歯は石ころのような単純な物だと思われるかも知れませんが、むしろもっと高度に生物学的な組織なのです。歯の根の表面には歯根膜という細胞があって、この歯根膜細胞が、その歯と、その歯を支えている骨の両方を正常な状態に保つために非常に大切な役割を果たしているのです。外傷で抜け落ちてしまった歯を乾燥させずに牛乳に漬けて持って来て下さいとお願いしている理由はここにあります。乾くとこの細胞が死んじゃうんです。
歯を支えている骨(歯槽骨といいます)は、歯根膜細胞が無くなると「そうか、もう歯が無くなったんだから自分も必要ないはずだ。」と勘違いしてやせ細ってしまいます。奥歯では歯を抜いただけで歯槽骨の幅が1/3になってしまうと報告されています。
インプラントが充分に幅の広い骨の中に埋入されれば、しっかり長持ちしそうな事は素人の方にもわかると思います。
そのために最近は「ソケットプリザベーション」といって、抜歯と同時に人工骨や特殊なメンブレンを設置して、歯槽骨が減少するのを防止する処置が有効であると報告されています。
つまり、インプラント治療は歯を抜いて暫くしてから開始するのではなく、歯を抜く時から始まっていると思って下さい。
歯を抜いてからネットでインプラントセンターの良さげな所を探して行ってみるというのは、かなり「素人臭い」流れだと言わざるを得ません。
かかりつけの歯科医院でしっかり相談して、「歯を抜いた後はどうするのか」を決定してから抜歯をしてもらって下さい。入れ歯にするんだったら抜きっぱなしで大丈夫ですが、インプラントや審美治療に繋がるなら、抜きっぱなしは後で苦労しますよ。

歯を抜くと同時にコラーゲンや人工骨、特殊なメンブレンを設置して骨を誘導してゆきます。

通常なら痩せてしまうのですが、かなりの幅の骨が維持できました。
インプラントを埋入するホールを形成してもまだ、周囲に充分な骨があります。ソケットプリザベーションのおかげですね。
しっかりとインプラントが埋入できました。
昨日は福祉センターでいい歯の日というイベントが開催されました。

私も三田市歯科医師会のメンバーとして参加しておりました。診療室で黙々と行っている仕事と全く違いますので、正直なところかなり疲れました。ビジネスパーソンの方たちの苦労が少しは分かったような気がします。

歯科衛生士学校の生徒さん達による演出なども行われて600人以上の来場者の皆さんには楽しんで頂けたと思います。
英保歯科のお客様や、けやき台小学校で出会った事のある子供達やお母様方にも出会えて嬉しかったです。
サッカー・野球・バスケット、アイススケート、ヨットなどなど・・・。
子供の頃から本格的に練習するクラブが増えていますね。
日曜日には早朝から練習や試合などで、父兄がお世話をされている事と思います。
クーラーボックスにはポカリスエットや麦茶や水などが入っていると思いますが、世話役の代表さんは毎回必ず500mlか1ℓの牛乳を1本買って、クーラーボックスに入れておいて下さい。ストロー付きの小さな牛乳はダメです。開封にハサミがいりますので。
アクシデントが起きて、歯が欠けたり、抜けてしまったりした時にはその牛乳を開封して、歯の欠けた部分や抜けてしまった歯を直ちに牛乳パックの中に放り込んで歯科医院に持って来て下さい。(水道水はもちろんの事、生理食塩水や専用の歯牙保存液よりも牛乳の方が有効である事がわかっているのです。ビックリでしょ?)泥だらけの時は、可能なら、サッと牛乳をかけ流して泥を軽く落としてから放り込んで下さい。自信が無かったらそのままでも良いので一刻も早く牛乳に漬けて下さい。抜けた歯を絶対にティッシュでゴシゴシ拭いたりしないで下さい!!!!!歯根の表面の細胞をダメにしてしまうのです。
幸い牛乳を使う必要がなかった日は、誰かが持って帰って飲めばいいのです。歯が抜けてから慌てて牛乳を買いに行っていては、歯根の表面の細胞が死んでしまって手遅れになることがあります。歯は顔面と同時に怪我をする事がほとんどですから、額や鼻から出血していたりしたら牛乳を買いに行く事にすら気が回らない場合も多いはずです。
たった150円の保険ですが値千金ですので、必ず習慣にして下さい。お知り合いのスポーツ関係の父兄や先生方にも周知徹底して下さい。学校でもママ友仲間でも話題に上げて、この事を教えてあげて下さい。
人生の先が長い子供達の歯は、私達大人の歯以上に大切なのですよ。
被災家屋の撤去費用だけは国が全額負担してくれるのですが、順番が回ってくるまでに2年もかかるそうで、早めに自分で業者に頼もうとすると、一旦自己資金を用意して立替払いをしないといけないそうです。また、庭の石や植栽の撤去は自己負担になるそうです。
無事更地にできたとしても、そこに家を新築をしようとするとその費用は全額自己負担になります。
2年前に頑張ってローンを組んでマイホームを購入した若い夫婦や、30歳代の頃に購入した普通の庭付き一戸建てで無事子育てが終わって、その後質素に暮らしていた70歳代の夫婦が被災した事を想像してみて下さい。
氾濫した河川から無情に流れて込んできた泥水で、目も当てられないほど壊れて、ドロドロに汚くなってしまった我が家でも、経済的理由や自分の年齢など、様々な要因で清掃して修理して暮らしていくしかない人達がたくさん、たくさんおられるのです。
私達は今回、床下の「泥かき」という作業と柱などの木材にこびりついた泥を雑巾で取り除く作業を黙々と行ったのですが、やってもやっても元の美しい状態になるはずもなく、無力感すら感じました。
それでも、1日頑張れば「見違えるように」からは程遠いですが、結構きれいになりました。
何より、被災された方々の所に行けば「私は一人ぼっちではないんだ。手伝いに、助けに来てくれる人がいるんだ。」と少しは安心して頂けると思うのです。私達が掃除して、たとえ建物が元のようにピカピカに奇麗にならなくても、そう思って頂けるとしたら、それだけで意味のある事だと思うのです。
これが、今回初めてボランティア活動というものを経験させて頂いて、気がついた、学んだ事の一つです。
役に立つ自信がなくても、迷惑だと思われそうで不安でも、実はそんなことはなくて、誰でもお役に立てるように思います。

今日は5時に起床し、子供と一緒に倉敷市真備町に行って来ました。災害復興のボランティア活動に参加させて頂くためです。想像以上の惨状で、被災民家の写真を撮影する事などできません。
岡山大学出身の私にとって、岡山は第二の故郷です。今日の活動が少しでも真備町の復興の役に立つ事を願っています。
現場に入って活動する事で、学ぶ事や気が付く事が沢山ありました。今回、勇気を持ってボランティアに参加して良かったと思っています。
英保歯科ではお客様によくインタビューをさせて頂きます。生まれてから今までどこに住んでいて、どのような歯科医院にかかってきたか。どこでどの治療を受けたか。それについてどのように感じているか。といった内容が含まれます。最初はビックリされますが、私にとっては必修の情報なのです。
昨日は、服装も雰囲気も質素な感じの75歳の常連のお客様にインタビューをしました。旧三田市街の方ですが10年ほど前から英保歯科に予防のために通院されているファミリーステータスの方です。お互いの信頼関係はバッチリできております。

「20年前に、ある歯医者に行ったら、右前歯が駄目になっていると言われて抜歯され、横の健康な歯の神経の抜かれてこんな不細工なブリッジの歯にされた。」とのコメントでした。当時担当した歯科医師はお客様の質素な雰囲気から勝手に「保険の治療が最適だろう」と判断してしまったようです。
手を着ける前に、40分ほど時間を割いて検査と(説明ではなくて)インタビュー(=お客様の声に耳を傾けること)をしていれば、彼が「お金がかかっても良いので神経を取らずに治療を受けたい。お金がかかっても良いので自然で美しい歯にしたい。」というご希望をお持ちであったと汲み上げる事ができたはずです。20年前ならインプラントの技術も確立されておりましたので、もしもこの歯科医師がインプラントができなくても適切な歯科医院を紹介できたはずです。
何を大切と思い、何にお金を使うかはその人価値観によります。服装や車や雰囲気で勝手に推測するのは横暴です。聞いてあげないとわかりません。
また残念な事に、いまだに歯の本当の価値に気がついていない人や歯科医師すらも沢山います。
一日でも早く、一人でも多くの人に、歯の大切さに気がついて頂けるようにと頑張ってせっせとブログを書いております。
わかる?
ゴーン氏が逮捕されて話題になっています。ニュースを聞いた時皆さんはどう思われましたか?
「お金に汚い奴」「悪い奴」「欲な奴」「沢山リストラしたくせに」などなど。色々あると思います。
私は「可哀そうな人」だと思いました。
歯科医師の平均年収は現在の所、公認会計士と同等だそうですが、これからはもっと減少するといわれています。
一方、最近は企業の上層部の人達や時流に乗って起業した人達は「月でも行ける」収入を得る人が出てきています。
つまり、金持ちになるために医学部や歯学部に行く時代はとっくに終わっており、金持ちになるには「京大以上の大学を出て一流企業に入るか起業する」のが良いのでしょう。恐らく。
医者の家庭に生まれた子は親の姿を見て育っていますので、医者がそれほど「楽して儲かる仕事」ではないことを知っています。歯医者の家庭も同様です。ですから「親の後を継ぐ」時には「お金以外のものを大切だと思う」という、それなりの覚悟ができています。歯医者の子供に生まれた私もそうでした。
50億円などといったお金で何が買えるのか知る由もありませんが、お金がたくあさんあって、モノを買っても買っても幸せに辿りつかない人って「可哀そう」だと思いませんか?
私は50億円は持っていませんが、私の事を心から信頼して下さるお客様、私の理念を信じて協力してくれているスタッフ、そそして暖かい家族に囲まれて暮らしています。自分は大金持ちのゴーンさんよりずっと幸せなんだろうと、心から、思います。
ケミカル分野では世界的に有名な、トクヤマソーダという会社があるのですが、その会社の歯科材料部門の上級研究員の小川様がわざわざ三田まで来て下さいました。
先日新潟で開催された接着歯学会での私の質問をお聞きになって、その質問に対して社内で確認の実験を行ってデーターの説明のために訪問して下さったのです。
3年前の他の学会で知り合いになって以来の再会ですが、どういう訳か、毎日毎日会っているような気がするのは、何でだろう?

予防歯科という概念がなかなか伝わらずに、「痛いときだけ歯医者に行く」女性のお客様が数年ぶりにお見えになりました。
81歳になられたそうですが本当にお元気そうで、しっかりと歩かれて、理解力も完璧ですし耳も良く聞こえています。

随分治療がされていて、パッと見はくたびれた感がありますが、81歳なんですよ。優秀なほうです。歯肉も数年間お手入れを受けていないのに、結構きれいな状態です。
ご自身の歯も沢山残っています。24時間いつでもコンビニでおやつ(ジャンクフード)が買えてしまう今の若い世代の人が81歳になった時にこれだけの歯が残っていますかね?
しかしながら、今回の御来院の理由は「歯を積極的に抜いて入れ歯に替えて欲しい。」とのご希望でした。
話を聞くと「体があちこち悪くなって入院した時に、同室の人に自分の口臭で迷惑をかけたくない。母親が入院していた時に隣の人の口臭がひどかった経験があり、今から入れ歯にしておいたら清掃が容易なので良いかと思って。介護をしてくれる若い人に迷惑をかけたくないので、そのようにしたい。」
との事でした。
私:「今の歯があるからそんなにお元気でしっかりされているのですよ。歯を抜いてしまったら本当に寝たきり入院になりますよ。

たった年に3回で良いので、衛生士の先生の予防歯科治療を受けて下さい。今の歯を大切に使っていれば、一生入院なんてなりませんよ。私が保障します!」
彼女:「何だか先生の催眠術にかけられたような感じで、心配していたことが吹っ飛んでしまいました。衛生士の先生のお手入れを受けて自分の歯を使えるまで使って、ピンピンコロリで行きます。」
私:「歯を抜いたら、歯の事での迷惑は若い人にかからないかも知れませんが、副産物として生まれる状況で経済的・人的に余計に迷惑がかかる可能性がありますよ。若い世代の事を思って下さるのでしたら、とにかく自分の歯を大切にして下さい。」
彼女:「良く分かりました。」
持って生まれた自分の歯を大切にする事が、社会的な視点からもどれだけ意味がある事かわかりますね。
今日は末っ子の七五三のお祝いの為に淡路島に行ってきました。絶好のドライブ日和の中、明石海峡大橋を渡って1時間少々で伊弉諾神宮に到着。しっかりと御祈祷をしてもらいました。

今思えば些細なことなのですが、私自身、兄弟3人の中で一人だけ七五三をしてもらった事がなく、子供の頃に「自分だけ何故?」と、とても気にしていた事を覚えているので、我が子には「絶対全員にお祝いを」と想っていました。伊弉諾神宮という最高の神社で、末っ子まで4人の義務を果たせてホッとしています。

帰りには Ikoi Japanese Cuisine でランチを頂いて来ました。

Ikoi 御膳という1800円のランチがインスタ映えするようで、女性に人気です。淡路ビーフの丼などもありますので、皆さんも是非行ってみて下さい。平日でも予約をしておいた方が良いですよ。

勢いのある淡路島にはついにこんな物まで登場しましたよ。淡路ハイウェイオアシスにありますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
兵庫県三田市の歯科医院 予防歯科を主軸に顕微鏡やルーペによる精密治療・MI接着修復・MIインプラント治療を提供 ラバーダムやZOOなどの防湿装置使用率100% i Mix(改良型3Mix法)を開発