」これが患者さんが望む道だったのかな・・・?

先日のある患者さんの話です。
小臼歯(前歯と奥歯の間にある小さめの歯)の、他の歯医者で保険でしてもらったという白いかぶせが取れたと来院されました。
残念な事に、かぶせの中の歯自体がボロボロでまともに修繕できそうにありません。
この保険でできるプラスチックの白い歯、「安かろう悪かろう」の代表のような経過をたどる事が多いです。
詳細は避けますが、大量に削って、保険の費用の中で治療しなくてはいけませんから、「そこそこの適当な」接着をするようになります。その結果、歯とかぶせに隙間ができて、その隙間から虫歯菌が侵入して、かぶせの中のかけがえの無い歯をボロボロにしてしまっています。特に雑に治療と接着をされた場合には・・・。保険で丁寧にやってたら大赤字なのは解るけど・・・。歯科医師ですから、数年で歯を抜くようになるような事をしたくはないですね。
「この歯は抜くようになります。」と説明すると、この患者さんはとても辛そうでした。「矯正と、MTAセメントや歯周外科手術、それにセラミックのかぶせなど、保険外の治療技術を総動員すれば、残すことができますが、お金と時間がかかります。」とも説明しました。
この患者さんは「詳しく説明が聞きたい」と次のコンサルテーションのアポイントを取って帰られましたよ。
前の歯医者さんが最初からこの「そこそこ(実はそこそこでもないんですけど)の治療」ではなく「ちゃんとした治療」をご提案してあげていたら、矯正や手術などをスキップできて歯も長持ちしたのに。
前の先生、患者さんの歯の健康に対する考え方を聞いてあげる事が欠けていたのかもしれませんね。
誤解のないように書いておきますが、保険だから悪いというよりは、ちゃんとした仕事には良い材料と手間をかける時間が必要だという事です。
時には「この場合は、保険では、まともな事は無理」という事になるのです。

やっぱり「3・3・3」ですよね?

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歯周病の治療と予防の基本はプラークコントロールにあります。この患者さんの歯と歯ぐきとの境目に歯垢がたくさん付着しているのがわかりますか?

65歳の非常に真面目なご婦人がお見えになりました。歯周病と虫歯が気になるとの事でした。
半年に1回近所の歯科医院で歯石取りをしてもらっているとの事です。
お口の中を拝見したところ、歯垢が結構付着しており、磨き忘れをする部位が多いようでしたので、岡山大学予防歯科の渡邊教授が開発された「つまようじ法}をベースに英保歯科風にアレンジした方法をお伝えしました。
患者さんは昔習った「3.3.3」法式(1日3回、食後3分以内に3分間歯磨きをする)が正しいですかと質問して下さいました。
残念ながら、今なら、さしずめ「1.30.10」とでもなるでしょうか?
1日1回は完全にプラークを落として下さい。夜寝る前がベストです。
食後30分間は歯ブラシを歯に当てない方が良いと言われています。
完全に汚れを落とすために、場合によっては10分位かかります。
それば実行できれば、朝や昼間の歯磨きはザッとでもOKです。
といった感じですね。

正の連鎖と負の連鎖

親の年収と子供の教育レベルに関連があるとのショッキングな報告があります。本来教育の機会は平等に与えれれるべきなのに、いやな現実ですね。
虫歯予防や、歯の大切さ、健康に気を遣い体を大切にする心はどうでしょう?悲しいかな、こちらも親の知識レベルや興味の度合いと、子供のお口の中の状況や健康の意識とは関係があると言わざるを得えません。
タバコをバンバン吸って、マクドナルドに入りびたり、夜中のコンビニに小さな子供を連れて買い物に行っているような母親に育てられる子供達であっても、健やかに大きくなってくれる事を望みたいですが・・・。

歯科に関係する食生活に絞って考えても、親子間で「負の連鎖」はあると思います。どこかで家族の誰か(多くは母親やおばあ様。時には父親やおじい様?でも権力の無い男衆が何を言っても無視されるのが普通ですが・・・。)が気がついて、「正の連鎖」を起こして頂きたいと願います。
子供が、孫が、かわいいでしょう?頑張れ!