「予防歯科」カテゴリーアーカイブ

白十字のワッフルをどうぞ。

岡山と言えば「白十字のワッフル」と思うのは古い人間の証拠かな?
学生時代に岡山一番街(駅地下の商店街)にある白十字の前を通ると、その場で焼いているワッフルの良い匂いがしてきたものです。
今でも岡山に行くと時々お土産にこのワッフルを買って帰ります。(今は工場で焼いて袋詰めになっています。ちょっと残念。)

ところで、我が家の子供は4人とも5歳までは、ほとんど甘いものを食べさせずに育てました。5歳まで、特に3歳まで(3歳までに神経系が70%完成してしまうので)に頭に刷り込まれた味の好みが一生亡霊のように就いて回る事は、何度もお話していますね。

我が家の子供たち「このワッフルお父さんにあげる。ちょっとは美味しいんだけど、甘すぎて気持ちが悪いから、少しで充分。日曜日にお母さんに((あまり甘くない))ケーキを焼いてもらって食べるから。」と言ってきます。白十字のワッフルでも気を引く事が出来なかったか。残念。でも食育に関しては大成功ですよね。

小学校に上がったら甘いものを何でも自由に食べさせていますが、4人とも喜んで食べるのは果物程度で、精製白砂糖系の甘い物はあまり欲しがりませんね。アイスを喜んで食べるのは1か月に1回位でしょうか。

一方、私と妻は子供の頃に「砂糖漬け」にされていた昭和世代ですので・・・。読者の皆さんと同じで、苦労しています。

さて、心臓のお医者様が危惧する17の事(英語)という記事があります。心疾患の原因となり得る17の項目です。
17 Things You’re Doing That Would Horrify Your Cardiologist
その中に
Ignoring gum health歯肉の健康状態を気にかけていない
Shoveling in sugary treats砂糖入りのお菓子をガツガツ食べる)という2つの項目があります。

という事は、「3歳までに甘いものを与えて一生甘いもの好きにしてしまうと、将来虫歯だけでなく、心臓疾患になるかも?」と言えるかも。

美味しそうなクリーム入りワッフルの写真で釣っておいて「後味の悪い」「中身」で、英保先生って意地悪だよね。

悪くなって当たり前?

手の指は全部で10本です。
足の指は全部で10本です。
↑「知ってるわい。英保先生、何や?」

では質問です。歯は全部で何本?
↑「知らんなァ・・・。」

大人の歯は全部で28本です。お医者様でも知らない人が多いよ。(親知らずがちゃんと生えている人は32本です。滅多にないけどね。)

乳歯は全部で20本です。思ったより多いでしょう。16本くらいと思った?

それでは次の質問。

50歳になって、手の指の5本くらいが金属で修理してあるのが当たり前と思う人~?
・・・いませんね。

80歳になったら足の指が7本くらい無くなっていて普通と思う人~?
・・・いませんね。

では、60歳になったら歯の何本かが銀歯やブリッジになっていて「当たり前」と思う人~?
・・・・・・・。ほとんどの人がそうですか・・・。

何で歯だけ年齢と共に金属やプラスチックでツギハギになってゆくのが「当たり前」なの?指では考えられない事なのに。

歯も指と同様に何歳になっても「全部無垢の歯」「1本も修理がしていない」のが「普通」「当たり前」なんですよ。

早く当たり前の事に気が付いて下さい。そして、予防歯科治療を受けましょう。予防の正しい知識と技術を身につけて、実践しましょう。そんなに難しい事ではありません。

それでも、どうしても悪くしてしまった時には、ちゃんとした歯科医師のちゃんとした治療を受けましょう。歯はかけがえのない、神聖なものなのですよ。

3歳までに7割が決まってしまいます。

何回かブログに書いていますが、甘いものは小学校に上がるまで極力避けなければ、一生その嗜好が亡霊のように就いて回ります。二度と取れません。
それが難しくても少なくとも3歳までは絶対に甘いものを避けてあげて下さい。砂糖以外の甘いものもコントロールしてあげて下さい。
医学的に言うと、3歳までに神経系の70%の成長が完成してしまいます。脳みそに刷り込まれる基本事項は3歳までに7割が決まってしまうという事です。色々な事がちゃんとできる、自分で考えられる子にするには、3歳までの環境が決め手なのです。
小さな子供を日が沈んでから、ひどい場合には夜10時以降に、明るい、音楽が鳴っているコンビニなどに連れていくのがなぜ良くないかわかりますね。エンジェルタイムと呼ばれる時間には静かな環境に置いてあげて下さい。

兵庫県は9位!

兵庫県は2つの事で47都道府県中9位だそうです。
さて、何でしょう?
多分、皆さんが思っている感じと違うと思いますよ。

子供の虫歯が多い方から全国で9位なんです!
砂糖の消費量も多い方から全国で9位なんですって!

神戸っ子に代表される兵庫県人って「オシャレで知的で清潔な都会人」だと勝手に思っていたのですが・・・。

ケーニッヒクローネ、ゴンチャロフ、エスコヤマ・・・。確かに神戸やその周辺の人は生まれた時から砂糖にどっぷり漬かって成長していきますからね。悲惨ですね。

三田っ子は虫歯がとても少ないけどね。三田の人はやっぱり健康志向が強いね。ウッデイタウンで仕事をしていると「兵庫県って良い方から5番以内くらい?」って思っていました。

日本中に目をやって、自分達(兵庫県人)がどの程度なのかに気がつかないといけないね。まさに、「井の中の蛙大海を知らず」ですね。

日本の中で、せめて真ん中より上にいたいよね。良い方から。
兵庫県、頑張れ!

ブラックガムはブラック企業よりブラック(閲覧注意)

4か月毎に予防治療にお見え頂いているお客様なのですが、なぜか奥歯に多くの虫歯ができてしまった方がおられます。不思議で仕方がないので、原因を探るためにインタビューをさせて頂きました。
その結果、虫歯が多発する原因が判明しました。車の運転中に、眠気覚ましのために「ブラック・ブラック ガム」を噛んで「加糖の缶コーヒー」を飲んでいるとの事。
「自殺行為ですよ!歯の!」と私。この方の奥歯の虫歯の原因は、奥歯で砂糖入りのガムを「ダラダラ」と長時間噛んで、それに加えて、砂糖入りの缶コーヒーを「ちびちび」と時間をかけて飲んでとどめを刺していた事だったのです。
写真のように、修理ができないような大きな虫歯になってしまっています。

もう抜くしか方法がありません。「なるべく歯を抜かない」と謳っている英保歯科のブログが、歯を抜く話ばかりで、申し訳ありません。


「お菓子のメーカーも缶コーヒーのメーカーも、単に商品が売れて儲かれば良いだけで、あなたの健康の事は微塵も考えてくれていませんよ。コマーシャルのイメージに騙されてしまわずに、賢い消費者になって自己防衛しないとダメですよ。」と説明しました。

ガムを噛みたかったらキシリトールガムを噛んで下さい。同じロッテでもこちらは「虫歯菌を減らす」力を持った、魔法のようなガムです。

缶コーヒーも必ず「無糖・ブラック」だけにする事。「微糖」もかなりの量の砂糖が入っています。
私は自販機にブラックが無いときは、コーヒーをあきらめてお茶にするようにしています。セブンカフェのコーヒーも安くて、無糖ですよ。

親知らずを早めに抜くのも予防歯科です。(閲覧注意)

「痛くも何とも無いから、親知らずは抜~かないっと。」
それで良いのかしら?

斜めになっている親知らずを放置していた結果、痛みが出て来院されました。
「先生。親知らずが痛いんです。」

痛みの原因は親知らずではなくて、手前の歯が神経に及ぶ虫歯になっていたんです。歯の後ろ側で、しかも歯茎の奥深くに入っている所が虫歯になっており、親知らずを抜いてもちゃんとした修理は不可能です。

相談の結果、ひどい虫歯になっており、きちっとした修復が不可能な歯の方を抜歯することにしました。根っこの付近に巨大な虫歯ができていて、抜歯もやむを得ないですね。

今回は親知らずの移植は、侵襲が大きい割に成功する可能性が低いと判断して断念しました。でも、ひょっとしたら矯正で引き起こす事ができるかも知れないので、親知らずの方は残しておきました。
もしもこの歯を虫歯にしてしまう前に親知らずを抜いて、きちっとした予防歯科治療を受けて頂いていたら、「何も起こらなかった」のだと思います。もったいなかったね。

痛くなくても歯科医院に行って、色々と相談したりアドバイスを受けたりする事が大切だとわかりますね。

女性社員を見習いましょう

日本の医療費上昇がとどまるところを知りません。

国内第2位の健康保険組合、解散を決定

この件に関する朝日新聞のニュースは、朝日新聞らしく「国民は 誰も悪くない」ような淡々とした書き方です。「赤字だから解散して、まだ潰れていない他のところに「とりあえず」所属するそうです。」ですって。
これって、私から見ると「思考回路が停止した恐ろしい事」だと思います。

医療費がなぜこんなにたくさんいるのでしょうか?

結構裕福な暮らしをしている日本在住の外国人が、制度を知っていながら健康保険に入っていなくて、大きな怪我をした後に市町村の窓口に行ったら、なぜか遡って国保に入れて、手術に保険が効くようになったと聞いた事があります。
海外に住んでいる裕福な日本人が「日本に帰国した時に、市町村の窓口に行ったら、その月は保険料を払わずに国保に入れるので、歯が悪くなったら月の初めに帰国して、一気に歯を治療してもらって、月末には退会してそのまま海外に帰ることを繰り返す。そしたらタダ同然で治療を受ける事ができる。」と言っていました。
これらは、メチャクチャな話ですね。(真面目な外国人もたくさんおられますし、ずるい日本人もたくさんいます)

保険料を負担している現役世代の国民は「老人が大した病気でもないのに医者に行くから、医療費がかかる」「医者が薬漬け、検査漬けにするから医療費がかかる」と思っています。
要約すると「若い自分達は悪くない。ずるい人と老人と悪徳医者が悪い。」ですね。マスコミも医者や歯医者が悪いと書き立てますから、洗脳されますね。

そして、厚生労働省は医療費削減のために、医療機関の報酬を安くする事を一生懸命考えます。

日本は経済優先の社会:製薬会社とそれを取り巻く子会社は、社員と家族のために薬を沢山売ってお金を稼がないといけません。膨大な数の人が関わっています。支払う給料も安くはなでしょう。

国民は皆、大病院志向:皆さんが大好きで好んで受診する大きな病院は、超高価な多数の器機・設備と膨大な数のスタッフの人件費のために、医者が何とかしてお金を稼がないといけません。中央から「黒字を出せ」と言われると、真面目な先生ほど、「自分が何とかしなくちゃ」と思うのは当たり前です。私も○○中央病院という所に勤務していた時にそのような経験があります。
さて、皆さんの「大きな病院が安心」という根拠はどこから?

こういった状況の中で「自分達は悪くないと思っている現役世代の国民」(つまり皆さん)は医療費抑制のために本気で頭を使って考えていますか?そして何か行動を起こしていますか?

先日英保歯科に所用で来て下さった大企業の健保組合(健康保険に関する仕事をする部署)の理事の方が「医療費は、薬にかかるお金が凄い。それから歯科も結構かかっている。」と言われた後に「私も先日一番奥の歯が悪くなって抜いたんです。やっぱりフロスはした方がいいですかね。」とおっしゃいました。私は思わず「本気で医療費を抑制したいと思うなら、フロスぐらいして下さいよ!」と強く言ってしまいました。

清潔志向のある女性社員達は、会社でも昼食後に洗面所で歯磨きやフロスをしています。会社帰りにはジムやヨガに通って自分の体重を管理します(全員ではないですが)。

こんな事はないと信じていますが、もし、昼食後に歯磨きをせず、フロスの習慣もないおっさんが集まって会議をして、「いかに医療費を抑制するか」を話し合って、帰りに新福島の居酒屋で農薬まみれの安い食材のつまみを食べ、安物の酒を飲んで、タバコの副流煙にまみれながら「高血圧と中性脂肪の薬をもらうんだが、やっぱり大きい病院が信頼できるね。」などと話しているようでは、日本の医療費の抑制などできるはずがありません。

昼食後に会社の男子トイレが歯磨きとフロスをする男性社員でいっぱいになるようでないといけません。それを恥ずかしいと思ってしまうような雰囲気や考え方自体が変わらないといけません。

どうやったら医療費が抑制できるか、誰が抑制するのか、見えてきましたか?
製薬会社も大病院も「お客様」がいなくなったら淘汰されて、不要な所は自然消滅してくれるのですよ。
そうすれば、生活習慣病ではなく、難病奇病にかかった気の毒な人だけに医療を集中することができますね。

原発で電気を作っている会社も同様で、皆が本気で節電すれば、自然に良い方向に向かうと思います。

最後まで読んで下さった方、長文にお付き合い下さり有難うございました。

医療費削減に効果があるか?

日経新聞に載っていたのですが、アルツハイマーの治療から予防へシフト!「おっ!良い事じゃないか!。」
でも、よく読むと予防のための「薬」を使用・・・。
また「足し算」か・・・。根本原因の除去を目指すのではないのね。

このアイデア、値段は安いとはいえ、ずーっと結核の薬を飲むの?
脳梗塞などの予防ののためにバイアスピリンという薬をずーっと飲んでおられる方がおられますが、こちらも非常に安価な鎮痛薬ではありますが、私は長期間服用による副作用が気になりますね。
きっとお医者様も製薬会社も「副作用より得られるメリットの方が大きい」と言われると思いますが。

アルツハイマーに関してですが、虫歯予防と同様に「引き算の予防」ができないものなのでしょうか?

虫歯は家族のリーダーがジャンクフードなどを買うのをやめるだけで予防効果があります。何かを足すのではなく、簡単な引き算です。(断捨離ですね~。)

アルツハイマーと甘い炭酸飲料の関係が報告されていますが、こういった研究がもっと進んで、「酎ハイを飲まないグループの方がアルツハイマーがの人が少ない」「まっすぐなキュウリを食べていないグループの方がアルツハイマーの人が少ない」とか、「アルミ缶やペットボトルに入った飲料を飲んでいない方がアルツハイマーの人が少ない」とか「大画面テレビや電子レンジ、IH調理器や携帯電話を使用しないグループの方がアルツハイマーの人が少ない」とかいったデーターが出ませんかね?

でも、そのような研究をしようとすると、大企業が送った刺客に消されちゃうかもしれませんね。会社が儲からないと回らない、経済優先の世の中ですからね。

プロケア アルファはステージ3を叩く

「お口クチュクチュ・モンダミン」の中でも殺菌成分をグッと高めた製品が「モンダミンプロケアα」です。歯科医院でしか販売できない「特別なモンダミン」になります。
ステージ4の歯垢にお口クチュクチュとやってみても、バイオフィルムというシェルターに守られた歯垢には全く効果がありません。しかし!
歯ブラシなどを使ってバイオフイルムを破壊し、裸になった悪玉菌(=ステージ3の歯垢)にはこのプロケアαが効いてくれます。
アース製薬は「20mlをお口に含んで20~30秒すすいで下さい」と言っていますが、10~15mlでよいので、1分以上クチュクチュして下さい。
インプラントが入っている方は必ず使って頂きたい、本当に良い商品です。味も日本人向けにマイルドになっていますよ。

歯垢のステージ5(=歯石)

ステージ4の歯垢がついたままになっていると、そこに唾液(つば)の中のカルシム成分が沈着して歯石となります。

下の前歯内側や上の奥歯の外側などは、かなりきっちりプラークコントロールができていても歯石が付いてしまう人がいます。これは例外として、一般的には日常セルフケアー不良(清掃不良)とプロケアーを定期的に受けていないという「習慣」の終着駅が歯石=ステージ5ということになります。
ここで強調しておきたいのは、私達「予防歯科医」や「予防歯科衛生士」は常に歯垢のステージ3以下を維持することを目標として勝負しているということです。
「歯石が付いてきたからそろそろ歯医者に行かなあかんな。」というのは30年前の考え方です。歯周病が結構恐ろしい病気であることは、最近マスコミでも言ってくれていますね。

米国歯科医師会は、すでに20年前に「Floss or Die?(フロスをしますか?それともフロスをせずに死にたいですか?)」というキャッチコピーで大々的に予防歯科の啓蒙を行っていました。
頑張れニッポン!