日本人が日本で虫歯にする怖さ

毎日、日本人の口の中を診ていて思う事。

英保歯科のファミリーで、予防に努めておられる方でも人間ですから、無垢の歯をついに虫歯にしてしまう事はあります。人間は弱い物ですからそんなのは当然で、そのような場合には時間をかけて一生懸命修理をさせて頂きます。これらに関しては何の問題も無いのですが・・・。

その一方で、私が治療計画に苦慮したり、実際の治療で困難を極めたり、治療費の見積もりが高額になったり、時にはお客様のご期待に応えられずにお断りしたりする事があるのですが、これらには一貫して共通した要素があります。

それは「他の歯科医師が保険で治療した歯」であり、それを「まともな治療方法でやり直し」を「試みようとしている」という事なのです。

例えばたった1本の「神経が取ってある保険の銀歯の虫歯の再発」をまともに再治療するためだけに、気の遠くなるような期間をかけて、応分の自由診療の費用も負担して頂いて、顕微鏡を使った再根管治療、限局矯正、軟組織の手術などを行う事が多々あります。

日本人の98%は予防治療を受けず、痛くなった時だけ(外見がきれいな)見ず知らずの歯医者に行って、当然のように保険の治療を受けます。私がこうやってブログを書いているこの瞬間にも、そのような事が日本中で行われているのです。少数の志の高い歯科医師がいくら頑張っても後始末ができる状況ではないのです。

日本人が日本の保険医療制度の下で虫歯にする事の「リスク」が理解できますか?これは他の病気の治療にも言える事かも知れません。

日本中どこのレストランに行ってもカップラーメンしか出てこないとしたら?そのうち体を壊しますよね。日本の保険医療はそのように例えても良いと思います。

虫歯や歯周病の予防は簡単です。歯を大切にすれば良いだけです。予防さえすれば保険の治療すら受ける必要がありません。カップラーメンを食べなくても済むのです。