「院長日記」カテゴリーアーカイブ

ドッグベストセメントについて

英保歯科に遠方から来て下さるお客様の何%かは、尼崎や三ノ宮の歯科医院でドッグベストをしてもらった歯の調子悪いとの訴えです。

私はドッグベストセメントを使った事がないのですが、これらの患者様の歯の経過を拝見すると、ドッグベストセメントは謳い文句程は結果が出ていないような感じがします。

その一方で、巷では最近はほとんど聞かなくなった 3Mix-MP 療法ですが、こちらの方は上手に使えば神経を取らずに済む事が多々あります。

但し、英保歯科ではオリジナルの 3Mix-MP 療法とはかなり違った使い方をしています。①抗菌薬の種類を変えて歯の変色が起きないように配慮している(この新配合のものをi Mix と呼んでいます)点 ②ほとんどの場合は約1週間程度で抗菌薬を完全に除去してしまう点、の2点がオリジナルの 3Mix-MP 療法と根本的に異なります。

防湿や拡大などの歯科治療の基本原則はしっかり守り、更にそれに加えて徹底的に殺菌するために抗菌薬を使わせて頂いております。

「冷たい物や熱い物がしみていたが、ついに痛みが出だしたので来ました」という場合でも(ある程度若い方なら)この i Mix 法(3Mix-MP 療法の改変法)で神経を残す事ができるのです。(通常は神経取って銀歯の被せですね。)

ドッグベストセメントの結果は他院の処置の経過から知るしかありませんが、英保歯科の i Mix 法の方が比べ物にならない程安定した結果が得られているのでは?と実感しております。

竜野市からようこそ

今日、素敵な女性が竜野市から英保歯科まで来て下さいました。前歯の差し歯がすぐ外れたり歯肉が腫れたりしてとてもお悩みの様子でした。

「どこの歯医者に行ったら良いかわからない。英保歯科のホームページを見て『とにかく一度英保歯科に行ってみよう。』と決心して来ました。」との事。

過去の様々な問題点(前医と患者双方の歯に対する考え方、取り組み方の甘さ等)について説明し、今後については、私が治療するしか方法が無いように思いましたので、大変だとは思いますが竜野から通院して頂く事にしました。

彼女は英保歯科に来て良かったと思います。小さな決断と勇気と行動力が今後の彼女の人生を全く違う方向に、良い方向に変えてくれるはずです。

ベジタリアンと幸運

ひょっとしたら「英保先生、大丈夫?」と言われそうな話を一つ。

岡山大学でZOOという防湿装置に関するエピソードや外国人の友人と写っている楽しそうな写真を見せて講義をした後に、学生から「先生はどうやっとそんなに広い人脈を作るのですか?」と質問された事があります。

その質問に対し、「奇妙に聞こえるかも知れませんが、私は18歳からベジタリアンになり、極力殺生を避けて精進しています。その徳が運の良い出会いをもたらしてくれているのだと思います。」と正直な気持ちを答えてしまって教室が「シーン」となってしまいました。ちょっと危ない人だと思われたかな?

私は休みの日はほとんど家族と過ごしています。歯科医師会の先生方とゴルフに行く事もないし、スナック(今はキャバクラと言うのでしょうか?)のような所も全く行きません。ですからどちらかと言うと「家に引きこもり」の方なので、「広い人脈を持っている」と言われた時にはむしろ「へー、そんな風に見えるんだ。」と思った位です。
確かに、今までの自分の人生に於いて、私は非常に運の良い人間だったと思っています。それは人生の要所要所で「有能で魅力的で、特別なオーラを持った人」に出会う事ができ、その人達に憧れて「私もかくありたい」と手本にする事ができたからです。

今日、神戸デザインセンターの濱氏(三ノ宮から英保歯科まで通院して下さっています)に「『ベジタリアンだから良い出会いがあると思う』と言うといつも笑われるのですが、私はそんな気がしているんです。」と話すと、「ベジタリアンという特別な存在であり続ける事によって、他のベジタリアンの人達や、同様に何か特別な思いや考えを持った、平凡ではない人達との出会いの確率が高くなっても不思議では無いですね。」とコメントを頂き「なるほど!」と思いました。

出会いに於いて大切な事は数ではなく質だと思います。「友達100人できるかな?」そんなにいらないよ。大切な事は自分にプラスになる(正の)人間を見つけるようとジタバタするよりむしろ、自分の足を引っ張る(負の)人間を見定めてキッチリ距離を置き縁を持たない事だと思います。

明日も関連の話をします。

台風一過、子供とサイクリング

雨が止んで晴れ間が見えて来ました。休日は家で男子部がゴロゴロしているだけで、どういう訳か女子部の機嫌が段々悪くなってくるので、妻の「勉強しなさい !a~nd 片付けなさい!」攻撃が炸裂する前に男子部は自転車で脱出しようという相談になりました。

ところが、子供が「この間、お母さんに言わずに僕たち二人だけで勝手に自転車で出て行って朝から夕方まで帰って来なかった時に、警察に電話したりして大変な事になったから、あれから自転車のカギをお母さんに取り上げられている。」と言うのです。

「そうか、そしたら『お父さんとポップスサイクルショップに自転車の安全点検に行ってくるから、鍵を貸して下さい。』と言って出してもらえ。『鍵出して!』じゃなくって『鍵を貸して下さい。』と丁寧に言うんだぞ。失敗したらコチョコチョ連続5分間の刑だぞ。」と命令しました。

私の指導が功を奏したのか、バッチリ鍵の奪取に成功しましたので、3人でプチサイクリングに出かけました。ウソはいけませんので、最初にポップスサイクルショップでエアーをついてもらってから、一番下の小1の子供が先頭になって好きな所を走り、他は後ろに着いて行く事としました。どこに連れていってくれるか楽しみです。

奇麗な芝生の公園はすずかけ台公園です。
すずかけ台公園の裏手に池があるなんて今日まで知りませんでした!
車ではあっという間に通過してしまって気が付きませんね。
20年以上ウッデイタウンに住んでいますが、まだまだ知らない風景があります。
自転車で出かける魅力はまさにこれ、新しい出会いや発見、ですね。
最後はあかしあ台公園のロープでできたジャングルジムでエンドレス。
大人は私だけで他は小学生ばかりという事に気が付いて、慌てて降りました。
さあ、5時までに帰らないと大変な事になるから、急げ!

ハロウィーンの季節に思う事

先日 Andy (敬虔なキリスト教徒)と話をしていた時の話。

彼は日本の文化に非常に興味があり、その学びの一環として空手を習っているのですが、練習の前に「八訓」を皆で唱えるそうです。
その中で「一つ。我々は神仏を尊び」と言うのがどういう意味かというディスカッションになりました。

皆さんは日本人としてこれを(英語で)ストイックなプロテスタントの外国人の彼に説明できますか?
そもそも、あなたは自分が何教か説明できますか?仏教徒?「実家は浄土真宗です。」とか?本当にその宗教を信じていますか?

私は幸運にもカトリックを(異文化を理解する教養として)学ぶ機会に恵まれていますので、ある程度の説明はできました。戦前の富国強兵教育からの反省から敗戦後の教育が極端に「無宗教」に偏向してしまった事などを含めて様々な説明をしましたが、それでも彼のような敬虔なキリスト信者にはとうてい説明し切れませんでした。むしろ彼から教わった事の方が多かったですね。

この時期日本ではどういう訳かハロウィーンで盛り上がっています。クリスマスのシーズンも同様です。この街の「空騒ぎ」を見ていると、私は同じ日本人として恥ずかしい気持ちになります。
人生に於いて、一年でも早く、一度はクリスマスにカトリックの教会のミサに足を運んでみる事をお勧めします。敬意さえ持っていれば、誰でも中に入れますよ。座っていれば、訳がわからなくても肌で感じるものがあると思いますし、それだけでも学びや気付きの宝庫のはずです。

文化と宗教は表裏一体で、せめてそれ位は「肌で感じて」知っておかないと、外国人と本当の(同等の)関係は築けないと思います。更に言うなら、歯の美しさ(お口の健康維持の状態)も彼らと同等であるべきですね。その上に国際語である英語を喋る事ができれば、やっと同じ土俵に上がった、となるのではと思います。

先進国とは国民にそのような「精神と肉体の余裕がある文化的な国」の事なのでしょう。日本の経済力は先進国ですが、個々の日本人は宗教の話もアンタッチャブル(話題に上げる知識と心の余裕すら無い)で、笑った時に見える歯も虫歯だらけ、銀歯だらけで、「精神と肉体の余裕」が無いですね。本当の先進国になれるように変えて行きたいね。

 

 

 

 

自然の怒りを見て思う事

記録的な猛威を振るう台風で関東は大変な状況です。

自然の怒りに対する人間の非力さを真の当たりにすると、1日も早く贅沢に慣れてしまった、おごった生活を戒めて環境保護に務めなければと思うのですが、私も含め人間は愚かなので重い腰を上げようとはしないですね。

歯に関しても同様で国の医療や介護の費用が高騰しているのに、未だに予防歯科の実践に本気で行動を起こそうとしないのは似たレスポンスだと思います。

自主的に予防歯科治療を受ける国民の人口比率。歯の健康は自己責任。このままじゃ当然のように日本は「日沈む国」になるよね。

元来日本人は優秀な民族です。戦後教育システムが思考回路を停止する事を強要したのでこのような体たらくですが、目さえ覚めれば復活するはずです。

世界を見て来た人間は、日本を守る為にグローバルスタンダードを布教する義務があると思っています。「頭を使って!気が付いて!わかるでしょ?」とね。

不都合な真実@日本の歯科医療

アル・ゴア氏の映画のタイトルの和訳は素晴らしいですね。自分達にとってあまりにも都合が悪いので、薄々感じていても目をそらしたい事。しかもそれが真実。日本で言うと少子化問題でしょう。

日本の歯科医師が気がついている不都合な真実は保険歯科治療の質の問題と歯科医師の質の低下です。

あるマスコミ(サンゴの落書きを捏造したリする、インテリの彼等です。)が国民を洗脳し、植え付けに成功した、歯科医師に対する誤ったイメージによって大学の偏差値が急落しました。あれだけバカにされたら誰もなりたくないよね。

歯科医師は、診断や治療方針の決定や突然現れる諸問題に臨機応変に対応出来る、相当な頭の良さが必要です。やってみたら解りますよ。それから、最新の医療を学び続ける向上心、向学心も必要です。そして、倫理や哲学や宗教学に関して深く学び、吸収、昇華して自分の人生に置いて具現化出来る頭脳と忍耐力も必要です。

つまり、根っから勉強が好きで、かつ、受験勉強に耐える気力と忍耐力も必要で、大学の偏差値がある程度高い事は医者や歯医者には必須なのです。

これから先の日本の歯科医療がどうなるか?国民にとって不都合な真実で無ければ良いですね。

でも心配しなくても大丈夫。完璧な予防さえしておけば、あなたには都合の良い真実だけがやって来ますよ。

今日は Beautiful Day Off

散歩には持ってこいの天気ですね。

週末は台風が来るようですが、今日はとても良いお天気です。

午前中は診療所に出向いて来週の手術の手順の確認等を行っていました。誰もいない診療所は熟慮に持ってこいの静けさで、私のお気に入りの空間です。

午後はJRで大阪に出てみました。三田に籠もった生活をしていると、時には都会の喧騒も良い刺激になります。

明日も忙しそうです。今日は大阪の街をぶらりと散歩して好奇心を刺激し、緩急を付けて気持ちのスイッチを上手に切り替えたいと思います。

プロシード・高島さん


インプラントを輸入販売されているプロシードという会社の高島さんがわざわざ三田まで訪ねて来て下さいました。もう10年以上のお付き合いになるのですが、ここ数年は学会などでお目にかかる機会がなかったのです。
お互いに白髪が増えたかも、と思いますが、互いに元気な姿を見て喜びを分かち合いました。
高島さん、遠路はるばる有難う御座いました。又会いましょう!

 

心が折れても・・・。

※写真はイメージです

過去に他の歯科医院で保険で(保険治療が全て不良とは言いませんが、保険の治療ではあまり時間をかけられないからと、ラバーダムなどの防湿装置を使わずに治療をすると・・・。)受けた治療が多数あり、将来が心配されるお客様が2か月程前に来院されました。ご本人は自分の歯がどのような状況なのか自覚がないようです。

小さな虫歯治療を保険で(もちろん完全防湿で)数回行って、私の事がある程度肌で分かって頂けたと思えた頃に40分間のコンサルテーションの時間を取り、できれば苦難を避けたいと尻込みする自分を鼓舞して「今まで他院で受けられた保険治療を時間とお金をかけて、自由診療でやり直すチャレンジをしませんか?インプラントも併用して。今ならまだ間に合うかも知れません。」と説明しようとしました。

どのように思われたのか、どのように取られたのか解りませんが、どうも私が営業活動をしてきたように聞こえたのでしょうか、3分で会話は終了しました。「悪くなるまで、このままでいいです。」「わかりました。」

溺れそうになっている人に差し伸べた手に唾をかけられたような感じで、さすがに心が折れました。イエス様ならもう一度この方に救いの手を差し伸べられるのだと思いますが、自分にはできるでしょうか。

98%の日本人は予防歯科治療を受けないという異常な価値観も、日本の保険歯科医療制度の狂気ぶりも私の責任ではありませんし、ましてや過去に他院で受けられた治療に対して私には何の責任も義務も無い訳で、このような思いをした時には「日本人のスバラシイ常識に流された方がどんなに楽か」という思いが心をよぎります。

でも、歯科治療のグローバルスタンダードを知る自分の心に嘘はつけません。これからも私の話を理解できる可能性がありそうな方には、自分を鼓舞して気付きの機会を与えてあげたいと思います。一人でも多くの方の人生を救ってあげたいので。