厚生労働省のエライ人達は、最近は歯科の往診に興味が湧いているようです。「今ではコンビニよりたくさん歯科医院ができて、歯医者が余っている。歯科医師国家試験を難しくして歯医者の数を減らそうとしているが、まだまだ余っている。 私達は頭いいので、現場なんか行かなくても何でもわかるぞ!そのエライ私達が統計のグラフを見ると、国民の虫歯の数は激減しているので、もう普通の外来で歯医者にさせる事は無くなってきたようだ。大成功だ。国民の歯の健康は俺様達のお陰だ。
それから、聞いた話によると、在宅の寝たきりの方などの歯の治療をすると、ちゃんと食事ができるようになって、元気を取り戻すので、医科の医療費が抑制できる!らしい。暇を持て余している歯医者を往診に行かせよう。やっぱり俺達って頭がいい!」という素晴らしいアイデアを思いつかれたようです。
でも、医療費抑制が大前提ですから、歯科医療費の総額を増やす気はさらさら無いので、普通の外来の歯科医療費を削って往診をする歯医者に報酬(お金)を大目に払いますよと、お役人様がお決めになりました。最近の出来事です。
具体的には、全く往診に行かない歯医者は普段の診療の報酬も低くしますよ。という事に決まったのです。
困っておられる患者さんのために往診・訪問診療する事はとても良い事だと思います。問題なのは、お金だけがモチベーションになって動いている人が少なからずいる事と、今回も治療中心の後手の政策という過ちを犯している点です。
訪問診療をまじめにやっておられる歯科医師や衛生士をたくさん存じ上げております。献身的で本当に立派で頭が下がります。本当に頭が下がります。
でも最近、往診をしたい歯医者や衛生士が妙に増えてきました。往診専門という歯医者や衛生士も増えています。これらの先生や衛生士が全員、倫理的にしっかりした考えを持って、まともに治療してくれていると信じたいものです。
それから、確かに平均すると虫歯の数は減っていますが、グラフに現れているのは、例えば三田の子供と、尼崎や大阪の子供の平均値なのです。まともな食事ではなくジャンクフードばかりで歯がボロボロになっている、悲惨な状況の恵まれない子供がまだまだいるのですよ。2極分化の平均値だけを見ていると何も読めませんね。分布も見ないとね。
今すぐに予防歯科にしっかりと予算配分をしても、20年後にやっと結果がでます。まだ全く始まってもいませんが。今回も大切なのは予防ではなく往診だそうです・・・。まだ予防ではなく治療主体で行くようです・・・。
予防歯科にしっかりと予算配分をして20年間我慢して結果を待つ事が必要です。
本気でまともな事をしようとするなら、日本の歯科医師の数は余っているどころか、足らないほどですよ。余っているなら何でこんなに歯で悩んでいる人が多い訳?
お役人様も、少しは現場の人間の話に耳を傾けて欲しいものです。