歯科医師でありながらお恥ずかしい話ですが、私も高度成長期の昭和30年後半の生まれなので、子供の頃には、同じ世代の方々同様に「砂糖漬け」の食生活が当たり前でした。もっと言うと小さいころに「チクロ」「サッカリン」と言った発癌性のある代用甘味料を食べさせられていた世代で、当時の友達で「三角ジュース」を箱買いしていた家庭の子は肝臓が悪くなって死んでしまいましたね。今なら原因の想像がつきますが、何しろ恐ろしい頃に幼少時代を過ごしたものです。 そう云う訳で、私も甘いものが大好きな大人になってしまいました。5歳までに脳味噌に刷り込まれた嗜好は永遠に消えませんので、ストレスが溜まったり疲れたりすると(皆さん同様に)甘いものを食べてしまいます。
でも、思うところあって、昨年末に一念発起して「妻か娘が焼いてくれたケーキやクッキー(精製白砂糖は全く使わない)以外は砂糖甘いものを口にしない事を基本とする」という決心をしました。18歳で肉類を断ち、37歳でテレビを断ち、46歳で酒を断ち、次は54歳で精製白砂糖断ちです。お付き合いが大切なビジネスマンだったらこんな変な人間はクビになるかもしれませんね。もっとも、自営業が多い歯医者仲間に於いても、私は少々浮き気味ですが・・・。
予想していなかった良いことが起こりました。毎年3月に血液検査を受けているのですが、数年来高めだったコレステロール値が今回は正常になっていました。たった3か月精製白砂糖を断っただけで、です。 子供に与えたくない精製白砂糖が大人にも悪影響を与えることを、身をもって経験した次第です。
米国人の友人が弓道の見学をしたいと言うので、王子スポーツセンターにお願いして一緒に行って来ました。 弓道は “Zen in the Art of Archery” と呼ばれています。海外では禅の思想の探求、芸術(というかArtですね)、瞑想の一手段として知られています。1時間半ほど座って見学させて頂きましたが、確かに澄んだ空気(物理的にも精神的にも)に満たされた空間は、神戸という都会の真ん中にいることを忘れるほどでした。 感じる事、得る事が多い良い機会でした。 海外の方とお付き合いすると日本の文化を違った視点で見直す事ができて、視野が広がりますね。
ここ何年かマスコミから得た情報を基に「食後30分間はハミガキをしない方がエナメル質のために良い」と指導をしてきました。 ところが・・・。 最近、非常に権威ある小児歯科学会やその他の歯科学会が公式にこの考えを完全に否定してきております。 酸蝕症などの非常に特別なケースを除いては、やはり食後にすぐにフロスと歯ブラシをして清潔にした方が良いそうです。 マスコミのネタを単純に信じてお話してしまった事は、プロとして恥ずかしい限りです。お許し下さい。 NHKですら誤った健康法を放送する時代です。マスコミやネットの情報に操作されないようにお互い気をつけましょう。
大人も子供も、甘いお菓子を異常なほど食べてしまう原因は何だと思いますか? ストレスを回避するためなのです。精製白砂糖は麻薬と同様に、想像以上に精神に影響を与えます。無意識に一時の快楽を求めているのです。 ストレスに伴う精製白砂糖の摂取量は直線状に増加するのではなく、ストレスの増加とリンクして階段状に増えていくのではないかと考えております。(横軸を「ストレス量」、縦軸を「精製白砂糖を無意識に欲する欲望の量」とした時に、右上がりの直線ではなく右上がりの階段のようなグラフになるという事です。わかる?) ですから、一段下がることができるほどの(まとまった量の)ストレスを減らさないと、甘いものを欲しがる脳の状態は変わらないと考えます。 虫歯を予防したり、健康な体と心でいたりするためには精製白砂糖の摂取量を減らさなければなりません。そのために、自分のストレスの原因に自分自身で気が付いてまとまった量のストレスを「ごっそり」取り除く必要があります。 何が自分のストレスになっているのか気がつかないことが多いですね。自分ではストレス発散のためにやっているつもりの事がストレスの原因になってしまっている事すらあると思いますよ。 頭で考えてもストレスの原因がわからなければ、まずは身の回りにあふれかえっている「モノ」を捨てて部屋を片付けてみて下さい。「断捨離」ですね。そうすれば(私もそうだったように)自然に色々な事が見えてきますから。
栄養学を専門にされている患者さんとお話をしていました。彼女は子供の頃は、お家にヤギがいるような(ハイジのような)恵まれた環境で大きくなられたそうで、69歳でもすべてご自分の歯お持ちになっておられます。 白砂糖の害で意気投合しておりましたが、「生まれてから5歳までが大切」という話をしていると、「先生、お腹にいる時からもう始まっていますよ。母体が白砂糖を過剰に摂取すると胎児にも悪影響を与えることは当然です!」と教えられて「ハッ」としました。 歯医者は白砂糖の害についてかなり耳に痛いことを言わないといけないのですが、妊婦さんにまで嫌われる役になるのはつらいなァ。でもこれもミッションだと思って、頑張ります!
先日コンビニやマクドなどの蔓延と日本人の癌発生率の上昇との関連を危惧したブログを書きましたが、血糖値スパイクが心筋梗塞や癌の誘因になっているという事が言われていますね。 NHKスペシャル「血糖値スパイクが危ない」 痩せている若い女性にも起こるそうです。怖いね。 予防方法に関してもたくさん報告があります。 血糖値スパイクを抑える5つの方法
急激な血糖値の上昇をもたらす食生活習慣が原因で、その改善が必要なのですが、近年のハイスピードな情報社会の時代では、ストレスが半端ではないために、Web の記事に出てくるような悪い食生活の例よりよりもっとひどい(人には見せられないような)状況があるのではないかと勝手に想像しています。 ストレスがかかると無性に砂糖を食べたくなる人がいます。独り暮らしの女性(も男性も)仕事帰りにコンビニで「15品目の和食弁当」と「カロリーオフドレッシングサラダ」と「野菜ジュース」を買いますが、その時に「頑張った自分にご褒美」と言ってスイーツやチョコのファミリーパックなどもたくさん買い込んでワンルームマンションに帰ります。(良い意味での)家族の監視の目が無いので・・・。「ムシャムシャ、バクバク。自分でも狂っているんじゃないかと思うほど止まらない・・・。」これにビールや缶チューハイが加わると更に危険度アップ! この場合の血糖値のスパイクの上がり方は「GI値の高い白米よりも先に野菜を・・・。」なんて言っているレベルとは比較にならないほど恐ろしい上昇でしょうね。 そしてもちろん、翌日の朝ご飯は抜きで出社して行きます。
私の見解から言うと、こういった(可哀想な)嗜好、食生活習慣を予防するためには5歳までの砂糖の与え方がカギになってきます。 5歳までに甘いお菓子をバンバン食べさせられてしまったあなた(昭和中期生まれのほとんど全ての日本人)、今さらその甘い物好きの嗜好を変える事は至難の業です。5歳までに完全に脳ミソに刷り込まれてしまいましたから・・・。(;´д`)トホホ。 あとは気合と根性でセルフコントロールするしかありません。
「三つ子の魂百まで」とは良く言ったものですね。
わが母校、岡山大学歯学部の非常勤講師を拝命しておりますので、日頃の臨床を通じて得た「真実」を学生に伝授しております。 歯科医師の仕事というのは芸術のような部分が多々ありますので、この年になっても技術や考え方が完成されるという事はなく、自分自身も進歩し続けております。「質の高い」経験を積み重ねる事は人生同様に大切なのです。 歯科医療をライフワークとする私達には今の時代では当たり前になった転職という言葉がありません。人生を賭けて一生懸命研鑽を重ねております。 でも歯科医師を含む、人間ができることはしょせん大したことがなくて、健康な歯をバリバリ削るような極端な美容歯科などと同様にやらないほうがまし(例えば原発の設置、無意味に大きい車の開発、体に悪いジャンクフードの販売、他人の悪口を喋っている無駄な時間など、挙げればきりがありませんが・・・。)と思われるような事もたくさんあります。 人間の能力を過信する事は禁物です。歯もできれば手をつけない方が良いのです。ですから正しい(食)生活習慣を身に付けて、虫歯にしないようにして下さい。歯科医師が修繕できるのは1本の歯に対してたった5回なのですよ。予防が「絶対的に」大切なのです。健康や体、歯などは予防しか手段がないのです。 若い先生で自分の治療に自信満々、人間ができる事を過信している方を見ると、「早く気がついて!」「岡山大で私の授業を受けて!」と言いたくなりますね。
我が家にはテレビが無いので見たことが無いのですが、Ora2という歯磨きペーストを Perfume がCMしているそうですね。 World Order や Perfume は日本のクールなアーティストとして誇りに思い応援したいと思っております。 ですから Ora2 は私も使っています!ただし洗面台の掃除の時にジフの代わりに。 数年前に買った物なので現在の製品と異なるかも知れませんが、あの研磨剤の強烈さは人間の口の中に使うものではないように感じております。歯の表面をすり減らしてしまいます。 ホワイトアンドホワイトも同様の理由で使って欲しくないペーストです。 今日お越し頂いた患者さんですが、ずーっと前から歯がしみて困っておられて、他の歯科医院でも異常なしと言われて英保歯科に相談に来られました。お聞きすると、Ora2 をお使いとの事なのですぐに中止して頂く事にしました。きっと自然に良くなると思います。
クリアクリンのマイクロビーズが歯周ポケットに入り込んで残留するので、こちらも使って欲しくないという記事を以前書いた事があります。
歯磨剤はなるべく研磨剤無添加の製品をベースに使い、ステインが気になる時だけマイルドな研磨性のペーストをタッチアップに使うようにするのが、賢明です。
興味深いデーターが発表されています。 5歳まで砂糖が含まれたお菓子類を与えずに育った子供は、大人になっても虫歯になるリスクが少なく、虫歯の数が普通の大人の3分の1という少なさだそうです。 我が家の4人の子供は、小学校に上がるまでは精製白砂糖が入った食べ物を可能な限り回避してきました。一番下の4歳の子供は現在進行形です。 例えば、くら寿司で上の3人の子供達がシューアイスを食べていても一番下の子だけはパインかマンゴーしか許しません。本人はそれが当たり前と思っているようで、別に文句も言いません。 上の子達もずっとそうしてきましたし、上の子の方に対してはもっと厳格にしていたと思います。特に最初の子供には(皆さんと同様に)今から思えば可哀そうなくらい厳しかったと思います。 でも、その甲斐あって、我が子は「砂糖甘いものが体と心に良くない」という認識ができているようで、子供達はシューアイスなどの甘いものを食べることは食べますが、1つ位で十分満足しているようです。もちろん全員虫歯とは無縁です。
「小学校に上がるまではフルーツ以外は甘いものを与えない」位の勢いで考えておいても、そこそこになっちゃいますので、参考にして頂ければと思います。
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兵庫県三田市の歯科医院 予防歯科を主軸に顕微鏡やルーペによる精密治療・MI接着修復・MIインプラント治療を提供 ラバーダムやZOOなどの防湿装置使用率100% i Mix(改良型3Mix法)を開発