歯肉縁下歯石の恐怖

今回は手術の写真が出ます。閲覧注意でお願いします。


1本だけ前に飛び出している前歯の歯肉が腫れて痛いとのこと。
ここに膿が溜まっています。痛そうです・・・。

こちらの方は若い頃に定期的に歯医者に行ってメインテナンスを受ける習慣が無かったので、歯肉の深いところまで歯石が入り込んで固着してしまっているのです。それを「歯肉縁下歯石」と呼びます。今回の腫れはこの「歯肉縁下歯石」が原因です。
歯周病がここまで酷くなると、歯肉を切り開く手術をして「歯肉縁下歯石」を取るか、歯を抜いてしまうかの2択になります。

こちらの方は手術をして歯を残して欲しいというご希望でした。

まずは下準備として矯正治療を行い、歯の連続性を確保します。隣り合った歯が全てスクラムを組んで、お互いに支え合えるようにします。
依然として同じ場所から膿が出ています。

いよいよ手術です。

膿が出ている歯の歯肉を切開しました。
こんなに深いところに大量の歯石が固着しています。切開して明示して除去するか、諦めて歯を抜いてしまう以外に方法が無い事をご理解頂けたと思います。。
根面を傷めないように、細心の注意を払ってジェントルに歯石を完全に取り除きました。これで一安心。
リグロスという、歯周組織を再生させるお薬を塗布してから歯肉を戻して縫合します。

いかがですか?「もう3年位歯医者に行ってないわ。」「けっこう歯石が溜まってきたからそろそろ歯医者に行かなアカンわ。」という発想の恐ろしさが解って頂けますか?

あなたも是非、4か月毎、年3回のメインテナンスにお越し下さい。歯科衛生士による先手先手の歯石除去を受ける事は、一生という長い目で見た時にはあなたに多大なる時間的・経済的・精神的・肉体的メリットをもたらしてくれます。