けやき台小学校4年生は偉い!

私が校医を務める、けやき台小学校で4年生の授業をしてきました。楽しかったし、普段の仕事上のストレスが吹っ飛びましたよ!子供たちの持つパワーって、本当に不思議です。
写真のようなスライドを示して、「この中で一番大切な事はどれ?」と質問したところ、担任の先生方は皆、「歯みがき」に挙手なさいました。
子供達の3分の2は、なんと、「正しい食生活」に挙手しましたよ。
読者の皆さんはこの中でどれが一番大切かわかりますか?
ヒントは神戸友の会幼児生活団で教えてくれる生活の基本、「早寝早起き朝ごはん、1日4回食」です。

舌苔は絶対に除去?

ベロの表面に白っぽく苔のようなものが付着していると口臭の原因になる事は良く知られてきました。
先日も患者さんが「ベロの苔を完全に落とす方法を教えて下さい。」とおっしゃいましたが、その方には目立った舌苔は付いていませんでした。
お風呂に入った時にシャワーでお口の中や歯肉、ベロを良く洗う、その時に指を使ってきれいにする方法を以前おすすめした事があります。
この方法だと洗面台に舌苔除去用の道具を置いておく必要もないし、毎日簡単に、誰にも知られず、迷惑もかけずに清掃する事ができます。
ちなみに、わが娘に「お父さんがベロをスリスリした道具を洗面所のコップに立てていたら嫌か?」と聞いたら、物凄い顔をして返事もしませんでしたよ。
ベロの表面には「味蕾」という器官があります。味覚を感じるためのセンサーで、顕微鏡で見るとトゲトゲした表面になっています。
それを舌苔と勘違いして、「おかしいなー。どんなにこすってもツルッとならないや・・・。」とは思わないようにして下さいね。
もしも無茶苦茶して、ツルツルのベロになったりしたら、美味しいご飯の味がわからなくなってしまうかもしれませんよ。
清潔志向も、ほどほどが良いようです。

親知らずはいつ抜くか(その2)

人間は進化(?)すると歯の数が減るようです。進化というより原始化の逆の方向、未来人化とでも言いましょうか。
そして、親知らずは今の日本人の2人に1人は存在しません。親知らずを持っている人は自分は原始的なグループの方に入ると思って下さい。(ちなみに私も4本ありました。)
下の親知らずが手前に90度倒れて存在していて、中途半端に見えているる時が、非常にややこしい事になります。
手前の歯をグイグイ押してきますので、歯並びに影響を与えると言われています。それから、ブラッシングが困難なので、手前の歯も巻き添えににして虫歯や歯周病にしてしまいます。
手術をして取り出さないといけないのですが、術後に腫れたりしますので、受験勉強の忙しい高校生の間は抜きにくいですね。
大学4年の頃は就職活動が始まるので、これもタイミング的に難しいですね。
自分のお父さんの会社にでも就職するなら、就職してからすぐに有休をとって抜歯を受ける事もできるかも知れませんが、新入社員の内に「歯医者に行くので有休を」と言えるほど、日本の社会は良くなっているのかどうか・・・。個人経営の私には未知の世界です。
そういう訳で、「親知らずは大学の1年から3年の間に抜きましょう」というのが私のアドバイスです。
就活が6月に解禁になるとか?少々忙しくなるようですね。1年生の夏休みに1本、2年生の夏休みにもう1本。というのがベストかも知れませんね。

日本人は口が臭いと思われているのか・・・ショック!

ショッキングな事実が。日本人は口が臭いと外国人から思われているそうです。
皆さんハミガキを一日何回やっていますか?今の時代、1回の人は皆無でしょうね。あなたは2回?3回?それとも4回ですか?
では、フロスは?フロスとなると、かなりの数の方が、「生まれてから1回もやったことない」とおっしゃいます。あるいは「1回やったけれどもじゃまくさくて」
歯科医院で衛生士さんにクリーニングをしてもらうと、信じられないくらいさっぱりしますよね。種明かしをしますと、彼女たちは「歯ブラシで掃除ができない所」の歯垢を取ってくれているのです。
それは歯と歯の間、つまり、一般の方にはデンタルフロス(あるいは歯間ブラシ)でしか掃除ができない場所になります。
虫歯菌が少ない(つまり、虫歯になった事がない)子供でも、最低でも、フロスを週に1回はして下さい。
虫歯になる人は毎晩フロスをして下さい。
体が大人になってきたら、歯周病対策が必要になってきます。歯周病が無い方でもなるべく毎晩フロスをして下さい。
中年になってきて、歯と歯の間に食べ物がつまるようになってきたら(食後にお茶でぶくぶくしている自分に気が付いたら)毎食後フロスをして下さい。
予防が大事!予防が全て!

親知らずはいつ抜くか?

抜かないといけないような親知らずを持っていたら・・・

大学の1年生から3年生の間に抜きましょう。
そのチャンスを逃しても、妊娠するまでには抜きましょう。

今日、三田市の歯科健診に来て下さった40代の女性の患者さんですが、全体的には虫歯を治療した歯は少なくきれいな状態でした。
ただ、一番奥の歯だけが神経を取った上に、銀歯のかぶせになっていて、そのギャップが変な感じです。
歯科医の私にはこれが「親しらずが悪さをした結果」であることはすぐわかりました。
中途半端に生えていて、一部だけが見えているような親知らずの周囲は清掃ができないので、手前の歯までひどい虫歯にします。この方のように、お口の中に虫歯菌が少ない方でも、やっぱり清掃できない所は虫歯になってしますのです。
予防歯科の見地からも、ちゃんと生える見込みの無い歯は、適切な時期に抜いておく方がずっと賢明です。

これから、何回か親知らずについて連載したいと思います。抜歯のタイミングの理由についてもお話してゆきますね。

子供の歯ぎしりについて

結構な頻度で、「子供が歯ぎしりするんですけど、どうしましょう?」と相談を受ける事があります。
比較的良くまとまった記事がありましたので、まずはこちらを御一読下さい。
ほとんどの場合は心配しなくて大丈夫です。ドンドン歯が生えてきて、体も成長して、大人からは想像がつかないくらいダイナミックに顎も咬み合わせも変化しているのですから、歯ぎしりで位置などの「確認作業」をしても不思議ではないでしょう?
不幸にして、咬み合わせや姿勢の異常などが原因の歯ぎしりだとしたら、その誘因の一つに「普通の子供らしい生活をしていない可能性」がありますので、今一度問題がないか見直しをしてあげて下さい。
食事の内容は問題ありませんか?かんで食べる食事を与えていますか?飲めるカレーを作っていませんか?
夜は7時半に寝ていますか?エンジェルタイムに寝ておくことは、体のと心の正しい成長に必要です。顎の骨も体の一部であることを忘れないで下さい。 ブルーライトの影響を避けたいような時間になってもスマホを見せたりしていませんか?子供はとても敏感です。不自然な状況は避けてあげないと体内時計が狂ってしまいますよ。
などなど。例を挙げればきりがありませんが、人間として普通の暮らしをしていれば、多くの場合は子供は元来、正常に成長するポテンシャルを持っています。
不幸にしてそのポテンシャルが少ない時には歯科医師の出番ですが、まずはお母さんとお父さんの正しい知識と実行が先決です。
ただ、余計な事をしなければ良いだけなのですから、さほど難しい事ではありませんよ。「僕たちにもうモノはいらない」も流行っていますね。

PFA 国際歯学会

今日は土曜日ですが、臨時休診させて頂き学会に参加してきました。
歴史あるピエールフォシャールアカデミー国際歯学会で歯周組織(歯の回りの骨や歯肉)の再生をさせる治療法の最前線に関して講演を聞いてきました。
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専門的な話になりますが、興味のある理系の方のために書いてみます。
iPS細胞までさかのぼって使用しなくても、もっと分化した細胞を刺激する成長因子を応用すれば失った組織が再生できる時代が近くなってきました。
リコンビナントのFGF2という成長因子を手術の時に塗るだけで良いのです。大腸菌で発現できるのであれば製品化されても比較的安価で、保険導入も夢ではないかも知れませんが、その辺はまだ不明です。
科学の進歩は素晴らしいですね。

女子高生のDMFT増加?そうかも知れない。

友人が「選択」という月刊誌の記事をSNSにシェアーしてくれていました。この雑誌はスポンサーがの影響を受けない、中立の立場で書かれる雑誌で、この記事も歯科関係の人が書いたものではありません。
日本の保険歯科医療の崩壊は私も述べてきましたが、同様の事が書かれています。
神戸の先生が日本人のDMF指数は増加しており、特に女子高生に顕著だとおっしゃっている点が興味深いと思います。
雑誌「選択」の記事
友人の大阪の先生も、尼崎の先生も「痛みさえとれたらアポイントをブッチして来ない患者さんも多いよ。」と言っています。
三田(特にウッデイタウン)ではそういう感じは少なく、やはり虫歯もDMF指数も減少していると思いますが、それは健康志向の強い家庭が三田に住んでいるからだと思います。