プレジデントオンラインの医療に関する記事の過半数は偏見に満ちて嘘八百なのですが、今回は一読に値する記事が載っていましたので紹介させて下さい。
私はこの和田秀樹先生の意見に7割賛成できます。
ここで、この和田先生の記事より素晴らしい Eye-opener なコメントを抜粋してみます。
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健診の意味は「自分の20年後を予測すること」
私は、健康診断を受ける意味が仮にあるとすれば、それをもとに自分自身の「20年後」の健康状態を予測することだと考えています。
検査でコレステロール値や血圧、血糖値が高いと判断されたのなら、それは動脈硬化のリスクファクター(危険因子)ということになりますが、本当にそれが原因で脳梗塞や心筋梗塞になるのは、だいたいの場合、20年後などかなり先のことだからです。
したがって、もし40代で血圧や血糖値の異常値が出始めたのならば、その検査データを過剰に恐れるのではなく、脳梗塞や心筋梗塞が「20年以内に」起こりかねないという自覚を持ち、そうなる前に脳ドックや心臓ドックを受けるという心構えが大事だということです。
こうした考え方は「20年理論」と呼ばれることがあります。要するに喫煙であれ飲酒であれ、40代のうちはそのリスクが20年後にやってくるという意味で、早い段階から対処をしていきましょう、ということです。
20年といえば医学の研究が大幅な進歩を遂げるには十分な時間です。(中略)20年前の医療に比べれば、現在の医療は明らかに進歩しています。かつては救えなかった患者さんを救えるようになっています。
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如何ですか?素晴らしいですね!
歯科においても、例えばインプラント治療はここ20年で大幅な進歩を遂げ、治療計画も手術のやり方も全く様変わりしています。企業や研究者の努力によって、日々改良が為されているのです。
最近のインプラント治療の一例をご覧頂きました。でも、これから20年後のインプラント治療は更に進歩している事でしょう。(それでも、親がくれた、持って生まれた自分の歯を超える事は永遠に、絶対にありません。)
このように、インプラントの例をひとつ見ても、例えば神経を取ってしまって先の見える歯であっても、その歯の耐用年数を予防歯科治療で延ばして、自分の歯を 5年でも、3年でも、1日でも、3時間でも長く使う事は和田先生の説かれる「20年理論」から考えてもメリットがあります。
つまり、医科の20年理論は歯科にも当てはまると言えます。
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そして、私は、歯科にはもう一種類の20年理論、言ってみれば「予防歯科の20年理論」が存在していると思います。
歯は予防歯科治療を定期的に受ける事によって「明らかに」予防でき、延命でき、長く使う事ができるのです。
ですから、今日あなたが頑張って予防歯科に通う事は、20年後、あなたの歯に起因する苦労(=20年後、歯痛で悩んだり、治療のために歯医者に通ったり、麻酔の注射をされたり、インプラントのお金を用意したり、前歯の見た目が気になって心から笑えなかったり、等々。数え上げたらきりがありません)から逃れるためのささやかな努力と言えるのです。
つまり、2つ目の20年理論は「20年後の自分の人生を変える為に今日の予防歯科を受ける」という、20年理論なのです。
日本は余裕のない社会になりつつあります。これからの人は、バブルの時代の価値観に引きずられる事無く、無駄を省いて(断捨離)賢く生きていく聡明さが必要です。