「予防歯科」カテゴリーアーカイブ

9520でしょ?

8020運動はご存知ですよね。「80歳で20本の歯を持っているように頑張りましょう」というスローガンなんですが、ホントにそれで良いのかな?

28本全部の歯が揃っています。80歳で全部の歯が揃っていたら8028ですね。

4本失って24本になりました。8024ですね。まだ何とか嚙めそうですね。

8本失って20本になりました。これが8020なんですが、まともに嚙めそうですか?人生100年になろうとしている今、80歳を超えてからこそ、体に良い、栄養バランスの良い食事を良く噛んで食べないといけないのですが・・・。

80歳の目標は24本で8024、95歳位でやっと20本の9520を目標とするのが良いと、私は思います。
理想は「一生28」なんですけどね。

まとめ

歯周病について:

歯周病は歯ブラシとフロスを正しく毎日やれば、ほぼ100%予防できます。但し、禁煙と、乱れ過ぎた(食)生活習慣があれば、その改善は必須です。

一旦歯周病になっても、歯科医院で歯科衛生士の先生の適切な治療を受けて、毎食後必ず普通に歯ブラシをして、夕食後には歯周ポケットの深い所に本気で歯ブラシを長時間当てて、毎食後必ずフロス(と、必要な部位には歯間ブラシ)をすれば、ほとんどの場合はかなり良くなります。皆さんが思っておられる以上に改善されますよ。但し、禁煙と、乱れ過ぎた(食)生活習慣があれば、その改善は必須です。
あなたの真剣な努力で症状はかなり改善されますが、歯周病で一旦減ってしまった歯の周囲の骨を完全に回復する事は困難で、もしも手術で回復しようとすると、あなたには望む事に見合うだけの出費(安くない)と時間と忍耐と努力が要求され、医療関係者の方は相当な知識と技術と労力が要求されます。

虫歯について:

虫歯は、5歳までに甘いものをほとんど与えないようにして、遅くとも永久歯が生えてきた頃から毎日フッ素を応用すれば、ほぼ100%予防できます。

5歳まで虫歯になっていない子供は大人になってから虫歯になる本数が1/3である事がわかっています。
スイーツコーナーの前で、親が「これを買って帰ったら子供が喜ぶだろう。」と思うのではなく「これを買って帰ったら、将来子供が可哀そうなことになる。」と自然に考えるような価値観を持つ必要があります。

一方、一旦修復した事がある歯は、必ず問題が再発します。
虫歯にする事は、歯を削られる事から永遠に抜けられなくなる事を意味します。
やる気のない歯医者が不真面目で雑な治療をしたり、あなたがすべての治療を絶対に保険治療だけで済まそうとすると、問題が再発する速度が加速されて、やがて修復不可能となり抜歯になります。1本の歯に平均5回治療を施すとその歯は修復ができなくなるからです。

以上の事から、歯に関しては予防が一番簡単で安上がりで、一方、予防しか方法がない、と言えます。

歯の病気って原子力発電所や環境の問題と似ていると思いませんか?私はそう思うのですが。

150円の「超有効な」保険(拡散希望)

サッカー・野球・バスケット、アイススケート、ヨットなどなど・・・。
子供の頃から本格的に練習するクラブが増えていますね。
日曜日には早朝から練習や試合などで、父兄がお世話をされている事と思います。

クーラーボックスにはポカリスエットや麦茶や水などが入っていると思いますが、世話役の代表さんは毎回必ず500mlか1ℓの牛乳を1本買って、クーラーボックスに入れておいて下さい。ストロー付きの小さな牛乳はダメです。開封にハサミがいりますので。

アクシデントが起きて、歯が欠けたり、抜けてしまったりした時にはその牛乳を開封して、歯の欠けた部分や抜けてしまった歯を直ちに牛乳パックの中に放り込んで歯科医院に持って来て下さい。(水道水はもちろんの事、生理食塩水や専用の歯牙保存液よりも牛乳の方が有効である事がわかっているのです。ビックリでしょ?)泥だらけの時は、可能なら、サッと牛乳をかけ流して泥を軽く落としてから放り込んで下さい。自信が無かったらそのままでも良いので一刻も早く牛乳に漬けて下さい。抜けた歯を絶対にティッシュでゴシゴシ拭いたりしないで下さい!!!!!歯根の表面の細胞をダメにしてしまうのです。

幸い牛乳を使う必要がなかった日は、誰かが持って帰って飲めばいいのです。歯が抜けてから慌てて牛乳を買いに行っていては、歯根の表面の細胞が死んでしまって手遅れになることがあります。歯は顔面と同時に怪我をする事がほとんどですから、額や鼻から出血していたりしたら牛乳を買いに行く事にすら気が回らない場合も多いはずです。

たった150円の保険ですが値千金ですので、必ず習慣にして下さい。お知り合いのスポーツ関係の父兄や先生方にも周知徹底して下さい。学校でもママ友仲間でも話題に上げて、この事を教えてあげて下さい。

人生の先が長い子供達の歯は、私達大人の歯以上に大切なのですよ。

私も定期的に受けています。

今日は休診日でしたが、大阪に行ってきました。天気が良く気持ちの良いお出かけになりました。

私は毎食後と寝る前の1日4回、ブラッシングとそれからフロスもしています。(1日4回ルシェロフロスを使うので、フロスがかなりのスピードで減って行きますが、虫歯になるともっとお金と時間がかかる上に、虫歯になった歯は元には戻せないので安いものです。)

そんな「完璧主義(が好きだけど実際には大したことのない)」の私ですので、日頃のプラークコントロールは相当上手にできているのですが、今日は衛生士の先生に「歯のお手入れ(メインテナンス)」をしてもらいに行ってきました。私が休みの日は英保歯科の優秀な歯科衛生士の先生もお休みですので、いつも大阪の友人の歯科医院まで行っております。

プロ(歯科医師)の私でも、必ず年3-4回は歯科衛生士の先生にお手入れをしてもらいます。
皆さんが歯科衛生士の先生のお手入れを定期的に受ける重要性・必要性に気が付いて頂けると思います。

神よ彼を救いたまえ。(閲覧注意)

「歯石がたまってきたから、そろそろ歯医者に行かないと・・・。」それで本当にいいのかな?

4年間も歯科衛生士の先生の治療を受けていないお口の中って想像できます?きっと、英保歯科のファミリーの皆様には考えられない事でしょう。

糖尿病専門医の西田先生は「歯周病は糖尿病とそっくりな所があります。初期は自覚症状がない点と、一度進行してしまうと元には戻れない点です。」と説明されています。

歯石は「歯垢のステージ5」である事は以前にもお話しました。歯石は悪玉菌(歯周病菌と虫歯菌)の核シェルターのようなもの。歯石で完璧に守られた歯周病菌はLPSという有害物質を大量に産生し、歯茎と骨が「音もなく静かに(自覚症状無しに)」破壊されます。
更に恐ろしい事には、生きた歯周病菌とLPSが周辺の毛細血管から体内に入り、全身の血管を駆け巡ります。ですから歯周病が脳梗塞や心筋梗塞の原因になるのです。

歯のケアーを怠ったために脳梗塞になって介護を受け、歯も少なくなって流動食しか食べられない老後自分の姿が想像できますか?

「歯石が付いているだけ」と思われるかも知れませんが、私には「静かな自殺行為」に見えます。
歯石の内側には、歯周病菌の産生した物質が付着しています。真っ黒な色が毒々しいでしょう?

歯科衛生士の先生の予防治療があなたの人生を守ってくれる」という表現が大げさでないことが理解できますか?

英保歯科では歯科衛生士を「先生」付けで呼んでいますが、その理由は、ここにあるのです。彼女達は「命と人生を救う(予防する)仕事」をしているのですよ。

 

 

コーヒー、お酒、タバコ、砂糖

嗜好品とは、必須栄養素とは無関係で、無くても生きてはいけるが、楽しみのために口にするような物の事ですね。
紅茶、コーヒー、お酒、タバコ、砂糖などがこれに当たりますが、依存性や中毒性という視点からはどれが一番強いでしょうか?
これらを依存性・中毒性が低い方から並べると、紅茶やコーヒー、お酒、タバコ、砂糖の順になると思います。
悲しい事に、3歳までに砂糖の味を覚えた人にとっては、砂糖は麻薬に近い依存性があると言えます。
タバコも抜けにくいですが、大人になってから覚えた嗜好なのでまだ何とかなる可能性があるんです。

自分を振り返ってみます。私の場合・・・。

朝食の時の紅茶と、午前中のコーヒーは止められないと思うほどです。依存している感じかな。
お酒は10年前に断酒に成功しましたので、依存も中毒でもないな。
タバコはもともと吸いません。
告白しますが、砂糖は完全に中毒と表現して良いと思います。歯医者のくせにです。3歳までに脳の細胞の7割が構成されてしまうので、3歳までに砂糖を大量に与えられた私は一生その罠から抜けられないのです。
「英保先生、砂糖は麻薬なんて大げさな!」と言われる方、あなたが甘いものが大好きな方なら、1か月間完全に砂糖を断てるかトライしてみて下さい。ストレスがかかったりヘトヘトに疲れた日にも白米とおかずだけで平気かな?どうしてもパンが食べたくなったらあなたも立派な砂糖中毒ですよ。パンには砂糖がてんこ盛りですから。

皆さんは自分の事を正直に振り返って、どうですか?
忙しかった日の帰宅時にコンビニスイーツを買っていませんか?その習慣を止める事ができそうですか?

止める事は無理でも「砂糖は麻薬」と思い出して、なるべく減らすように一緒に頑張りましょう!

そして、子供達には同じ苦労をさせないようにしましょうね。「3歳までは(できれば5歳までは)砂糖禁止」ですね。

ACFF日本支部設立

最近、私のアポイントがいっぱいで多忙な毎日です。

衛生士の先生の予防治療のアポイントは「常に」いっぱいで取りにくいのですが、私のアポイントがいっぱいというのは、本当は望ましい事ではないんです。
「完璧に予防して、虫歯になるファミリーとメンバーのお客様をゼロにする」事を目指しているのですから。

「英保先生、理想主義もええかげんにしいや。そんなこと無理無理。」という声が聞こえてきそうですが・・・。

少なくとも虫歯に関しては撲滅できる可能性があると考える歯科医療従事者は世界中にある程度いるようですよ。

Alliance for a Cavity Free Future(虫歯のない未来を目指す歯科医療関係者の団体)
ACFF日本支部の設立(その日本支部が2018年に設立された)

昔は夢でしかないと考えられていた、AIによる完ぺきな翻訳機や自動運転の自動車も、すぐそこまで来ています。

いつまでも「虫歯なんて、なって当たり前」と思っていると、ちょっと時代遅れになっちゃうかもしれませんよ。

まず「引き算」で始めよう。

虫歯予防や歯周病予防、更には肥満の解消や生活習慣病の改善には何をすればよいでしょうか?

歯磨き?歯間ブラシ?フロス?フッ素?キシリトール?

とか

スポーツジムに行く?ジョギングを始める?家にエクササイズマシンを買う?ミドリムシ?通販で高級野菜ジュースを買う?ビタミン剤?セサミン?視力回復の眼鏡も良さそうかも。

なんて色々ありますよね。

多くの人は「ある状態になりたい」と思った時には「お金を使って」「モノやコトを買う」事を考えます。あなたもそうですか?
これってすべて「足し算」の考え方ですよね。

私は健康だけでなく、人生の全てにおいて、「足し算」をする前に何かもう一つだけでも「引き算」ができないか?を熟慮するようにしています。

子供の虫歯予防をしたかったら、「大人が余計な物(ジャンクフード)を買わない」ようにする事から始める。
子供の視力を守りたかったり、いじめや性犯罪に遭わせたくなければ、「ゲームやスマホを与えない、あるいは取り上げる」事から始める。
体重を減らしたかったら「車を売り払って、歩く」「バスの定期券を買わずに、歩く」事から始める。
ストレスを減らしたかったら「居酒屋でつまらない上司に付き合うのをやめて、さっさと帰宅する」「会社を辞めて自分で起業する」などなど。

今の世の中は無駄なモノやコトが多すぎます。世の中の経済的側面からみれば必要なのでしょうが、よく考えると単に地球資源の浪費ですね。

Apple の創始者・スティーブジョブスは自分の子供には i Pad や i Phone を持たせなかったそうです。ちょっとずるいね。自分の金儲けと我が子の健康の事だけでなく、世界中のすべての人の健康と幸福を考えて欲しかったね。つまり「スマホを世の中に出さない」という選択肢を選んで欲しかったという事です。そうしたら彼を心から尊敬できるのですが。

若草ナースリー、今年も虫歯ゼロ!!

私が園医をさせて頂いている若草幼稚舎の分園、ナースリーに秋の歯科健診に行ってきました。
こちらの先生方は私が園医に就任して以来、私の「予防歯科談義」に耳を傾けて下さって知識を吸収・消化して、保護者(お母様方)の生活の実情に合わせてきめ細かく調整し、予防歯科の啓蒙に努めて下さっています。その聡明さ、柔軟な思考、行動力には頭が下がります。
その結果、在園生の虫歯ゼロという年が何年も続いております。素晴らしいですね!

若草の子供達は、もう虫歯の危険性はクリアできましたので、次のステージに移行したいと考えております。それは「不正咬合の予防」です。先生方にはまたまたご協力をお願いしたいと思っております。よろしくね。

こちらも第一段階として、まずは3歳までが一つのカギとなってきます。読者の皆様にもそのうちブログ上でお話しますね。

近い将来、若草の子供たちが虫歯ゼロ。不正咬合ゼロになって欲しいと、密かに夢見ております。とっても楽しみです!

落ち着いた子供にしたい?

先日、6歳の子供の虫歯の治療に付き添ってお母様が1歳の弟クンを抱っこして入室されました。お母様は半年くらい前に「普通の」歯医者さんから英保歯科に転医され、予防歯科という考え方を生まれて初めて知ったようです。
お母様は「すみません。すみません。」としきりに謝っておられます。小さな子供の治療で迷惑をかけてすみませんという意味かと思ったのですが、「子供を虫歯にさせてしまってすみません。」という思いだったようで、素晴らしい意識の進歩だと感心しましたよ。

いつもブログでも書いていますが、5歳まで砂糖を極限まで制限してあげる事が本当の親の愛情であること、1歳の弟くんの「チャンスは今しかない」事などをお話をしました。「難しいですね~。」とおっしゃるので、「親やママ友が余計こと(=お菓子・ジャンクフードを買う)のをやめるだけで全てが上手く行くので、本当はとてもシンプルで簡単な事なんですよ。」と説明しました。

説明の時間はたった2~3分だったのですが、上の6歳の子はその間ずっと私の治療の機械などに手を出したりして非常に落ち着きがなく、お母様は私の話をまともに聞く事ができません。

砂糖を多く与えられている子供に落ち着きが無いことは、歯科医師なら誰でも経験から知っています。落ち着いた子供に育てたかったら「小学校に上がるまで砂糖を避ける」事が有効です。

砂糖の害についてはここ()にまとめてあります。この内容は大げさではなく、「全くその通り」だと思います。
実は危険!?白砂糖の害が恐ろしい 

私も子供の頃に砂糖を大量に与えられて育ちました。このブログの読者の皆さんも同じだと思います(だって、歯医者のブログを読んでいる人達ですからね)。
私も皆さんも、もう絶対に砂糖を断つ事などできない体(正確には脳)にされてしまっています。
もし、10年以上継続して完全に砂糖の誘惑を断つ事に成功した人(断砂糖)がいたら教えて下さい。本が書けると思いますよ。(18歳から肉類を食べるのをやめて、10年前に完全に断酒した私ですが、砂糖断ちは絶対に不可能だと思います。)

5歳までに砂糖を大量に与えられた人は、「己を知って」砂糖の摂取を極力回避する努力をしましょう。ストレスがあった日などは特に甘いものが食べたいですね。私もそうなのでよくわかりますよ。時々は「ドッカーン」とやっちゃっていいので、とにかく「砂糖は麻薬と一緒」という事だけは頭に置いておきましょう。

私達の世代で、昭和初期の親の代からの悪循環を断って「子供だけはまともに」育てませんか?
え、もう遅いって?
じゃあ「孫だけはちゃんと」で、どう?・・・。