その歯を何歳まで使うつもり?

この写真(下顎の前歯の写真です)を見てどう思ったり、何を考えたりされますか?

どうですか?「歯の先っちょが欠けていて、ベロに当たって痛そう。」といったところでしょうか?


さて、私が自分の患者様に「歯をいたわって使って下さい。」とお話しする事が多いのですが、最初はほぼ全員が方がキョトンとした顔をして『この先生、何を言ってはるんやろ?』という反応を示されます。


40歳のAさん。「下の前歯が欠けたのでなおして欲しい」とのご要望です。

確かにここの部分が「欠けた」というか「壊れた」というか「壊した」というか、そういう状況です。

その他の部分にも目をやると、歯は縦にズバッとヒビが入ってしまっていますし、先っちょの部分はバキバキに破壊されてしまっています。

私:「人生85年として、今までの40年間でこの壊し方。同じような歯の使い方をして、後45年の間も、この前歯は耐えてくれそうですか?死ぬまでこの前歯が存在していますかね?無くなったらどうされるつもりなのか、教えて頂けませんか?」

Aさん:「・・・・。考えた事も無かった・・・、です。」

私:「人間は包丁やナイフと言った便利な道具を持っています。それらを上手に使って自分の歯を85年間使えるように工夫された方が賢明ですよ。」

Aさん:「解りました。これってヤバいですよね?」

私:「これから、歯をいたわって使うようにされたら大丈夫ですよ。」

もう一度この写真を見て下さい。今なら「歯の先っちょが欠けていて、ベロに当たって痛そう。」とは違った感想を持って頂けると思います。

「どうやったら85年間、死ぬまで自分の歯を使える?よく考えて、いたわって、大切にしよう。」

と思って頂ければ良いのですが。