特に高校生や、若い女性など、素直だったり信じやすかったりする人達が気の毒になる事があります。
歯科関係の情報をインターネット経由でたくさん収集して、まるで自分が歯の事を何でも知っているような錯覚に陥っているのです。
例えば、奥歯の咬み合わせの溝の色が黒っぽく変わっているだけで、虫歯だと「確定的に」決めつけて、しかもアポイントを早く取りたいために「痛い」「しみる」と、悪い言葉で言えば「ウソ」をつく人がおられます。
そこを削って詰め物をする事がベストであると、来院前に既に決めつけてしまっているのです。インターネットで手に入れた情報(本当は大部分は??な情報なのですが)を背景に自信満々です。
気の毒なのは、そういった方がスマホに操られたり、だまされたりしているとは思っていない事です。「自分が能動的に正しい情報だけを入手している。」と確信されています。あるいは真偽の程を考えた事もないのかも知れません。
私は、大学で6年間、大学院で4年間、計10年も歯科の勉強をして、それから更に何十年も、毎日毎日患者さんのお口の中を診ています。もっともっと奥が深く、深遠な判断をしています。
ここで説明し尽くす事はできませんが、こういう患者さんに私の考えを説明するのは、少し大変です。