「治療が終わったら最後に歯石を取って欲しいんです。」これは(英保歯科ではマイノリティーですが)歯が痛くなった時だけ歯科医院に来られる方特有のコメントです。
きっと昔の歯医者では「虫歯の治療が終わったら歯石を取りましょう。」という表現をしていたのだろうと想像しています。
ヤフコメ等でも「虫歯が痛くて数年振りに歯医者にかかった。最近出来た新しい歯医者に行ったら、歯ぐきの検査をされて歯石を取られた。治療費が高くつくから、虫歯の治療だけして欲しかったのに。」といったコメントを見る事がありますが、こういった方も「歯医者は5年くらい行っていない。ずっと痛く無かったらから。」と、当然の様におっしゃるグループに属されています。
このような状態で「虫歯の穴だけ削って埋めろ」と言われても・・・。本当にそんな順番でよろしいのですか?(写真はイメージで文中のお話しとは一切関係がありません) 何から話したら良いか解らないのと、絶望感と、言葉の断捨離中なのと、等々、色々な理由でまずは「承知しました。」とシンプルにお答えするようにしています。
木曜日に大阪に行ってきましたが、電車を待つマナーの良さなどを見ていると、日本人の民度の高さには相変わらず感心させれらますね。(私、変わった苗字ですが、私も一応日本人なんですけどね。「考え方や感じ方は日本人じゃないかも」と自分で不安になる事は多々ありますけど。) これだけ真面目な民族なのですから、「①甘い物を口にするのを一日1回か2回に抑える。もちろん少なければ少ないほど良い ②正しい歯磨きを1日1回は(徹底的に)やる ③フロスを少なくとも週に1回はきちっととやる ④フッ素入りの歯磨剤を必ず使う 」事を習慣にする事くらい朝飯前だと、心から思います。①を生まれた時からず~っと継続して 、②③④を幼稚園位から追加すれば、やがて国民の虫歯と歯周病は、大袈裟に言えば「撲滅」できると思います。そして、糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞なども減少するでしょう。
これを実現できるのは、唯一「教育」です。 (母)親や教師が重要性を理解して、自らの家庭で実践し、体感し、子供達に繰り返し、繰り返し、熱く指導し続けて下さい。貴方達だけなのですよ。日本人の歯を守る事ができるのは。 私は歯の治療で忙しく、時間にも気力にも限りがあります。日本人の歯の予防は、お母様方と学校の先生方に託したいのです。ママ友との会話の中でも「歯を予防する大切さ」をシェアーして頂きたいと思います。 お父様方も傍観していないで、家庭での躾に誠実に協力したり、会社では同僚との会話の中でシェアーしてあげて下さい。宜しくお願いします。 日本人の歯を本気で守りたいと思っている歯科医師からの、心からの、お願いでした。
英保歯科のお客様の中にも「調子が悪くなった時だけ」来院される方が(失礼な言い方ですが)まだ残っておられます。正直に言うと、そういった方はもうほとんどいらっしゃらないのですが、私がいくら予防歯科という考えを繰り返し熱心に話しても、「歯医者に行くのは歯が悪くなった時」という古典的な固定観念が完全に脳に染み付いてしまって外れない方々なのです。
最近、ショッキングな事が2度連続したのでお話したいと思います。
写真はイメージで、今回のストーリーとは一切関係がありません。 「入れ歯をひっかけている歯の被せが外れた」と久しぶりにお越しになった中年の女性、残念な事に、左半身に障害が出ていました。 「歯ぐきがはれた」と久しぶりにお越しになった喫煙者の中年男性、残念な事に、言葉が不自由な感じになっていました。 お二人に共通する事は、歯周病と脳梗塞などの全身疾患との関係に興味が湧かなかったので、重度の歯周病を放置していたという事です。 この話の意味がわかりますか? 昔「芸能人は歯が命」というCMがありましたが、今では「歯が命」の一言ですね。
昨日は健康の維持に於いて、「中庸」である事の大切さと難しさについてお話しました。 歯の手入れに於いても「中庸」を意識する事がとても大切です。 A さん:「歯はほとんどまともに磨かないし、フロスなんか生まれてこの方やった事が無い。そもそもフロスって何?壁紙の事かい?」 B さん:「外見が芸能人のようでありたいと本気で思っている。歯についても同様で、真っ白になりたい。だから暇さえあれば歯磨きを長時間やっているし、歯間ブラシやフロスをガンガンやっている。スーパーマーケットで「歯を白くする」と謳っている歯磨き粉を見つけたら即買っちゃいます。」 このお二人共「中庸」からはかけ離れているように思います。A さんは虫歯と歯周病で歯を失うでしょうし、B さんは歯肉がひどく下がってしまったり、知覚過敏になったり、粗悪な研磨剤が入った安物の歯磨き粉で歯を擦り減らしてしまったり、場合によっては(自分が歯ブラシやフロスで付けた傷のせいで)生臭い口臭がしだす可能性まであります。過ぎたるは及ばざるが如し、です。
歯の手入れ一つにしても人生の先々の事まで良く考えて、常に「中庸」を保つように心掛けて下さい。(私自身、ストイックでな所があってセルフコントロールが下手なので、偉そうな事は言えないのですが。)
年始にあたり、様々な「新年の抱負」をお持ちになっておられる事でしょう。 新年の抱負の事を英語では New Year Resolution (新年の決心)と言うそうですが、年始にあたって「よし!今年こそは○○を頑張るぞ!」と思うのは万国共通のようですね。
歯科医師の立場からは、皆様には今年こそデンタルフロスの習慣を身に付けて頂きたいと思います。 米国では Floss or Die? と言う言葉があるのですが、「フロスをしますか?それともフロスをせずに心筋梗塞や脳梗塞で死にますか?」という意味なんですよ。 虫歯や歯周病の予防だけでなく慢性炎症からくる病気の予防のためにも、今年こそ是非フロスの習慣を身に付けて下さい。
フロスの選び方と使い方は私の You Tube channel で解説しています。 このお正月休みに作ってみました。スマホでの撮影ですが奇麗に撮れていますのでご覧頂ければ嬉しいです。 まずあなたがフロスの習慣を始めて下されば、その良い習慣が家族や友人に伝播して日本人の健康に寄与します。頑張ってみて下さいね。
平成20年にある女性のお客様の下顎の奥歯に上顎の親知らずを移植ました。 「ずっと調子よく使わせて頂いて、もう11年も経ちました。」というお言葉を頂き、私もとても嬉しく思いました。
平成20年。移植直後のレントゲン写真。移植した歯と周囲の骨の間にはまだスペースがあります(黄矢印)。でも、硬い物をたべないようにしておけば骨が再生して歯が生着します。 移植して4年後、平成24年の状態。移植した歯(黄矢印)は良好なのですが・・・。まだ喫煙習慣がある時です。 移植後11年後の状態。移植した歯(黄矢印)よりむしろ周囲の歯肉の色などに注目。禁煙の成果が出ています。 移植後11年目のレントゲン写真。まるで元々そこにあった歯のようにしっかりと骨に囲まれています。 この方、数年前はまだ喫煙者だったので歯肉のあちこちに茶色いニコチンの色がしみ込んでいます。張りが無くブヨブヨした感じの歯肉で、口腔がんにならないかとヒヤヒヤして見ていました。
その後、断煙なさったので、歯肉の状態が非常に良い方向に変化してきれいなピンク色になっています。上の2枚のカラー写真の歯肉を見比べてみて下さい。 素人の方でも違いがわかると思いますが、どうですか? この方、これなら口腔がんにならずに済みそうですね。良かった。良かった。 「今だから言えますが、あの頃は臭くてねェ(息止めて治療してたんですよ)。」と私が告白して大笑い。 英保歯科のお客様には喫煙者の方はほぼ皆無ですが、もしも身の回りにスモーカーがおられたら、「口腔がんになりたくなかったら即禁煙!」とアドバイスしてあげて下さいね。
皆さんご存知のように、You Tube は社会に革命をもたらしています。 フロスのチュートリアル動画も沢山上がっています。重要度を理解して、本気で興味を持ちさえすれば「検索」ですぐに学べる、良い時代ですね。 私も You tube の可能性に注目しています。それと同時にブログという古典的な発信ツールにも拘り続けたいと思っています。なぜって?ブログはメルマガではないし、SNS でもないのです。それがヒントかな。「断捨離」というキーワードを頭に置いて、「英保先生(英保歯科)がなぜブログで発信しているのか」をちょっと考えてみて下さいね。
私達が子供の頃(昭和40年代)は今よりはるかに体に悪い物を食べさせられていました。その当時、砂糖がまだ高価だったために代用甘味料であるチクロやサッカリンが駄菓子屋で売られているお菓子に普通に使われていました。「チクロ入り」とわざわざ明記したオレンジ色の三角ジュースが売られていた事を覚えています。それらが発癌物質である事がわかった途端にお店から消えたのですが、多くの子供達がそれを飲んでいたのです。 実際に、私の兄の友人で、三角ジュースを箱買いして押し入れに置いてあるという、当時の子供達からは憧れの家庭があったのですが、その家の子は小学生の時に肝臓の病気で死亡しました。企業が子供向けに販売しているチクロ入り三角ジュースが体に悪いとは「誰も考えない」のが普通でしょうから、親を責める事はできません。 現代の日本の子供達が食べているお菓子はずっと安全な食品です。でも、観察していると、体と心の成長に於いては、ひょっとしたら私達の時代より「気の毒な」結果となっているのかも知れません。
もしそうなら、なぜでしょうか? 昔の駄菓子屋は夕方5時には閉まっていて、広場や公園で遊んでいる子供達も5時のサイレンが鳴ったら家に帰るように周囲の大人から注意されていました。カラーテレビはありましたが、スマホもゲームもCG映画も無い時代です。
これだけは買わないで。ヤクルトも禁止。ジュースを冷蔵庫に買い置しない事。砂糖に被爆する頻度(回数)が激増します。歯を溶かす程の頻度の砂糖摂取は体と脳と心をも破壊します。 今はコンビニがあるので、24時間いつでもどこでもお菓子が手に入ります。それに加えてデジタル刺激の量が半端ではありません。 砂糖もデジタル刺激も体と心と脳に悪影響を与えます。それが24時間猛スピードで大量に押し寄せて来るのですから、相当気を付けて守ってあげないと子供が変になっても不思議ではないですね。
ここでも「断捨離」の考え方の応用が利くと思いますよ。
5歳まで虫歯が1本も無い子供は大人になってから虫歯になる本数が1/3である事が知られています。言い換えれば「小さい頃、乳歯が虫歯になっていた人は、大人になってから通常より3倍(!)虫歯になってしまう」という事です。恐ろしいですね。 我が家では4人の子供に「小学校に上がるまでは砂糖甘いお菓子などを避ける食生活習慣を徹底して 躾ける」「小学校に上がった瞬間から一切の砂糖制限を解除して完全に自己判断に任せる」という風に(妻が)教育(食育?)してくれました。 先日、サントアンに行った時に、ショーケースの中にあまりにも美味しそうなモンブラン(1個660円!)が並んでいたので家族の人数分、合計6個を(清水の舞台から飛び降りる思いで)購入しました。 こんな贅沢は(値段が高すぎますし、ずっと甘い物を避けていたので)した事が無かったのですが、家族団欒の時に出してやると皆が喜ぶだろうと思って決心して注文し、持ち帰りました。 このモンブランを口にすると砂糖の塊でできているような強烈な甘さで、甘党にはたまらない味だと感じました。私と妻はペロリと平らげました。 その一方で、我が子供達は、非日常のイベントに喜んではくれたのですが、ケーキの1/3程度を食べて「今日はこれだけにする」といって残りをタッパーウェアに入れて冷蔵庫にしまっていました。 つまり彼・彼女らは、このケーキ1つを1/3ずつ3日に分けて食べないと食べきれないという(敏感な)味覚を持った人間に育っているのです。 「妻の行った食育は正しく、成果を生んでいる。」と確信した瞬間でした。 糖質摂取が最終生成物のAGEを産生し、それが体内に永久に蓄積して、老化を引き起こす事はご存知だと思います。たしなむ程度以上の量の砂糖摂取の習慣は、今後の人生を劣化させる事になります。砂糖だけでなく生活習慣病の原因になりそうな「栄養の偏った欧米風の食事」もAGEを産生します。 私は、6歳までの教育が一番大切だと思っています。次に小学校。その次は中学校。そして高校。大学になってからではもう遅いかも。と。4人の子供の成長を見守っていると、それは「正しい」との確信を強めつつあります。 生まれてから幼稚園が終わるまでの、たった数年間のちょっとした保護者の努力がその後の人生の健康に大きく影響するとしたら、親や祖父母がちょっと頑張ってみても損はないですね。
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兵庫県三田市の歯科医院 予防歯科を主軸に顕微鏡やルーペによる精密治療・MI接着修復・MIインプラント治療を提供 ラバーダムやZOOなどの防湿装置使用率100% i Mix(改良型3Mix法)を開発