昨日、88歳になる女性からLINE で連絡が入り夕方にお見えになりました。LINE でのテキパキとしたやり取りに「○○さん、LINE ができるなんて凄いじゃないですか!」と言うと、「36歳になる孫がひ孫を二人連れて神戸から三田にコロナ疎開して来ていて、その孫が代わりにやってくれたんです。」との事。「賑やかで楽しそうですね。独居老人の孤独死などが社会問題になっていますが、別世界ですね。」と言うと、嬉しそうに微笑んでおられました。
その方が「英保先生がこの街に来て下さったので、定期的に予防を受ける習慣がつきました。お陰様で私は歯で苦労していません。本当に有難い事だと思っています。」と言って下さいました。
その直前に、他の若い女性のお客様とお話した時にも「この辺の方は英保先生が近所で開業してくれていてラッキーですよね!」と言って下さいました。
むしろお礼を言いたいのは私の方なんです。
日本のほとんどの歯医者は日本特有の歯科事情(予防に興味の無い国民と異常な歯科保険診療システム)に、歯学部を卒業したばかりの時の夢も希望も打ち砕かれて、来る日も来る日もまるでドブさらいの奴隷のような仕事ばかりさせられています。何年もそれを続けていると、「本当はプロとしてまっとうな仕事をして、正当に評価されたい」と思う事すら、すっかり忘れ去ってしまいます。
そんな日本で、私の理想(=わがまま)の塊のようなスタイルの歯科医院が存続できているのは、この地域の皆さんの、まさに「聡明さと優しさ」に尽きるのです。
「ここで歯医者をしていなかったら、今頃歯医者をやめているかも。」と思う事がよくあります。こんなわがままな歯医者を受け入れて頂いて本当に有難い事だと、地域の皆様に心から感謝しております。