最近保険で白いかぶせができる事になって、マスコミで紹介されています。
保険適用拡大で金属から「白い歯」への置き換え進む
皆さんはこれを使って欲しいと思いますか?答えは「YES!」ですよね。
利点
①安い(保険がきく)
②金属アレルギーの心配がない
③見た目が良い
欠点
①歯を削る量がとんでもなく多い(CAD/CAMと言っても保険のかぶせはしょせんプラスチック。それが割れない強度を出すために、ぶ厚くしなければならないので、金属やジルコニアに比較して、恐ろしい程歯を削らなければならない。)
②接着が困難で外れたり割れたりしやすい。(このクラウンを完全に接着する方法がまだ確立されていません。2年持たない感じです。)
③すり減りやすく、かみ合わせの正しい高さを維持できない可能性がある(その前に、外れるか、割れるか、すごく削ってしまった歯がだめになるかですが。)
30年くらい前に厚生省がニッケルでできたクラウンを保険導入したことがありますが、とんでもなく硬い材質で、あっという間にかぶせた歯自体がだめになってしまうひどい物でした。今ではそのニッケルのクラウンが入った歯を見る事ができません。(抜けて無くなっているので。)
保険制度は
①工業界のロビー活動による経済的、政治的思惑。
②厚生労働省が単に医療費を削減したかったり、過去に自分たちが認めた日本独自の治療法(例えばパラジウムのかぶせ)を人知れず葬り去りたい時
などにより迅速に変化します。
「現場の歯科医師の意見を聞いてくれるのでは?」←ご想像にお任せします。ヒント:あなたの会社と一緒です。
パラジウムという金属に対するアレルギーが日本人に異常に多い原因は?誰が認可した治療方法?わかりますか?
この保険の白いかぶせが20年後も安定して使われているか、ニッケルのクラウンのような運命をたどるのか。どちらでしょうね。
少なくとも現時点の技術レベルでは危険な代物ですね。かけがえの無い歯を削りまくるという時点で、私は自分の患者さんには使いません。もっと削る量が少なくなったら使うかも知れませんが。
これを積極的に勧めてくる歯科医院があったら、担当の歯科医師に「先生ご自身の歯にこのクラウンを入れますか?」と聞いてみて下さい。