「インプラント」カテゴリーアーカイブ

DTX(Nobel Guide)と○○が大切

昨日の日曜日の午前中はインプラントのオペのためのCT解析等を行って過ごしました。どんな感じでやっているか紹介してみましょう。

Nobel Biocare 社の DTX というプランニングソフトを使ってインプラントの治療計画を立てます。
NVIDIA 搭載の高性能パソコンで 3D ソフトを使って、3次元的に理想的なインプラントのポジション、種類、サイズ、パーツの選択などを行います。
全てが決まったら、このようなマウスピースタイプのガイドをオーダーします。自宅からオンラインで米国・マウワ工場にデーターを送れば、その米国のラボの3Dプリンタで制作したガイドが航空便で送られて来るのです。凄い時代だね。
このガイドを使えば、3次元的に決まった場所にしか入らないので、非常に正確なポジションにインプラントを入れる事ができます。

でも、カーナビと同じで、実際に目の前で起こっている事を冷静にキャッチしてフレキシブルに対応する能力が必要です。
良いオペをするにはこのような準備だけでなく、自分自身の体調管理、精神状態のコントロール、オペに集中できる環境(医院の雰囲気、スタッフとの阿吽の呼吸)等々が求められます。

タイトルの○○は「環境」でした。

NBOX+で武庫之荘での勉強会に参加

今日は水曜日。最近、水曜日は診療を3時迄で終わらせて頂いておりますが、終わってから家に帰って子供と遊んでばかりいる訳ではありません。

終了後、(誰もいない静まりかえった診療室で)個々のお客様のカルテを見直してオペの治療計画立案や今後の方針を考えたりしています。これらは地味ですがとても大切な作業で、頭をフル回転させて考える「知的で充実し、楽しい」時間です。

一人ぼっちにならないと100%頭を回転させる事ができません。コロナ以前はビジネスパーソンの皆さんは出社して(ざわざわした中で)難しい仕事をされていたのですね。凄い集中力ですね。

最近、三田市に色々な方向性を持った歯科医院が増えて来てくれたお陰で、英保歯科がこのような時短をする事が出来ています。有り難い事だと思っております。英保歯科は今後益々選択と集中を進めて行くつもりです。

さて、今夜は月1回武庫之荘で開催されるインプラントの勉強会に参加してきました。

ノーベルバイオケアのインプラントユーザーの為の勉強会です。

冬の高速道路は凍結防止剤が散布してあるので車が錆びます。S660 は使わずにN Box+ で行ってきました。思っていたより早く着いたので、後ろの移動秘密基地でシェラフに足を突っ込んで時間を潰しました。何て快適で楽しい車なんだろう。

移動マイルーム。

今日は治療費の話が出たのですが、英保歯科は他の歯科医院に比べてかなりリーズナブルであることが解って安心しました。様々な事を断捨離して無駄を無くすと、自分のストレスも減るし、2次的にはお客様のメリットにもなるものだと実感しております。

GBR(骨誘導再生法)とは?(閲覧注意)

たまには歯の話を。今日はオペの写真を出しますので、気の弱い人は見ないように。
私のオペは最近特に「できるだけ患者様自身の組織を利用する。低侵襲。ステップバイステップで確実に。」という方向に収束してきておりますので、他の歯科医院のホームページに紹介されているGBRに比べると「派手さに欠けたり、少々期間がかかったりする」部分があるかも知れません。

インプラントを長持ちさせる為には、インプラントの周囲に(2㎜程度の)骨と(3㎜程度の厚みの)軟組織と(2㎜程度の)角化粘膜が存在している事が理想とされています。
平たく言うと、「インプラントの周囲が必要十分な骨や粘膜でしっかりカバーされていると長持ちする」と言う事なんです。

でも、歯を抜いてしまうと骨も軟組織も半分位に減ってしまう事が多いので、しばしば骨や軟組織を移植する手術を併用します。

今日はその一つ、骨を増やす手術について解説します。現在では 骨誘導再生法=GBR(Guided Bone Regeneration) が一般的に採用されます。

繰り返しになりますが、手術の写真を見たくない方はここで閉じて下さい。

では、始めます。

(入れ歯では無く)インプラントで機能回復をします。でも、インプラントを埋入するには幅が狭すぎます。
}の所がコニカルコネクションのインプラント体。長期的に安定して機能させるにはインプラント全体が骨の中にしっかりと納まる必要があります。
ノーベルガイドを使って3次元的に正確なポジションに埋入します(Guided Surgery)。
3次元的に理想的な位置にインプラントを埋入しました。でも手前の方のインプラントの一部が露出しています。
そこに、自家骨移植を行いました。人工骨の使用量を減らすかゼロにするように努めています。
吸収性メンブレン(サイトランスエラシールド)を設置して自家骨をカバーします。(自家骨移植を併用するこの術式は大阪口腔インプラント研究会倫理委員会の承認を得て行っております。)
減張切開をして粘膜を寄せます。
連続縫合で閉鎖しました。
厚みが増しています。(インプラント周囲に安定した骨が出来るのを待って)約6か月後に軟組織の移植をする予定です。
上の写真と比べてみてね。

GBR(骨誘導再生法)の実際がどのようなものか、御理解頂けましたでしょうか?

多くの歯を失ってしまった後、まともに噛めるように機能回復しようとすると、このように肉体的にも精神的にも経済的にも結構大変です。
こうなったのも、とっっかりは虫歯にして、痛くなってから歯医者に行く「後手後手」のパターンしか知らなかったためです。早期に予防歯科医に出会っていたら良かったんだけどね。ちょっと気の毒だ。

最後に。いつものセリフですが、「予防をして持って生まれた自分の健康な歯を維持さえすれば、タダで最高のモノを手にし続ける事ができる」のです。だから、しっかりと予防に努めてね。

日本口腔インプラント学会で優秀研究と認められました

26日まで WEB 上で開催されているインプラント学会に連日連夜参加中です。内容が非常に充実しているため全部見ようとしていますが、2時間ほど視聴しては休憩というパターンを繰り返して頑張っております。明日の夜は友人と新福島で食事会の予定なので、ひたすら頑張って勉強を続けます。

で、かなり嬉しいニュースが飛び込んで来ました。私達の研究が学会から優秀と認められたのです。しかも2題も。私がメインで行った研究ではないので偉そうには出来ないのですが、やはり嬉しいですし、とても名誉に感じます。

大阪口腔インプラント研究会は関西の開業医が中心となって作られたインプラントのスタディグループです。

今回の受賞でも慢心する事無く、引き続き頑張って行きますね。

ノーベル・バイオケア・プランニング兵庫教室

今日は水曜日。早めに診療を終わらせて頂き、一息ついてから外出の用意をしました。これから武庫之荘に出向いて(月1回のペースで開催されている)インプラントの勉強会に参加するのです。

軽食を済ませて N Box に乗り込み、中国道を宝塚まで走った後に南下しました。コロナ以降交通量が減っていて道路がすいているので、最近は40分程で到着します。

我が愛車 N Box + はターボなのでパワー充分。でも、高速道路を軽四のトールワゴンで走るのはちょっと怖いですね。高速道路では S660 に軍配が上がります。
私は(臨床経験が長い事もあって)この勉強会でオブザーバーとしての役割も与えられていますが、参加される先生方の臨床に対する姿勢がどんどん向上しているのを肌で感じており嬉しい限りです。
歯医者は何にでも拘る人が多い。勉強会の会場がどんどんグレードアップして YouTuber のスタジオみたいになってきました。

帰宅したら11時を回っていました。風呂に入ってノンアルと You Tube Music でリラックスです。明日は午前中は診療所でオペの計画を立て、午後はドライブにでも行こうと思っています。

ゴールドとジルコニアの長所・短所

10年程前はインプラントの上部構造にゴールドを使っていましたが、最近はジルコニアを使う事がほとんどです。

左の大きな歯2本はインプラントです。10年以上前はこのような金歯にしていました。装着して1年後の写真です。
それから10年経過した後の写真です。変化が解りますか?正解は後半で。
現在のレントゲン像。10年以上経過した今でも、骨の状態も良好です。
こちらの方の一番右がインプラント(上部構造はジルコニア製)。最近は(7番以外は)ジルコニアを使う事がほとんどです。金よりこっちの方が綺麗だから好きでしょ?
ジルコニアは生体親和性が非常に高いので、歯肉に全く炎症が見られません(青色の矢印のところ)。硬度も高く壊れにくいのも長所で、(良くも悪くも)自然にすり減る事はほとんどありません(黄色のところ)。

お正月のお料理に金箔が使われるように、金は食べても大丈夫なほどに生体親和性が高い材料ではあります。でもジルコニアには敵いません。但し、金は硬度がエナメル質に近いので、咬み合わせの変化に追従して、自然にすり減ってくれるのです。これが金の持つ圧倒的なアドバンテージで、現在でも(一番力がかかる)一番奥の歯、7番には金を選択する事がしばしばです。

ほんの少しですが歯肉に炎症反応が起きています(黄色の矢印のところ)。
ゴールドに特徴的な事は、長い年月の間に咬み合わせの面が顎の動きに呼応して自然にすり減っている事です(白い〇で囲まれた範囲)。

コールドとジルコニアの長所・短所が御理解頂けましたでしょうか?

ガイドを使ったインプラント治療

先日、英保歯科では3Dシュミレーションを多用するようになっていますとお話しましたが、インプラント治療においてはルーチンに使うようになっています。

CTと歯型をソフト上でマッチングさせて、その画面を使って治療計画を立案します。左は手術中に使う、3Dプリンタで作るワンオフのマウスピースを、右は理想的なインプラントの位置と歯の位置を示します。
one abutment one time concept で手術しました。
その上に取り付けた、ジルコニア製の歯。美しいでしょ?
そのレントゲン写真。一番上映像の右側の像と比べてみて下さい。そっくりだと思いませんか?ガイドを使って埋入したので、狙った3次元的位置に完全に埋入する事ができています。

ゼロボーンロスコンセプトの視点から見ても、このインプラントの周辺の骨は安定して経過すると思われます。

オペの計画立案も、また楽し。

今日は土曜日で超多忙。と書きたいのですが、今週は連休明けという事もあってずーっと忙しかった。しかも木曜日には学校健診があったし、昨夜妻に誘われてコンビニに行ってしまい、ついついノンアルビールとおつまみを買って「やってしまった」影響もあって、今日はベストコンディションではありませんでした。

午後から何年かぶりに頭痛がして100%の状態ではなくなってしまい、3時まで頑張った後は院長室の床に寝っ転がって眠ってしまいました。目が覚めたら2時間も経っていて、慌てて家族が待つ家に帰りました。

有難い事に老若男女、本当に沢山のお客様に来て頂いて歯科医師冥利に尽きます。皆さんのご期待に沿えるようコンビニにちょろちょろ行ったりなんかしていないで、しっかり体調管理して頑張りますね。

DELLのベゼルレス27インチモニターをツインディスプレイに配置。15インチXPSノートPCを開けばトリプルディスプレイ環境にもなりご機嫌です。3D 解析ソフト DTX を使ってインプラントの治療計画を説明すると男性のお客様(Y 様)は「凄いですね!写真撮っていいすか?」と言って下さったりと気分上々です。でもスタッフの森さんはツインディスプレイに全然興味が無いようでした。これだから女は嫌になっちゃうよな。

明日の日曜日はオペの計画を立てる為に診療所に行く予定です。静かな診療所で集中し頭をフル回転させて手術の流れを考えるのも、変な話ですが、結構楽しいものです。

模型を使ってインプラントの実験中

私は開業以来ずっとブローネマルクインプラントに始まって、ノーベルバイオケア社のインプラントを愛用しています。20年以上前、大学病院ではまだ「キワモノ」扱いされていたインプラントを英保歯科で使うようになった理由、それは近代インプラントの祖ブローネマルク博士と、ブローネマルクインプラントを日本で普及させた小宮山彌太郎先生の事を心から尊敬したからです。(今ではインプラントを否定する大学病院なんてあり得ないのですから、変われば変わるものです。)

近代インプラントの祖、故ブローネマルク博士

機械研磨(ツルツル)表面性状のブローネマルクインプラントから始まって、Ti Unite(骨にくっつき易いようにザラザラ)の表面性状、コニカルコネクション(接合精度が向上)、それから昨年発表された Ti Ultra & Xeal (生体親和性が半端じゃ無い)の表面性状とドンドン進化していっている訳ですが、それぞれの時代のどれをとっても「小宮山先生との出会いがあって、最初にノーベルバイオケア社とのご縁があって良かった」と思える素晴らしいインプラントの会社です。

英保歯科ではこの Ti Ultra & Xeal を即、導入しました。その優位性を実際に体験し、これを開発した優れた研究者達に脱帽、です。

ただ、赤色がイメージカラーのこの会社(JALみたいでしょ?)、数年前のある時期に(会社のヘッドの方針だったと思うのですが)歯科の専門知識に対する学習意欲の無い方ばかりが営業(まさに営業!営業!でした)に回ってこられていたので、青か緑の会社に変えようかと悩んだ時期がありました。「あの、全社員が堂々としていて、威厳さえ持っていたノーベルファルマ社がここまで落ちるかな・・・。」と心底落胆した事を覚えています。

でも今は安心です!非常に強い向上心を持ち、専門知識が豊富な天野様や関澤様がしっかりサポートして下さっていますので、手術の術式の工夫など、ドンドンと新しいアイデアが浮かんで来ます。

「モノとコトを厳選(断捨離)して、常に向上心・ポジティブの中に身を置くべき。不毛・ネガティブとは絶縁すべき。」という考えは間違ってないようです。

夜、布団の中で考えている時や、散歩している時に「ポン」と良いアイデアが浮かんできます。
それが実際に有効かどうか、模型を使って検証して行く作業はとても大切です。

今日は終業後、そのアイデアの有効性を確認するために模型を使って実験をしていました。一旦家に帰って食事をとり、診療室に戻って続きをやっていたら夜中の1時前になっていました。

隣のセブンでノンアルとナッツを買って帰ろうと入ったら、バイトの女の子が「後2分で閉店なんですけど、いいですよ~♪」と優しく言ってくれました。ああ幸せ。帰ってYou Tube でも見ながら一杯飲んで寝よ。

これらのように、最近は若い人との関係で良い事ばかりあって、本当に有難い事です。

明日は日曜日ですが、月曜日のオペの準備の為に出勤予定です。さあ、頑張ろう!

インプラントオペLIVE(閲覧注意):DTX+TiUltra+Xeal+On1

根っこが折れた歯を抜いて、バイオスという人工骨とテルプラグというコラーゲンで骨と歯肉が減らないように工夫を施していました。奇麗になおったのでインプラントを埋入します。英保歯科のお客様は前後の健康な歯を削る事が嫌いな方がほぼ100%ですので、このような場合にはほぼ100%の方がインプラントを選択なさいます。
DTXという3Dシュミレーションソフト上でインプラントの3次元的な位置を完璧に決定し、ワンオフのテンプレートという装置を使ってそれを実際の手術時に再現します。今回はソケットリフトという手法を使って上顎洞底を持ち上げてインプラントを埋入する計画です。一瞬の気の緩みも許されない難しいオペなのです。
小さな小さな切開を加えて骨を露出させます。
骨に穴を開け、上顎洞に達する直前で寸止めします。昔は手の感触と目分量で止めていたのですが、今はそれに加えてガイドが正確な距離を教えてくれます。テクノロジーの進歩は時に物事を根底から変えてしまいます。
予定されたポジションに TiUltra の表面性状を持つインプラントが埋入されました。
細胞レベルに働きかける表面性状を持つXealアバットメント(金色に輝く)が「ムコインテグレーション」を可能にしてくれます。
ガイドシステムによって両隣の歯のど真ん中に、完全に並行に埋入されています。

今回のオペでもDTXの活用によって「ここしかない」という正確な位置にインプラントが埋入されました。英保歯科のお客様は、ここでも又、ほぼ100%の方がこの「DTXを使った手術」を選択なさいます。(ちなみに英保歯科でDTXを使用する際の追加料金は 22,000 円(2021年02月現在)と、比較的リーズナブルにさせて頂いております。)

日本におけるインプラント治療も日進月歩で、一般的にはこの様にますます安心・安全になってきています。今回のブログがインプラント治療をお考えになっておられる方の安心に繋がれば幸いです。