皆さん、神戸はお洒落なイメージで好感度の高い街ですが、その神戸の街に立っていると何となく物悲しい感じがする事がないですか?
私は神戸に行った時、不思議とそのような感覚に陥る事があります。
私の亡くなった父親が生前に一度だけ私にしてくれた話を書きます。以下の話の真偽の程は不明です。
戦時中、神戸大空襲というのがあったそうです。
当時、神戸にある民家のほぼ全てが自分の家の真下に防空壕を掘って空襲に備えていたそうです。そして、ついに大空襲があった時には子供も含む家族全員がそこに隠れたそうです。激しい空襲で直上の木造住宅が次々火災を起こし、ほとんどすべての人が防空壕の中で蒸し焼きになって死亡したのだそうです。
その時、私の父親は神戸三中という所(今の長田高校になるのでしょうか?)の学生でした。
終戦間近で大人の男子が戦死していなかったので、彼を含む学生がその膨大な数の遺体処理に当たったそうです。街中に遺体を放置すれば疫病が蔓延します。ですから、来る日も来る日も腐りかけの遺体をトラックに積み上げる作業と、「ある場所」に掘った巨大な穴にそれらを放り込むという作業をさせたれたそうです。
「何でそんな悲惨な戦争の経験を語り継がないの?声に出して話すべきだよ!」と私が言うと「思い出したくない、一日も早く忘れたい事だから喋りたくないんだ。」と言って下を向いていました。あまりにも残酷過ぎる経験だったでしょう。
何度も言いますが、真偽の程はわからない話です。
戦争という愚かな行為の被害者も、原子力発電所の爆発でかけがえのないものを失った人々も、そして、歯を大切にする知恵を知らずに大失敗して大後悔している人も、自分の苦い経験を周囲の人に本気で伝えたら、同じ過ちを犯す人が減ってくれる可能性があります。
本気で、熱い思いで伝えようとする「一生懸命さ」がきっと人を動かします。私はそう信じて日々頑張っています。