幼少の頃から母親に「我慢ができる人間になっておきさえすれば、大人になっても困らない。」と言われ続けて、欲しい玩具やお菓子などは一切買ってもらった事がありませんでした。
「英保先生、またまた大袈裟に言って!」と思われるかも知れませんが、本当なんですよ。
百貨店におもちゃ売り場というのがあって、行く度にその階に見学に連れて行かれたのですが、「これ買って」と言っても絶対に「我慢しなさい」だったので4歳の頃には「この人達(両親)にはお願いしても無駄だな」と悟り、もう言わなくなったのを覚えています。
5歳の頃、あるお菓子が近所の駄菓子屋に売っていて、それがどうしても欲しくて欲しくて何回も「買って」とお願いしたのですが当然「ダメ」でした。ある日の昼間、母親が寝そべっている時にお願いしてみたらなぜか「うーん」と言ったので、奇跡的に許してもらえたと思い大喜びして、お財布から1000円札を取って買って来た事があります。帰ってからこっぴどく叱られましたね。「昼寝をしている時に聞くなんてお前は卑怯な人間や!」と言われたのを強く覚えています。そんな気はなかっただけに「お前は卑怯」と言われた事が今でも強烈に記憶に残っています。
小学校を卒業し、高砂にある「軍隊式教育(←教育?)」を売りにしていた中高一貫校の寮に入れられた私は、卒業して解放されるまでず~っと我慢我慢の人生を強いられてきました。
弁護すると、私の母親は子供の頃に戦争を経験しているので、そのような価値観になるのも仕方がなかったのではと思います。戦争が子供の躾にまで影響すると思うと、戦争ってやっぱり怖いね。
まあ、世の母親の常で、歳の離れた末っ子には何でもOKになっていましたけどね(笑)。
さて、こういった躾と教育(?)を受けて来て、良かった点と悪かった点があります。
良かった点:確かにかなり我慢ができる!これは私の人生に於いて、強力な武器となっている。
悪かった点:自分が本当にやりたい事がわからなくなってしまう。我慢できない人ならとっくに投げ出したり逃げ出したりする状況でも、我慢できちゃうので我慢しちゃう。
まあ、今回のような有事には本当に役に立つ「我慢」ですが、自らの経験を踏まえて、我が子には異なったアプローチをしています。
例えば小さい頃は「明日も明後日もどうしても欲しいと思うなら買ってあげるけど、今日は我慢してみたら?」などと問いかけて自発的に我慢させるように指導しています。
高校を卒業した頃からは「あなたの人生はあなたのものだから、何でも好きなようにしたらいい。」とだけ言っています。もう大人だからね。
我慢は大切。だけど自分に正直になれるのも大切。
皆さんは子供の躾、どうされていますか?