33歳で英保歯科を開業して間もない頃、高校生の女性が「治療しても外れたりするのは歯医者が下手なせいだ。今日やってもらった(保険の銀歯の)治療は一生持つんでしょうね!?」と聞いてこられた事があります。
「いやー、一生は持たないと思いますよ。(人工物をセメントで歯に留めているだけだから。)」と答えると、物凄い形相で私を睨みつけて帰って行かれました。そして二度と現れなかった。彼女は「やってもらった治療が一生壊れない」ような、理想の歯医者さんに出会えたかな?
失ってしまってから、その存在の大切さに気が付いて後悔し始めた人の行動にはふたパターンあると思います。諦める人と、何とか取り戻そうとする人と。人間の歯は食べる事に必ず使います。前歯が無いと心から大口を開けて笑う事もしなくなります。(文化的な生活シーンでは無意識に隠そうとする気持ちが常に働く。)
つまり、歯は生きていく上で「必須」なので、諦める=死を近づける 事になります。ですから、多くの本数の歯を失ってから気が付いて、何とか取り戻そうと必死になる方が非常に多いです。残念ながら元々の歯は絶対に取り戻せないんですけどね。
先の高校生の夢を簡単に叶える方法があります。幼少期から虫歯と歯周病を完璧に予防して悪くしなければ治療を受けなくて良いので、一生壊れないのです。
大切なものを失ってから後悔しない方法があります。かけがえのないものである事を早く悟って、努力して失わないようにするのです。パートナーがまさにそうですね。
持って生まれた歯の価値に一日も早く気が付く事が大切です。あなたのそばにいてくれる人の大切さに気が付く事もまた、大切です。