中学生の患者さんと、お母さんに質問しました。

昔からずっと英保歯科に通院して下さっている家族の話です。
本当は4か月おきに衛生士さんの治療(予防歯科)を受けて頂きたいのですが、中学生になった子供さんは、いつも痛みがある時だけ来てくれる感じです。今回は12歳臼歯が生える時に歯ぐきを破って出てくるので痛みがあったようです。
幸い今回は新しい虫歯は無かったのですが、小さな頃から、来院のたびに衛生士が、何回も、何回も、何回もブラッシングの指導をしているにも関わらず、今回もほとんどまともに歯ブラシしていません。歯垢だらけで情けないくらいです。
何とか歯ブラシをして欲しいので、意地悪な質問をしてモチベーションを高める事にしました。
その子に「それじゃ、クイズ出すね。歯1本の価値っておいくら、何円くらいやと思う?」
お母さんにも「お母さんは、歯は1本何円の価値があると思われますか?」と聞いてみました。
「えーわからない。」がほとんどの方の最初の返事です。今回もそうでした。そんな事考えた事もないんでしょうね。
私「自分で思う値段を言ったらいいんですよ。いくら?」
子供「1本1万円くらい。」
お母さん「もっと。1本10万円くらい。」
私「なるほど。では君に14万円あげるから、上顎の歯14本をぜーんぶ抜かしてくれる?お母さんには140万円あげるから上顎の歯をぜーんぶ抜かしてくれる?」
子供「えー絶対いや。」
母親「嫌です。」
私「だって1本1万円って言ったじゃない。お母さんは1本10万円って言ったじゃないですか。」
それから色々な話をしていくと、二人の顔が真剣になっていきます。(さてさて、いじめるのはこの位にしとかないと嫌われちゃうからね・・・。)

私から子供に「先生のお話、解ったね。じゃあ今は、歯の値段はいくらだと思う?」
子供「1本100万円以上!」

皆さんは私がいくらあげたら上顎の歯をぜーんぶ抜かしてくれますか?それを14(本)で割った数字が、あなたの歯1本の価値観です。
私は1億円もらっても抜かれるのは嫌ですね。「歯は値段なんかつけられない位、かけがえの無い物」です。私にとっては。

この後、彼に岡山大学方式を改良した歯ブラシの仕方を実際にやってみて説明しました。きっと今度は、少しはまじめに歯磨きをして来てくれる・・・かな?