関西学院大名誉教授・細川正義 先生は遠藤周作研究の大家です。先日細川正義先生のご講演を拝聴する機会に恵まれ、「深い河」の宗教的見地からの読み方の指導を受ける事ができました。
関学の学生さんはこんなに面白い講義を聴く事ができるんですね。羨ましい限りです。
遠藤作品については、高校の時に「沈黙」を読んで、あまりにも難解で、内容も子供には怖いと感じる所が多く「自分には難し過ぎる」と思ってそれ以降ずっと敬遠していました。
小学生の時、私は小太りで、運動音痴で、友達もほとんどいない、今でいうオタクだったのです。遊び仲間がいないので、毎日毎日、図書館に入りびたりで本ばかり読んでいました。江戸川乱歩が大好きで、大量の本を読んだ記憶があります。
中学校に入って勉強が忙しくなり、本を読む時間が無くなって読書の習慣が無くなってしまいましたが、今回 Kindle で「深い河」を購入して読み始めたら、気が付けば夜中の2時という感じで本の世界に入り込んでしまいました。まるで小学生の頃の自分を思い出した感じでした。やっぱり読書は良いですね。
遠藤周作が自分の棺桶に2冊だけ本を入れて欲しいと言ったそうです。それが「沈黙」と「深い河」です。
私は、高校生の時に比べ今はキリスト教についての知識が格段に付いていますので、「沈黙」も今読んだらまた違った感想を持てると思っています。
細川正義教授の講演会会場に六甲中高出身の医師の友人がいたのですが、遠藤周作やキリスト教について、私とは比べ物にならない程の教養の高さと理解の深さで自分が恥ずかしくなりました。宗教の授業で遠藤作品を読んでいたそうです。凄いね!
我が母校、白陵中高も偏差値では負けていないと思いますが宗教教育はありません。六甲の歴史と宗教に裏打ちされた深淵さがもたらす「目に見えないもの」を大切にする教育には一日の長があると感服しました。