慢性う蝕という考え方があります。虫歯は虫歯なのですが、茶色ではなく黒くなっていて、ゆっくり、あるいはほとんど進行しない虫歯の事を言います。
予防歯科の考え方が無かった昭和の時代は小学生のほぼ全員が虫歯にしていました。前歯の乳歯などはサホライドという進行止めを塗られて真っ黒になっていました。「ラニングシャツに丸坊主の小学生がニヤッと笑ったら前歯真っ黒」という、例のやつです。ご存知?
また、昔の日本には「お歯黒」という習慣がありました。タンニンを塗布して歯を黒くするというファッションなのですが、歯のガングロだと思って下さい。時代と人によってはこれが美しかったのです。このお歯黒も虫歯の進行を止める効果があります。
黒い慢性う蝕を(茶色い普通のう蝕のように)削って詰めるべきかどうかは、かかりつけの歯科医院が「時間軸で経過を見る」中で判断すべきです。ですから、定期的に予防歯科に通院する中で慎重に判断する必要があるのです。
ややこしく考えずにドンドン削って詰めておいたら(頭を使う必要が無いので)簡単なのですが、歯を長ーく使って頂くためには、よーく考えて、慎重に、慎重に。これが英保歯科スタイルです。