また働いたら、ええやん。

「先生、1万円以上合わないんです・・・。」受付が青い顔をして報告にやって来ました。

毎日、終業時にレジの締めをしてもらうのですが、万単位で合わない事は初めてです。私が釣銭のコインを1枚か2枚間違って入れているのが原因で50円とか5円とかの過不足が出る事がまれにあるのですが、1万円以上違っていた事は過去にありません。

私「いいよ。きっと今回も私が用意したつり銭が少なかったんだろう。今日も忙しかったし、もう遅いから終わりにしよう。」
受付「1万円も違うのに、本当にこのまま終わっちゃっても構わないんですか?先生。」
私「いいよ。もしも私が『何~!1万円以上合わないなんて、あまりにも無責任だ。原因をはっきりさせろ!』と怒鳴ったら、代わりに失うものがある。」
受付「・・・。わかりました。」

誰も「別にミスしてもいいや。」て思って仕事をしている人間はいません。特に店の顔であるフロントの仕事は緊張の連続です。上司が吸収できる範囲内の出来事なら、一生懸命やってくれている部下の心を折らないようにしないと、取り返しがつきません。

翌日の事です。
受付「先生、私間違って前日の日計表の画面を見ていました。当日の日計表とはピッタリ合っていました。申し訳ありませんでした。」
私「良かったね。これでスッキリしたね。」

失ってから後悔しても、お金では2度と買えない物って世の中に沢山ありますね。人の心とか、愛とか、歯とか。