少しは役に立ったかな、と。

被災家屋の撤去費用だけは国が全額負担してくれるのですが、順番が回ってくるまでに2年もかかるそうで、早めに自分で業者に頼もうとすると、一旦自己資金を用意して立替払いをしないといけないそうです。また、庭の石や植栽の撤去は自己負担になるそうです。
無事更地にできたとしても、そこに家を新築をしようとするとその費用は全額自己負担になります。

2年前に頑張ってローンを組んでマイホームを購入した若い夫婦や、30歳代の頃に購入した普通の庭付き一戸建てで無事子育てが終わって、その後質素に暮らしていた70歳代の夫婦が被災した事を想像してみて下さい。

氾濫した河川から無情に流れて込んできた泥水で、目も当てられないほど壊れて、ドロドロに汚くなってしまった我が家でも、経済的理由や自分の年齢など、様々な要因で清掃して修理して暮らしていくしかない人達がたくさん、たくさんおられるのです。

私達は今回、床下の「泥かき」という作業と柱などの木材にこびりついた泥を雑巾で取り除く作業を黙々と行ったのですが、やってもやっても元の美しい状態になるはずもなく、無力感すら感じました。
それでも、1日頑張れば「見違えるように」からは程遠いですが、結構きれいになりました。

何より、被災された方々の所に行けば「私は一人ぼっちではないんだ。手伝いに、助けに来てくれる人がいるんだ。」と少しは安心して頂けると思うのです。私達が掃除して、たとえ建物が元のようにピカピカに奇麗にならなくても、そう思って頂けるとしたら、それだけで意味のある事だと思うのです。

これが、今回初めてボランティア活動というものを経験させて頂いて、気がついた、学んだ事の一つです。

役に立つ自信がなくても、迷惑だと思われそうで不安でも、実はそんなことはなくて、誰でもお役に立てるように思います。