「予防歯科」カテゴリーアーカイブ

子供の歯ぎしりについて

結構な頻度で、「子供が歯ぎしりするんですけど、どうしましょう?」と相談を受ける事があります。
比較的良くまとまった記事がありましたので、まずはこちらを御一読下さい。
ほとんどの場合は心配しなくて大丈夫です。ドンドン歯が生えてきて、体も成長して、大人からは想像がつかないくらいダイナミックに顎も咬み合わせも変化しているのですから、歯ぎしりで位置などの「確認作業」をしても不思議ではないでしょう?
不幸にして、咬み合わせや姿勢の異常などが原因の歯ぎしりだとしたら、その誘因の一つに「普通の子供らしい生活をしていない可能性」がありますので、今一度問題がないか見直しをしてあげて下さい。
食事の内容は問題ありませんか?かんで食べる食事を与えていますか?飲めるカレーを作っていませんか?
夜は7時半に寝ていますか?エンジェルタイムに寝ておくことは、体のと心の正しい成長に必要です。顎の骨も体の一部であることを忘れないで下さい。 ブルーライトの影響を避けたいような時間になってもスマホを見せたりしていませんか?子供はとても敏感です。不自然な状況は避けてあげないと体内時計が狂ってしまいますよ。
などなど。例を挙げればきりがありませんが、人間として普通の暮らしをしていれば、多くの場合は子供は元来、正常に成長するポテンシャルを持っています。
不幸にしてそのポテンシャルが少ない時には歯科医師の出番ですが、まずはお母さんとお父さんの正しい知識と実行が先決です。
ただ、余計な事をしなければ良いだけなのですから、さほど難しい事ではありませんよ。「僕たちにもうモノはいらない」も流行っていますね。

女子高生のDMFT増加?そうかも知れない。

友人が「選択」という月刊誌の記事をSNSにシェアーしてくれていました。この雑誌はスポンサーがの影響を受けない、中立の立場で書かれる雑誌で、この記事も歯科関係の人が書いたものではありません。
日本の保険歯科医療の崩壊は私も述べてきましたが、同様の事が書かれています。
神戸の先生が日本人のDMF指数は増加しており、特に女子高生に顕著だとおっしゃっている点が興味深いと思います。
雑誌「選択」の記事
友人の大阪の先生も、尼崎の先生も「痛みさえとれたらアポイントをブッチして来ない患者さんも多いよ。」と言っています。
三田(特にウッデイタウン)ではそういう感じは少なく、やはり虫歯もDMF指数も減少していると思いますが、それは健康志向の強い家庭が三田に住んでいるからだと思います。

ありがとう。英保歯科のファンの皆様には感謝の思いでいっぱいです。

歯は予防が大切と言ういう事を、この何か月か毎日強調してブログを更新してきました。毎日毎日書いていると、わずか何か月かの間でも、自分の考えや思いにブレがあることが分かって冷静になれることに気がつきました。
読者の皆様には乱文にお付き合い頂きましてありがとうございました。
お陰様でお伝えしたい「思い」のある程度は表現できたかなと思っています。
11月からは少しペースダウンさせて頂こうかと思っています。これからは週1回程度の更新になるかもしれません。
でも内容は厳選し、より皆様のお役に立てるように努力してまいりますので、今後ともご愛読の程、宜しくお願いします。
あまり楽しくないブログを読んで下さった、英保歯科のファンの皆様に感謝の思いを込めて。

一生持てば、それでいいんですから。

予防が大事、予防が全て。歯科医は歯を元に戻す事ができないので、歯を大切にして欲しい。
それをお伝えしたくて毎日ブログを書いてきました。
でも、歯医者はこわれた歯を修繕するためにいるのです。上手に修理して、当分使えるようにできますよ。
平均からして、90才で死ぬとしましょう。90才まで、虫歯ゼロの完璧な、モデルさんのような真っ白白の歯がズラーッと並んでいて、20歳の子のように、歯ぐきが全然下がっていない状態なんて不可能ですし、その必要もありません。
皆様には歯を大切にして頂きたいですし、歯科医は一生懸命歯を修理します。そして、死ぬまで(だけ。それで充分。)、皆様にそこそこ不自由なく健やかな人生を送って頂く事が目的なのです。何百年も歯を持たせる事ではないのです。歯は、死ぬまでさえ何とか持ってくれれば、それで充分なのですよ。
みーんな頑張って、長い人生を過ごしているのです。その間に体も壊れてきますし、心も傷んできますよ。もちろん歯も悪くなって当たり前なのですよ。
銀歯があったり、抜けたところにブリッジやインプラントが入っていても恥ずかしい事ではありませんよ。それで普通です。
自分の歯が汚いと思っても、それは頑張ってきた、人生の勲章と見ても良いではないですか。
でも、できれば一生、取り外しの入れ歯にだけはならなくて良いようにしたいですね。歯医者も技工士も頑張って作るのですが、所詮入れ歯は入れ歯・・・。
入れ歯は別名「義歯」と言います。義眼や義手や義足と同様に、無くてはならない大切な物ですが、自分の臓器のようには行かないのですよ。

だからこそ、生活の基本を身につけさそう。

昨日、フッ化物が添加された歯磨き粉が危険という記事を紹介しましたが、私も含めて誰もがこいうった記事を読むと不安になりますよね。
特に歯科医師は指導的な立場にあることから、背筋が冷たくなるほど責任を感じつつ、こういった記事を読んでいます。
何度も何度も繰り返していますが、例えば神戸友の会幼児生活団で指導しているような「早寝早起き、一日4回食」といった生活のリズムが確立されている子供には2-3歳からフッ化物を与える必要は少ないと思います。実際に私の2歳の子供は歯磨きをしてやろうとしても歯垢がほとんど付いていません。唾液のおかげも多々ありますが。
6歳臼歯が生えてくる頃からは、レノビーゴを使うようにさせています。
大昔の食生活には戻れませんが、基本を知る事でフッ化物の使用を6歳まで延期する事は可能でしょう。

フッ素入り歯磨き粉は危険!は本当か?

歯磨き粉に添加されているフッ化物の危険性を指摘する記事が時々出てきて話題になります。
フッ素入り歯磨き粉は危険!ガンや骨肉腫、ダウン症の原因との指摘も
という記事がありますので紹介しておきますね。
こういった議論 がしっかりなされる事は良い事ですね。
基本的にマスコミは不安を煽るような内容や他人の不幸を記事にする事が多々あります。
記事を書いている人の資質や、引用されたデーターなどの信ぴょう性などもしっかりチェックした方が良いですね。
もともとは「ひょっとしたら危険かもしれない。」とあったデーターを記事に書き直す時に「危険であるので止めた方が良い。」と書き直す人もいますよ。理系の科学論文を書きなれた人はそういう事はしませんが、
私はフッ化物の社会的メリットも大きいと思います。親の予防歯科の知識が低いために良くない砂糖の与え方をされている子供もたくさんおりますので。
レノビーゴは安全な濃度に抑えてありますので、ハイリスクの小児と6歳以降のお子様にお勧めしています。歴史のある製品でもあります。

歯周病がないのに歯ブラシ30分は長いかも。

今日、歯がしみると言ってお越しになった患者さん、非常にまじめで几帳面そうな方で、歯がしみるとの事でした。
虫歯は無いようでしたが、色々とお伺いしているうちに、過去に歯周病だと言われたので30分位歯磨きしているとの事。歯磨き粉は石鹸歯磨きをお使いとの事で、かなりの健康オタクとお見受けしました。
歯ブラシは普通の堅さだそうですが、30分間も歯をナイロンたわしでゴシゴシやっているのと同じ。
「歯周病があれば30分でも良いでしょうが、この健康な歯肉で30分は長いのでは?」とアドバイスしたところ、「では何分が良いのですか?」と質問して下さいました。
お家には(もちろん)歯垢染色液があるとの事で、「染め出しをして、それが全て落とせるまでの時間を測って下さい。それが丁度良い時間です。」とお答えしておきました。
歯ブラシだけでなくフロスも使って欲しいとか、フッ化物の話とか山ほどしたい事がありましたが、時間に限りがあるので一旦お別れしました。「英保歯科のHPで予防歯科のヒントを読んでね!」と心の中でつぶやきました。

歯は一生買い替えのきかない包丁みたいなもの

歯学部の学生だった頃、20歳になったばかりの頃に、友人と下宿に集まってビールとチキンとピザでパーティをした事があります。
歯学部の同級生の一人がビールの王冠を歯で開ける事ができるのが自慢らしく、何度もそれをやって見せてくれました。私達もその時は「スゴイ奴だな!」と思っていました。
歯科医師になった今では、歯の貴重さに対する認識が変わりましたので、「バカな奴だな!」と思うと思いますし、彼もそんなバカな事はもうしていないと思います。後悔もしていると思います。
歯は道具です。食べ物を切ったり、すり潰したり、しゃべったりするときに使う大切な道具です。
包丁を無茶苦茶な使い方をして、刃がボロボロになったり錆びてしまってどうしようも無くなったら買い替えができますが、自分の歯はいくらボロボロになってもそれを使い続けるしかないのですよ。一生。

フッ素なんてとんでもない!あんな危険なものは使いません。

数年前の話。あるお母様、ナチュラリスト風のいでたちで、ノーメイク。ライフスタイルにポリシーをお持ちである事が感じられます。私も健康オタクな所がありますから、「ピン」ときました。いい感じですよね。
その方も英保歯科が自然派主義「オーガニックデンティストリー」をアピールしていますので、色々と期待して来院して下さったようです。
「我が家では歯磨き粉は石鹸系を使います。防腐剤や界面活性剤が入った物は使わせません。」と、さもスゴイでしょと言わんばかりの勢いで教えて下さいます。
(確かに四葉さんなどで時々広告を見かけるよな・・・。と私。)
お子様のお口の中を拝見すると、残念ながら数本の虫歯があります。
もちろんお子様の食生活には相当に気を使っておられるはずですが、何にでも精製白砂糖が添加されている現代では、歯の質の弱い子にはリスクが高いようです。
私「甘いお菓子を頻繁に与えるような暮らしはなさっていないと思いますが、この子は持って生まれた歯の質が弱いようです。フッ化物の応用を強くお勧めします。」と言いました。
お母様は、ガックリ。本当にガックリ!といった感じで、「フッ素なんてとんでもない!あんな危険なものは使いません。」(You Tube で見たのかな。フッ化水素とフッ化物を混同して、ただ単に危険をあおるような記事があったよな・・・。と私。)
「虫歯に詰め物をする時には金属や樹脂や接着剤を使いますよ。それは受け入れられるのかな?それとも穴があいたまま放置する気ですか?」と問題提起しておきました。
英保歯科はお眼鏡にかなわなかったようで、それ以来お見受けしておりませんが、子供の事が気になります。
ある新興宗教で、子供に輸血をする事を拒んで医師が命を救う事ができなかった事件がありました。健康オタクもこれと同様に、あまりに行き過ぎると子供に迷惑がかかります。子供には健康な生活を送る権利があると思います。親の趣味で判断するのではなく、冷静になって、極端な事は避けて欲しいと思います。

友人がFBでとても良い質問をしてくれました。

友人「英保くん、お元気でしょうか。ご活躍の様子ですね。さて、以前から歯の詰め物に関して気になることがありまして、メタルフリーということに関しては、英保くんはどう思われますか?ご意見聞きたくて。お時間あるときにでも教えて下さい。http://doclabo.jp/contents/709」

私 「こんにちわ。添付のサイトを拝見しましたが、何から、何を話せば良いやら・・・。金属アレルギーの人の口の中には金属を使わない方が良いとは思います。金属アレルギーが無い方は神経質にならなくても良いと思いますし、金属を一切使わずに修復をしようとするとお金も莫大にかかるでしょう?
メタルフリーといってもふんだんに樹脂を使いますし、高度に化学合成された接着剤も使用しますよ。それは安全?
子供の頃から予防さえ真面目にすれば金属も樹脂や接着剤といった有機化合物も歯には入りません。完全に安全です。人工物で修繕しなくて良い訳ですから。
日本人は原子力発電に反対しながらも電気に依存する生活をやめたり、極端に電気代が高くなる事は受け入れられない、「他人に厳しく自分に甘い」民族ですね。
まず予防歯科を自己責任で自発的に学習すべきでしょうね。」

友人 「なるほど!一部の問題を取り上げて、すべてが悪いようにセンセーショナルに言うのは本当に問題ですね。やはり専門家に聞いてみて良かったです。忙しい中ありがとう!」

私 「Any time!」