日曜日の学会では経験豊富な60歳代の大学教授数名が、自分の臨床を振り返って反省する事などについて話して下さいました。
先生方は一様に、治療の内容など技術的な事よりむしろ、患者様に対して気持ちの配慮が足らなかったことで起こった事柄が強く心に残っておられるようでした。
東京歯科大学のある教授が「メスで(体に)つけた傷は目に見えるが、言葉で(心に)つけた傷は目に見えない。良く覚えておきなさい。」と講演の中でおっしゃった事が非常に印象的でした。
世の中の「先生」と呼ばれる職業は特にこれを肝に銘じておかばならないと思います。
会社勤めのビジネスパーソンや専業主婦、高校生や中学生はどうでしょう?「先生」に比較すると、発言に対する社会的責任を問われる事は少ないと思いますが、ラインなどでの「死ね」といった言葉などのように、何気ない言葉が想像を絶するほど他人を傷つける事もありますね。
娘の学校では先生が「沈黙」の大切さを事あるたびに説くそうです。
私も何かを発言する前に、しっかり頭を使って言葉を選び「言葉のメス」を振り回さないように自分を戒めたいと思います。また、「沈黙の美しさ」も身につけたいと思います。